診察室便り

 日常診療で感じた事、最近の話題、など、医療だけでなく、いろいろな話題にふれたいと思います。
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2019年2月11日(月)
何回もインフルエンザに罹った?

 猛威を振るったインフルエンザも、そろそろピークを超えたようです。先週の初め頃から、少しインフルエンザの患者さんが少なくなってきました。とは言え、まだ、1日10人くらいは診てますので、終息にはもう少しかかりそうです。

 今年は、何回もインフルエンザに罹る人がいるという報道がありましたが、今年に限らず1シーズン中に複数回インフルエンザに罹る人はいますね。

 A型もB型も2種類ありますから、理論上、4回罹る可能性はあります。これだけ流行れば、もっと多くの人が複数回罹っても不思議ではありませんが、そんなにいません。

 インフルエンザは、確かに重症な疾患ですが、罹れば皆が重症となるわけではないです。罹っても軽症で済んだり、症状がでない場合(不顕性感染)も多くみられます。

 軽症であれば検査もしませんから、軽症や不顕性感染の場合は、インフルエンザに罹っててもわからないわけです。ですから、報告されているよりも、もっと多くの人達がインフルエンザに複数回罹っているかもしれません。

 毎年、インフルエンザの患者さんを診て感じることですが、元気なのに検査するとインフルエンザ陽性(+)の場合がよくあります。こう言う時、チョット悩みますね。

 抗インフルエンザ薬を使わなくても治りそうとは言え、周囲に感染を広げる可能性はあるわけです。抗インフルエンザ薬は軽症の人には処方する必要なしと、よく言われていますが、感染拡大予防という観点からは、軽症だから、一概に必要なしとも言えません。

 やはり、ケース・バイ・ケースでしょうね。周囲と交わりがなく、自宅内で安静を保てるなら、抗インフルエンザ薬は不要。周囲に感染を広げると影響が大きい職種(医療職)などは、抗インフルエンザ薬は必要かもしれませんね。

2019年2月3日(日)
インフルエンザと解熱剤

 今シーズンのインフルエンザは、近年まれに見る大流行のようです。毎日大勢の患者さんを診ていますが、幸い、今のところ重症者はいません。ニュースでは、脳症、新薬ゾフルーザ、解熱剤が話題に上っています。

 インフルエンザで解熱剤はNG?「解熱剤とインフルエンザの関係」は、もう20年くらい前に一定の見解がでていますので、なぜ、今になって蒸し返されるのか、よくわかりません。当時のお話をザーと、おさらいしますと、

 日常よく使われている解熱剤(熱さましの薬)の中には、インフルエンザ脳炎・脳症を重症化させる場合があるということが、厚生省の研究班によって報告されてました。

 多くの解熱剤は、生体内でシクロオキシゲナーゼという物質の働きを抑えることによって熱を下げます。このシクロオキシゲナーゼという物質は発熱作用の他に、血管の修復作用も持っています。つまり、解熱剤を使用すると熱が下がるだけではなく、脳炎・脳症の時に見られる血管炎も治りにくくなるため脳炎・脳症を重症化させる可能性があるというものです。

 このような作用の強い解熱剤として、ジクロフェナクナトリウム(製品名:ボルタレン、ブレシン等)と、メフェナム酸(製品名:ポンタール)があげられました。

 また、以前より脳炎・脳症を引き起こす可能性が指摘されている解熱剤として、アスピリンがあります(ライ症候群)。この薬は一般的なカゼ薬として良く使用されていますが、欧米ではインフルエンザには使用されていません。

 アスピリン、及び、その類似薬として、PL顆粒、小児用PL顆粒があります。これらの薬もインフルエンザには使わない方が無難です。

 と言うわけで、現在これらの薬が小児に使用されることはありません。

 比較的安全な解熱剤としてよく使われているものは、アセトアミノフェンです(製品名:アルピニー、アンヒバ、カロナール等)。安全性が高い反面、やや解熱効果は劣りますが、外来治療している患者さんなら、これで十分です。

2019年1月21日(月)
インフルエンザ、アッという間に流行期突入

 昨日は大寒でした。一年で最も寒い時期ですね。インフルエンザも流行が始まる頃です。と思っていたら、先週くらいからどんどんインフルエンザの患者さんが増えてきました。昨日は休日当番医でしたが、インフルエンザと診断した患者さん81名でした。まだ学校も始まったばかりなのに、スゴい勢いです。

 今シーズンのインフルエンザは、新しい話題があります。それはインフルエンザの薬が一つ増えたということです。

 昨シーズン終了間際に発売されたインフルエンザの新薬「ゾフルーザ」は、1回内服ですむというので、今シーズンのインフルエンザ治療の中心になるという話をよく耳にします。

 前にも一度 、「インフルエンザの新薬:2018年3月18日(日)」でご紹介したお薬です。今、私たちの手元には、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ、そして、ゾフルーザと、インフルエンザに効く5つの薬があります。さて、どれを使おう?となりますよね。

 患者さんにどのように薬を選んでもらうか悩みます。例えば、次のような感じかな。

医師:インフルエンザの薬は内服と吸入と注射の3種類あります。どれが良いですか?
患者さん:内服が良いです。
医師:1日1回飲むのと、1日2回5日間飲むのとではどちらが良いですか?
患者さん:1日1回が良いです。
医師:それでは、ゾフルーザにしましょう。

 となりますかね。でも、これではどうも誘導してるように思います。内服と吸入と注射なら、やはり、内服が簡単でしょうし、1日1回飲むのと、1日2回5日間飲むのなら1日1回の方が楽ですよね。となると、みんなゾフルーザ?

 先日観たテレビのワイドショーでは、今シーズンの抗インフルエンザ薬は殆どゾフルーザになるようなことを言ってましたが、チョット軽率じゃね?

 そもそも、日本国内で、まだあまり使用されていないゾフルーザが、これだけ前評判が高くなったのは、おそらく「New England Journal of Medicine」に掲載された論文による影響でしょう。

 この中で、「ゾフルーザの特徴」として、いくつか紹介されていますが、主のものは以下の4つです。

①.熱が下るまでの期間が、薬を飲まない場合と比較して「1日」短くなる(タミフルとほぼ同じ)
②.他人に感染させてしまう期間が、タミフルよりも24時間~48時間短い。
③.ゾフルーザ投与患者の成人の約1割、小児の2割以上において熱が下がるまでの期間に、耐性ウイルスが出現している。
④.1回飲むだけですむ。剤形は錠剤(タミフルは1日2回で5日間)

 それぞれ少し詳しくみていきますと、

①.は、既存の抗インフルエンザ薬とあまり差がありません。ゾフルーザ飲んですぐ解熱するという訳ではないようです。

②.は、ゾフルーザ内服した場合、ウイルスの検出期間は1日です。タミフルは2日ですので、これは評価できますね。周囲の人に感染させる期間が短くなると言うことは、集団での感染に歯止めがかかりますので、流行防止に役立ちます。

③.は、チョット問題あり。耐性ウイルスとは、ウイルスの性質が変わってしまい薬が効かなくなったウイルスのことです。(厳密には、全く効かなくなるというのではなく、効きにくくなるということのようです。)

 ゾフルーザを内服していても解熱しないという患者さんは殆どこれでしょう。その患者さんは、「治癒までの期間とウイルス検出期間が長くなる」ということも報告されています。

 これはおそらく想定外の事象でしょう。成人の約1割、小児の2割以上の確率で症状を悪化させるというのは問題です。さらに、耐性ウイルスは「他人に感染させる期間が長い」とも言われており、ゾフルーザを使用するにあたって、非常に悩まされる問題の一つです。

④.は、その通り、1回ですむならこれほど楽なことはないですが、小さなお子さん達は、錠剤を飲めますかね。ゾフルーザの写真を載せましたので、見て下さい。体重10kg~20kgまでは、10mg 1錠です。大きさは、直径5mmで五円玉の穴の大きさと同じです。近々、顆粒も発売される予定と聞いていますが、今のところは錠剤だけです。

  
 左側が10mg錠剤です。

 キチンと飲めれば良いですが、吐いたらどうしよう?なんて思いませんか?聞くところによると、ゾフルーザ内服前に吐き気止めの薬を処方している医師もいるようです。なんと???吐き気止めなんてのは殆ど中枢性(脳神経系)に作用する薬ばかり、ただでさえ、神経症状の心配なインフルエンザに吐き気止めを処方しますかね?

 ゾフルーザは既存の抗インフルエンザ薬が効かない場合や、新たな新型インフルエンザが登場した場合に処方されるような話もありましたが、普通に処方されています。

 いろいろと、わかったふり?してお話ししたものの、私は、まだゾフルーザを4人しか処方していません。そのうち2人は最初からゾフルーザを希望してきました。

 1人はタミフル内服後1日経って解熱しないため受診、そんなに具合が悪そうでもなく、もう1日待っても良いと思いましたが、保護者がゾフルーザを希望しましたので処方しました。翌日には解熱したようですが、どっちが効いたんでしょうね?

 もう1人は昨日処方しました。前日にかかりつけ医でラピアクタを点滴しても解熱しないため当番医の当院を受診しました。確かに改善の兆しなく、一般状態やや不良でした。ゾフルーザについてご説明し処方しました。今日はかかりつけ医を受診するようにお話ししましたので、解熱したかどうかはわかりませんが、治ってくれると良いですね。

 ゾフルーザはとても有効な薬と思いますが、まだ日本国内での使用症例が少なく、未知の部分が多いです。今のところ、今シーズンは希望者と既存の抗インフルエンザ薬が効かないような場合に限って処方しようかと思っています。今年は悩み多きシーズンになりそうです。

2019年1月1日(火)
あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます。年末年始は冷え込みましたが、幸い大雪はなく帰省ラッシュはいつもの年ほどの混雑はないかと思っていましたが、30日に東京駅で東北新幹線の非常ブレーキが故障するトラブルがあり東北・上越・北陸・山形・秋田の各新幹線でおよそ23万人の乗客に影響が出たとのことです。31日は大丈夫だったようです。帰省する人達は大変でしたね。

 今年は、亥年(いどし・いのししどし)です。亥年は十二支の一番最後になります。十二支は植物の一生に例えられることがありますが、それによると、たわわに実った果実が種子となり、そのエネルギーを蓄えて次世代への準備とするという意味の年なんだそうです。

 また、古来より猪の肉は万病予防の効果があると伝えられており、ここから、無病息災の意味が生まれたとも言われています。さらに、猪の猪突猛進な性質から、勇気と冒険の象徴ともされています

 こういうことから、亥年の人は、我が道を進んでいく強い意志をもっており、周囲の人からは「自分の意思をしっかりと伝えてくれる人」と信頼されています。正義感が強く、弱い人がいれば助ける優しい心と、悪にも怯まない強さで周囲からは信頼できるリーダー的存在として頼られます。

 一方、強い意志があるが故に、頑固で厳しく、人の話をきかない、自分の考えを曲げようとしないというような欠点もあり、少し威圧的に見られてしまうことがあるようです。

 ところで、過去の亥年では、けっこう大きな出来事が起きており、「亥年には何かが起きる」と言われています。例えば、1923年 関東大震災、 1971年 十勝沖地震、 1983年 大韓航空機墜落事件、三宅島噴火、 1995年 阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、 などがあります。

 どうも災害や事件がおおいようで、チョット、不気味ですね。地球規模で12年周期に災害がどこかで起こるのではないか?などとも言われています。

 繰り返しになりますが、亥年は、十二支の中でも一番最後の年です。最後とは、終わりという意味もありますが、一つの区切りをつけ、新たな始まりに向けての準備を行う期間でもあります。今年一年が今後の飛躍につながるよう充実した年であってほしいです。

2018年12月31日(月)
大晦日

 今年ももう少しで終わりますね。一年を振り返ってみると、特別な病気が流行したというわけでもなく、無難な年だったように思います。

 今年の10月7日に大学の同窓会で山口県に行ってきました。私の母校は弘前大学ですが、同窓生は全国にいます。第1回目の同窓会は、卒後20年目でした。この時は弘前で開催されましたが、だんだん、みんなあちこちに行きたくなってきたようで、同窓生のいるところ全国あちこちでやろうと言うことになりました。初めは5年に1回と言うことでしたが、いつの間にか毎年行われるようになってきました。今まで、沖縄、京都、仙台、横浜、などで行ってきました。
 
 毎年出席しているわけではないですが、今回は本州最南端の山口県ということで、行ってきました。あまり飛行機は好きでないので、東北新幹線~東海道新幹線~山陽新幹線と新幹線を乗り継いで、片道約7時間。チョット疲れました。

 ちょうど台風25号と向き合うような格好で、進みましたが、何とか台風は免れました。前日に山口入りした連中は広島で新幹線が止まり、そこからレンタカーを借りて山口まで行ったとのこと。いやはやたくましいですな。

 会場は山口市の湯田温泉松田屋ホテルといって、何でも西郷 隆盛、木戸 孝允、大久保 利通ら維新の英傑がよく利用した宿とのことでした。この3人が薩長同盟の確認と倒幕の具体的協議のために集まったときに立ち寄って会談したという南州亭という会見所がありました。とてもそんな大事な話をしたような庵にはみえませんでしたけどね。何か四方山話でもしたんでしょうか?中に入って同級生2人と、オレ西郷、オレ大久保、なんて言いながら雰囲気を楽しんできました。
 
 久々にみんなと再開し楽しいひとときを過ごす事が出来ました。みんな健康には気をつけていますね。医者の不養生と言われないように、自分の健康管理もしっかり行わなければなりません。早寝早起き、腹八分目、適度な運動が大切と改めて実感しました。

 来年は奈良開催だそうです。次々回は水戸、次々々回は松本ということです。全国に友達がいるといいですね。

     
2018年12月19日(水)
成人向け風疹ワクチン臨時定期接種

 12月になって、寒さが厳しくなってきました。今年は出足の遅いインフルエンザですが、そろそろ出てきましたね。本日受診されたお母さんとお子さんは、おじいさんからの感染のようでした。一見元気そうでしたが、お母さんは倦怠感が強く、検査でもインフルエンザ(+)でした。これから年末年始にかけて少し流行りそうですが、本格的流行は年明けでしょう。ワクチンは年内に済ませるようにしましょう。

 厚生労働省は5年ぶりの風疹流行を受け、2019年早期に過去の予防接種歴・罹患歴のない成人男性への麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)の臨時定期接種を行うことを決めました。

 これによりますと、接種対象となる人は、「1962年4月2日から1979年4月1日までに生まれた現在39~56才の男性」で「抗体検査で基準値以下の抗体価と判定された人」だそうです。

 風疹抗体価は、いろいろな測定法がありますが、よく行われるのはHI法です。HI法を参考にしたワクチン接種の基準も、これまたいろいろあります。

 例えば、「一般にはHI抗体価が16以下」(国立感染症研究所)や「HI抗体価が8未満を“陰性”の場合、2回の接種を推奨/HI法8、16は“基準を満たさない抗体価陽性”として1回の接種を推奨」(日本環境感染学会『医療関係者のためのワクチンガイドライン第2版』)という具合です。

 来年早期とありますから、年度が替わる頃には決まってるかもしれませんね。とてもありがたい話ですが、39~56才の男性といえば、みんな働き盛りで多忙な人が多いはずです。せっかくワクチンを接種してもらえると言っても、まず、抗体価をはかりに一度医療機関を受診しなければなりません。そして、その結果を聞いてワクチンを接種するなら、もう一度受診しなければなりません。けっこう負担ですよね。

 また、希望者全員に抗体検査するとなると、検査試薬が足りなくなるかもしれません。抗体の有無にかかわらずワクチンは接種できますので、いっその事、希望者には抗体検査しないで接種するとした方が簡単で良いように思いますが、そうなると、今度はワクチンが不足しそうです。

 いつも突然足りなくなるワクチンですが、大丈夫なんでしょうかね?もうすでに風疹単独ワクチンは製造されていないようですので、麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)が使用されるようです。通常の製造量では、小児の定期接種分しかないわけですので、これから増産するんでしょうね。これも東京オリンピックに向けての政策の一つでしょう。もっと早く実施してほしかったですね。

2018年11月4日(日)
文化の日

 11月になりましたが、あまり冷え込みも強くなく、例年と比べると穏やかな天気です。地球温暖化の影響で暖かい冬?は過ごしやすく思いますが、農作物などに影響はないのでしょうかね?

 そろそろインフルエンザがみられるようになってきました。と言っても限られた地域ですが、保育園、幼稚園、小学校、中学校でチラホラ出ています。先日、隣の席の子がインフルエンザに感染したという小学生が受診しました。発熱翌日でしたので検査は陰性でしたが、表情、症状からはインフルエンザと思われましたので薬を処方しました。その後は受診していないので、治癒したんでしょう。まだ、本格的な流行にはなってませんが、ワクチンは年内に済ませるようにしましょう。

 昨日は文化の日、今日は日曜日と連休です。最近はハッピーマンデーというように日月連休が多くなり、ゆっくりできて助かります。今回は土日連休ですのでハッピーマンデーではないですよね。たまたま文化の日が土曜日に当たったと言うことです。

 ところで、文化の日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」とされていますが、文化の日の由来、知ってますか?そもそも、11月3日は明治天皇の誕生日で戦前は明治節と言って国の祝日でした。1946年に帝国議会は新しい日本国憲法をこの日に合わせて公布しました。施行されたのは1947年5月3日です。

 天皇は日本人にとって心のよりどころです。初めは11月3日を憲法記念日に制定したかったのですが、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は、反対しました。憲法記念日が天皇誕生日となると、なんとなく戦前の社会を連想することを心配したのでしょうね。

 というわけで、5月3日:「憲法記念日」11月3日:「普通の日」となりそうだったのですが、GHQは古いものを無くしたいが、日本人の天皇への思いを尊重した方が、これからうまく管理できると考えたのでしょう。11月3日は憲法記念日以外なら何でも良いよということになって、その結果、できあがった日が「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」と言う文化の日なのだそうです。

 成人の日や体育の日は、第◯月曜日となってますが、文化の日は11月3日でかわることはありません。なんとなくボートして過ごしている休日ですが、いろいろな由来があるのですね。

2018年10月9日(火)
そろそろ、インフルエンザワクチン

 今年もまた、インフルエンザワクチンの季節がやって来ました。昨年同様、ワクチン不足が心配されているようです。昨年は最終的には不足しなかったと思いますが、一番みんなが接種したいときに出荷規制がかかり、地域によっては大変苦労したところもあったようです。

 今年はどうなるんだか?始まってみないとわかりませんが、当院では、例年、前年分と同数のワクチンを用意しておりますので、極端に接種する人が増えない限り大丈夫だろうと思っています。

 子どものインフルエンザワクチンには、補助金を出して助成してくれる自治体がありますので、その時期に合わせて接種開始する医療機関が多いです。

 盛岡市、矢巾町、紫波町、滝沢市と、それぞれ金額は異なりますが、今年は10月20日より助成が始まりますので、当院もこの日から接種開始する予定です。

 ところで、インフルエンザワクチンは、10月下旬~12月初旬にかけて接種する人が多く受診されますので、この時期は大変混み合います。西日本の自治体では助成を10月1日から開始しているところが多いため、少し接種期間が長くなり、若干余裕がありそうです。

 盛岡市および周辺市町も、もう少し早く開始してほしいです。とマア、自治体にはいろいろお願いしたいことばかりですが、今年は盛岡市小児科医会(盛岡市内の小児科医の集まり)から盛岡市医師会を通じて、以下の二つを盛岡市にお願いしました。

1.助成(補助金開始)を10月1日からとしてほしい。
2.盛岡市以外の三市町の予診票は二枚複写なので、一枚目だけに記入すれば良いのですが、盛岡市の予診票は複写になっておらず、二枚に渡って記入しなければなりません。少し煩雑です。少しでも診療をスムーズに進めるため、盛岡市の予診票も二枚複写にしてほしい。

1.については、今年は無理ですが、来年以降は検討したいとのことでした。
2.については、今年から一枚目記入だけですむ二枚複写の予診票にかわりました。

 盛岡市の担当の方々、どうもありがとうございます。こういう小さな事でも積み重ねていくと、大きな効果を産みます。来年は是非10月1日から助成を開始してほしいです。

2018年9月24日(月)
夏のインフルエンザ

 9月中旬にしては穏やかな気候が続いています。だんだん寒くなっていくんでしょうね。昨日は秋分の日でしたので、お墓参りをしてきました。カラリと晴れた青空は気分が良いですね。

 昨年も同様でしたが、もうインフルエンザが発生してきました。今のところ北東北3県ではみられていないようですが、全国的に学級閉鎖も行われてきており、いつものシーズンよりもインフルエンザの流行時期が早いような気がしますが・・・? どうでしょうね。

 日本では、インフルエンザは冬に流行るものという固定観念?があります。夏にインフルエンザが流行るなんてあまり考えられてないです。しかし、東南アジアのような熱帯、亜熱帯地域では、インフルエンザは雨季(日本の夏)に流行ります。

 さらに、熱帯・亜熱帯地域では温帯地域と違って、年間を通してインフルエンザウイルスの活動がみられることもわかってきています。

 なぜ、日本では冬の乾燥した時期に流行するのか? 熱帯・亜熱帯地域では雨季に流行するのか? 詳細はわかっていませんが、夏にも日本でインフルエンザがみられるようになってきたのは、事実です。となると。考えられる理由は二つあります。

 一つ目は、熱帯・ 亜熱帯地域からの旅行者が増えてきた事があげられます。日本を訪れる海外からの旅行者は年々増え続けています。沖縄で流行った春先の麻疹も海外から持ち込まれたものでした。

 二つ目は、温暖化でしょうね。今夏の西日本の異常気象はゲリラ豪雨や、桁外れの台風があったり、まるで亜熱帯地方の気象のようでした。今は日本は温帯地方と言うことになっていますが、そのうち、北海道以外は亜熱帯地方となるかもしれませんね。

 これからもこの傾向は続くでしょう。もうインフルエンザは年間を通じてみられる感染症で、夏と冬に流行があると認識を変えなければなりません。

2018年9月11日(火)
気管支喘息

 西日本の台風のあとは北海道の地震と、自然災害が続きました。どうして、こんなに災害が多くなってきたのでしょうね。今度は、どこで何が起こる?と、心配になってしまいます。東日本大震災の時、私たちは停電のため、テレビも見ることが出来ませんでしたが、震災のなかった地域では被災地の様子が報道されていました。今の北海道の状況を見ると、7年前の震災を思い出します。早く回復してほしいです。

 9月は、昔から、September attackと言って、1年を通じて最も気管支喘息発作が多い月です。昼と夜の寒暖差が大きかったり、急に冷え込んだり、季節の変わり目はアレルギー疾患を持つ人にとっては要注意の時期です。ところで、September 11 attackと言う言葉もあります。こちらは、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロを指します。

 気管支喘息はアレルギー疾患ですが、赤ちゃんや幼児ではアレルギーがなくても気管支炎になると、ゼーゼー、ヒューヒューした苦しい呼吸が見られることがあります。最近ではRSウイルスやヒトメタニューモウイルスが簡単に検査できるようになったため、これらが原因の気管支炎でゼーゼー、ヒューヒューが多くみられると言うことも分かってきました。

 毎年、9月の外来にはゼーゼー、ヒューヒューした苦しい呼吸のお子さんが多く受診します。RSウイルスやヒトメタニューモウイルウスのような感染症が原因の場合はなかなか予防が難しいですが、気管支喘息は予防できる疾患です。症状がみられたときだけ治療してあとは何もしていないと、気管支喘息は治りません。

 気管支喘息の治療は、【苦しくなってから治療するのではなく、苦しくならない様に普段から予防治療する】ことが大切です。こどもの気管支喘息は成人と比べると治りやすいとも言われています。しかし、発作を繰り返す度に気管支は汚れがたまって治りにくくなってしまいます。今(小児期に)、治療をすることは、今だけ良くなればよいのではなく、長い一生、喘息で苦労しないため、将来のための治療でもあるのです。

2018年8月31日(金)
AI先生

 暑い、暑いと思ってたら、いつの間にか涼しくなってきました。この頃は雨模様で朝夕の通勤は混雑していますね。昨日は雨が強く、道路も渋滞していましたので、雨合羽を着て徒歩通勤しました。今日は晴れそうだったので自転車にしましたが、帰る途中雨に当たり、ぐしょ濡れになってしまいました。明日は何で行くかな。

 レスリング、アメフト、水球、ボクシングとアマチュアスポーツ界のパワハラ問題が続々と明るみにさらされてきました。と、今度は体操ももめてますね。宮川 紗江(18才)VS 塚原 千恵子(71才)、まさに、孫とおばあちゃんの対決です。誰かなんとかしてあげなさいよと言いたくなります。具志堅 幸司 副会長に期待しましょう。頑張って下さい。こんな状態でホントに、東京オリンピックはできるのでしょうかね?

 最近は、いろいろな分野でAI(人工知能:Artificial Intelligence )と言う言葉を耳にします。AIは「経験から学び、新たな入力に順応することができる。」のだそうです。まるで人間みたいですが、人間よりも遙かに優れた能力もあるようです。医療の世界でも着実にAIは導入されてきています。

 まだ早いですが、あと2~3ヶ月もすれば、今年もまたインフルエンザの季節を迎えます。インフルエンザの検査といえば、鼻をゴチョゴチョいじって検査。あの検査嫌ですよね。これが一般的ですが、インフルエンザに罹っても24時間以上経過しないと診断精度が十分に上がらず、罹っていも陰性に出ることがよくあります。

 ところで、インフルエンザに罹ると、咽頭にも変化が見られます。例えば、夏カゼをひいて喉が真っ赤なるようなもんですな。インフルエンザではあまり喉が赤くなりませんが、咽頭の後壁に「イクラ」のような2㎜ほどの大きさの透明感のある濾胞が見られます。これをリンパ濾胞というのですが、インフルエンザにかなり特徴的な所見です。

 これはインフルエンザに罹って5時間くらいで出現してきますが、チョット見にくいです。よほど気をつけてみても、肉眼でリンパ濾胞と確信するのは難しいです。仮に「オッ、これは間違いなくリンパ濾胞だ。」と思っても、鼻ゴチョゴチョしないと患者さんは納得してくれません。そんなわけで鼻ゴチョゴチョが隆盛ですが、このリンパ濾胞を正確に診断するAIができたそうです。

 機械学習の一つである「ディープラーニング(深層学習)」を用いて、このインフルエンザ濾胞の画像を解析することで正確にインフルエンザの早期診断を行えるようになったと言うことです。スゴいですね。いくら何でも今シーズンから一般的に使用されることはないと思いますが、近い将来インフルエンザの診断はAIに委ねられるようになるかもしれません。

 AIの進歩は素晴らしく、次々に現在の医療を変えていくと思います。AIが人間的な感情も持てるようになると、「AI先生」に人気が集中し、人間の医師は隅っこに追いやられてしまうかもしれませんね。

2018年8月14日(火)
ヒトメタニューモウイルウス

 暑い日が続きますね。この暑さ、いつまで続くのかと思っていたら、お盆の後半には天気が崩れてくるようです。少し雨が降った方が良いですね。

 毎年、夏になると、手・足・口病ヘルパンギーナアデノウイルス感染症などの夏カゼが流行ってきますが、今年は、その他にもRSウイルスもけっこう見られます。本来は、秋~冬に流行るRSウイルスですが、季節の感染症は変わりつつあります。これも温暖化が原因でしょうかね?

 最近、RSウイルスとよく似た症状が見られるヒトメタニューモウイルスの話をよく耳にします。ヒトメタニューモウイルス?長ったらしくて、舌がもつれそうな名前ですのでヒトメタと略します。このウイルスはRSウイルスと同じように乳幼児に(細)気管支炎をおこす嫌なウイルスです。

 乳幼児のゼーゼー、ヒューヒューを見れば、まず、最初にRSかヒトメタを疑います。検査して、RS(-)ヒトメタ(+)なら、保護者に「ヒトメタです。」とご説明しますが、「それ、なんですか?」と聞かれます。「RSの年長版みたいなもんです。」と言うと、「なるほど。」と納得されます。まだ、知名度は低いようです。

 ヒトメタの検査は、胸部写真を撮影してからでないと検査できなかったのですが、2018年4月から胸部写真なしでも検査できるようになりましたので、これからはたくさん見つかるようになるでしょう。

 RSとよく似たヒトメタですが、好発年齢はRSは2才未満児に多いのに対して、ヒトメタは2~4才に多く見られます。好発年齢が低いRSの方に重症例は多いです。しかし、1才未満でもヒトメタに罹ることもあり、その場合はけっこう重症です。

 流行期は最近かなりずれてきた感じがします。2017年は夏からRSの流行が延々と続きました。2018年も夏に流行しています。ヒトメタは毎月見られます。RSとヒトメタは乳幼児のゼーゼー、ヒューヒューの2トップです。これから秋にかけて流行りそうな気がします。赤ちゃんの呼吸が苦しいかな?と思ったら早めに受診しましょう。

2018年7月26日(木)
今年の熱波は未体験ゾーン

 暑い日が続きますね。関東や関西では連日の猛暑日です。40度を超える気温は想像がつきません。

 京都では高校野球をナイターで行ったようです。この猛暑の中、果たして野球や屋外スポーツをしても良いのかどうか?考えさせられます。近い将来、夏の甲子園は全試合ナイターになるかもしれませんね。東京オリンピックはどうなるんでしょうね?

 どうしてこんなに暑くなってしまったんでしょう。気象のことはよくわかりませんが、何はともあれ、熱中症対策が大切です。「今年の熱波は未体験ゾーン」と救急医学会が次の【4 つの提言】をしています。

①. 暑さ指数を意識した生活を心がけ、運動や作業中止の適切な判断を!
②. 水分をこまめに取ること。おかしいなと思ったらすぐ涼しい場所に誘導を!
③. 適切な重症度判断と応急処置を。見守りつつ改善がなければすぐ医療機関へ!
④. 周囲にいるもの同士が、お互いに注意をし合う!

 なんとなくわかるような気がしますが、実際の現場では臨機応変な行動が出来るかどうか、ちょっと不安ではあります。熱中症になって病院に運ばれるニュースもよく聞きます。

 熱中症は、軽症~中等症~重症の三段階があります。早い段階で対処することが大切です。まず、何はともあれ暑い場所に長くいないことです。

 私たちの体内では、いつも熱が産生されているわけですが、高温環境におかれると発熱量が増えて体温が上昇します。体温が上がると体の表面を流れる血液量が増えて体内の熱を体外に放出するようにします。この時、血液は主に体表に近い部分に多く流れていきますので、脳内の血液量は減少します。そのため脳は貧血状態となって、一時的にめまいや立ちくらみをおこします。これを熱失神と言います。熱失神は熱中症の始まりです。

 また、体温が上昇すると、汗をかくことによって体内の熱を体外に逃します。ところが、子どもは汗腺の働きが未熟ですので、大人のように水分をとって発汗とともに熱を放出するという事が十分に出来ません。たくさん水分をとっているから大丈夫というわけではないのです。

 子どもは、大人から「大丈夫?」と声をかけられても、はっきりと意思表示が出来ません。「具合が悪い時は呼んでね。」と言っても、小さいお子さんには難しいでしょう。周囲の大人達が子どもの異変に早く気づくようにしなければなりません。

 ボーとしていたり、反応が鈍い様な時は要注意です。涼しい環境に移して、糖分、塩分の入った水分を十分摂取して下さい。はっきりと応答が出来るようになれば回復してきています。どんどん症状が進行するようでしたら、迷わずに救急受診しましょう。

2018年7月5日(木)
ムンプス難聴

 もう、夏かと思うような暑い日が続いたかと思ったら、一転して今度は雨の日が続くようになりました。岩手県はまだ梅雨明けしてないでしょうね。天候不順で体調を崩すお子さんも多いです。エアコンの温度調整など環境整備に気をつけましょう。

 現在、放映されているNHK朝の連ドラ「半分、青い。」の主人公 鈴愛(すずめ)は子どもの頃にオタフクかぜに罹患しました。それが原因で左耳が聞こえなくなってしまいました。「半分、青い。」というタイトルは、鈴愛が、「自分の(聞こえる)世界が半分になった。」ということに由来するのだそうです。

 左耳の聴力を失った鈴愛は、多くの困難を乗り越えて生きていきます。しかし、ドラマでは就職に際して片耳が聞こえないと履歴書に記載したため、不採用通知を受けてしまいます。

 ムンプス難聴という病気を聞いたことがあるでしょうか?オタフクかぜは、正しくは流行性耳下腺炎といいます。英語ではmumps (ムンプス)です。あまり知られていませんが、オタフクかぜに罹った後に耳が聞こえにくくなることがあります。これをムンプス難聴というのですが、たちの悪い難聴で片耳が殆ど聞こえなくなる事もあります。

 オタフクかぜに罹った人100~500人に対して1人くらいの割合(0.2〜1%)で難聴が発症するといわれています。発症年令は15才以下が多く、 中でも5~9才に多いです。

 ムンプス難聴は、見逃されていることが多いです。それは、片耳だけの難聴の場合が殆どなので、通常の会話にはあまり障害がみられず、気づきにくいのです。また、オタフクかぜには不顕性感染と言って、ほっぺたが腫れる症状が見られなくても罹っている場合があります。その場合でもムンプス難聴に罹ることがあります。本人はオタフクかぜに罹っていないと思ってるわけですから、難聴に気づくことがないわけです。小学校入学時の就学時健診でみつかる難聴の多くはムンプス難聴といわれています。

 ムンプス難聴には、次のような特徴があります。

①.オタフクかぜの発症4日前から発症18日後の間に起こることが多いですが、腫れがひけてから、約1ヶ月以内に起こることもあります。
②.片耳が殆ど聞こえなくなってしまいます。
③.有効な治療法はありません。自然治癒もあまり期待できません。

 ムンプス難聴に罹ると、殆ど治りませんので、オタフクかぜに罹らないようにするしかありません。とは言え、オタフクかぜは感染力も強く、周囲で流行ると、感染を免れることは難しいです。

 オタフクかぜに有効な対策は、ワクチンです。「オタフクかぜのワクチンは効果あるんですか?」という質問を受けることがよくあります。有効率は95%以上です。ワクチンの効果が現れにくい人、ワクチンの効果が数年しか続かない人もいますので、オタフクかぜワクチンは2回接種します。

 ワクチン接種後にオタフクかぜに罹っても、多くの場合、症状は軽くて済みます。ムンプス難聴の発生率は自然にオタフクかぜに感染した場合は、0.2〜1%ですが、ワクチン接種してあれば、0.1%未満と言われています。

 もし、鈴愛がオタフクかぜのワクチンを受けていたら、難聴は防げていたでしょう。オタフクかぜは夏に流行します。積極的にオタフクかぜワクチンを接種しましょう。

2018年6月28日(木)
日本アレルギー学会

 6/23~6/24に千葉の幕張メッセで開催された日本アレルギー学会に出席してきました。先週は大阪で地震が起きたり、その前は新幹線で殺人事件があったりと、ちょっと外出するのに気がひけましたが、何事もなく無事でした。新幹線に乗って着席する時、何気なく周囲を見回してしまいました。幸い危ない感じの人はおりませんでしたが、何が起きるかわからない物騒な世の中になってきましたので、いろいろ気を遣います。昨日も富山でとんでもない事件が起きました。日本の国は大丈夫か?と憂います。

 アレルギー学会は、内科、皮膚科、耳鼻科、眼科、小児科、など、アレルギー疾患を診療している医師が多く集まりますので、他科の先生との交流が出来て、大変勉強になります。

 今回はアトピー性皮膚炎の新薬のお話しがありました。アトピー性皮膚炎の治療といえば、ステロイド外用剤、プロトピック軟膏、保湿剤、かゆみ止めの内服薬(抗ヒスタミン剤)等が主な治療手段ですが、これらの薬とは全く違う注射(皮下注射)の新薬が発売されました。

 アトピー性皮膚炎の痒みは、皮膚が炎症を起こすことによって生じます。そもそも、皮膚が炎症を起こすのは、Th2細胞というリンパ球がサイトカインという化学物質を出し、これが皮膚に作用する事が原因です。サイトカインとは体内の細胞同士の情報伝達を行うタンパク質のことで、アトピー性皮膚炎で働く主なサイトカインはIL(インターロイキン)-4、IL-13といいます。

 このIL-4、IL-13の働きを抑えて皮膚での炎症が起きないようにする新しいタイプの薬をデュピクセントと言います。2週間に1回皮下注射して16週間~6ヶ月くらいが標準治療期間のようですが、1年くらい継続治療することも出来るようです。治療期間中はステロイド外用剤、プロトピック軟膏も併用します。

 従来のステロイド外用剤、プロトピック軟膏だけでは効果がなかったアトピー性皮膚炎でも改善が見られているようですが、治療終了すると再燃することもあるようです。

 この薬は誰にでも使用できるというものではなく、極めて重症な成人(15才以上)のアトピー性皮膚炎に限られてます。また、とても高額な薬です。1回の薬剤費は81.640円です。もちろん保険適応ですが、かなり高いです。すでにアメリカやヨーロッパでは発売されていますが、海外ではもっと高い薬価になっていますので、それと比べれば決して高いわけではないようです。

 この薬は6ヶ月くらい治療して改善が見られたら中止~終了し、症状が再発したら、また使用できるようですが、中止期間中にこの薬に対する抗体が出来て、治療再開した時に薬が効きにくくなることもあるようです。となると、出来るだけ長期に続ければ良いのか?と言うわけでもないようで、治療期間についてはっきりと決まっていないようです。

 まだ、発売されて間もない薬です。将来的には小児(15才以下)での適応も通るようです。期待の持てる薬と思いますが、未知の部分も多く、今後の状況を見極めたいと思っています。

2018年6月6日(水)
東北絆まつり

 先週の土曜日と日曜日に盛岡市で「東北絆まつり」が開催されました。2011年に仙台から始まり2016年の青森で東北の6県を一巡りした「東北六魂祭」を継承したお祭りです。

 「東北六魂祭」は、東日本大震災の犠牲となった多くの人達の魂を弔い、東北の復興を目指す目的で始まりました。未だ道半ばでありますが、これからも東北の復興に向かって進む気持ちが「東北絆まつり」に引き継がれました。

 6年前の「東北六魂祭」の時は各県のお祭りを見ましたが、出来ればもう少しじっくり見たかったですね。特に、ねぶたや竿燈は夜の方が華やかです。今回はお祭りは見ないで、街中をぶらついてきました。観光客も多く、大変賑わいました。ずいぶん暑かったですね。普段は歩けない車道を悠々と歩くことが出来て何となく楽しかったです。

 3月下旬に沖縄で発生した麻疹麻疹(はしか)は、まだ、一部の地域で患者さんが見られているようですが、全国的な流行にはなっていません。麻疹・風疹ワクチンの出荷規制も解除されました。幸い岩手県内での患者報告はなく、このままおさまってほしいです。

 小児科の外来は感染症が多いですが、季節によって様々な感染症が見られます。この頃は急性胃腸炎が多いですね。本来は秋~冬に多いので、ちょっと季節外れという感じです。軽症なお子さんが多いですが、下痢が長引くことがあります。しっかり手洗いをしましょう。

 リンゴ病もよく見ます。最初ほっぺたが赤くなって、少し遅れて手足に網目模様の紅斑が出現してきます。 殆ど合併症なく治りますが、お日様にあたると発疹が増悪します。 
 
 他に、溶連菌感染症アデノウイルス感染症などが目立ちます。そろそろ夏カゼのシーズンです。感染症予防の基本は、うがい・手洗いです。そして、ワクチンで予防できる病気は、積極的にワクチンで予防しましょう。

2018年5月5日(土)
こどもの日

 今日5月5日はこどもの日です。この日は1948年に「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」お休みの日と決められました。こどものお祝いだけでなく、お母さんに感謝するという日でもあるようです。

 総務省は、2018年5月4日に、5月5日の「こどもの日」にちなみ、毎年恒例となる日本のこどもの数に関する統計データを発表しました。それによりますと、2018年4月1日時点の日本におけるこども(15才未満)の人口は前年同時期に比べて17万人少ない1553万人で、1982年から37年連続の減少状態を継続していることが明らかになりました。また戦後の統計記録のある昭和25年以降においては、過去最低値とのことです。

 今後もこの傾向は続くでしょうから、どうなるんでしょうね?AI(人工知能)の進歩によって人手不足もある程度解消されるようですが、やはりマン(ウーマン)パワーが必要とされることは多いでしょう。海外からの移民に頼らざるを得ないかもしれませんね。

 厚生労働省は、4月9日~4月15日の間に全国で18例の麻疹患者が発生したと発表しました。内訳は次の通りです。
・感染地域:沖縄県14例、東京都2例、茨城県1例、国内(都道府県不明)1例
・年令群:0才(1例)、10~14才(2例)、20~24才(4例)、25~29才(2例)、30~34才(4例)、35~39才(2例)、40代(3例)

 麻疹は怖い病気といってもピンとこない人達の方が多いでしょうね。なんといってもここしばらく岩手県では発生していないように思います。自分自身、最後に診てから10年以上経過しています。となると、麻疹を診たことのない医師も多いと思いますし、患者さんもどういう症状が出たら、麻疹を疑って病院に行けば良いのか?よくわかりませんよね?麻疹の症状といえば、発熱、発疹、咳、などですが、普通のカゼ症状に似てますよね。詳しくは麻疹(はしか)をご覧下さい。

 連休明けからは、全国各地で麻疹が流行する?というような根拠のない風評被害が起きないか心配です。熱が続けば麻疹ではないか?咳が止まらなければ麻疹ではないか?発疹が出れば麻疹ではないか?目やにが出れば麻疹ではないか?という具合に混乱しそうです。インフルエンザみたいに、保育園から麻疹の検査をしてくるように言われました?というような受診もあるかもしれませんね。(インフルエンザのように簡単にできる検査はありませんからね)

 確かに、麻疹は怖い病気ではありますが、あまり心配しすぎるのも考えものですよ。麻疹に対してはワクチンという素晴らしい味方がおります。まず、ご自分のワクチン接種歴を確認しましょう。麻疹に罹るのはワクチン未接種の人、あるいは1回しか接種していない人ばかりです。ですから、麻疹ウイルスが突然変異してワクチンが無効になるようなことでもない限り、そんなに大きな流行にはならないと思います。

 麻疹は麻疹ワクチンで防ぐことが出来る病気です。ワクチン接種後2週間で免疫が出来ます。麻疹に罹った場合、潜伏期間(罹ってから症状が出るまでの期間)は約11日間(10~12日間)です。5月初旬~中旬くらいからが要注意期間でしょうね。

 ご自分のワクチン接種歴が不明の場合、抗体検査すればどの程度の免疫があるかわかりますので、それから接種しても良いですが、結果が判明するまで時間がかかります。それよりは、まず、1回接種する方が無難です。

 現在、麻疹単独のワクチンは品切れのようですし、麻疹風疹ワクチンもそろそろ出荷規制がかかり、品薄になりそうです。まだ、余裕はありますが、いつもの事ながら、まだ一度も接種していない1才児から優先的に接種します。成人の方は接種できない場合もありますので、ご了承くださいますようお願いいたします。

 一つだけ注意して欲しいことがあります。ワクチンの効果は95%~98%といわれています。100%ではありません。全ての人に免疫がつくわけではありません。ワクチンを接種すれば麻疹の流行地に行っても大丈夫とは思わないで下さい。いかにワクチン接種して2週間以上経過したからといって流行地に行くのは、危険極まりないです。

2018年5月3日(木)
春のインフルエンザ

 今日5月3日は憲法記念日です。小さいお子さん達はこの日をどのように思っているのでしょうね?日曜日が一日増えたくらいかな。

 人から聞いた話ですが、「道路を歩くときは右側を歩きましょう。赤信号では止まりましょう。お店でものを買うときは順番に並んで割り込まないようにしましょう。などという身の回りのルールを憲法といいます。この憲法が実施された5月3日を記念日としてお祝いする日で祝日になりました。」という解説をしてくれる幼稚園があるそうです。分かりやすくて良いですね。

 今年の連休は、休日当番日や夜間急患診療所にも当たりませんでした。カレンダー通りの診療日です。昨日、一昨日はかなり混み合いました。

 特にコレといった疾患は見当たりませんでしたが、インフルエンザはまだいますね。でも、なんとなく春のインフルエンザは軽症に見えます。別に根拠はないですが、そう見えるんですよね。ニコニコしてても検査したら陽性ということがよくあります。本来この程度のインフルエンザなら薬は不要でしょう。でも発熱が続けばいくら元気に見えても、また、医療機関を受診するでしょうから、連休にもなりますし、早めに解熱させるという意味では薬が必要かもしれませんね。

 ところで、春のインフルエンザが軽症なのは、なぜでしょうね?

 冬の流行期には大勢の人達がインフルエンザに罹ります。その時に症状が見られなくても軽く感染する人はけっこういるはずです。感染しても症状がみられない場合を不顕性感染といいますが、インフルエンザは多いです。それでも感染すればある程度の免疫はできます。

 春にインフルエンザに罹る人達は、おそらく冬のシーズン流行期にも軽く罹っていたのではないでしょうかね。だから、少しは免疫ができていて、軽く済む?

 この現象とは別ですが、同じインフルエンザに2回罹る人を時々見ます。なぜでしょうね?

 今はインフルエンザの診断が容易になってきましたから、診断してすぐ薬が処方されることが多いです。で、すぐ解熱します。今度は十分免疫ができる前によくなってしまうので、同じインフルエンザにまた罹ってしまうのではないでしょうか?

 全て自分の推論ですので、根拠はありません。ご参考にしてください。

 昨日インフルエンザと診断した子のお母さんから、ワクチンは5~6ヶ月しか有効期間がないので、春まで持たせるためには遅く接種した方が良いのでは?と聞かれましたが、重症者が多いのは圧倒的に冬の流行期です。ですから、ワクチン本来の「重症化を防ぐ」という観点からも、やはり、冬の流行期にあわせて年内に接種完了するのがいいですよ。と、お話しました。ご納得いただけたようでした。

2018年4月19日(木)
沖縄で麻疹流行

 そろそろ、桜の便りも聞こえて来るようになりました。当院前の公園でも桜が咲いてきました。やっと、春本番です。スギ花粉症も、もう少しで落ち着いてくるでしょう。5月になってもアレルギー症状が治まらない時は、シラカバやハンノキの花粉症も疑われますので、一度医療機関を受診してみて下さい。

 3月下旬に発生した沖縄県内の麻疹(はしか)はおさまることなく患者数が増加しています。3月下旬に2014年以来の患者が確認されてから、わずか2週間ほどで18人の感染が判明し、その後も患者数は増え続け、4月10日現在35人が麻疹と診断されています。

 流行の発端は3月17日に近隣の国から観光で訪れた30代男性だったようです。観光目的で那覇市や糸満市、北谷町、名護市など広範囲を移動した後、はしかの感染が発覚しました。

 この男性が訪れたホテルの宿泊者、飲食店従業員、大型商業施設などで感染が広がりました。今回の流行は観光関連に従事している人たちの間で広がっているのが大きな特徴です。

 しかし、4月10日から1週間後の4月17日には、はしか患者数は56人に増加し、名護市の中学校では学級閉鎖になっています。次第に感染が拡大してきており、今後、学校、幼稚園、保育園などでも感染する可能性も高くなります。

 はしかは感染後、約11日間の潜伏期間を経て、発熱や咳、鼻水といったカゼ症状がみられるようになります。発症直後は発疹は見られないため、早い段階ではしかと診断するのは困難です。3~4日熱が続いた後、一度少し解熱して、それから39度以上の高熱と発疹が出現します。この高熱や発疹は、1週間くらい続いて、その間、食欲不振、不機嫌、ひどい咳が続きます。完全に治るまでは、10日間~2週間くらいかかります。また、抵抗力の弱い人は、生命が脅かされる場合もあります。

 沖縄県内では1999~2001年のはしか流行時に、乳幼児9人が亡くなっています。県保健医療部はワクチン未接種者に対して、早急にワクチン接種するよう呼びかけています。

 ワクチン接種によって麻疹の感染を免れることは出来ますが、抗体の上がり方は個人差がありますので、ワクチン接種したからといって油断は禁物です。さらに1回接種では免疫は次第に低下してきますので2回目接種が必要です。沖縄県は2回目の接種率が低いようです。ちなみに今のところ、2回接種した人は罹っていないようです。

 先日、1才のお子さんのお母さんからワクチン接種してから何日くらいで抗体が出来ますか?という質問を受けました。ひょっとして沖縄に行くのでは?と伺ったところ、そうでした。よほどの大事でもない限り、今、沖縄に行くことは避けた方が良いです。とお話ししました。

 もともと、はしかは春~夏にかけて流行します。いやな時期にはしかがでました。ゴールデンウイークで人の往来が増えれば、全国的に感染が広がる可能性もあります。はしかの感染力はインフルエンザよりはるかに強いですし、特効薬も何もありません。頼れるのはワクチンだけです。早く終息してほしいです。

2018年4月3日(火)
子どもを受動喫煙から守る条例

 4月1日から、「子どもを受動喫煙から守る条例」が東京都で施行されました。学校周辺や公園といった子どもの多い場所での喫煙や、子どもがいる部屋、自動車内での喫煙を控えるよう求めるものですが、特に、罰則規定はないそうです。

 賛成する人が多い反面、反対する人もいます。タバコが健康に良くないのはわかりきったことです。しかし、子どもの前では吸わないけれど、家庭内でも吸えないとなると、愛煙家は戸惑いますね。「換気扇の下で吸う」、「ベランダで吸う」など、いろいろ工夫して、子どもへの健康被害を減らそうと努力しているのに、さらに厳しくなるのかと言う不満も耳にします。

 自分は全くタバコを吸わないので、愛煙家の気持ちはわかりませんが、タバコの煙だけでなく衣服に染み付いたタバコの臭いもけっこう気になります。はっきり不快感を覚えます。診察室に入ってくるお父さんやお母さんでも時々そういう人がおります。面と向かって「タバコの臭いのしない衣服を着て受診しなさい」とは言えませんが、そういう時はさりげなく換気扇を回しています。嫌みではありません。院内には自分同様タバコの臭いが気になる人達も多くいるはずです。

 この条例、東京オリンピックを視野にに入れたものでしょうが、東京都だけにとどまるのか、日本中に広がるのか、興味のあるところです。

 タバコをあからさまに非難しましたが、私もタバコを吸ってみようと思ったことがあります。私の実家は米屋でした。当時はタバコも販売してましたので、タバコはいつでも簡単に手に入りました。高校生の時、面白半分でタバコを吸ってみました。確かセブンスターというタバコだったと思います。自分の部屋に隠れて深夜こっそり吸いました。吸い方なんぞ全くわからなかったので、思いっきり吸い込んでみました。一気に3分の1くらい吸ったら、急に頭がクラクラして、めまいがして、天井が回って、吐き気がして、このまま死んでしまうのではないか?と言うくらい気持ちが悪くなりました。救急車を呼んで病院に行こうと思いましたが、そうするとタバコを吸ったのが親にばれてしまいます。めちゃくちゃに叱られるのが怖く、我慢することにしましたが、少しずつ具合が良くなってきました。なんとか、病院に行かずにすみましたが、この時の経験は一生忘れられません。

 今でも、ス~と、思いっきりタバコを吸う人を見ると、この人は大丈夫か?自分みたいに倒れはしないか?と思ったりします。マア、そんなわけで、幸か不幸かわかりませんが、自分はタバコを吸う機会を逃してしまいました。

 今年も開院記念日のお花をいただきました。お花は部屋の雰囲気を明るくしてくれますので、心が和みます。今回お花をいただいた個人タクシーの早川さんは、私が10年以上前からお世話になっている方です。とても丁寧な運転で安心して乗っていられます。こちらからお礼しなければならないくらいですので大変恐縮しております。

     
2018年4月1日(日)
開院記念日

 今年のスギ花粉症は、例年よりややスギ花粉が多く、症状がキツいと言う患者さんが多いです。いつもの事ながら、「内服薬、点鼻薬、点眼薬の3点セット」の治療ですが、最近は、舌下免疫療法も普及してきました。今、舌下免疫療法をご紹介すると、「是非、試してみたい」と言う方が多いのですが、スギ花粉が飛散している1月~5月は新規に始めることができません。「6月になったら開始しましょう」とお約束するのですが、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」ですね。6月以降に受診される方は少ないです。それでも実施される方は毎年少しずつ増えてきています。スギ花粉症だけでなく、ダニ花粉症も舌下免疫療法の適応です。いつまでも「内服薬、点鼻薬、点眼薬の3点セット」に頼らなくてもすむようになりますよ。

 今シーズンは猛威を振るったインフルエンザですが、この頃、やっと少なくなってきました。長かったですね。ところで、いつも思うことですが、「インフルエンザの治癒証明書」を求められる事があります。いつから、登校、登園できるか?という証明書ですね。これは本当に必要でしょうか?

 インフルエンザに罹ったら、どのくらい学校(幼稚園・保育園)を休むのか?というと、学校保健安全法では、「インフルエンザ発症日(発熱した日)を0日と数え、発熱翌日から5日間休み、かつ、解熱した後、2日(乳幼児にあっては、3日)を経過するまで出席停止」となっております。

 ほとんどの医療機関では、インフルエンザに罹ったお子さんと保護者にこのように説明しています。インフルエンザ感染後数日は体内にインフルエンザウルスが残っているため、この基準は大変分かりやすく理にかなっています。ですから、この条件を満たしたら、わざわざ医療機関を再診して証明書をもらわなくても良いはずです。

 では、なぜ証明書が求められるのか?実は、「インフルエンザの治癒証明書」については、自治体、学校、幼稚園、保育園それぞれで、対応が異なっています。盛岡市は以前は学童に対して治癒証明書を発行するよう医師会に要請していましたが、現在は行われておりません。

 証明書を求める施設は少ないのですが、なぜ必要か聞いてみると、どうも上述した学校保健安全法を守らない人達がいるようです。熱が下がったらすぐ登園。5日休めも無視。甚だしいのは熱が完全に下がらなくても薬を飲んでるから大丈夫。という具合です。確かにこれでは、キチンとルールを守っている人達にはたまったもんではないですな。

 つまり、「インフルエンザの治癒証明書」は、ルールを守れない人達のためにあるというわけですね。となると、そういう人達だけに証明書をもらってくるようにいえば良さそうなもんです。当院にかかりつけの方にはそういう方はおりません。5日間休んでしっかり治ったのに、わざわざまた受診しなければならないのか?真面目な人達には迷惑千万です。

 とマア、いつもそう思っておりますが、以前こういうお子さんがいました。
 その子はインフルエンザに罹ってルール通り休んで登園したところ、2日後から咳き込みがひどくなって再受診しました。元気なく、呼吸音も悪く、血液検査も悪く、気管支炎で入院となりました。この子は、熱はすぐ下がったそうですが、だんだん咳が増えてきたそうです。でも、5日間経ったから登園したとのことでした。確かに、ルール通りではありますな。

 ウ~ン?この時はちょっと考えさせられました。私は解熱して一般状態良好ならば・・・と言うニュアンスで話したつもりですが、保護者は発熱のことだけ注意していたのでしょうね。登園前に一度受診してもらえれば良かったなと思った症例でした。以来、「熱が下がって、一般状態良好ならば登園」とお話しするようにしています。

 本日4月1日は、当院の開院記念日です。雪の降る寒い日でした。あれから22年が経ち、23年目に入りました。小児医療もずいぶん変わりました。重症な感染症はワクチンの普及により激減し、入院治療するお子さんは少なくなりました。その反面、食物アレルギーのように重症例は少ないものの、未だ、治療法の見つからない疾患も多くあります。

 医学は常に進化する学問です。これからも日々努力し、受診されるお子さん達に最善の医療を提供するよう努力していきます。

2018年3月18日(日)
インフルエンザの新薬

 あんなに寒い日が続いたのに、いつのまにか暖かくなってきました。いつもはノンビリとタイヤ交換をしてますが、今年はもうタイヤ交換を済ませました。お彼岸の頃に天気が荒れることがありますが、その時は車に乗らないようにします。

 先週初め頃には、やっとインフルエンザも少なくなってきた感じがしましたが、また増えてきたようです。昨晩は夜間急患診療所の勤務でしたが、インフルエンザのお子さん多かったです。28人中12人がインフルエンザでした。学校や幼稚園が休みになったので、周囲にはインフルエンザがいないという人が多かったですね。部活動や商業施設などで感染するのでしょうね。まだまだ、油断禁物です。

 3月14日に新しいインフルエンザの薬が発売されました。当初は5月の予定でしたので、かなり早まった発売になりました。まだインフルエンザ流行中とは言え、そろそろシーズンオフです。そんなに発売を急がなくでも良さそうに思いますけどね。

 この新薬は、今後新たに発生するであろう新型インフルエンザにも効果が期待されています。となると、新たな新型の発生が間近い?なんて思ってしまいます。今のところそういう話は聞いていませんが、いずれまた新型は出てくるでしょうから、早いに越したことはないでしょうね。余談になりますが、リレンザも確かシーズン終了間際の発売だったように思います。

 この新薬はゾフルーザと言います。従来のノイラミニダーゼ阻害剤(タミフル、リレンザ、ラピアクタ、イナビル)は、人の体内の細胞で増殖したウイルスが細胞外にでるのを阻止することによって効果を発揮しますので、ウイルスが大量に増えたあとでは効果が期待できません。

 インフルエンザウイルスの複製酵素をRNAポリメラーゼと言います。新薬は、RNAポリメラーゼを阻害してウイルスの増殖を直接抑えますので、重症であったり、感染から時間が経っても効果があると言われています。

 また、インフルエンザウイルスが体内から消失するスピードも、従来の薬より早いようです。となると、従来の薬で治療した場合は発熱後5日間安静、ゾフルーザで治療した場合はもっと短くてもよい?なんてことになったら、混乱しますね。

 ちなみに、この薬は錠剤で1日1回の経口投与で治療が完了します。お子さんでも内服できるくらい小さな錠剤です。体重10kg以上あれば処方できますが、10kgの子が内服するのはチョット無理かな? ところで、同じ年令でも10kg未満のお子さんには処方できません(今のところそのようです。)変な話ですね?

 さしあたり、従来の薬で十分間に合ってますので、新薬は少し様子を見てから採用しようかと思っています。はてさて、来シーズンはどうなっているのやら?

2018年3月11日(日)
あの日から7年

 今日で東日本大震災から7年になります。月日の経つのは早いものですね。「3.11.」この数字をみて 「ハッ!」とする人は どのくらいいるのでしょう?未だに多くの人々が仮設住宅で暮らしております。震災前の生活に戻るのは、まだまだ時間がかかりそうです。

 今日は休日当番日でした。当院周辺ではインフルエンザはかなり少なくなってきましたが、本日はインフルエンザの患者さん多かったですね。盛岡市の北方面、滝沢市が目立ちました。ある小学校では6年生が流行中のようで、A型、B型、両方見られます。3月16日が卒業式だそうですが、延期できるのなら延期した方が良さそうです。学校関係者も大変です。

 いつもは午後2時46分に黙祷していましたが、本日は発熱のため受診する患者さんが多く、黙祷は控えました。診療後に黙祷しました。過去を忘却の彼方へと追いやってはいけない。と、思いながらも、次第に記憶が薄れていきます。

 河北新報社と民間のリサーチ会社が東日本大震災に関するネットアンケートを東北6県と首都圏で実施し、「復興五輪」を掲げる2020年東京五輪が復興に役立つかどうか聞いたところ、52.0%の人が「役に立たないと思う」と答えています。また、復興五輪の理念は「明確ではない」が63.6%に上ってます。

 自分もそう思います。オリンピックの予算はすでに億単位を超えて兆単位のようです。ここまでお金をかける必要があるのでしょうか?お金をかけるところはもっと他にあるでしょう?人もお金も首都圏に集中していきます。オリンピックを見に来た外国人がお金をおとす場所ほとんど東京。復興五輪とは名ばかり。この言葉には極めて違和感を感じます。

 オリンピックに復興が埋没しないように祈るばかりです。

2018年2月25日(日)
舌下免疫療法

 今日も寒いですね。それでも日中は少し暖かくなるので、雪がとけますが、夜間は冷え込むので、せっかくとけた雪が凍ってしまいます。

 日陰の道路はボコボコで車のハンドルが取られそうになりますし、歩いているとツルッと滑って転びそうになります。雪道は要注意です。

 相変わらずインフルエンザの患者さん多いですが、少し峠を越えた感じですし、軽症なお子さん達が多いです。もうすぐ高校受験もあります。それまでには、もう少し落ち着いてほしいですね。

 現在12才以上で行われているダニのアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法が12才以下の小児でも実施可能になりました。今まで延々とアレルギーのお薬を飲み続けていたお子さん達には朗報です。

 舌下免疫療法は、自宅で毎日1分間舌下に薬を投与し、それを内服します。単純なことですが、最低3年間は続けなければいけません。効果が期待できる反面、かなり意志が強くないと続けることが難しい治療でもあります。
 
 12才以下で実施可能とありますが、やはり、小学生以上でないと上手く出来ないように思います。とは言え、これからは対象年齢が大幅に増えますので、大いに普及していくと思います。ダニのアレルギー性鼻炎でお悩みの方は是非ご相談下さい。

2018年2月8日(木)
インフルエンザ今昔

 まだまだ寒い日が続いてます。福井県では約1500台の車が雪に埋もれて約10kmにわたり動けなくなってしまいました。今日は天気も回復してきて少しずつ動き始めたようです。なんとも凄まじい出来事です。

 インフルエンザのA型、B型同時流行の勢いは止まりません。日を追うごとに患者さんが増えてるように感じます。混合流行なんて言われたりもしていますが、A型、B型が混じって(混合して)AB型になるわけないので、同時流行の方が正しい表現ですね。

 マスコミ報道はA型、B型同時流行で近年にない大流行とあおっています。確かに、毎日、大勢のインフルエンザの患者さんを診察していますが、それほど大変でもないです。もちろん忙しいことには変わりありませんが、むか~し、インフルエンザの検査キットがなく、もちろん、インフルエンザに効く薬もなかった時代を思えば、この程度の流行たいしたことないですよ。な~んて言ったりすると、あちこちから非難されそうですな。

 平成11年に検査キットが、平成12年にリレンザ、平成13年にタミフルが発売されてインフルエンザの診断治療は画期的に変わりました。それまでのインフルエンザ診療はどんなだったか、想像つきますか?

 ちょっと話はそれますが、インフルエンザという呼称(病名)は昭和になってから一般的に広まってきたようです。それまでは「流行性感冒」とかいって、「冬のはやりカゼ」というイメージでした。冬になっていつものカゼより少し症状がきついと、「流行性感冒」と診断されてたわけです。これがいつ頃からインフルエンザと呼ばれるようになったかは不明ですが、昔のインフルエンザの診断は容易でなく、血液検査で抗体価の上昇から診断したりしていましたが、これがまた不正確で、しかも時間がかかる。結果がわかる頃には患者さんは治っているというようなことが日常茶飯事でした。

 では、本線に戻って、検査キットや薬がなかった時代の診療はどうだったのか?今から20年くらい前にタイムスリップして、当時の診療風景を再現してみました。

まず、初日
お母さん:昨日から急に高熱が出て、グッタリして何も食べられないんですよ。
小児科医:カゼかな?ところで、周囲にインフルエンザに罹った人はいませんか?
お母さん:保育園では熱で休んでいるお友達もいるようです。
小児科医:ニュースでインフルエンザが流行ってきたといってましたから、インフルエンザかもしれませんね。
お母さん:どうしたら良いですか。
小児科医:発熱によって免疫が上がってきて治癒しますので、あまり熱冷ましは使わないようにして様子を見ましょう。
お母さん:はい、そうします。

そして、2日日
お母さん:先生、全然熱が下がりません。昨日よりも悪くなったような気がします。もう2日間何も食べていないです。
小児科医:そうですか、確かに昨日より悪そうですね。では、今日は点滴をしていきましょう。
お子さん:エ~ン、エ~ンと泣く

そして、3日日、
お母さん:先生、良くなるどころか、どんどん熱が上がってきます。昨日帰ってから今まで、座薬を6回使いましたが熱が下がりません。
小児科医:そうですか、やはり、インフルエンザでしょうね。インフルエンザに効く薬はないので、体力や免疫力が上がってくるのを待つしかないです。それまで頑張りましょう。今日も点滴をしましょう。それと、二次感染予防に抗生物質を処方しましょう
(小児科医の心の中)ウイルスに抗生物質は無効だが、他に有効な薬もないし、いつもながら困った。
お子さん:今日も、エ~ン、エ~ンと泣く

そして、4日日
お母さん:先生、全然熱が下がりません。今日で4日目です。毎日ボーとしています。一体いつになったら治るんですか?ほんとに大丈夫ですか?(目がつり上がり、言葉がだんだんきつくなってくる)
小児科医:インフルエンザの発熱は4~5日で下がってきますので、もう少しの辛抱です。多くの人はそろそろ回復しますが、時々入院が必要になるときもあります。大丈夫かと言われても、今のところは大丈夫に見えます。
(小児科医の心の中)なんとも歯切れが悪い説明。自分がとても頼りなく思われているというのを実感。

お母さん:うちの子はどうでしょう?毎日痛い思いをして点滴をしてもさっぱり良くなっていないように見えますが?
小児科医:そろそろ治りそうですが、お母さんも少しお疲れのようですから、大事をとって入院しましょうか?
(小児科医の心の中)外来ではもう限界かもね。

お母さん:入院したら治るんですか?どんな治療するんですか?
小児科医:インフルエンザに効く薬はないので、治療は今と同じように点滴が中心です。肺炎などを合併していればその治療もします。24時間持続点滴しますので、外来治療よりは効果があります。免疫力が上がってくるのを待つという意味では、外来も入院も基本的には同じです。
お母さん:え~、一日中点滴するの、かわいそう!

 とマア、こんな具合でした。時間の経つのを待つしかない治療?なんて想像つきますか?今は、検査キットも薬もあり、インフルエンザの患者さんの多くは1回の受診ですみます。1回の受診で診断がつかなくても2回目の受診でほぼ結果が出ます。

 昔は、ごらんのように熱が続くため一人の患者さんが3~4日続けて受診するのが普通でした。つまり、今の患者数の3~4倍の患者さんを診ていたことになります。診察は検査キットはないので検査なし(当たり前ですね)。薬もないので点滴くらいしかすることがない。ベッドはいつも満員。そこに付き添う人たちもインフルエンザに罹ってしまう。ベッドが足りなくなり、待合室をカーテンで仕切って点滴をしたこともあります。診察は毎日7~8時過ぎまでかかり、もう自分も含めスタッフ一同みんなホントにグッタリでした。この時代を思えば今の流行なんてかわいいもんですよ。

 ただ、なんかの弾みで薬が効かなくなったら、また、あの暗黒時代に逆戻りです。この頃、予防に薬を欲しいという人を多く見かけます。薬の乱用によって、薬の効果が落ちてしまうこともあります。本来健康な人ならば、インフルエンザの薬はインフルエンザに感染したときだけ使用するようにしましょう。

2018年1月28日(日)
A型、B型同時流行

 ここ数日寒い日が続いています。今が一年で一番寒い季節ですね。でも、少しずつ日が長くなってきました。ほんのチョッピリ春の気配も感じます。

 今日は大相撲初場所の千秋楽です。先場所から続いている不祥事は後を絶たないようですね。優勝インタビューで栃ノ心が「ゴルフクラブで鍛えられた。」なんて、話したら面白いでしょうね。マア、そういうことはないでしょう。

 ところで、成人式を台無しにした はれのひの篠崎社長と、春日野親方はなんとなく顔が似ているように思えます。性格も似たもの同士かな~?今場所が終わったら、今まで無言だった貴乃花親方が何か爆弾発言でもしそうな感じがしますが、マア、それもないか。

 学校が始まる前から流行が始まったインフルエンザですが、かなり流行ってきました。今シーズンはなんといってもA型、B型同時流行というのがスゴいですね。

 普通はA型から始まって、それからB型が少し出てきて、おしまいというパターンですが、両方流行ると結構大変です。早くもA型、B型両方にかかった人もいます。

 なんとなく、小学校、中学校はB型、幼稚園、保育園はA型が多いように感じますが、もうすぐゴチャゴチャになってくるのでしょう。

 よく患者さんから、「先生はインフルエンザに罹らないんですか?」と、聞かれます。毎日大勢のインフルエンザの患者さんを診ていますから、ガッチリ感染しているはずです。でも、軽く感染してるんだと思います。その結果、免疫力がアップしているのではないかな?と、自分では思っています。毎日軽いワクチンを打っているようなもんでしょう。とは言え、全くの新型が発生したときは不安ですね。

2018年1月13日(土)
そろそろ、またインフルエンザ

 北陸や西日本では大雪で大変なことになっています。岩手県も北国ですが、今年は今のところ大雪の被害は免れています。でも、天気予報によると、そのうち寒気が北上してくるような話でした。いずれ、もっと寒くなって雪も降るんでしょうね。1月中旬から2月中旬が最も寒い時期です。

 もう、そろそろ冬休みも終わり新学期が始まります。年末にはB型インフルエンザが少し流行りかけてきましたが、学校の冬休みと同時に一段落していました。新学期が始まれば、またそこそこに流行るんだろうと思ってましたが、どうも今週になったらインフルエンザのお子さん達チョコチョコやってきます。

 圧倒的にB型が多いですが、A型も出てきました。どのあたりで流行しているのか、よくわかりません。大勢人が集まるところで、感染することが多いんでしょうね。この分だと、新学期と同時にA型、B型両方流行るかもしれません。

 いつもお話ししておりますが、できるだけインフルエンザワクチン接種した方がいいですよ。ワクチン接種しても完全に感染を防ぐことは出来ませんが、インフルエンザに感染たとき、体内で出来た免疫は正しくインフルエンザウイルスを処理してくれます。免疫のない状態でインフルエンザに感染すると、本来は我が身を守るための免疫がどのように対応してよいのかわからず、思いがけない異常反応を起こすことがあります。それが、脳炎・脳症のような重篤な合併症の原因ともいわれています。

 最も寒くなるこれからが本格的なインフルエンザシーズンです。手洗い、うがいを励行して十分睡眠をとりましょう。

2018年1月1日(月)
あけましておめでとうございます

 あけましておめでとうございます。12月は寒い日が続きましたが、年末年始は少し落ち着いた天気になりました。

 今年は戌年です。戌が犬という字になったのは、後世、一般庶民が読みやすいようにということからだそうです。

 ところで、「戌」は「滅びる」を意味する「滅」で、あまり良い感じがしませんが、「守る」という意味につながるのだそうです。これを植物に例えますと、木は、種から芽を出し、花が咲き、実をつけますが、やがて熟した実は落ちます。それでも木は残ります。最終的に本体の木だけは守るということで、たいへん忠義なたとえに引用されてるようです。

 犬はとても人間と親しく、忠実な動物です。そこから、戌年の人は「誠実な努力家」と言われています。

 一昨年は申年、昨年は酉年、そして今年は戌年、桃太郎トリオがそろいました。来年は亥年。猪突猛進の前年である今年は、ゆっくり、しっかり堅実に足元を固める年なんでしょうね。

 食物負荷試験は、現在、卵、ミルクのみ行っていますが、主に軽症なお子さんを対象にしています。次第にほかの食品も行う予定ですが、その前に、もう少し、卵、ミルクの対象者を広げていきたいと思っています。

 アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法は現在12才以上が対象ですが、今年度中に少し対象年令が下がります。おそらく5才以上となると思いますが、5才の子が舌下免疫療法の意味を理解するのは難しいと思います。アレルギー性鼻炎だから誰も彼も舌下免疫療法というわけにはいかないでしょう。やはり、小学校高学年くらいにならないと難しいように思います。小児科で本格的に舌下免疫療法が普及するには、まだ少し時間がかかりそうです。

 今年もいろいろ新しい試みに挑戦し、堅実な医療を心がけたいと思っています。新年は5日から診療開始しますが、2日は休日当番医です。