診察室便り

 日常診療で感じた事、最近の話題、など、医療だけでなく、いろいろな話題にふれたいと思います。
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2017年9月30日(土)
インフルエンザワクチン不足?

 この頃、朝が冷え込んできました。一昨晩は寒くて夜中に目が覚めました。9月まではまだ夏の続きのような気がしますが、10月と聞くと一気に秋になった感じがします。

 あまり政治には関心がないほうですが、衆議院の解散で10月22日に選挙が行われることになりました。小池東京都知事が率いる希望の党が話題を呼んでいます。ここ数日選挙の話といえば、こればかりですね。

 ふつう選挙といえば、「私が当選した暁には~」てな具合に自分の政策をみんなに聞いてもらうもんですが、今のところどこの政党も具体的な政策らしきものが見えてこないようです。10月10日公示だそうですので、それからでしょうね。

 さて、毎年のことですが、今年もまたインフルエンザワクチンの季節がやってきました。今年はワクチンが不足しそうなんて話が聞かれます。実はワクチンが足りなくなるかもしれないというのは、夏にはすでに分かっていました。

 毎年、春にその年のインフルンザワクチンの製造がはじまりますが、今年は最初予定したワクチン株でうまく作れなかったので、株を変更して作りなおしたのだそうです。また、熊本地震の影響でワクチン製造に支障をきたしたことも原因のようです。その結果、今年は例年の80~85%くらいの製造量のようです。

 インフルエンザワクチンは概ね前年使用した分と同じくらいの量が各医療機関に出荷されます。今のところ昨年と同じくらいの量を確保できそうですが、今後どうなるか?少し不安ではあります。

 ネットを見ると、岩手県内の医療機関ではありませんが、予約制限?とか、かかりつけの子にしか接種しないとか?ホントかね?と思うような記事を目にします。毎年、当院にはあちこちで接種を断られた(理由は不明)お子さんたちが大勢いらっしゃいますが、お断りせず全員接種しています。今年もそうしようと思っていますが、ほんとに不足したらどうしよう。頭が痛いです。

 10月20日より、盛岡市、紫波町、矢巾町、滝沢市の補助が始まりますので、この日から接種開始しようと思っています。10月初旬には院内掲示やホームページでお知らせします。

 今年も9月15日山車大絵巻パレードを観てきました。これが終わるといよいよ秋です。


     
 三番組 羅生門    南大通二丁目町内会 義経八艘飛び
     
 の組 碇知盛    み組 毛剃九右衛門


2017年9月14日(木)
もう、インフルエンザ?

 日増しに朝夕涼しくなってきました。秋を感じる今日この頃です。

 例年この時期には食中毒がよく発生しますが、群馬県の総菜店の食品を食べた3才の女の子が、O-157に感染して死亡したというニュースがありました。痛ましいことです。ご冥福をお祈りします。

 女の子は、タケノコやエビの炒め物など4種類の加熱食品を食べたそうですが、保健所の調査ではO-157は検出されていないそうです。

 この総菜店では、大皿に盛られた総菜を好きなだけ取る「量り売り」をしており大皿にはふたはなく、取り分けるトングも使い回せる状態だったそうです。何となく不衛生と感じます。従業員や調理場の設備などから、O-157は検出されていなかったようですので、販売の段階で、2次感染が起きた可能性があります。

 ところで、これまでに同じ遺伝子型のO-157が、群馬県や埼玉県以外にも、東京、神奈川など首都圏や、長野、新潟、滋賀、香川など、全国11の都県で検出されています。となると、ある一定の感染ルートが推測されます。一刻も早い感染ルートの解明が待たれます。

 当院でも先々週O-157の患者さんを2名診ました。下痢、血便、発熱と症状がそろえばO-157のような感染性(細菌性)胃腸炎を疑いますが、最初は症状に乏しいこともあり、初期診断が難しいこともあります。食中毒は予防が大切です。菌を、「付けない」「増やさない」「死滅させる」ことが3大原則です。

 今日、今年始めてインフルエンザの患者さんをみました。1才のお子さんでした。見た目は元気であまりインフルエンザという感じはしませんでしたが、家族の半分がインフルエンザに罹っているとのこと。調べたらなんとインフルエンザA型でした。あ~、驚いた。

 家族で最初に感染した(と思われる)人はコンビニ勤務していたようなので、不特定多数の人との接触があったのでしょうね。これが今年の始まり?とは思えませんが、チョット調べてみたら、全国的にも早いペースでインフルエンザが見られているようです。佐賀県佐賀市の高校、神奈川県川崎市の小学校、宮城県仙台市の小学校では、今週初めにもう学級閉鎖が行われています。

 真夏からRSが流行ったり、今シーズンは冬の感染症の流行は早いのかもしれません。

2017年8月25日(金)
今年の夏かぜ

 今日は台風一過のような好天です。久々に自転車で通勤しました。途中、明治橋から北上川を見ましたが、川は増水して濁流となっています。こんなに増水した北上川は見たことがないです。小さなお子さんは川辺に近寄らないようにしましょう。

     
 増水した北上川
まるで海ですね。
   いつもの北上川

 お盆前に痛めたギックリ腰もよくなり、診療に励んでおりますが、今年の夏は例年よりも夏カゼが流行っています。夏カゼと一口に言ってもいろいろあります。同じ疾患でもその年によって微妙な違いがあります。日常診ている今年の夏カゼの特徴を少しまとめてみました。

 まず、殆どの場合“喉が赤い”です。初日はこれで夏カゼと診断し、「経過をみましょう」となります。ここからいろいろあります。

1.手・足・口病:まずは、今夏大流行の手足口病です。通常は手のひら、足の裏に発疹が出現するのですが、今年の手足口病は、肘、膝、臀部に少し大きめの発疹~水疱が見られます。
 喉の発疹は発熱と同時に見られる場合が多いです。肘、膝、臀部の発疹は、発熱した時点で少し出現していることもありますが、発熱が1~2日続いて解熱する頃から、ゾロゾロと出現することが多いです。突発性発疹みたいですね。

2.ヘルパンギーナ:発熱は2日くらいで解熱しますが、その頃から喉の奥に大きな口内炎が出来てきます。喉の痛みが強くなり、食事が取れなくなることもありますが、そんなにひどくはなりません。

アデノウイルス感染症(咽頭結膜熱):喉の赤みはこれが一番です。ジュクジュクして白苔(汚れの塊)がみられます。溶連菌とよく似ていますが溶連菌よりもさらにジュクジュクしています。発熱と喉の痛みが特徴ですが、発熱は1週間くらい続くこともあり、手足口病やヘルパンギーナよりもキツイです。

4.RSウイルス感染症:上記1.~3.のように喉が赤くなることはあまりありません。RSは一般的な夏カゼではないです。
 本来は秋~冬に流行する疾患ですが、今年はなぜか夏に大流行しています。一説には季節外れの流行ではなく、流行が早まっただけともいわれています。
 RSは年令によって症状が異なります。赤ちゃんでは細気管支炎と言って喘息のような激しい喘鳴が見られ呼吸困難に陥ります。6ヶ月未満の赤ちゃんでは入院することが多いです。1才過ぎくらいから喘鳴はあまり強くなくなりますが、激しい咳と頑固な発熱が続くようになります。健康な年長児ですと普通のカゼ症状くらいですみます。赤ちゃんにとっては怖~いRSです。

 ざっと、現在流行中の今年の夏カゼの特徴を並べてみました。1.~3.の夏カゼは殆ど軽症ですむことが多いですが、ときどき重症化しますので、ドンドン悪くなっていくような時は早めに再受診しましょう。また、大人が罹るとけっこう症状がキツイです。お子さんの食べ残しを食べたりしないように、また、食器やタオルは共用しないようにしましょう

2017年8月13日(日)
お盆休み

 暑い日が続きますが、朝晩はそんなに暑くないので、例年の夏よりは少し過ごしやすいです。この分だと秋は早いのかもしれませんね。

 気象のことはよくわかりませんが、暑い季節は暑く、寒い季節は寒い方が何となく自然に思えます。今年の夏はRSウイルスが大流行していますが、こういう気象の変化とも関係あるかもしれません。

 今日からお盆です。もう帰省ラッシュが始まったようで、明日がピークとのこと。お盆前に帰省してきた患者さん達を診ましたが、もうすでに帰路についたお子さんもいます。
 RS、手・足・口病、アデノ、ヘルパンギーナ等々、今年の夏は夏かぜ大流行です。みんな元気になって帰ったかな?

 毎年、お盆にはクリニックの残務整理をしています。たくさん不要ゴミが出てきますのでけっこう力仕事も多いです。なのに、なんと昨日ギックリ腰になってしまいました。別に重いものを持ち上げたわけではないのですが、チョット姿勢が悪かったんでしょうね。

 湿布してコルセット巻いて、出来るだけ安静にしていますが、これでは力仕事は無理!残務整理は持ち越しになっちゃいました。今日は痛みはだいぶ和らいできましたが、今年のお盆休みはホントに休みだけになりそうです。小児科は秋から冬にかけて猛烈に忙しくなりますので、お盆休みはしっかり休んで繁忙期に備えなさいと言うことでしょうね。

2017年7月20日(木)
塩中毒

 今週の月曜日は休日当番日でした。最近特に流行り病も無く、閑な当番日かと思っていましたが、先週末から少しずつ患者さんが増えてきたせいか、けっこう忙しかったですね。恒例の夏カゼも、手・足・口病アデノウイルス感染症などよく見られます。

 手・足・口病は、その年によって特徴があります。通常の手・足・口病の発疹は手のひらや足の裏に小さな水疱を形成します。発熱もあまり見られませんが、今年の手・足・口病は、肘や膝にチョットふくれた感じの発疹が見られます。発熱もよく見られます。発熱が1~2日続いて解熱する頃に発疹が目立ってくるというパターンが多いです。

 数年前にもこういうタイプが流行しましたが、肘や膝に多くの発疹が見られると1ヶ月くらい経過してから、爪がはがれたりすることもあります。大体はきれいに治りますが、びっくりしますね。

 手・足・口病は、多くの場合軽症ですが、時として重症な場合もありますので、発熱が長引くようなときは早めに受診しましょう。

 もう一つ、今流行中の病気があります。普通は秋~冬にかけて流行するRSウイルス感染症が、なぜかこの暑い夏に流行っています。RSウイルスは年長児や大人が罹ってもカゼ程度の症状ですみますが、赤ちゃん(特に、6ヶ月未満)が罹ると細気管支炎というとても重症な気管支炎になり、入院することも多いです。

 ゼーゼー、ヒューヒューという苦しい呼吸器症状が主症状ですが、発熱もけっこう続きます。保育園の赤ちゃんクラスではあっという間に流行してしまいます。赤ちゃんの呼吸がチョットおかしいなと思ったら早めに受診しましょう。

 2015年8月、盛岡市内の認可外保育施設で当時1才のお子さんが大量の塩分摂取による塩中毒の症状で亡くなったというニュースを耳にしました。預かっていた元経営者は、傷害致死の疑いで逮捕されました。小さいお子さんを預けているご両親にはとても怖いニュースです。いったい何があったのでしょうか?

 容疑者の元経営者は「液体に食塩を溶かして飲ませたが、死ぬとは思わなかった」と供述しています。脱水症状でもあって飲ませたのでしょうか?それにしても中毒に至る量の食塩水を1才の子が飲めるわけがありません。途中で吐き出してしまいます。

 一体どのくらいの食塩を摂取したのでしょうか? 日本中毒情報センターによると、食塩(塩化ナトリウム)の推定致死量は0.5~5g/kgとされています。1才児ですと、体重約10kgくらいですので5~50gくらいの食塩量です。ちなみに1日に必要な食塩量は成人男性で8g未満、女性で7g未満とされています。未満とあるのは、ただでさえ日本人は食塩を取り過ぎる傾向があるので、少し厳しい表現になっています。この値を参考にすると、1才児では大体1日あたり1.5gくらいが必要な食塩量になります。5gでも致死量になるなら、通常の食事の3~4倍の食塩量でも危険という事になります。

 食塩を取り過ぎるとNA(ナトリウム)が増えます。体内のNA量は腎臓で調整されますが、乳幼児では腎臓の働きが未熟であるため、一度に大量のNAが体内に入ってくると上手く処理することが出来ません。NAが過剰な状態を高NA血症といいます。

 NAは細胞内から細胞外へ水分を運びますので、高NA血症では細胞が脱水状態になります。この現象は特に神経細胞で顕著にみられ、脳が萎縮したり、血管が障害を受けます。その結果、傾眠、けいれん、昏睡のような神経症状が見られるようになります。

 首や背中など全身に塩の結晶がつき、ベビー服も塩でかたくなっていたということですから、相当な量の食塩が体内に貯留していたものと思われます。本当にお気の毒です。亡くなられたお子さんのご冥福をお祈りします。

 このお子さんは2015年8月17日午前10時半ごろから18日午前0時5分頃までの間、保育施設に預けられていたようですが、もう少し早く帰宅できていれば、この様なことにはならなかったかもしれません。悔やんでも悔やみきれない事件です。

2017年7月6日(木)
劇症型溶連菌感染症

 6月28日、プロ野球西武ライオンズの森慎二投手コーチが劇症型溶連菌感染症(以後、劇症型)で亡くなったというショッキングな報道がありました。
 普通、溶連菌といえば、発熱や喉の痛みが主な症状の「喉のカゼ」というイメージしかありませんが、時として、とんでもない重症型があり、それが劇症型です。

 劇症型は、1987年にアメリカで発見されました。日本における最初の感染は1992年です。それ以降、日本では毎年100~200件の劇症型が確認されています。2015年には434名、2016年は11月20日現在の患者数が442名と、過去最多の患者数を更新しました。小児例はこれまで約 50 例(1999~2010年)が報告されています。

 劇症型は、体力がない人とか免疫力が弱い人とかが罹りやすいわけではなく、子どもから大人まで誰でも罹ります。特に30歳以上の大人に多いのが特徴の一つです。

 最初に見られる症状は、発熱や喉の痛みとか、手足の痛みや腫れなどで、ふつうのカゼとよく似ています。そのため早期発見が難しい病気です。
 
 劇症型では通常は細菌が存在しない組織(血液、筋肉、肺など)に菌が侵入し、症状が進行すると、高熱が続き、傷口の痛みが強まり、重症化してきます。

 さらに菌が全身に回り(敗血症)、ショック症状や 肝不全、腎不全のような全身の臓器が働かなくなってしまう状態(多臓器不全)になります。また、筋膜や脂肪の組織が破壊されて、手や足の切除が必要になることもあるため、劇症型は、「人食いバクテリア」とも呼ばれています。

 これらの症状は数時間~数日の間に急激かつ劇的に進みます。死亡率が約30%というきわめて重症な感染症です。

 ところで、溶連菌自体はありふれた菌で、健康な人の体内にも存在しています(健康保菌者)。また、溶連菌に感染しても症状が起こらない場合もあります(不顕性感染)。この様に症状はないけど、喉に溶連菌が存在している小学生は10%もいると言われています

 劇症型を来す溶連菌とカゼ症状ですむ溶連菌との違いはよく分かっていま せんが、菌の進化の過程で、遺伝子の変異がおこり劇症型に「変身」した可能性があると推測されています。

 子どもがよく罹る溶連菌は、発熱や喉の痛みが主な症状です。リウマチ熱や腎炎のような合併症が心配なので抗生剤を服用しますが、基本的には劇症型を心配する必要はありません。

 ただし、傷がある場合は要注意です。劇症型の感染経路は明らかになっていませんが、傷口から感染することが多いとされています。

 小さな傷でも、周辺の痛みが強い場合は要注意です。傷とそのまわりを指で押すと強い痛みを感じる時があります。この場合、蜂窩織炎といって、皮膚の深部にまで菌が入り込んでいる可能性があります。ここから、一気に全身に菌が回ることがありますので、 「指で押すと強い痛み」を感じるような時は早めに受診しましょう。 

 劇症型に対して、特別な予防法はありません。季節を問わず、うがい・手洗いを徹底する事が大切です。また、小さな傷が原因になることもありますので、傷を見つけたらすぐに水道の流水で水洗いし、清潔に保つ様にします。「早期の発見・対処」が大事です。

2017年6月25日(日)
食べて治す~食べて予防する?

 先週の土日に東京で開催された日本アレルギー学会に出席してきました。この学会は文字通り、アレルギーをテーマにした学会ですが、内科、小児科、皮膚科、耳鼻科、眼科など多くの診療科の医師が参加しています。普段は小児科の目線でしかとらえていない病態でも、いろんな科の先生からお話を聞くことが出来て大変ためになります。

 会場は東京国際フォーラムでした。もうズ~と前になりますが、始めて東京国際フォーラムに行ったときのことです。東京駅で新幹線を降りたら東京国際フォーラムという標識がありましたので、何のためらいもなく、地下構内をズ~と標識に従って歩いて行きました。しかし、歩けども歩けども、なかなか目的地に着きませんでした。やっと、地上に上がる矢印を見つけて階段を上がってみたら、なんとそこは有楽町駅でした。マア、JRの一駅を歩いたわけですね。知らぬ事とは言え、いかにもお上りさんです。今回はJR山手線で行ってきました。

 最近は食物アレルギーが話題になることが多いです。日本アレルギー学会とは別に、日本小児アレルギー学会という学会があります。似たような名称で紛らわしいですが、こちらは会員の多くが小児科医ですので、食物アレルギー関連の演題が半分近く占めています。今回の日本アレルギー学会は、小児科以外の診療科も出席しますので食物アレルギーが中心と言うことではありませんが、それでも数年前と比べると食物アレルギーが占める割合は多くなっています。

 ところで、この学会の開催日にあわせるかのように、日本小児アレルギー学会が大変インパクトのある発表をしました。先週末に新聞やテレビでも報道されましたので、もうすでにご存じの方も多いと思います。

 それは「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」です。「鶏卵アレルギー発症予防の方策として、アトピー性皮膚炎の乳児において、医師の管理のもと生後6ヵ月から微量の鶏卵摂取を推奨。これによって乳児期以降の卵アレルギーを予防する。」というものです。

 ホントかいな?と言う気がしますが、実はこれに関するシンポジウムが今回の学会でありました。【小児アレルギー疾患とearly intervention ―本当に効果があるのか?―】と言う題目です。early interventionとは、乳児期早期からアレルギー発症予防に取り組むことを言います

 このシンポジウムでは、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎の4疾患について、それぞれは発表がありましたが、案の定、討論は食物アレルギーに集中してました。

 今は、一度発症してしまった食物アレルギーに対しては、少しずつ食べて慣れていくようにするという「食べて治す」と言う方法が一般化してきましたが、今回の発表は「食べて予防する」というもので、さらに一歩進んだ感じがします。

 発表の内容は次の通りです。「アトピー性皮膚炎を発症した生後6ヶ月未満児に対して、完全にアトピー性皮膚炎を治療した後、生後6ヶ月~9ヶ月までは全卵0.2gを食べる。生後9ヶ月~12ヶ月までは全卵1.1gを食べていくと、1才児では鶏卵アレルギーの発症率を8.3%まで減じることができた。」

 補足しますと、まず、これはアトピー性皮膚炎を発症している乳児が対象となっています。アトピー性皮膚炎のない乳児には当てはまりません。さらに、生後6ヶ月の時点ですでに食物アレルギーを発症している場合、この予防はできません。

※食物アレルギーを発症していると言うことは、食物に関するIgE抗体が陽性と言うことではなく、特定食物を摂取した場合にじんま疹などのようなアレルギー症状が見られる場合を言います。

 提言では、「すべてのアトピー性皮膚炎乳児で予防が可能ということはなく、また異なる予防研究では有効性や安全性に多くの問題があった。このように、鶏卵アレルギーの予防に最も有効で安全な摂取量や摂取頻度、開始時期、継続期間など、今後もさらなる検討が必要であり、また、牛乳や小麦など、他の食品を早期摂取する効果も、現時点では確認されていない。」と結論しています。

 夢のような予防法と思いますが、私たちのような町の一般診療所で行うには、まだまだ時期尚早です。今後検討に検討を重ね、よりよい方法が見いだされていくと思います。

2017年6月11日(日)
アデノウイルス感染症

 6月になって暖かくなったり、少し冷え込んだりと不順な天気が続いています。季節の変わり目は寒暖差もあり、体調を崩しがちです。特に喘息発作は要注意です。しばらく発作が見られなくなっていた人でも、運動すると何となく息苦しいとか、夜間帯に咳が続くとか、呼吸器症状が見られるようでしたら受診して下さい。

 今夏は暑くなりそうですが、手・足・口病やアデノウイルス感染症のような夏かぜも各地で増加してきています。当院周辺では手・足・口病はまだあまり見ませんが、アデノウイルス感染症は多いですね。

 ところで、このアデノウイルス感染症、咽頭結膜熱と言ったり、プール熱と言ったりもします。そもそもアデノウイルスは50種類くらいのタイプがあると言われており、胃腸炎や肺炎、膀胱炎を起こすタイプなど、いろいろあります。

 喉の腫れや痛みが見られたり(咽頭炎)、目ヤニや目の充血が見られたり(結膜炎)、高熱が続いたりする場合に咽頭結膜熱と診断します。アデノウイルスに感染しても結膜炎を合併していなければ、咽頭結膜熱ではなく、咽頭炎という診断になります。

 咽頭結膜熱=プール熱と思って良いと思います。厳密には、咽頭結膜熱を来すウイルスは他にもありますので、咽頭結膜熱は咽頭炎+結膜炎の見られるウイルス感染症の総称で、そのうちアデノウイルスによる咽頭結膜熱をプール熱と呼んでいます。

 高熱が続く場合、咽頭炎だけでしたら、解熱後2日間経過すれば登校、登園出来ますが、咽頭結膜熱の場合は、解熱しても結膜炎がすっかり治らないと登校、登園出来ません。この場合チョット時間がかかります。

 アデノウイルスには、なにも特効薬がありませんので、免疫が上がってアデノウイルスをやっつけてくれるのをジッと待つしかありません。発熱は1週間くらい続くことも珍しくありません。さすがに1週間以上発熱が続く場合は入院治療を進めています。自験例では最高14日間発熱が続いたお子さんがいました。

 しかし、大多数のお子さんは外来通院で治りますので、あまり心配しない方が良いです。これから夏にかけて幼稚園・保育園では流行しそうです。アデノウイルスに限らず感染症対策の基本は予防です。しっかりと手洗いをすること、タオルを共用しないこと、プールの塩素消毒は十分にすることなどです。

2017年5月27日(土)
コデイン

 今日は雨降りです。小学校の運動会も中止になったところが多いでしょうね。明日は晴れそうなので、大丈夫でしょう。みんな頑張ってください。くれぐれも紫外線対策をお忘れなく!

 先日、ふと目にした記事にコデインという薬が載ってました。あまり聞き慣れない薬かと思いますが、ご存じでしょうか?コデインは咳止め薬です。コデインとか、リン酸コデインと言う商品名で処方されています。

 厚生労働省は5月16日、「コデイン」を含む医薬品について、小児への処方を制限する方向で検討すると発表しました。

 コデインは、子どもではごくまれに重篤な呼吸困難の副作用が生じる恐れがあるため、欧米など海外の一部ではすでに処方制限が行われています。制限というわけで停止というのではないですが、子どもにとっては好ましくない薬です。

 では、コデインとはどんな薬でしょうか? コデインは、中枢性麻薬性鎮咳薬と呼ばれています。麻薬性とありますが、実際の麻薬とは違い、カフェインやニコチンのように脳に作用するという意味です。

 コデインは、脳の延髄に作用して咳を抑える働きをします。延髄は、呼吸・循環・ものを飲み込む嚥下や嘔吐・唾液の分泌・汗のコントロールなど、人間の意思とは関係なく、常に体の調子を整える働きをしています。

 延髄は気管支やのどなどに加わった刺激の情報を受けとると、咳を起こして異物を外に出すように働きます。これは異物を排出して体を守る自然な防衛反応です。

 ところが、コデインはこの延髄が受け取る刺激の情報を弱くします。その結果、咳が少なくなるわけですが、同時に、咳によって異物を排出することができなくなってしまいます。特に痰の絡む咳では痰を出すことが出来なくなり、かえって症状が悪化してしまいます。ですから、コデインは痰の絡む咳では、飲んではいけない薬と言うことになります。

 では、痰の絡まないいわゆる空咳には有効かというと、そういうわけでもなく、コデインは延髄の働きの一つである呼吸も抑制しますので、呼吸困難の副作用がみられる場合があります。息切れがひどくなったり、呼吸数が増えたり、稀ではありますが呼吸が止まってしまうこともあります。このため、もともと呼吸機能が弱っている人に対しては処方してはいけない薬になっています。また、喘息の人にも処方できません。

 こうしてみるとコデインが処方されることはまずないと思っていいのですが、たま~に、コデインが必要になるときもあります。例えば、白血病や再生不良性貧血のような病気では咳が止まらないと肺から出血することがあります。このような場合には、短期間コデインが処方されることもあります。

 また、コデインは咳止め以外にも、下痢止めとして処方されるときがあります。コデインは腸の運動を抑えることで下痢を止める働きがあるとされています。しかし下痢も身体に必要なために起こっている場合があります。感染性胃腸炎の下痢などでは体外にウイルスを排出するために下痢をしているのです。この場合、無理やり下痢を止めると症状の悪化を招くこともあるため、コデインは処方してはいけない薬となっています。

 一口で言うと、コデインは、力づくで無理矢理、咳や下痢を止める薬です。咳や下痢は異物を体外に排出する防衛反応ですから、コデインは出来るだけ使用しない方が良いと言えます。健康なお子さんではコデインが必要な咳なんぞ、まずありませんので、安易に使用しないことですね。

2017年5月18日(木)
院内リフォーム

 風薫る季節5月になりました。そろそろ運動会シーズンです。以前は秋の大運動会が多かったようですが、最近は春の大運動会が増えてきました。春はクラス替えもあったりして、新しいクラスの団結を深めるためにも運動会は適しているようです。しかし、5月は紫外線も強い時期ですので、日焼け止め対策を怠らないで下さい。

 5月の連休を利用して少し外来をリフォームしました。待合室のクロスは無地に少し柄物を混ぜてみました。椅子もカバーを張り替えて、待合室はピンク、中待合室はグリーンにしました。チョットした変化ですがとても新鮮な気がします。

     

 連休後もインフルエンザの患者さんを見ます。4月24日から30日までの全国の患者報告数は、前週比約23%減の定点当たり3.13人でしたが、この週を含む直近5週間のインフルエンザの検出状況に関しては、今シーズン初めてB型の検出割合がA型よりも高くなっています。

 この週の全国の推計患者数は、前週より約4万人減の約16万人で、年令別では5~9才が約3万人で最も多く、学級・学年閉鎖、休校となった保育所や幼稚園、小学校などの施設数は、前週比157施設増の667施設でした。

 当院にも昨日、一昨日とB型の患者さんが受診しています。もはや、季節に関係なくインフルエンザはみられるようになりました。

 北半球の日本が夏の時、南半球のオーストラリアなどは冬でインフルエンザが流行している季節です。また、東南アジアなど常夏の国では、雨期にインフルエンザの流行がみられることが確認されています。

 こうしてみると、インフルエンザは1年中世界中のどこかで流行していることになります。最近は日本人が海外に滞在することが増えてきましたし、逆に海外からの、特に東南アジアや中国からの旅行客が頻繁に日本を観光に訪れるようになりました。こういう大きな人同士の交流によってインフルエンザは1年中見られるようになってきたのでしょうね。

2017年4月25日(火)
新入生

 この頃暖かくなってきました。石割桜も満開になり、北国盛岡にもやっと春到来です。今シーズンはスギ花粉の飛散はあまり多くなく、比較的穏やかな春を迎えました。
 一方、季節外れ?のインフルエンザはB型があちこちで流行っています。とは言え、流行っているところもあるという程度で、全体としてはだいぶ少なくなっています。

 4月は新入生の季節です。みんな張り切って通学、通園しています。先日仙北小学校に入学時の健診に行ってきました。学年が進むごとにスムーズに健診が進みますが、1年生はまだ要領を得ずなかなか大変です。担任の先生方もお疲れ様でした。

 ところで、小学生くらいになるとあまり病気に罹りませんが、幼稚園や保育園の新入生は初めての集団生活ですから、すぐバイ菌をもらってきて、カゼやら胃腸炎やらの繰り返しです。

 先月まではあまり受診しなかった子が4月になったら、毎日のようにやってきます。昨日は鼻汁が出た。今日は咳をする。おそらく明日は発熱?と言う具合です。集団生活に入ったとたんにいろんな感染症にかかってしまいますが、やむを得ません。チョットかわいそうな気もしますが、見方を変えると、ドンドン免疫が高まって丈夫になって行くとも言えます。

 お子さん達はいろいろな症状で受診されますが、よく目立つ症状と言えば鼻汁!それも汚い鼻汁ですね。バイ菌は鼻から体内に侵入してくることが多いので、一生懸命バイ菌を体外に出すために鼻汁を流しているわけです。いわば防衛手段です。集団生活に入ったら、しばらくは鼻汁が出るのは当たり前と思った方が良いでしょうね。

 でもこの汚い鼻汁、放置しておくわけにはいきません。鼻は目、耳、気管支につながっていますので、鼻汁が体内に逆流するといろいろな病気になってしまいます。鼻汁が眼に流れれば結膜炎、耳に流れれば中耳炎、気管支に流れれば気管支炎になってしまいます。お鼻のお薬を飲むのもいいですが、小さいお子さんにはあまり薬は出したくないですよね。汚い鼻汁はガッチリかんであげましょう。それが一番です。

 今の時期は毎日多くのお子さん達の鼻汁を吸っています。おうちで吸うのも良いですが、丁寧にしないと鼻粘膜を傷つけてしまいますので、上手く吸えないときは早めに受診して下さい。器械を使えばきれいに簡単に吸えます。


 もうすぐ連休です。少しおうちで休むと体力も回復して元気に通園できるようになるでしょう。新入園児のお子様達、頑張りましょうね。

2017年4月1日(土)
開院記念日

 春とは言え、少し肌寒い4月です。4月1日は当院の開院記念日です。21年前の今日開院しました。その日も今日のように少し寒く、雪も降りました。月日の経つのは早いものです。一年一年は長く感じますが、過ぎてしまえばあっと言う間ですね。

 今年もスタッフ一同からお花を頂きました。心が和みますね。これからも頑張って診療に励もうという気持ちになります。

 長い目で見ると、ずいぶん医療にも変化がみられてきました。ワクチン一つとっても、その種類、接種方法などだいぶかわりました。開院当初の定期接種は、麻疹、風疹、三種混合、日本脳炎(以上、個別接種)、BCG、ポリオ(以上、集団接種)のわずか6つでした。現在は多くのワクチンが定期接種となり 、全て個別接種です。ワクチンの接種回数が増えるとともに単独接種から複数ワクチンの同時接種も普通に行われるようになりました。

 ワクチンは安定供給されている期間は問題ないのですが、時々品不足することがあります。麻疹・風疹ワクチンは、昨年の秋頃から不足が危惧されてきました。3月初旬には自治体からもワクチン不足の報告がありました。幸いにも当院では不足することなく定期接種のお子さん達には全員に接種することができました。ただ、不足する場合を想定して任意接種の方には4月まで待って頂きました。

 今後の事情によっては、麻疹・風疹ワクチンが不足することがあるかもしれませんが、今のところ大丈夫ですので任意接種も再開します。

 今日は、春の高校野球の決勝戦でした。奇しくも大阪桐蔭VS履正社という史上初の大阪対決なりました。どちらも強いチームですね。素晴らしい熱戦でした。チョット残念なのは、この二校は夏には一緒に甲子園に来ることが出来ません。
 夏は一校しか大阪代表になれないわけですから、どちらか一校は今日が最後の甲子園になります。これだけ強いのになんで?と思いますよね。今年に限り夏も大阪代表は二校にしたら?という気がします。

 一県一校という制度は公平な感じがしますが、学校数や実力差を無視しています。激戦区では甲子園出場が難しいとなると、地方へ行って代表になろうと考えるのも無理ないことかもしれません。岩手代表 盛大附もレギュラーの殆どは県外出身者のようです。

 大阪や神奈川のような激戦区では出場校を二校にしても良いように思いますが、ダメですかね?長い歴史のある高校野球ですが、そろそろ一県一校制も見直す時期になってるように感じます。


2017年3月27日(月)
大相撲春場所

 まだ、肌寒いと感じる日もありますが、だんだん暖かくなってきました。それとともにスギ花粉も飛んできていますね。今シーズンは、昨シーズンよりやや少なめと言うことですが、症状が出ることには変わりないです。

 昨シーズンのピークは3月27日でした。去年の今日ですね。これから4月上旬にかけてピークがやってきますから、しっかり治療しましょう。時々ご紹介している舌下免疫療法ですが、治療している患者さん達は、例年よりも、ズ~と症状が軽くて良いと言ってくれます。舌下免疫療法はスギ花粉飛散時期には新規に開始できません。新規の方は6月になったら受診して下さい。

 今シーズンのスギ花粉症は軽症の方が多いと思いますが、それでも大変な思いをされている方には、是非、舌下免疫療法をお勧めします。

 インフルエンザはだいぶ下火になってきましたが、まだ、毎日インフルエンザの患者さんをみます。今年のインフルエンザは軽症が多いです。今日は今シーズン二人目のインフルエンザB型の患者さんをみました。県外から3日前に盛岡に帰省してきたとのこと。発生源は県外か盛岡か微妙ですが、そろそろB型の時期になってきましたね。

 3月は、大相撲に高校野球とスポーツで盛り上がります。今年はWBCもあってさらにスポーツ熱が加速されたように思います。

 さて、その大相撲、稀勢の里の奇跡の逆転優勝で大いにわきました。敗れた照の富士は何となく悪役にされてしまったようです。大関復帰を目指す琴奨菊との一番では立ち会いに変化して勝ちました。かなりブーイングがありましたね。立ち会いの変化は反則ではないものの、見ていてあまり気持ちの良いものではありません。セコイ!そこまでして勝ちたいか、卑怯者!と言いたくもなりますが、マア、それぞれ言い分もあるでしょうね。勝負の世界は勝たねばなりません。なりふり構わない気持ちもわかります。

 ところで、この立ち会いの変化ですが、稀勢の里も照の富士との一番でやっちゃいましたよね。でもこれには誰もブーイングしないみたい?なぜ?稀勢の里はケガをしているから、立ち会いに変化してもいいのかな?

 でも、照の富士もケガしてるんですよ。あの膝見ればわかります。いつまで経っても治らないようで気の毒です。稀勢の里も、照の富士もケガで体調不十分だから、立ち会いの変化に活路を求めたと言うことでしょう。どっちもどっちと言うことですね。

 ケガを押しての優勝というと、貴乃花を思い出します。2001年夏場所14日目貴乃花は大関武双山との一番で右膝を亜脱臼しました。周囲からは休場を勧められましたが、「相撲ファンのために出ます」と千秋楽に出場。本割では武蔵丸に敗れ相星となりましたが、優勝決定戦では上手投げで武蔵丸に勝ち優勝しました。ものすごい迫力でした。

 表彰式で小泉純一郎首相の「感動した!」の一言が今でも印象に残っています。しかし、このときの無理がたたり、その後1年以上休場し、復帰後3場所で引退しました。

 勝負の世界にタラ、レバは禁句ですが、あのケガさえなければ、あのとき無理をしなければ、もっと長く横綱を張って白鵬以上の大横綱になっていたでしょう。おそらく朝青龍の時代は実際の半分にも満たなかったでしょう。本当に残念でした。

 稀勢の里も、照の富士もこのことは知ってるでしょうから、あまり無理をしないで、チョット立ち会いに変化する気になったんでしょう。二人ともしっかりとケガを治して、横綱、大関らしく相手をガッチリと受けとめてから倒す豪快な相撲を取ってほしいものです。

2017年3月11日(土)
あの日から6年

 今日で東日本大震災から6年になります。まだ6年か、もう6年か、人によって感じ方は異なるでしょう。あの日は乳幼児健診の日でした。午後2時46分、突然の揺れは次第に強さを増し、なかなかおさまりませんでした。みんなに向かいの公園に避難するように指示しましたが、外に出てもまだ揺れは続いていました。

 復興には10年以上かかるだろうと思っていましたが、6年たった今ではもっとかかるような気がします。何か復興のお手伝いをしたいと思い、高田診療所に診療応援に行ってましたが、昨年3月で閉院されてしまい。今は高田に行く機会がなくなりました。

 毎年、2時46分には診察を一時中断して、みんなで黙とうしました。今年は震災後初めて土曜日に当たりました。今日の午後はクリニックで雑用していましたので、2時46分に一人静かに黙とうしました。日々悶々として暮らしている被災者の方々が一日でも早く以前の生活に戻られことを願っています。

 この頃、「原発いじめ」という嫌な言葉を耳にします。この「いじめ」、決して最近のことではないです。物資輸送では「福島からのトラックは放射能をばらまく」、花火大会では「放射能で汚染された福島県花火を上げるな」、どっかのアホな大学教授は「東北の野菜や牛肉は健康を害しますから、できるだけ捨ててもらいたい」などなど。
 
 さすがに、今はこのようなバカげた話は聞かなくなりましたが、今度は直接個人を標的にした「原発いじめ」が増えてきたようです。「賠償金もらってるだろうから、金もってこい」とか、「名前を呼ぶのに菌付された」とか、「放射線で光って見える」とか、おとなも子どもも一緒になって「原発いじめ」をしている。子どもたちの悪口雑言は親たちもそのような話をしているから真似するんでしょう。なんとも嘆かわしい事です。残念ながら今後もこの「原発いじめ」はなくならない様な気がします。

 自分だったら、やられたらやり返そうと思いますが、なんと言っても多勢に無勢、このようないじめを甘受しなければならないのでしょうか?

 誰が「いじめ」の張本人かというような“犯人探し”や“責任の追及”も結構ですが、それだけでは「いじめ」はなくなりません。その予防にもっと力をいれるべきです。「いじめ」の早期発見が大切です。

 自分が福島県人だったら、自分の県がこのような災害に遭ったら、と考えれば、自ずから答えは出てきます。相手の立場になって考えてみなさい。社会全体でこのようなばかげた「いじめ」を撲滅するようにしたいものです。

2017年2月11日(土)
発熱時の入浴

 今週末も、また、“今シーズン最強”の寒波が襲来します。もう、毎回毎回“今シーズン最強”といわれると、ホントの最強はいつだったのかな?と思いますが、マア、記録更新が続いているのでしょう。早く春が来てほしいですね。

 今日は、建国記念の日でお休みです。祝日が土曜日に当たるため、振替休日はないのだそうです。「日曜日は法律が定めている休日であって、土曜日は世間が決めている休日」ということがその理由らしい?何となくわかるような、ちょっと損したような気持ちになりますね。

 うろ覚えですが、以前、民主党政権の時に祝日が土曜日に当たった場合も、日曜日同様に振替休日をもうけようという案があったように思います。実現されませんでしたね。あまり休みが増えてもどうかとも思いますので、今くらいがちょうど良いのでしょう。

 全国的な流行のインフルエンザということですが、当院周辺では1日10人以下の流行です。もう少し流行るかと思いましたが、案外この程度で終息するかもしれません。とは言え、まだ2月中旬ですので、もうちょっと注意してた方が良いですね。

 今流行しているインフルエンザはA香港型です。このタイプは重症化することが多いのですが、今のところあまり重症者はみません。軽症者が多いです。また、発熱のない患者さんも多く見ます。逆に3~4日発熱が続いていてもニコニコしながら遊んでいる子もよくみます。A香港型は2年前にも大流行しました。その時に多くの人が感染しましたので、免疫を持ってる人も多いんでしょう。

 ところで、インフルエンザに限らず、発熱時の入浴について、皆様どうしていますか?発熱時の入浴は一般的にはダメと思ってませんか?

 昔は外風呂・公衆浴場が多かったので、湯冷めしやすいとか、汗をかいて脱水になるとか、のぼせてしまうとか、いろいろなことが言われてきましたが、特別な根拠があるわけではありません。

 視点を変えると、脱衣所は暖めて、入浴前に水分補給して、ぬるめの浴槽に、短時間入り、上がったらサッサと寝る。と言うような入浴なら良いと思います。

 一つ注意しなければならないのは、調子が悪いと思うときは控えることです。当たり前ですけどね。ドンドン熱が上がってきているようなときは入浴禁止です。このとき、脳の体温中枢は外敵を排除することで、一生懸命熱を上げていますので、熱いお湯の温度も味方にして、さらに発熱を促進します。気をつけましょう。

 結論として、全身状態が悪くなければ、入浴は問題ないと思って下さい。

2017年2月1日(水)
食物アレルギーを、肌の治療で予防

 先日の日曜日は休日当番医でした。全国的にインフルエンザが流行しているようですが、岩手県ではあまり流行ってないようです。当日もそんなにインフルエンザは来ないだろうと思っていましたが、けっこうインフルエンザの患者さんきましたね。35名でした。全員A型で、軽症でした。盛岡市全体で流行っているわけではなく、患者さんは、滝沢市、みたけ、青山町、厨川方面が多かったですね。これから徐々に感染が拡大しそうです。

 インフルエンザとは全く別の話ですが、「食物アレルギーを、肌の治療で予防」するという試みが国立成育医療研究センターを中心とする約10の医療機関で実施されることになりました。

 そもそも、なぜ食物アレルギーが発症するのか?不明な点 も多いのですが、最近は、防御機能が低下した皮膚から食物抗原が入り込んで食物アレルギーを発症させるのではないか?と考えられるようになってきました。
 そこで、乳児期早期から皮膚炎をガッチリ治療すれば食物アレルギーを防げるのではないか?という仮説が脚光を浴びてきました。

 国立成育医療研究センターでは、生後2~3か月のアトピー性皮膚炎の乳児650人を、炎症を抑えるステロイドを最初から塗り早期に湿疹をなくす群と、主に保湿剤で徐々に湿疹をなくす群に分けて治療して、数か月後に卵を食べさせアレルギーの発症割合を比べる。 さらに、その後はどちらの治療もしていない皮膚炎の乳児も加え経過を観察し、食物アレルギーの効果的な予防法を探る。と、しています。

 結果が出るまで少し時間がかかりそうですが、大変興味深い試みです。以前は乳児期早期のアトピー性皮膚炎には、何もせず経過観察だけであったり、ワセリンをチョット塗ってみたりと言う具合で積極的な治療は施されていませんでした。私もどちらかと言えば、乳児期早期にはあまりステロイドを処方しませんでしたが、この頃は積極的に使用しています。

 生後数ヶ月くらいの食物アレルギーの赤ちゃんをみていると、湿疹のある赤ちゃんの方が湿疹のない赤ちゃんよりも多いです。乳児期早期から積極的に湿疹を治療すれば食物アレルギーを防ぐことができるとなると画期的なことです。どういう結果が出るか楽しみです。

2017年1月18日(水)
インフルエンザ後の休養期間

 今シーズン最強の寒波が到来して、寒い日が続きます。道路も渋滞して、通勤ラッシュです。今朝はいつもと別の道を選んでみましたが、かえって混んでました。

 インフルエンザの流行が全国的に拡大してきたという報道を耳にしますが、今のところ当院周辺では一部の保育園以外は流行がみられていません。今週から多くの小学校では新学期を迎えます。おそらく1月下旬~2月上旬にかけて、今シーズン第二波のインフルエンザ流行が始まるでしょう。

 例年、12月まではインフルエンザワクチンを接種する方が多いのですが、年明けになると激減します。今接種すれば第二波の流行には間に合いますので、未接種の方はできるだけ接種しましょう。

 ところで、先日インフルエンザに罹った大人の方から、いつまで会社を休めばいいでしょうか?と尋ねられました。インフルエンザに感染すると、インフルエンザウイルスは1週間くらいは体内に存在しています。つまり、【発症後1週間くらいは、まだ、他人にうつす可能性を持っている】と言うことです。

 学校保健安全法では、インフルエンザ罹患後の出席停止期間について「インフルエンザ発症日を0日と数え、5日を経過し、かつ、解熱した後、2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで出席停止」と、記載されています。これは学校に関しての決まりですが、一般社会ではどうなってるのでしょう?

 会社勤務の場合はそれぞれ会社の事情があると思いますので、会社の規則に従って下さいとお話ししています。では、自営の場合は?となると、ますます難しいですね。こどものように5日間も休むというのは現実的ではないでしょうから、職種によりケース・バイ・ケースですね。

 昨年の今頃、大相撲みてたら、某力士がインフルエンザに罹って一時休場しました。さて、いつまで休むのかな?と思ってみてたら二日間の休場で復帰してました。ふ~ん、大相撲は二日間なんですね。

 インフルエンザとは関係ないですが、横綱鶴竜が今日から休場です。10日目を終わって5勝5敗では、さすがに拙そう。横綱は後がないです。負け越しでもしたら、即、引退勧告されそうです。

 実際に15日間土俵に上がって負け越した横綱がいるのかな?と思って調べたら、なんといました。大乃国 平成元年9月 7勝8敗 (15日制が定着してからは初めて)と、若乃花 平成11年9月 7勝8敗。サッサと休場したらと思う反面、キチンと15日間勤めたのは潔いという気もします。

 さて、今場所も大関稀勢の里の優勝と綱取りの話題で盛り上がっています。もし、稀勢の里が横綱になったら、今場所の鶴竜の様にならないのかというような不安もあります。 鶴竜も大関のままでいたら、名大関と言われていたかもしれません。過去には、魁皇、小錦、北天佑、貴ノ花、魁傑、などなど、残念ながら横綱にはなれませんでしたが、その強さ、貫禄、風格、技量から、名大関と言われた関取は多くいます。

 稀勢の里にとって、大関と横綱どっちがいいのか迷うところではあります。今のところ暫定トップですので、このまま行けば、おそらく千秋楽結びの一番で優勝をかけて白鵬と対戦でしょう。勝って優勝し来場所の綱取りを目指すか、負けて万年迷大関に甘んじるか?楽しみな一番です。

2017年1月1日(日)
あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます。今朝は早起きして八幡宮に初詣に行って参りました。朝4時に起きましたので、殆ど待ち時間もなく参拝することが出来ました。気温もあまり低くなく、良い気分で帰宅しました。

 今年は酉年ですね。十二支はそれぞれ意味があるようです。ちなみに酉は熟成・発酵という意味もあり、果実が十分に熟した完熟状態とも言われます。さんずいへんがつけば「酒」ですもんね。

 それで、充実した良い年と考えることが多いようですが、反面、物事の腐り始めというふうにもとれるため、始まりと終焉の二つの意味があるとも言われています。また、「とり→とりこむ」から、運気や好機を取り込んで良い事につながるともいわれています。マア、いろいろ解釈があるようですが、自分に都合良く思えば良いでしょうね。

 昨年は不幸な災害やとんでもない事件が多くありました。悪いことは去り(申)、良いことが取り(酉)込まれていく年になってほしいです。