診察室便り

 日常診療で感じた事、最近の話題、など、医療だけでなく、いろいろな話題にふれたいと思います。
2007年1月~6月 2009年1月~6月 2011年1月~6月 2013年1月~6月 2015年1月~6月 2017年1月~6月 2020年1月~12月
   
2007年7月~12月 2009年7月~12月 2011年7月~12月 2013年7月~12月 2015年7月~12月 2017年7月~12月  
   
2008年1月~6月 2010年1月~6月 2012年1月~6月 2014年1月~6月 2016年1月~6月 2018年1月~12月  
   
2008年7月~12月 2010年7月~12月 2012年7月~12月 2014年7月~12月 2016年7月~12月 2019年1月~12月  
2022年6月29日(水)
もうインフルエンザ?今年の冬は?

 この頃、急に暑くなりました。関東では猛烈な暑さで電力消費量も増え、「電力需給ひっ迫注意報」という聞き慣れない言葉も耳にします。ひっ迫するのは医療に限ったことだけではないですね。

 そんな中、東京都内の小学校でインフルエンザによる学年閉鎖の報道がありました。インフルエンザによる学年閉鎖などの措置が取られるのは、一昨年以来です。しばらくなりを潜めていたインフルエンザですが、早くも今年の冬は新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に注意などと言われています。今シーズンはどうなるのでしょう?

 毎年のことですが、日本のインフルエンザの流行を予測するには、日本よりも先に冬を迎える南半球の流行状況が参考になります。今年のオーストラリアは、まだ冬になったばかりですが、過去2年間ほとんどみられなかったインフルエンザがかなり流行しています。となると、今シーズンの日本もインフルエンザが流行する可能性は高そうです。

 この2年間、全くインフルエンザを診てませんので、多くの人がインフルエンザに対する免疫が落ちています。ひとたびインフルエンザが流行れば、けっこうな流行になりそうです。仮に新型コロナウイルスとインフルエンザが、同時あるいは少し時期がずれても、それぞれ流行した場合、今の医療体制では、かなり混乱しそうです。インフルエンザはある程度患者さんを隔離して診察できますが、新型コロナウイルスは完全に他の患者さんとは隔離しなければなりません。発熱患者が、コロナも疑わしい?インフルエンザも疑わしい?となったら、どのように診療したらよいのか?大変悩みます。現状は、コロナの検査は駐車場で行っていますが、インフルエンザも駐車場となると、ちょっとどうかなあと思ってしまいます。

 新型コロナウイルス感染症が現在の指定伝染病:2類相当からインフルエンザ同様の5類感染症に格下げ?してもらえば、これはもういつものインフルエンザの診療と同じですので、あまり悩むことはありません。そろそろ新型コロナウイルス感染症を5類にしてはと言う声も聞かれます。

 世界中の国々でコロナ対策が緩和されてきているのに、日本ではいつまで経っても2類相当のままです。多分、WHOがパンデミック収束宣言でもださない限り、今のままでしょうね。と、思っていましたが、この頃は町でも人出が増えてきており、何となく、コロナ以前の生活に戻りつつあるような雰囲気を感じます。先週の土曜日に盛岡駅に行きましたが、人が多すぎる!チョットびっくりしました。これは全国的な傾向でしょう。そういう状況で、参議院選挙になりました。選挙の結果がどうなるのかわかりませんが、もしかしたら、選挙後には、世の中の動きに合わせて、コロナ規制に少し変化があるかもしれません。

 もし、新型コロナウイルス感染症が5類になった場合、町の診療所でも普通に診察できそうです。問題は入院が必要になったときです。今は、指定伝染病ですので、保健所の指示で入院できる病院が決まりますが、それがなくなると、各診療所が入院医療機関を探すことになります。病診連携がしっかりできていないと、入院できる病院の確保が難しくなり、今以上に混乱するかもしれません。また、PCRや抗原検査も今は自己負担がありませんが、指定伝染病から外れたとたんに、インフルエンザの検査同様、有料になります。新型コロナウイルス感染症を5類にするには、このようなことに対して十分準備をしておく必要があります。現状を見据えると、しばらくは、指定伝染病:2類相当のままでしょうね。

2022年6月5日(日)
コロナの収束はいつ?

 週末から週明けにかけて、梅雨前線が北上し、東日本、西日本の広い範囲で降雨が予想されています。このまま梅雨入りするのかどうか微妙なところですが、大雨には注意した方がよいです。

 今日は、休日当番医でした。特に目立った流行病はありませんが、下痢、嘔吐のお子さんが多かったですね。季節に関係なく胃腸炎はみられるようです。コロナの検査は3人行いましたが、1人陽性でした。この頃は少しコロナも下火になりつつあるように思いますが、まだまだ、先行き不透明です。もう誰が感染しているかわからない状況ですが、なんとなく怪しい人?がわかるようになってきました。濃厚接触者で症状があるときは、感染していることが多いようです。当たり前ではありますが、最近実感するようになりました。

 ゴールデンウィークがあけてから、新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数は少し増加しましたが、その後は漸減傾向にあります。当院でも検査陽性になるお子さんは少なくなってきました。

 これは、新型コロナワクチンの3回目接種が加速し、現在では全人口の約6割が3回接種を完了済みであることや、累計感染者数が延べ900万人近くなってきたという良い面と悪い面から「集団免疫」が少しずつ確立してきた結果と考えるのが妥当と思われます。

 そして、最近では外国人の入国制限緩和措置も相まって、国内外をまたぐ人流も増加しつつあります。韓国大使館領事部前には観光ビザ発行を求めて1,000人を超える申請者が行列をつくったと言う驚きのニュースもありました。となると、そろそろ収束?と期待しますが、どうでしょう?私は、今年いっぱいは要注意と思っています。

 ワクチンは感染の鎮静化に一定の効果をあげています。オミクロン株に対するワクチン3回目接種直後の発症予防有効率は60%以上ですが、この効果は約5か月経過するとなくなると言われています。3回目接種件数のピークは今年2~3月でした。その効果がほぼなくなるのは7~8月くらいですから、秋になると少し不安です。

 さらに高齢者や基礎疾患保有者を対象に始まった4回目の追加接種の有効率も数か月で減衰するだろうと予測されます。今年2~3月に3回目接種をした人が4回目接種をするのは、5か月後とすると、4回目接種件数のピークは今年の7~8月頃でしょうか、その4回目接種の効果が、2回目や3回目と同様に5か月程度で低下すると仮定した場合、その時期はは年末年始頃となりそうです。

 こう考えると、今後の流行のピークは、まず秋にきて、それがどのくらい続くかはさておき、今秋から年末年始にかけては、ある程度の流行を覚悟しておいた方が良さそうです。

 しかし、今秋以後、医療の逼迫や社会経済に大きな悪影響を与えるほどの流行でなければ、なんとなく、収束へ向かうような気もします。日常生活に過度な負担がなくなることが当たり前になって、初めて感染の収束といえますが、それはもう少し先でしょう。

 いまでこそ、インフルエンザはあまり恐れられない病気になってしまいましたが、それは、簡単な検査キット、ワクチン、治療薬といういわば「三種の神器」があるからです。今から20年前は何もありませんでした。当時のインフルエンザはひとたび流行すると社会は完全にパニックになってました。covid19にも、もっと効果のあるワクチンと治療薬ができれば、そこで初めて収束という状況を迎えることができるでしょう。この間に新たな強毒性変異株が登場しないことを祈るのみです。

2022年5月3日(火)
新型コロナ脳症?

 桜の咲く頃には、スギ花粉症も症状が軽快してきますが、今年は例年よりもスギ花粉の飛散量が多く、ゴールデンウィーク頃まで症状が続いてる患者さんもけっこういます。そろそろおさまりますが、今度はイネ科の花粉が気になってきます。イネはスギのように遠くまで飛散しませんから、原っぱに近づかないことが一番の対策です。

 5~11才の新型コロナワクチンを3月12日(土)から6週間にわたって接種しました。当初の予定では、5~11才のお子さんでは、インフルエンザワクチンを接種した人のだいたい8割くらいの人が接種するのではないかと思っていましたが、予想以上に接種されるお子さんは多かったです。

 4月下旬からは、昨年秋に接種した12才以上の方の3回目接種が始まりますので、5~11才のお子さんの接種については、一時終了としましたが、接種希望される方がおおぜいいらっしゃいますので、5月10日(火)より再開することとしました。

 昨日、栃木県で基礎疾患のない10才未満のお子さんが新型コロナウイルスに感染して死亡したという報道がありました。子どもは新型コロナで重症化しにくいとされ、厚生労働省によりますと10才未満の子どもで亡くなったのは先月26日までで4人と極めてまれです。栃木県によりますと、お子さんの亡くなった原因は急性脳症ということです。

 急性脳症はコロナに限らず、いろいろなウイルス感染症でみられる病気です。身近なところでは、インフルエンザ脳症がよく知られています。コロナによる急性脳症とインフルエンザ脳症が同じ機序で起こるのかどうかはわかりませんが、インフルエンザ脳症については、【免疫の暴走】が原因と考えられています。

 インフルエンザ脳症は、インフルエンザウイルスに対して、私達の免疫が正しく働かないために起きるとされています。免疫を調節し、体内に侵入した病原体を排除する物質を“サイトカイン”と言います。サイトカインには多くの種類があり、相互に連携を取り合って働いています。これを“サイトカインネットワーク”と言います。インフルエンザは、この“サイトカインネットワーク”を障害します。

 その結果、過剰な免疫反応、言い換えれば、【免疫の暴走】が起きて、「高サイトカイン血症」という状態になります。脳内では、「高サイトカイン脳症」という状態になり、免疫が正常に機能しないため、脳細胞が障害を受けて、けいれん、意識障害、異常行動などが見られるようになります。

 さらに多くの細胞が障害を受け、全身状態が悪化すると、呼吸が止まったり、血管が詰まったりし、多くの臓器の障害(多臓器不全)へと進み、命に関わる重症となります。

 コロナの場合、インフルエンザほど病原性が強くなくても、未知のウイルスということで、免疫が正しく働かなくなることは十分考えられます。インフルエンザ脳症の予防として、インフルエンザワクチンがあります。インフルエンザワクチンは確実にインフルエンザの感染を防ぐ力はありませんが、重症化を防いでくれます。それは、ワクチンによってある程度の免疫ができていれば、インフルエンザを正しく認識して、【免疫の暴走】を起こすことなく、正しい免疫反応で対処できるからです。コロナに対しても、ある程度の免疫を確保していれば、重症化を防げるかと思います。

 2月27日(日)の診察室便りに 、「ただの風邪が命取りになる病弱の子もいますし、どんな風邪でも稀ながら深刻な合併症を起こすことがあるのです。それはコロナも同様です。」と書きましたが、患者数が増えれば、やはり一定数の重症者はでてきます。重症化を防ぐために、新型コロナワクチンの接種をお勧めします。

2022年4月3日(日)
開院記念日

 この頃、ポカポカと暖かくなってきました。それとともにスギ花粉が舞い上がっています。例年は3月下旬~4月上旬がピークですが、今シーズンは冬が長かったせいか、ピークがずれ込み、4月上旬~中旬くらいまで続きそうです。桜の咲く頃にはおさまりますが、それまでけっこう大変です。

 今の時期に受診される患者さんには、舌下免疫療法をお勧めしています。ほとんどの方が、6月になったら是非始めたいと言ってくれますが、実際に6月になって受診される方は少ないです。やはり、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ですね。

 新型コロナウイルスは、一向に減少する気配をみせず、ダラダラと続いています。オミクロン株は流行しやすいので、流行のピークも早くきて、減少するのも早いだろうと予測されていましたが、はずれました。

 国立感染症研究所は、オミクロン株の変異株BA.2(ステルスオミクロン株)の割合が60%に達して、今後は主流化するとの推計を示しました。5月第1週には9割を超えると予想しています。
 新規感染者のうち20代の割合が増加傾向にあり、この年代では飲食店での感染が増えつつあることも分かりました。また、「これから新年度を迎えると、春休みやお花見など多くの人が集まる機会が増える。今後のリバウンドを防ぐためにも感染防止策の徹底が必要だ。」としています。

 現在、600~700万人くらいの人が新型コロナウイルスに罹患しました。3回目のワクチン接種した人が約5000万人くらいです。日本の人口は約1億2千500万ですから、半分近くの人がある程度の免疫を持っていることになります。感染症が収束するためには集団免疫を獲得しなければなりません。そのためには、全人口の60~70%が免疫獲得する必要があります。となると、もう少しワクチンが進めば、コロナの収束も見えそうですが、現実は新たな変異株の出現もあって、思う通りにはなっていません。

 昨日は、5~11才の新型コロナワクチンの集団接種に行ってきました。集団接種と言ってますが、実際は私達小児科医が1人1人診察して接種していますので、個別接種を大きな会場(集団)で行っているようなもです。ほとんどのお子さんは、おとなしく接種させてくれます。たまに大暴れするお子さんもいましたが、無事終了しました。今のところ、ワクチン接種後に体調を崩す子はみられず、スムーズに接種が進んでいます。一方、昨年の秋に1回目、2回目を接種した12才~64才の3回目接種も始まります。こちらはまだ準備中ですが、4月23日(土)くらいからは開始したいと思っています。

 一昨日の4月1日は当院の開院記念日です。毎年新たな気持ちで新年度を迎えますが、今年は、コロナの検査とワクチンで全く余裕もなく、新年度という気がしません。当分の間、慌ただしい日々が続きそうです。

2022年3月11日(金)
あの日から11年

 決して忘れることのない3月11日が、今年もやって来ました。長引くコロナ禍の中、さらに加えて、ロシアのウクライナ侵攻もあってか、次第に被災地の現状が遠のいているような気もします。政府主催の追悼式も今年は行われません。記憶の風化が懸念されていますが、幾星霜を経ても、決して忘れることのない惨劇です。

 プロ野球ロッテの佐々木朗希投手は、小学3年の時、岩手県陸前高田市で父と祖父母を失い、避難所生活を送りました。彼の口からその話を聞くことはあまりないですが、その時の悲しみは忘れることがないでしょう。しかし、佐々木投手の堂々としたピッチングは、観るものみんなに勇気と感動を与えてくれます。今シーズンはオープン戦から160km代の速球を連投しており、開幕が楽しみです。

 3月から5~11才の新型コロナワクチンの接種が始まりました。当院でも明日12日から開始します。どのくらいの人数が接種希望されるのか、見当がつきませんでしたので、最初は少なめに予約枠を設定しましたが、あっという間に埋まってしまいました。そこで急遽、予約枠を増やしましたが、やはり、すぐ満員となってしまいます。

 小児用新型コロナワクチンは1Vから10人分接種できますので、予約人数は10の倍数になります。このワクチンはインフルエンザワクチンのように、はじめから1人分ができているのではなく、接種当日に10人分を作らなければならないので、大変手間がかかります。

 一般診療、健診、予防接種(コロナ以外)に加え、この頃はコロナの検査にも時間をとられ、てんてこ舞いしています。このような状況で、さらに、新型コロナワクチンの接種も行いますので、どうしても、時間が足りなくなってしまいます。

 誠に申し訳ありませんが、コロナワクチン接種期間は、一般診療時間を短縮することにしました。今までは、予約外の患者さんでも時間に空きがあれば診察していましたが、今後しばらくの間は、予約外の患者さんは診察できませんので、ご了承くださるようお願いします。

2022年2月27日(日)
小児(5~11才)の新型コロナワクチン接種開始

 いよいよ3月から小児(5~11才)の新型コロナワクチンが始まります。盛岡市では、すでに接種対象者への接種券発送も始まっており、今週中にはお手元に届くものと思われます。当院でも3月1日(火)より予約開始、3月12日(土)より接種開始の予定です。

 私達盛岡市内の小児科医は盛岡市新型コロナワクチン接種本部とワーキング会議を数回にわたり行ってきました。明日がその最終の打ち合わせになります。ワクチンについて理解を深め、安全に接種するにはどのようにしたら良いのかなどについて、話し合いを重ねてきました。

 接種は、個別接種と集団接種の二本立てで行う予定ですが、集団接種は、12才以上とは会場を別にして、毎週土曜日行われる予定です。原則として、小児科医が接種に行きます。個別接種を集団で行うようなものです。かかりつけ医で予約がとれない場合は、集団接種をご利用ください。

 ワクチンについては、接種されるお子さんと保護者がよく話し合って決めるように言われていますが、なかなか難しいと思います。厚労省は「5~11歳の子どもへの接種(小児接種)についてのお知らせ」をネットに上げています。「新型コロナワクチンQ&A」や、「ワクチンの安全性・有効性について」掲載されていますので、ご参考にしてください。

 気になる副反応ですが、5~11才のワクチンは、ワクチンそのものが成人用と別の製品となっています。mRNAは30μgが10μgに減っただけですが、安定化剤も含めて成分が少し違うようです。そのわずかな違いが悪影響を与える可能性は極めて低いと思っていますが、今後、多くの子どもに接種してみなければわからないことです。

 5~11才のワクチンについて、アメリカでは何百万人分ものデータが出てきています。治験のデータに比べるとやや厳密さに欠けてるようですが、何か深刻な副反応があるとしても非常に稀なものと考えられています。

 コロナの現状をみますと、全国的な流行となっていますが、岩手県が今一番流行のピークに向かっているようです。今月になってから検査数も増えてきました。けっこうな人数が感染しています。

 4才の保育園児は発熱した日にPCR検査しました。翌日に陽性と判明しましたが、すでに解熱して元気とのこと。お母さんが喉が痛くて微熱があるというので、今度はお母さんとお父さんも検査しましたが、お母さんは陽性、お父さんは陰性でした。心臓の持病を持っている中学生は、発熱翌日に検査したら陽性でした。完全には解熱しておらず、少し倦怠感があるとのことでした。

 感染状況からは、幼児、小学校低学年くらいまでは、軽い風邪としてもよいくらいです。それ以上の年令では少し辛い症状がみられるかもしれません。確かに周囲への感染力は強く、家庭内感染は防ぎようがないようです。

 ワクチン本来の目的は、①.感染予防(病気に罹らないようにする) ②.重症化を防ぐ(罹っても軽くすむ) ③.集団免疫の獲得(人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染者が出ても、他の人に感染しにくくなること)の3つです。小児(5~11才)の新型コロナワクチンについて、私はこの3つを次のように考えています。

 まず①.現在、接種されている新型コロナワクチンは、オミクロン株に対しては、かなり感染予防効果は下がって、感染予防効果のあるワクチンとは言いがたいように思います。
 子どもはよく風邪を引きます。そして、すぐ治って、それ相応に自然免疫を獲得します。子どもたちにとっては、オミクロン株だろうが、デルタ株であろうが、他の風邪のウイルスと同様、普通に対応できているように見えます。したがって①.はあまり意味がないと考えています。

 次に②.これは意味があると思います。②.の前に、③.についてお話しします。「集団免疫を作るために子どもに接種する」は、正しいのか?どうもこれも賛同しかねます。
 新型コロナワクチンには、「努力義務」という言葉が使用されていません。義務になるワクチンは、集団免疫を獲得した上で、免疫のない弱い人達を守ることが目的です。現在、オミクロン株に対して感染予防効果が落ち込んでいる状況では、集団免疫獲得のためにみんなが接種しようというのは、少しピントがずれています。

 「社会の日常を戻そう。学校の日常を戻そう。」とは言うものの、ワクチンを接種したからと言って、すぐに、スポーツ大会や、音楽コンクールや、修学旅行が解禁になるとは思えません。ですから、お子さんにはワクチンを接種すると、すぐに前のような学校生活に戻ることができるとは、言わない方が良いか思います。

 1つ前に戻って、②.ですが、これが、今回のワクチンの一番重要なところだと思っています。5~11才は、一番コロナが重症化しない年令層だと思います。ならばワクチンは不要?しかし、基礎疾患を持っていると、コロナに感染したとき重症化する心配があります。これは、どの年令層でも同じです。基礎疾患を持つ場合はワクチン接種した方が良いです。

 では、基礎疾患とはどのような病気かというと、重症化リスクの高い持病として、日本小児科学会は、「新型コロナウイルスワクチン接種に関する、小児の基礎疾患の考え方および接種にあたり考慮すべき小児の基礎疾患等」を上げています。大雑把に言いますと、慢性呼吸器不全や重い神経学的な後遺症、先天性の心臓病、ダウン症のような染色体の異常など何らかの病気や、小児がん等の病気やその治療のために免疫の力が落ちている子どもと肥満児たちが対象になりそうです。

 ただの風邪でも命取りになるような重症化リスクの高い子どもたちにとっては、ワクチン接種はとても大きな防衛手段です。また、肥満は病気のように思えないかもしれませんが、高度肥満の場合、年令が進むにつれて免疫が低下することがありますので、要注意です。

 では、基礎疾患のない子はワクチンは不要かというと、そうとも言えません。ところで、風邪と一口に言ってもいろいろあります。風邪だと思ってたらいつの間にか悪化して大変な目に遭ったと言う話はよく耳にします。

 昔から「風邪は万病の元」と言われています。ただの風邪のウイルスでも十数万人もかかれば、1人か2人はとんでもない重症になります。子どもの場合、大人と比べると、風邪のウイルスは臓器親和性が強く、大切な臓器(心臓、脳、肝臓など)に感染を起こして、時として、心筋症(炎)、脳症、劇症肝炎のような命に関わる重篤な合併症をもたらします。
 ただの風邪が命取りになる病弱の子もいますし、どんな風邪でも稀ながら深刻な合併症を起こすことがあるのです。それはコロナも同様です。

 日本では、コロナは子どもに対して、今のところ、風邪の域を出ていませんが、海外では、入院の必要な子どももいます。今後も子どもの感染者が増えていけば、一概に軽いとは言えなくなるかもしれません。

 5~11才の年代の子どもに対しては、基本的にはワクチンは重症化を防ぐために接種するという考え方になります。私が保護者から、接種すべきかどうかについて質問されたら、、「コロナは今はただの風邪と同じ、あるいはそれ以下ですが、ただの風邪でも重症化する場合はあります。それはコロナでも同じです。さらに、今後コロナがどのように(重症化)変化するかはわかりません。稀に重症化することはありうることと思います。その可能性をさらに下げる意味ではワクチンは有用と思います。」という説明しかできないでしょう。

 以上、長々と書いてみましたが、最後は、決まり文句の「安全性と有用性を考えて接種を決めましょう」になってしまいます。本文が、接種を決めるときの一助となれば幸いです。

2022年2月21日(月)
オミクロン株 大流行

 新型コロナウイルス(オミクロン株)は、全国で流行し、岩手県も今までにない患者数となっています。「感染力は強いが、重症化は少ない」とは言え、1人陽性者がでれば4人の濃厚接触者がいると考えられていますので、患者数は増加の一途をたどっています。

 当院でも検査をするお子さんが増えてきました。朝、受付開始と同時に問い合わせの電話が鳴り止みません。すぐに電話に出られずご迷惑をおかけしておりますが、この様な状況ですので、なにとぞご理解をお願いします。検査を希望される方は、コロナの検査で受診される方へをお読みになってください。

 子どものオミクロン株の症状は、「軽いかぜ」という感じです。オミクロン株は咽頭(のど)で増殖しますので、咽頭痛(のどの痛み)や発熱がよく見られます。他に、咳嗽、鼻汁、嘔吐、下痢など胃腸炎のような症状もみられ、普通のかぜとの区別が困難です。しかし、発熱は2日くらいで下がることが多く、ほとんど軽症です。3日も休めば、軽快しますので、あまり心配しないことです。年令別に見ると、学童の方が幼児よりも解熱後に少し倦怠感が見られたして回復に時間がかかるようです。

 オミクロン株の潜伏期間は、1~3日です。感染してから3日経たないと検査してもわかりませんし、軽症ですから、軽いかぜくらいに思って、知らないうちに他の子に移してしまうこともありそうです。軽症、無症状のまま軽快し、兄弟姉妹や親の発症で気がつくこともあります。

 咽頭でウイルスが増殖することが、なかなか厄介で、発育途上の子どもは大声で話したり、友達に触ったりしますので、感染対策を完全には守り切れません。このため、幼稚園や保育園での感染が拡大しています。

 多くの場合、軽症ですむオミクロン株ですので、軽く罹って免疫ができれば、それで良いわけですが、みんながそういうわけにはいきません。アメリカの報告によると、オミクロン株の感染から3日以内に集中治療室に入るなどした5才以下の人数はデルタ株の約3割だったということです。決して多くはないものの、やはり、重症化するお子さんはいるようです。

 また、オミクロン株の変異株BA.2(ステルスオミクロン株)はオミクロン株よりも重症とも言われています。今後、オミクロン株が下火になった後に、ステルスオミクロン株が流行するのではないか?という心配もあります。

 オミクロン株に罹って免疫ができた子たちはステルスオミクロン株にもある程度抵抗力が期待できるかもしれません。しかし、オミクロン株に罹らなかった子たちは相変わらず免疫を持たないままです。

 3月から、小児(5~11才)の新型コロナワクチンが始まります。今まで、子どもの感染はあまり問題になりませんでしたが、爆発的なオミクロン株の流行状況を見ていると、少し見方が変わってきたように思います。一口に基礎疾患と言ってもいろいろありますが、ワクチンが必要なお子さんは一定数いるように思います。

2022年1月27日(木)
対策の“迷走”

 今年の冬は雪が多くてまいります。雪かきは一苦労です。大寒は過ぎましたが、春はまだまだ先ですね。

 連日、すさまじい勢いで、オミクロン株が猛威をふるっています。12月31日の診察室便りに「新型コロナウイルスは、4~5か月くらいの周期で増減しています。となると、1月下旬が心配です。」と書きましたが、その通りになってしまいました。聞くところによると、このオミクロンの変異株BA.2とかも見られるようになったとか、オミクロン株に有効な新しいワクチンが開発されるとか、まるで無限ループに陥ったような気がします。

 過去の流行状況を見ると、大体が、正規分布曲線のように、左右対照的な増減を繰り返しています。つまり、増え方がゆっくりだと、減り方もゆっくりで、逆に増え方が早いと、減り方も早いという感じです。オミクロン株も今は大流行していますが、来月中~下旬以降には減少に転じるかもしれません。

 ところで、先週あたりから、コロナ対策の潮目が変わり始めた。と感じるニュースが目立ってきたように思います。コロナ対策を政府に助言する尾身会長をはじめとした専門家の有志は、1月21日、感染が急拡大した場合、若年層で重症化リスクが低い人は「必ずしも医療機関を受診せず、自宅療養を可能とすることもあり得る。」とする提言を公表しました。オミクロン株で医療が破綻する前に議論しておくべきこと、という視点からの提言とのことですが、これは、随分踏み込んだ内容の提言です。

 その一方で、政府側は効果が今ひとつ不明と言われる蔓延防止等重点措置の適用を進めています。さらにワクチンの3回目接種もどんどん前倒しで進めています。こういう状況を見ると、国は“やるべきことをやっている感”を出す一方で、専門家側から方向転換の発言をしてもらうことで、新型コロナウイルスに対するイメージを徐々に「ほとんどの人が自宅療養だけで治る病気」へと変えていこう、という意図を感じます。

 こうした動きを、「コロナ対策、専門家迷走 蔓延防止で知事間温度差」と皮肉る新聞記事もありましたが、私は専門家側も政府側も含め、わざと、“迷走”を演じているような気がします。さらに、1月24日、後藤厚生労働大臣は「医療の逼迫する地域では、重症化リスクの低い若者らは自らの検査だけで医師の診断なく新型コロナウイルス感染者と判断し、自宅療養に移るのを認める。」と表明しました。同日には厚労省から事務連絡が通達されています。これは1月21日に専門家の有志が提言したことと同じです。

 また、学校などでも、対応に変化が見られてきました。大阪府教育庁は、極力、子どもたちの学ぶ環境を維持したいとして、感染などが確認された場合の休校や学級閉鎖の基準を緩和しました。これまでは、感染者や濃厚接触者が1人でも確認されれば、学級閉鎖などにするとしていましたが、新たな基準では、原則として、感染者や濃厚接触者だけを出席停止にして、学校活動を継続するとしています。季節性インフルエンザのように、クラスで一定数発症したら学級閉鎖、複数のクラスが学級閉鎖になれば学年閉鎖、複数の学年に拡がれば休校という具合です。

 さらに、「新型コロナウイルス感染症による学校休業状況」を学校名を出してwebサイトで公開し、流行状況をみんなに知らせています。○○保健所管内の教育施設としか報告しないどこかの県とは大違いです。

 現在の濃厚接触者の定義は、「適切な防護(マスク)なしに手で触れる距離(1m)で15分以上の接触をしていたもの、または同居、長時間の接触、防護なしでの診察や看護、介護 汚染物質に直接触れること」とされています。

 今、学校ではこれに当てはまるような子はいないと思います。どの子もしっかりマスクをつけていますし、長話をしてるような子はいません。となると、学校での濃厚接触者はかなり少なく、感染拡大の防止と教育環境の確保を両立できると思います。

 過度に恐れるのではなく、国民の多くの認識が季節性インフルエンザに対するのと同程度に変わっていけば、いわゆる「withコロナ」の世界も現実味を帯びて来るでしょう。果たして政府の目論見、世論形成はうまくいくのか、“迷走”で終わりはしないか…。今後の動きに注目しましょう。

 さて、いよいよ、3月からは5才~11才の子どもへの新型コロナワクチンの接種が開始されます。厚労省は、子どもへの接種を、無料で受けられる公的な予防接種に位置づける方針(公費負担)を決めたうえで、保護者の「努力義務」とするかどうかを議論しています。

 現在、新型コロナワクチンの接種は、法律で妊婦をのぞくすべての対象者の「努力義務」とされています。「努力義務」とは、接種を受けるよう努めなければならないとする予防接種法の規定で、麻疹や風疹など定期接種のワクチンの多くに適用されています。

 新型コロナワクチンについても、蔓延防止の観点から「努力義務」と位置づけられていますが、本人や、16歳未満の場合は保護者が有効性や安全性を考慮して接種するかどうかを決めることになっていて、接種を受けなかったとしても罰則はありません。

 1月26日の厚労省の分科会では、専門家から「『義務』ということばに拒否反応もある。本来は、接種するかどうかを選択できるという趣旨であり、その意味が正しく伝わるように説明する必要がある」といった意見も出ていました。

 また、「努力義務とすることで保護者が仕事を休みやすくなるなどの効果が期待できる」とか「努力義務としない場合『子どもは打たなくていい』というメッセージに受け取られかねない」という意見が出された一方で、「オミクロン株に対して感染を防ぐ効果が、子どもについても期待できるのか明確ではない」「妊婦を適用除外にしたのと同じように、十分なデータがそろうまで待つべきだ」という意見も相次ぎました。このため、5才~11才の接種を保護者の「努力義務」とするかどうかは引き続き議論することになりました。

 どんなワクチンでも、常に有効性と安全性を考えて接種しなければなりません。現在、厚労省は、接種を受ける子どもとその保護者向けの説明書を作成中です。接種開始まで、1か月あります。この間に少しずつ新型コロナワクチンに対して理解を深めていくことになります。自分もいろいろ情報収集していますが、まだよくわかりません。接種が始まる頃には、少しでも皆様の疑問にお答えできるようにしたいと思っています。

2022年1月1日(土)
あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます。今日は少し寒波も緩み穏やかな年始を迎えています。明日からはまた天気が荒れそうですので、初詣は今日が良いですね。

 今年の干支(えと)は寅ですが、寅年にもいろいろあるようで、今年は「壬寅(みずのえとら)」です。本来の干支とは「十二支(じゅうにし)」」と「十干(じっかん)」を組み合わせたものです。十二支とは時間を表し、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12種の動物を当てはめています。この十二支に、空間を表す十干「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10の要素を加えたのが、60種からなる「干支」です。 双方を組み合わせた干支を六十干支(ろくじっかんし)ともいい、60年で一巡します。

 60才になると「還暦のお祝い」を行う習慣があります。これは、生まれてから60年で六十干支が一巡し、元に戻ることに由来しているのだそうです。とマア、聞いたままを書きましたが、干支の豆知識として、知っておきたいですね。60年で一巡しますから、寅年も5つの組み合わせがあり、それぞれに特徴があるようです。ちなみに今年の「壬寅」は、優しい虎なのだそうです。

 2年前に新型コロナウイルスが発生したとき、今日のような現実が訪れるとは誰も思わなかったことと思います。最初は恐れおののき、次第に受け入れるようになってきたとは言え、収束まではほど遠く感じます。一方、withコロナも社会に浸透してきています。withコロナの意味は、人によって解釈が異なるかもしれませんが、「新型コロナウイルスはもはや撲滅困難。これからは共存しながら、暮らしかたや価値観を変えていく」ということだと思います。したがって、職種や環境によっていろいろなwithコロナがみられるようになってきました。

 町の医療機関としては、そろそろ、指定伝染病から外してもらって、患者さんを普通の診察室で診察できるようになれば、何となくwithコロナになってきた感じがします。しかし、まだまだ実現不可能です。

 「壬寅」の「壬」は「妊に通じ、陽気を下に姙(はら)む」、「寅」は「螾(ミミズ)に通じ、春の草木が生ずる」という意味があります。そのため「壬寅」は厳しい冬を越えて、芽吹き始め、新しい成長の礎となるイメージを与えてくれます。少しずつwithコロナが実現されるよう期待しています。

2021年12月31日(金)
大晦日

 昨年の年末も数年に一度の寒波襲来と言ってましたが、今年も同じような天気になっています。本格的な冬はこれからですから、今年の冬は長く感じそうです。

 今年も昨年同様、コロナに明け暮れた一年になりました。今の日本のオミクロン株の流行状況は、はじめて新型コロナウイルスが国内に入ってきたときとよく似てるように感じます。ちょっと違うのは、良い意味でも悪い意味でも、もうみんなある程度慣れてきたのかなあと言う気がします。街の賑わいも昨年とは全く違います。

 5月23日の診察室便りに『一日100万回(集団接種+個別接種)』と題して、ワクチン接種が進めば、「もしかしたら、来年のお正月は、今までの日常に近いお正月を取り戻すことが出来るかもしれません。」なんて書きましたが、何となくそうなってきました。このままいけば良いのですが、どうでしょうねえ?

 新型コロナウイルスは、4~5か月くらいの周期で増減しています。となると、1月下旬が心配です。しばらくは、少し戻った日常を楽しみながら、今までの感染対策を忘れないようにすることが大切です。来年は寅年です。虎のように、世界中が元気になってほしいです。

2021年12月12日(日)
オミクロン株

 師走になって少し寒い日が続きますが、例年よりはまだ冷え込みも強くないようです。12/5(日)青山町SGプラザの新型コロナワクチン集団接種に行ってきました。接種人数は午前午後で400人くらいで、だいぶ少なくなってきました。多くの人達は2回目接種まで終了しています。これからは、3回目接種が始まりますが、その次は、4回目接種でしょうか?そのまた次は5回目接種?もう毎年接種しなければならなくなるのでしょうかね?

 インフルエンザは、盛岡市内の小学校でB型が1人発生したようです。コロナも心配、インフルエンザも心配、今年の冬も昨年と同様ですね。

 最近話題のオミクロン株は、感染力が強いものの、重症例は少ないと言われています。国内でも発見されてきています。年末年始にかけて人の往来が増えれば、流行が懸念されますが、「感染力が強いものの、重症例は少ない」なら、風邪と同じ?と思ってしまいますが、油断してはいけないですね。

 オミクロン株は基準株と比較し、30カ所以上の変異を有することが報告されています。となると、猛烈に強毒化したような印象を受けますが、変異部位の多さが、そのまま感染力の強さをあらわすわけではないようです。変異の中には感染力の低下に関する変異もあることも推測されるため、オミクロン株の感染力、毒性が本当に強いかどうかは、まだ、はっきりとはわかっていないようです。

 日本国内では第5波が収束しつつありますが、今までの傾向を見ると、ある程度感染者数が増えてピークに達すれば、その後は、減少に転じるというパターンを繰り返しています。もう、2年近くこういう状態が続いています。

 いずれは人-人の感染は収束するでしょうが、野生動物間で感染がなくなることはないように思います。インフルエンザのように、野生動物から再び人に感染が拡大することがありそうです。今年もあちこちで鳥インフルエンザが出現しています。
 新型コロナウイルス(COVID-19)の完全終息に向けては、野生動物への感染拡大の経路を断ち、人は野生動物との接触を避ける必要があります。

 完全終息に至るまでの道のりは極めて険しいとなると、共存を考えていかなければなりません。COVID-19の現在の致死率は1%程度ですが、これがインフルエンザと同等の0.1%程度まで低下すれば、COVID-19は今ほど恐れる必要のない感染症となり、心理的な終息状態に至ると考えられます。そのためには、①.有効性の高いワクチン、②.経口治療薬、③.短時間で結果が分かる簡便な検査の3つが揃わなければなりません。人類が感染症を克服するための、言わば「三種の神器」です。①.③.はある程度期待できます。②.はまだ少し時間がかりそうです。

 収束を期待する一方で、新たなパンデミックが起こる可能性も指摘されています。20世紀はスペインインフルエンザ(スペインかぜ、1918年)、アジアインフルエンザ(1957年)、香港インフルエンザ(1968年)などのインフルエンザによるパンデミックが起きました。このように20世紀はインフルエンザの時代でした。

 それに対して、21世紀はSARS(2002年)、中東呼吸器症候群(MERS、2012年)、ブタ急性下痢症候群(SADS、2017年)、COVID-19(2019年)と、続々と新型コロナウイルスが出現しており、コロナウイルスの時代といえます。さらに、これらの新型コロナウイルスは出現間隔が短くなっている傾向にあり、現在猛威をふるっているCOVID-19に続く新たな新型コロナウイルスが出現する可能性もあります。

2021年11月28日(日)
インフルエンザ1人発生

 昨日は朝に雪が降りました。ちょうど通勤時間帯と重なりましたが、土曜日だったので、あまり道路が渋滞することはなかったようです。もう冬本番ですね。

 南アフリカ共和国で新たに見つかった新型コロナウイルスの変異株は「オミクロン株」と命名されました。名前の由来については、いろいろと取りざたされているようですが、肝心なことは、病原性の強さや、感染力の強さです。今のところあまりわかっていないようです。

 とにかく国内に入らせてはいけません。今の日本国内はかなり感染が収まってきていますが、それは「デルタ株」であって、新らしい株が発生すれば、また前に逆戻りしそうです。まさに水際対策の正念場です。関係者の方々は「国を守る」という強い気持ちで頑張ってほしいです。

 3回目の新型コロナワクチンが来月から始まるようです。さらに、来年2月からは、5~11才の接種も開始予定ということです。しかしながら、5~11才の接種については、まだ何も連絡がありません。ホントにこの年令で必要かどうか十分議論されたのでしょうか?

 この頃、この年代のお子さんの保護者から「新型コロナワクチンは必要ですか?」と聞かれることがあります。ワクチンのメリットは、病気に罹らない。罹っても軽症で済む。他の人に病気をうつさない。などなどです。時として子どもでも新型コロナウイルスは重症化すると言われてはいますが、日本国内をみると、重症はまずいない。患者数も非常に少ない。しかし、今後どうなるのかはわからない。「デルタ株」なら軽症でも、「オミクロン株」なら?と言うのが現状でしょう。年内には子どもの接種について、詳しい説明があると思いますので、それまでは静観するしかないです。

 新型コロナウイルスに隠れて、すっかり影が薄くなったインフルエンザですが、先週岩手県内で1人発生したようです。今の時代は個人情報保護の観点から患者さんの詳細な情報は得られませんが、県央保健所からの報告ですので、この地域在住の人でしょうね。

 今シーズンのインフルエンザは流行るのか?流行らないのか?まだわかりません。流行るなら年明けではないかと思っていますが、いつ流行りだすのか見当がつきません。インフルエンザワクチンは接種後2週間で免疫が上がります。もうそろそろ接種した方がよいです。インフルエンザワクチンは遅くとも12月中には完了するようにしてください。

2021年11月7日(日)
ウイルスの自滅?

 11月になっても、比較的暖かい日々が続いています。長期予報によりますと、今月はあまり気温が低下せず、過ごしやすいようです。

 本日は、新型コロナワクチン集団接種のお手伝いに行ってきました。会場は、青山町のSGプラザ、以前はおもちゃのトイザラスがあったところです。今日はモデルナ社製ワクチンの1回目ということでした。モデルナ社製ワクチンは初めて見ましたが、ファイザー社製のように希釈しないで、1バイアルから10人分取れて、少し余るくらいだそうです。ファイザー社製は1バイアルからギリギリ6人分でしたが、最近のシリンジ(注射筒)からは楽に6人分取れるようになりました。少しずつ便利になってきているようです。

 さて、この頃、めざましい勢いで新型コロナウイルス感染者が減少に転しています。前々回、『エラーカタストロフの限界』によって、ウイルスが自滅した?と言うようなお話をしましたが、最近、これに関連した2つのニュースが注目されています。

 1つは国立遺伝学研究所などがまとめた研究結果で、第5波の患者数が激減しているのは、ウイルスの変異を修復する酵素「nsp14」が変化したためで、修復が追いつかず死滅したのではないかと指摘しています。ハーバード大学院卒で医学博士の左門新氏は、「ウイルスが変異するとき変異を修復して元に戻す酵素が存在しますが、この酵素はウイルス内の遺伝子によって作られます。この遺伝子が変化すると酵素も変異し、その結果、酵素が本来持っていた修復能力が働かなくなるとの理論です。その酵素がnsp14で、修復が阻害されたためウイルスが死滅したのではないかと研究者が推測しているのです。」と解説されています。

 もう1つはニューヨーク大の見解で、ウイルスが変異を起こし過ぎると感染力と複製力が低下すると予想しています。その結果、ウイルスは今後も感染拡大を繰り返し、最終的に普通のカゼウイルスになると推測しています。左門新氏によると、「ニューヨーク大の理論には2つの裏付けがあります。①.度重なる変異によってウイルスの毒性が強まると、感染した人などが死に、ウイルス自体も一緒に死滅します(自然淘汰)。②.毒性が強いと人間がワクチンなどの対策を強化するため、毒性の弱いウイルスのみが生き延びカゼの状態になります(適者生存)。こうした理由でウイルスの脅威が収まります。」ということです。

 このように、第5波収束の原因は酵素の変化が多少関係しているとも考えられますが、それだけが大きな原因とは言えず、ウイルスの自滅はあくまでも推測にすぎません。

 世界中見渡せば、欧州などは患者数が激増しており、深刻な状況になっています。日本国内で収まっても、また、海外から新種が入ってくればすぐ元に戻りそうです。昨年の春節の二の舞にならないよう、しばらくは水際対策をしっかり行ってほしいものです。

2021年10月10日(日)
新型コロナワクチン臨時接種日

 次第に秋も深まり、朝晩は涼しさを感じるようになりました。グッと冷え込むと気管支喘息発作がみられる季節でもあります。一年を通じて、9月~10月が一番多い時期です。ちょっと苦しいかな?と思ったら早めに受診しましょう。喘息は我慢してはいけない病気です。

 遅ればせながら、盛岡市でも新型コロナワクチンの接種が進んでいます。自分の周囲は医療従事者が多いせいか、みんなだいたい2回目も終わっているようです。

 しかし、まだ、一度も接種できずにいる方も多くみられます。10月4日現在、盛岡市内の12才以上接種率は49.3%で、東北地方の県庁所在地では2番目に低い数値です。やっと、集団接種もあちこちで始まりましたが、なぜか予約枠が埋まらないようです。

 かかりつけの医療機関が満員だったとか、かかりつけ医がいないとか、希望する種類のワクチンではないとか、集団接種は何となく不安とか、いろいろ事情があるようです。

 当院の新型コロナワクチンは、今のところ順調に進んでいます。土曜日はすでに2回目に入っています。平日も今週で1回目は終了して、来週からは全枠が2回目になります。ワクチンは限られた量しか配分されませんので、当院での接種を希望された方々全員には接種できてないようです。申し訳ありません。

 キャンセル待ちも受けつけましたが、キャンセルがあってもすぐに埋まってしまう状態です。今後、インフルエンザワクチンの接種も増えてきますので、新型コロナワクチンにばかり時間を割くことはできませんが、10月30日(土)に臨時の接種日を設けることにしました。

 少しでも多くの方に接種してほしいと思っています。通常の予約は1回目と2回目のセットになりますが、そうなると、2回目接種ができていない人はいつまで経ってもできないままです。

 10月30日(土)は、まだ一度も接種できずにいる方だけでなく、2回目接種ができていない方にも接種することにしました。また、当院の受診歴のない方にも接種します。予約は、コールセンターと当院Webサイトの両方からできます。

2021年10月5日(火)
エラーカタストロフの限界

 この頃、急速に新型コロナウイルスの感染が少なくなってきたように感じます。今までも数回増減を繰り返してきた新型コロナウイルスですが、今回はいつもとチョット違うような? ワクチン接種が進んできたと言うこともあるでしょうが、何か他にも要因がありそうです。

 東大の児玉龍彦名誉教授は、「ウイルスのコピーミスを修正するポリメレースという酵素に変異が生じたことで、コロナウイルスの変異速度が格段に上がっている。」と指摘しています。これは、簡単に言うと、「ウイルスは変異しすぎると、そのせいで自滅する。」と言うことですが、もう少し詳しく言うと、「ウイルスの変異株は増殖する時にコピーミスが起きると出現します。デルタ株のような増殖の速い変異株は、急速に感染拡大していきます。ところが、あまりにも増殖が速ければ、今度は、それだけコピーミスも増えてしまいます。その結果、ある一定のコピーミスを超えると、逆にそのウイルスの生存に必要な遺伝子までも壊してしまって、ウイルスが自滅(自壊)する。」ということです。

 1971年にノーベル化学賞を受賞したマンフレート・アイゲン博士が発表した『エラーカタストロフの限界』という考え方に基づくものですが、ウイルスが変異しすぎると、いつの間にか自分自身が危うくなるということは、興味深いですね。

 インドでは、1日に30万人とか、50万人とかの感染者がみられ、どうなるのかと心配されていましたが、特別な医療行為も施されないうちに、いつの間にかおさまってしまいました。このインドの状況を説明するのに『エラーカタストロフの限界』を引用している学者もいます。

 もしかしたら、日本国内のデルタ株も少し変わってきているのかもしれません。7月以降にデルタ株が急速に感染拡大したものの、8月半ばにはコピーミスが『エラーカタストロフの限界』を超えたために、ウイルスの自滅が始まり、急激に感染が減少したのではないか?と考えることもできます。

 仮にこの仮説どおりなら、これから新型コロナウイルス感染症は収束するのではないかと思ってしまいますが、仮説である以上、淡い期待にとどめた方が良いでしょう。それに少し感染のスピードが緩やかになると、コピーミスも減って、さらに狂暴な新型コロナウイルスが発生するかもしれません。油断禁物です。

 もう2年近く、人類は新型コロナウイルスに振り回されています。ウイルスは人類が地球上に存在する前からすでに存在していたと言われます。もしかしたら、ウイルスは人知の及ばない未知の能力?を持っているのかもしれません。

2021年9月23日(木)
今シーズンのインフルエンザ 流行る?流行らない?

 今日は、秋分の日、お彼岸の中日です。お彼岸は、春分の日、秋分の日を中日とした前後3日間、計7日間ずつがその期間とされ、お墓参りすなわち先祖供養の期間として知られています。私もお墓参りをしてきました。あまり信仰心が厚い方ではありませんが、お盆、お彼岸はお寺に行っています。

 新型コロナワクチンも、少しずつ接種が進むようになってきましたが、10月からはインフルエンザワクチンの接種が始まります。毎年決まったように冬に猛威をふるうインフルエンザですが、今シーズンはどうなるでしょうね?

 昨シーズンは、インフルエンザが全くみられませんでした。なぜインフルエンザが流行らなかったのか?はっきりとした原因はわかっていません。「みんなが、マスクをして、よく手洗いをして、人混みにいかないように注意したから」だけではないでしょうね。

 新型コロナと関連づければ、「ウイルスの干渉」が考えられます。干渉(かんしょう interference)とは、一つの細胞に二つのウイルスが感染した場合、どちらか片方、あるいは、両方のウイルスの増殖が抑えられるという現象です。これは、一方のウイルスが細胞に感染するのに必要なレセプター(接合部)を独占するため、他方のウイルスが感染できなくなるためと考えられています。つまり、増殖に必要な成分が一方に利用され、他方が利用できないということです。さらに、一方が他方の増殖を阻害する因子を放出することもあります。
 わかりやすく言うと、水たまりに大きな石と小さな石を同時に投げると、大きな石の波紋が小さな石の波紋を消してしまいます。これと同じです。

 なかなかもっともらしい説明で、昨シーズンは、大きな石が新型コロナで、小さな石がインフルエンザと考えればわかりやすいのですが、実際は、新型コロナの患者数は、例年のインフルエンザの患者数と比べれば、はるかに少なかったわけですから、明らかな「ウイルスの干渉」はなかったように思います。

 日本でのインフルエンザの流行を予測する一つの方法として、北半球(日本)よりも先に冬を迎える南半球の国々の流行状況が参考になります。南半球でインフルエンザが流行れば北半球でも流行るし、南半球で流行らなければ北半球でも流行らないというパターンをとることが多いです。

 昨シーズン、南半球の国々では全くインフルエンザが流行せず、北半球も同様でした。今シーズンも南半球ではほとんどインフルエンザがみられていませんが、オーストラリアではインフルエンザの報告例は少なかったものの、5才未満と60才以上に多い傾向がありました。

 国内の感染症も変化がみられます。昨年は殆ど流行らなかったRSウイルス手足口病が、今年は流行しています。RSウイルスも手足口病も毎年のように流行り、みんなが免疫を獲得していきますが、昨年は感染する機会がなかったため、今年は流行していると考えられます。

 人の免疫はインフルエンザのようなウイルス感染を毎年繰り返すことによって、自然に高まると考られています。たとえ症状が出ないような軽い感染でも十分に免疫が高まっていきます。これを「ブースター効果」と言います。 昨シーズンは、全くインフルエンザが流行しませんでした。さらに一昨年も大きな流行ではありませんでした。そのため、ほとんどの人はインフルエンザに対する免疫が低下しています。

 新型コロナワクチンの接種が進めば、新型コロナの免疫を持った人が増えて、新型コロナに感染する人は少なくなります。とても良いことですが、その反面、インフルエンザの免疫は低下したままです。もしかして、大きな石がインフルエンザで、小さな石が新型コロナというような「ウイルスの干渉」が起きるかもしれません。

 今シーズン、インフルエンザが流行るか?流行らないか?予測困難ですが、「ほとんどの人は、インフルエンザに対する免疫が低下している。」ということだけは、はっきりしています。備えあれば憂いなしです。“インフルエンザワクチンを接種しましょう。”

2021年9月19日(日)
新型コロナワクチン、やっと開始

 昨日は、台風の影響で大荒れの天気でしたが、今日は台風一過の晴天です。秋晴れは気持ちいいですね。
 
 全国で新型コロナワクチンの接種が進む中で、なぜか、岩手県や盛岡市は遅々として進展が見られません。盛岡市は東北六県県庁所在地で最低とのこと。とは言え、12才~64才の接種も、やっと始まりました。

 9月18日からは集団接種が、9月27日からは一般診療所でも接種できるようになりました。また、盛岡市新型コロナワクチン接種実施本部事務局から、市内の医療機関に対して、通常は休診している土曜日、日曜日も接種してほしいと要請がありました。これに応え、市内の約20医療機関が土曜日、日曜日も接種することになりました。当院もそのうちの一つで、しばらくの間、土曜日の午後にも接種することとしました。その分少し午前診療受付時間が早まります。皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします

 昨日がその初日でした。初めてのことですので、アナフィラキシーが生じた時の対処法や救急搬送先の病院の確保など、万が一にも備えて十分準備しました。職員全員で当日のシミュレーションを何回も行いました。その甲斐あって、何事も問題なく、無事終了しました。ホッとしています。

 初めて新型コロナワクチンを接種しましたが、思いのほかスムーズに進みました。これなら平日も少し人数を増やして接種できそうですが、10月からはインフルエンザワクチンも接種なければなりません。新型コロナワクチンは今のペースが目一杯かもしれません。

 昨シーズンは全く流行らなかったインフルエンザですが、今年はどうでしょう?私なりに今シーズンのインフルエンザ流行状況を予測してみました。次回は、このお話をしたいと思います。

2021年8月30日(月)
2類から5類へ?

 朝晩は少し涼しくなってきましたが、日中はけっこう蒸し暑いですね。毎年のことながら、残暑厳しい季節です。

 最初は、あまりこどもに感染しないと言われた新型コロナウイルスですが、だんだん、こどもの感染者も増えてきました。今流行中のデルタ株は、もはや昨年流行った元祖新型コロナウイルスとは別ものと考えた方が良いでしょうね。

 デルタ株は家庭内感染も多いようですので、何とも予防が難しいです。クラスターもあちこちでみられています。小学生以下では、まだあまり学校でのクラスターは発生していないようですが、中学生以上は、ほぼ成人と同じですね。これからも増えそうです。

 学校で抗原検査をしてみてはどうかという話も聞きますが、抗原検査を誰がするのか?検体を鼻から採取するのは慣れていないとなかなか上手くできません。検査する場所を保健室にすると、コロナ以外で具合の悪い子達が保健室に入りにくくなってしまいます。となると、新たに検査室を設けなければなりません。

 抗原陽性となった子は、保護者に迎えにきてもらうことになるでしょうが、それまでの間、学校のどこで待機していたら良いのか?誰かそばにいなくても良いのか?など、問題が多いです。どうも学校で抗原検査というのは現実的ではなさそうです。だいたい、抗原検査するような具合の悪い子は登校してはいけないでしょう。

 感染症は、危険度によって最も高い1類から相対的に低い5類まで分類されており、新型コロナウイルス感染症は「2類感染症以上の取り扱い」となっています。

 2類相当の届出感染症では、PCR陽性を確認した医師は、ただちに保健所に届け出て、都道府県知事(保健所)の指示により2類感染症指定医療機関での治療が開始されます。保健所の指示で一旦自宅療養となった患者が悪化した場合でも、2類感染症指定医療機関が治療を担当します。治療費は感染症法に従い公費負担となります。

 これをインフルエンザウイルス並みの5類感染症に格下げ(?)してみてはどうかという意見があります。そうすれば、2類感染症指定医療機関に集中しているコロナ感染者をインフルエンザ同様一般診療所や一般病院でも診察できるようになります。患者数も増えており、現状にあった対策のようにも思えますが、これはこれでけっこう難しい問題があります。

 一つ目の問題は、一般診療所でPCR陽性が確認された後の治療です。5類になると2類のように即入院と言うことにはならないでしょう。特効薬はありませんので、対症療法で外来経過観察となります。多くの人は軽症ですので、これですみます。しかし、重症化した場合には入院が必要になります。

 現状は、患者さんの入院先を保健所が調整していますが、5類になると一般診療所が患者さんの入院先を探すことになります。多くの一般診療所が入院できそうな一般病院に紹介しますが、おそらく現在の2類感染症指定医療機関くらいしか受け入れ可能な施設はないでしょう。そうなると、入院できない人が大勢みられるようになり、今とあまり変わりません。一般診療所でコロナを診るには、入院対応してくれる後方支援が必要になります。

 二つ目は、「発熱外来の維持」です。今は「コロナは、特別な病気に分類されていて、そのコロナかもしれないから、一般患者とは区別した時間帯、場所に来てもらわねばなりません」と言えますが、5類になると、通常の診察時間に受診する患者さんが増えると思います。そうすると、コロナ(疑い)の人と、全くコロナではない人が同じ時間帯に同じ待合室に一緒にいるようなことにもなりかねません。

 三つ目は、検査費用の問題です。5類になると、現在無料で受けているPCR検査はインフルエンザの検査同様、有料になります。3割負担で受けるとなると5,000円以上もかかることになり、この費用を出せない患者さんが続出するのは容易に想像できます。

 などなど、今のまま5類に下げると言うことは、問題が多すぎます。しかし、いろいろ工夫すれば何とかできそうな気もします。例えば、保健所にかわる「入院調整する司令塔」があれば、入院難民を救うことができます。司令塔は保健所が引き継いでも良いでしょうし、行政と医師会で立ち上げても良いでしょう。また、一般診療所が外来でコロナを診察するように、(入院設備を持つ)一般病院もある程度コロナ患者を受け入れる体制を作ることができれば対応できそうです。

 学校での抗原検査は賛同できないとお話しましたが、個人で行う抗原検査は有用だと思います。現在は市販されていない抗原検査キットですが、もしこれを個人で自由に購入して検査できるなら、少し体調が悪いときとか、人が集まるところに行った後に発熱したときとか、コロナかな?と思ったときに、いつでも検査できます。

 もし抗原陽性になったら、それだけでは不正確ですので、やはりPCR検査が必要になります。前もって抗原陽性ということを医療機関に連絡して、それから、PCR検査を受けるようにすれば、発熱外来の混雑を緩和し、PCR検査を受ける対象も限定できます。PCR検査は引き続き全額公費負担が望ましいですが、それが無理なら負担金を少なくしてほしいです。

 しっかりした「入院調整の司令塔」を作って、全ての国民が自宅で抗原検査ができるようにすれば、5類に格下げして、一般診療所、一般病院でもコロナの患者さんを診察できるようになるのではないかと思っています。

2021年8月15日(日)
手足口病

 数日前からあっという間に冷え込んできました。今日は明るい陽射しも見えますが、明日からは、また雨模様の天気になりそうです。やはり、東北の夏は短いですね。

 新型コロナウイルスの感染が全国中で流行するようになってきました。幸いオリンピックは無事に終えることができましたが、今度はパラリンピックが心配です。お盆の帰省も昨年よりは増えているようで、しばらくは流行が続きそうです。

 昨年の今頃と比べると、こどもたちの感染症に少し変化が見られるようになってきました。昨年は成人はコロナ一色で、こどもにはコロナもその他の感染症もほとんどみられませんでしたが、今年は、まず、RSウイルス感染症が流行し、この頃は、手足口病ヘルパンギーナのような夏かぜがけっこう流行っています。

 RSウイルスは、赤ちゃんが罹ると重症な気管支炎をおこします。入院紹介した赤ちゃんもいます。手足口病やヘルパンギーナは、軽症がほとんどですが、ときとして、重症化することもあります。特に手足口病は、ウイルスの種類が毎年微妙に変化することもあり、流行初期は軽症が多いといえど、油断できません。

 数年前にエンテロウイルスD68による手足口病が流行った時は、罹った後に、気管支喘息になったり、弛緩性麻痺(運動神経に障害がみられるために、筋緊張が弱まり、筋肉や関節の運動に支障を来す症状)がみられたお子さんも見られました。こどもにとっては、新型コロナウイルスよりもやっかいなことがあります。

 新型コロナウイルスが猛威を振るう一方で、毎年見られるウイルス感染も見られるようになってきました。自然界の中でウイルス同士がどういう棲み分けをしているのかわかりません。突然感染力の強いウイルスが出たり、今まで蔓延っていたウイルスが消えたり、秋から冬にかけては、昨年以上に注意が必要です。

2021年7月25日(日)
東京オリンピック

 いよいよ、東京オリンピックが始まりました。コロナ禍という大変な状況下での開催です。いろいろな見方があるでしょうが、始まったからには、無事に最後まで競技が行われることを期待します。

 今回のオリンピックではテレビ観戦を主体に家族など少人数で選手を応援する「ステイホームオリンピック」が勧められています。私も家でノンビリと観戦しています。昨日は男子柔道60kg級の高藤選手が金メダルを、女子柔道48kg級の渡名喜選手が銀メダルを取りました。渡名喜選手にとっては準決勝が実質的な決勝のようで、ウクライナのダリア・ビロディド選手を延長の末、破りましたが、まさに大接戦の激闘でした。これでだいぶ疲労したかもしれません。準決勝と決勝の相手が逆だったらなどと思ったりもしますが。勝負にタラレバは禁句です。一生懸命頑張りました。次回も頑張って下さい。

 今から57年前の1964年にも、東京オリンピックは開催されました。この時は私はまだ小学生でした。小学校の校庭で自転車乗りの練習をしていた頃です。やっと1人で補助輪なしで自転車に乗ることができるようになったので、オリンピックよりも自転車に夢中でしたが、家に帰ると、(重量挙げで)三宅が金メダルを取ったとか、(柔道で)神永が負けたとか、オリンピックの話題でいっぱいでした。我が家のテレビはまだ白黒だったと思いますが、みんなで大騒ぎしながらみていました。

 当時、「東京五輪音頭」という、オリンピックのテーマソングがありました。三波春夫さんが歌っていました。「ハア~、あの日ローマで、ながめた月が、ソレトトントネ、今日は都の空照らす、アチョイトネ、四年たったらまた会いましょと・・・」世界中からいろんな人達がやって来て、夢と元気を与えてくれる。そういう景気の良い歌でした。

 大人も子どももみんなこの歌を歌って盛り上がっていました。誰も知らないでしょうねと、思っていたら、なんと、「東京五輪音頭-2020-」というのがあるらしい。CD・DVDもあるとのこと。聞くところによると、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が、1964年に流行した「東京五輪音頭」をリメイクして制作したとのこと。

 老若男女はもちろん、車いすの方でも楽しく踊ることができるよう、新たな振付が加わわっているそうです。面白そうなのでネットで見てみましたが、確かに面白い。一緒に踊りたくなります。3人のアーティスト(石川さゆりさん、加山雄三さん、竹原ピストルさん)が歌っており、それぞれ持ち味が出ています。でも、この曲あまり耳にしていません。やはり、コロナ禍では、こういうハイテンションな曲は人前で歌いにくいのでしょうね。早く、コロナが収束して、日常の生活に戻りたいです。

2021年7月18日(日)
ワクチン不足?

 この頃、ぐずついた天気が続いていましたが、昨日からグ~ンと気温が上がっています。とにかく暑い!参ってしまいます。ちょこちょこ水分補給しましょう。

 国民待望の新型コロナワクチンは順調に接種が進んでいるように思っていましたが、最近、「あるはずのワクチンがない?“4000万回分の在庫” は一体どこへ?」という意外な状況になってきました。

 7月に入り、あちこちでワクチンが不足し、接種予約が一時停止されるようになりました。しかし、その一方で政府は「在庫ワクチンは4000万回分ある」と言っています。となると、あるはずのワクチンは一体どこにいったのでしょう?

 各自治体は政府の「ワクチンは確保してあるから、どんどん打ってほしい。」という要請に応えて、接種を加速してきました。ところが、現在、一部の自治体ではワクチンが不足し、接種の一時停止に追い込まれているのが現状です。どうも盛岡市もそうなったようです。60~64才の接種開始の大半は7月27日から延期されました。

 でもどうして、ワクチンが足りなくなったのでしょう。政府は先週(8日)、「4000万回分が使用されずに在庫となっていると見込まれます。約4000万回分については自治体にあると思っています。」と発表しています。

 政府はこのように、在庫4000万回分は自治体にあると発言したのですが、自治体からは「在庫はなくワクチンは不足している」などといった反発が出ています。なぜこのような食い違いがでたのでしょうか?

 在庫数には、「予約済みのワクチン」も含めているようです。倉庫に保存されているまだ誰に打つか決まっていない在庫と1回目を受けて2回目の人の予約分の在庫とを足して、在庫数としているようです。つまり、配布済みの4000万回分には、接種の予約がされて誰に打つか決まっている「予約済みのワクチン」もふくめた数字のようです。

 1回目を受けて2回目の人の予約分が2000万回分から2500万回分あるとみられています。ですから、4.000万回分-(2000万回分から2500万回分)=1.500万回分から2.000万回分のまだ予約されていないワクチンが行方不明ということなります。さらに、接種されても記録されていないものが500万回分あるといわれ、その分もひくと、約1.000万回分から1.500万回分がどこにあるのか把握できていないようです。

 政府は自治体に向けていろいろなことを指示、要請をしていますが、どうも一方的な上意下達になっているようです。現場の状況をよく考えないと、これからも混乱は続きそうです。

 当院もワクチンの接種準備中ですが、このワクチンとても大変です。1バイアルから6人分しかとれませんし、一度溶解したワクチンは6時間以内に使用しなければなりません。1日の接種人数は6の倍数になりますので、キャンセルが出たら代わりの人を探さなければなりません。それも6時間以内にです。ハードルは高いですが、とにかくできるだけ多くの人達がワクチンを接種して免疫を持たないと、コロナは収束しません。少しでも早く接種開始できるよう準備していますので、今しばらくお待ち下さい。

2021年6月29日(火)
津志田小学校

 一昨日、住民向け新型コロナワクチン集団接種(高齢者)に行ってきました。会場は津志田小学校体育館です。朝8時半までに集合でしたので、少し時間に余裕を持って8時過ぎには会場に到着しました。接種を受ける人達もすでに何人かお見えになっており、大きなテントの中で待機されていました。9時から接種開始予定でしたが、人の集まりが早いというので8時半には開始することになりました。早めに来てよかったです。

 ワクチン接種の流れは、私たち医療従事者が岩手産業文化センターアピオで受けたときと全く同様でしたので、戸惑うことなくスムーズに進みました。まず、体育館入り口で検温して、受付①で事務員による問診(本人確認、予診票の記入漏れチェックなど)。続いて、受付②で医師による問診(当日の体調チェック、質問に応答など)がすんで、ワクチン接種ブースの前で椅子に座って自分の順番を待ちます。チョット、ここで時間がかかりそうなときもありましたが、そんなに長く待つこともなく、次々に接種が進んでいきました。

 接種後は15分間待機して、体調の変化がないことを確認して帰宅となります。自分のみる限りでは特に体調不良を訴える人もなく、12時終了予定が11時半頃には大体終了したようでした。何はともあれ、初めての集団接種のお手伝いでしたが無事済んでよかったです。

 いつもは小さいお子さんしか診ていませんが、昨日はみんな65才以上の方ばかり、何かと気を遣いました。接種前の質問では、「今薬を飲んでいるが接種してよいですか?」とか、「今日一日気をつけることはなんですか?」とか、「テレビで言うような副反応が起きませんか?」などなど、一応、ご納得頂けるように対応しました。皆さん安心して接種を受けられたようです。

 せっかく始まった集団接種ですが、来月予定分については、4日の北松園小学校で88%、タカヤアリーナは10日が46%、11日は7%にとどまっており、まだ予約が埋まってないようです。私の次回の出勤日は7/11(日:午前)タカヤアリーナですが、もう少し増えてほしいですね。

 予約がなかなか埋まらないというので、、岩手県は7/3から18才以上に対象を広げると発表しました。ドンドン接種できる年令枠が拡がるのはよいことですが、残念ながら、接種券がまだ届いていない人が多くいます。

 盛岡市では64才以下の接種券発送は6/25から始まり、7/12に12~15才まで発送される予定となっています。60才~64才の予約開始が7月中旬予定、接種開始が7月下旬予定とのことですが、岩手県は各市町村に接種券の送付を急ぐように指示していますので、少し早まるかもしれません。

 できるだけ早く接種券を郵送し、年令に関係なく接種できるようになってほしいものです。介護施設、幼稚園、保育園、学校、消防署、警察、飲食店などなど、接種を急ぐ人はたくさんいます。

 当院でも来月中旬から予約開始できるように現在準備に追われています。何が一番たいへんかというと、ワクチン1バイアルから6人分しか取れないということと、一度ワクチンを溶解したら6時間以内に使用しなければならないことです。つまり1日あたりの接種人数を6の倍数で決めて、1バイアル(6人分)を6時間以内に使用しなければならないのです。

 キャンセルがあった場合には急遽代わりに接種できる人を探さなければなりませんし、飛び込みで接種希望されても1バイアルから1人分だけ用意することはできません。余った5人分が無駄になります。貴重なワクチンですので無駄にはできません。頭が痛いです。

 しかしながら、ワクチン接種が進み、多くの人が免疫を持つようになれば、確実にコロナは終焉に向かいます。今まで、小児科診療所はコロナに対して積極的な対応ができませんでしたが、ここに来て少し社会貢献できそうです。これからの数か月がコロナとの勝負と思って頑張ります。

     
 受付  接種ブース  接種後の待機場所
2021年6月8日(火)
いよいよ、集団接種開始

 6月になり、だいぶ暑い日が続くようになりました。予報では今年の夏は少し暑くなりそうです。ウエザーニュースによると、7月~9月の気温は、広範囲で平年並か平年よりやや高く、全国的に暑い夏になりそうです。ピークは7月下旬と8月下旬の2回あり、猛暑日が続くおそれがあるとのこと。

 昨年もそうでしたが、屋外でマスクをつけるのは少し辛いですが、仕方ないですね。小さいお子さんはあまり無理をしないようにしてください。

 東京オリンピックをめぐり、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長が3日に「パンデミックの所でやるのは普通ではない」と発言したことが、話題になっています。

 ごく当たり前のことですが、もう少し早く言ってほしかったかな。こういうことはどこかで言わないと、政府は「専門家の意見を聞いて」オリンピック開催したと、言いかねません。尾見会長もそこまでは面倒は見切れないよと言うことでしょうね。

 東京オリンピックで感染が拡がることが危惧されています。現状を見てると、おそらくそうなりそうな気がしますが、実のところよく分かりません。徹底した感染対策を準備しているようですので、希望的観測ですが、無事にオリンピックは終わるような気もします。

 そのオリンピック開催中に夏祭りの季節になります。東北の夏祭りは昨年は全て中止になりました。夏祭りは大勢の人が集まりますので、感染拡大の懸念はあります。今年も微妙ですね。

 オリンピックや夏祭りが小規模で安全に行われて、新規感染者があまり増えなければ、今度は少し気が緩むような気がします。秋にはワクチン被接種者も増えてきますし、GoTo Travelが再開されたりすると?これはこれで心配ではあります。

 収束を期待するには、どれだけ早く、多くの人にワクチン接種ができるかと言うことにつきます。いよいよ、盛岡市、及び近郊でも集団接種が始まりそうです。5会場設置され、6月中旬から土日を利用して接種するとのこと。早速、協力依頼がきましたが、開始時間や自分がどこの会場に行くのか?まだ何も決まってません。とは言え集団接種が始まることは大変喜ばしいことですので、張り切ってお手伝いすることにしました。

 新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が、今日は~人発生という報道は、もう聞き飽きて、慣れてしまいました。感染症は一定の人数が感染しなければ(免疫を持たねば)、収束しません。毎日新規感染者数が発生するのは当然のことです。

 しかし、やっと、ワクチン接種が始まりました。「ワクチン接種=免疫を持つ」です。これからは、新規感染者数とワクチン被接種者数を同時に報道してほしいものです。新規感染者数がゼロになるのはほど遠い話ですが、日々、ワクチン被接種者数が増えてくる報道は、みんなを勇気づけてくれるはずです。

2021年5月23日(日)
一日100万回(集団接種+個別接種)

 昨日2回目の新型コロナウイルスワクチンを接種してきました。1回目よりは副反応が強く出ると聞いていましたが、今回も発熱はなく、筋肉痛が少しある程度です。副反応が強いほど免疫ができるような気がしますが、接種後に見られる発熱、筋肉痛、全身倦怠感などはm-RNAによるものではなく、アジュバント(ワクチン効果を高める物質)によるものですので、副反応の強弱と抗体産生量は関係ないようです。

 政府は新型コロナウイルスワクチンの一日100万回の接種を目標として掲げました。日本医師会は、政府が目標とする一日100万回の実現に向け、日本看護協会など4つの団体で協力して対応することになったと明らかにしました。日本医師会の中川会長は「一刻も早く、希望するすべての人への接種の完了を目指すことを確認した。集団接種や個別接種など、可能なかぎり、ありとあらゆる場所で接種ができるようにすべきだ」と述べています。

 当たり前のことですが、接種が進めば進むほど、全体の重症化率・致死率は確実に下がるわけですから、できるだけ早く多くの人が接種できればいいわけです。

 一日100万回と言うと、途方もない数字にみえますが、まんざら不可能でもないように思います。昨年度のインフルエンザワクチンは約4,000万回接種されました。殆どの人は10月~12月までの3か月間に接種しています。4,000万/3か月だと、一日約50万回になります(土日を除いた診療日一日あたり)。10月~12月までの通常の診療時間にインフルエンザワクチンを接種してるわけですから、一日50万回くらいは、通常診療しながらでも、かかりつけ医の個別接種で可能な数字でしょう。

 これを一日100万回にするには、どうしたら良いかというと、少しシミュレーションしてみました。

 インフルエンザワクチンと違い新型コロナウイルスワクチンは全年令で2回接種必要です。またインフルエンザワクチンよりも多くの人が接種します。日本の人口は約1億2千500万ですが、接種対象者は16才以上で約1億1千万人です。現在約500万回接種されていますので大ざっぱに今後接種予定の人を1億人として概算してみます。

 この人達が全て新型コロナウイルスワクチンを受けるとは思えませんので、仮に8割の人(8,000万人)が2回受けるとして、8,000万回x2=16,000万回となります。インフルエンザのように一日50万回ペースだと、3か月で4,000万回ですから、その4倍の12か月かかります。もし一日100万回ペースにすると半分の6か月で完了します。

 一日100万回は、かかりつけ医の個別接種だけでは到底無理です。やはり集団接種が必要になります。地域毎に大きな接種会場を確保して、平日、休日、夜間とフル回転すればなんとかできそうです。接種する側は、医師だけでなく、歯科医師、看護師、薬剤師、医療事務員、ボランティアなどで、交代で受付、問診、接種を分担していけば人員の確保はなんとかできそうです。

 接種される側も、協力が必要です。大勢の人が勤務している事業所では、思い切ってワクチン休日をもうけて、全員が会場に行ったり、あるいは、医師や看護師が事業所に出張して接種すれば効率よく進むでしょう。また、個人で接種日を予約するのではなく、住民票に基づいて1人1人の順番を決めて、それを通知して決められた日に受診した方が予約の混乱を防げるようにも思います。

 とマァ、威勢の良いことを言ってはみたものの「言うは易く、行うは難し。」です。ワクチンの確保数や管理方法の問題もあり、思ったようには進まないでしょう。

 日本中、あちこちで市中感染がみられるようになっており、もはや終始がつかなくなってきています。ホントに緊急事態、非常事態と思った方が良いかもしれません。少しでも早くワクチン接種を進めるしかないです。

 6月から一日100万回で行けば、6か月後、つまり年内には完了できます。もしかしたら、来年のお正月は、今までの日常に近いお正月を取り戻すことが出来るかもしれません。机上の空論、夢物語のように聞こえますが、自治体、医師会、市民が一致団結すれば、全く不可能ということはないと思います。

 盛岡市医師会も集団接種の準備を勧めています。当院は小児科で、高齢者のかかりつけ患者さんはいませんので、個別接種ではあまりお役にたてませんが、集団接種が実施されたら、そちらで大いに協力しようかと思っています。

2021年5月2日(日)
ワクチン接種してきました。

 昨日、新型コロナウイルスワクチンを接種してきました。会場は滝沢市の岩手産業文化センターアピオでした。盛岡市内の医療従事者約5.000人が昨日と今日の2日間で1回目の接種を終えることになります。

 開始時間は午後2時からでしたが、30分前には入場するように指示がありましたので、少し早めに出かけました。最初、盛岡市医師会からは、会場での手伝いを依頼されましたが、十分な人数が確保できたというので、接種を受けるだけになりました。いつもは接種する側ですので、接種される側になると、何となく緊張しますね。

 時間に余裕を持って行ったせいか、大変スムーズに進みました。予診票のチェックが終わると、椅子に座って自分の順番を待って、名前を呼ばれたら、仕切りのあるブースにいって、看護師さんに接種してもらいました。筋注ですが、痛みはほとんどありませんでした。インフルエンザよりも痛くないですね。翌日の朝になって、手を触れると少し痛みを感じるくらいです。接種部の腫脹や発赤もなく、倦怠感もなく、調子良いです。

 接種後15分間は、広いブースで経過観察の時間になります。新聞報道では具合の悪くなる人はほとんどいなかったとなっていますが、何人かは少し体調を崩した人もいたようです。接種後の待機中にめまいをおこして、担架で搬送された人を見ましたが、特に大事には至らなかったようです。おそらく、緊張から来る ※ 迷走神経反射でしょうね。

 まず、1回目の接種が終わりました。次回は3週間後です。2回目の方が1回目のよりも副反応が強そうということですので、チョット不安もあります。しかし、これで、少しずつですが、コロナと対等に戦えるような気がしてきました。

※ 迷走神経反射:ワクチン接種後に一時的に“失神”のような症状がみられることがあります。筋注するワクチンは、通常のワクチンよりは若干疼痛があります。この疼痛が、迷走神経反射の原因といわれています。迷走神経は、体をリラックスさせる神経で、痛みや不安などから、体を守ってくれます。この迷走神経が強く働きすぎると、脈が遅くなって血管が拡張しますので、血圧が低下します。その結果、脳への血流が少なくなり、“失神”という状態になります。痛みに過敏な人、神経質な人、によく見られます。心配のないものですが、接種前から「痛い、痛い」と心配していると起こりますので、あまり緊張しないで接種を受けて下さい。

2021年4月30日(金)
いよいよワクチン接種

 今年も、また5月の連休を迎えます。昨年は初めての緊急事態宣言が発令され、「人との接触を8割減らす」ように、多くの人達が緊張した日々を過ごしたように思います。しかし、緊急事態宣言も今回で3回目となり、何となく、緊張感も緩んできたように感じます。

 今年の連休は昨年よりは多くの人出になりそうです。それに、昨年は全国の殆どの夏祭りが中止になりましたが、今年は規模を縮小して開催するところも多いようです。いろんな意味でコロナに慣れてきたのでしょうね。

 特効薬のない感染症は一定の人数が感染しないと、なかなか収束には至りません。今のペースだとこの先何年かかるのか?チョット見当がつきません。長丁場になりますので、これを乗り切るには、患者数、重症者数の増減に応じて、人流を調整しなければなりません。この加減が難しいので、常に政府は非難されていますが、誰が調整係をしてもあまり変わらないでしょうね。とは言え、流行規模が小さくなれば、それなりの日常生活は可能になります。

 その切り札がワクチンです。外国から分けてもらえないと接種できないことは、何とも残念ですが、2~3年後には国内生産されるワクチンもできそうですので、気長に待ちましょう。おそらく、今後しばらくの間は、季節性インフルエンザのように、毎年コロナワクチンを接種するようになるのではないかと思います。

 岩手県も少しずつワクチン接種が始まってきました。私も明日接種予定です。最初は3月下旬の予定でしたが、ワクチンが間に合わず延期になっていました。既に接種した人達から聞くと、やはり、発熱、倦怠感はけっこうあるようで、1回目はたいしたことないが、2回目が酷いと言うことでした。また、いろいろ副作用の話も聞きますが、自分の知る限りでは、あまり心配することはなさそうです。

 何はともあれ、ワクチン接種にこぎ着けました。一刻も早く大勢の人達が接種されるように望みます。そのためには、時間と場所の確保が必要です。夜間、休日、関係なく接種できるようにして、一つの自治体に一つの接種会場を設ければ、超短期間で接種が完了するでしょう。ホントに緊急事態と言うのなら、このくらいできると思いますよ。

2021年4月11日(日)
休日当番日

 いよいよ、全国の自治体で高齢者への新型コロナウイルスのワクチン接種が始まります。「米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応は、65才以上の高齢者では発生率が大幅に低いとする健康調査の中間報告を厚生労働省研究班がまとめた。」という報道がありました。これによると、37.5度以上の発熱は、全体では38%に起きたが、高齢者は9%と4分の1にとどまったそうです。

 何となく、高齢者の方が副反応が多くみられるように思ってましたが、そうでもないようです。これは、高齢者の方が若年者と比べて免疫反応が弱いために、ワクチン接種後の発熱も少ないためだろうと解釈されています。

 ただ、この調査は、2月から接種を受けた医療従事者のうち約2万人が対象となっていますが、65才以上の人数と65才未満の人数が記載されていないので、厳密な比較になるかどうかは少し疑問ではあります。これから、高齢者への接種が始まるわけですから、高齢者の皆さんにワクチンは怖くないよ~というお知らせになりますね。

 本日は休日当番日でした。最近は特に流行している病気もなく、平穏な1日でした。盛岡市内の保育施設で発生した新型コロナウイルス感染症は、まだ完全には収まってないようです。今のところ大きな流行にはみえませんが、引き続き要注意ではあります。

 ところで、盛岡市内の保育施設では、発熱者が多くなると保健所がPCR検査を実施してくれるようです。どういう基準で行っているのかはわかりませんが、流行を未然に防ぐためには有用かもしれません。本日受診されたお子さんの保育施設でも何名か検査したが全員陰性だったそうです。先週も別の保育施設でPCRが実施されたところがありましたが、こちらも全員陰性とのことでした。どうも、発熱だけを基準にして子どものコロナを疑うことはできないようですね。子どもは健康保菌者が多いといわれますので、案外、発熱も咳もなく健康に見えても調べたら陽性という場合の方が多いのかもしれません。

 そもそも、同じようなウイルスが同時に感染を起こすことは少ないので、発熱しているお子さん達では、コロナ以外の風邪ウイルスの方が親和性が強いのかもしれません。

 本日の診療は、発熱者と非発熱者を、待合室と診察室を分けて診察しました。完全に分離するのは難しいですが、一定の効果はありそうです。これからは、しばらくこういう診療形態が続きそうです。早く収束してほしいですね。

2021年4月3日(土)
開院記念日

 一昨日の4月1日は当院の開院記念日です。今年で開業25年になります。月日の経つのは早いですね。小さい頃に診察したお子さん達が、お父さんやお母さんになって受診されることもあります。何となく昔の面影が残っていて、懐かしい気持ちになります。いつもは自宅でささやかな開業記念祝賀会をするのですが、今年はそれどころではなくなりました。

 県内でも新型コロナウイルス感染症は流行の兆しを見せており、当院近くの保育園でPCR陽性者が一人出たという話を人づてに聞いていました。事実確認のために、保健所に聞いてみたら、なんと、3月30日(火)に当院を受診した患者さんに新型コロナウイルス陽性のお子さんがいたということ。驚きました。急いでカルテを見ましたが、発熱で4月28日(日)に休日当番医を受診して、解熱した後に当院を受診していました。元気で特に具合悪そうではありませんでした。

 保健所からは濃厚接触した場合には、PCR検査をして結果判明までは休診することも考慮するということでした。濃厚接触とは、マスクや手袋などなしで患者さんの痰や鼻汁などに直接触れるようなことですが、今回はそういうこともなく濃厚接触には当たらないと思いましたが、なにぶん初めてのことでもあり、正直不安といえば不安でした。そんな思いをしながら診察するよりは、さっさと検査して結果を出したほうが良いと判断し、急遽休診することとしました。結果は職員全員陰性でした。ホッとしました。

 「休診のお知らせ」(今は、「診療再開のお知らせ」になっています)をwebサイトに載せましたが、4月1日(木)~4月2日(金)まで、サイバーの不具合のため、webサイトの閲覧ができなくなっていました。「休診のお知らせ」は4月1日に掲示しましたが、これでは、誰もわからない。このことに気がついたのが、2日の昼過ぎ、慌てて留守電対応にしましたが、多くの方々は、何で休んでるの?と思われたのではないでしょうか?悪い時には悪いことが重なるものですね。重ね重ねご迷惑をおかけして、誠に申し訳ありません。

 4月5日(月)から、また通常通り診療再開します。盛岡市の保育園では、まだ新型コロナウイルス感染症がでていないところでも、PCR検査を実施するところが増えてきました。無症候感染者も多数いると思いますので、外見からは判断できません。今後は、さらに感染予防に注意しながら診療を続けていきますので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 いつも開院記念日にはお花をもらいますが、今年の花は特別な感じがします。

2021年3月31日(水)
日本脳炎ワクチン不足

 だんだん春めいてきました。毎年のことながら、スギ花粉症も次第にピークに近づきつつあります。この頃は、黄砂も飛び交って、いつもより症状を強く感じる人も多いようです。最近は新しい薬も増えてきましたが、薬物療法はイマイチです。

 アレルギー性鼻炎は、原因が花粉でも、ダニでもほとんど自然に治るようなことはありません。長い間つきあわなければならないお友達?です。以前からご紹介している舌下免疫療法は効果が期待できます。当院でも5年間治療を継続してきた人が増えてきました。キチンと治療すると、やはり効果覿面です。「先生に勧められて治療して良かった」と言ってもらえるとうれしいですね。

 とても良い治療法ですが、毎日舌下するのが面倒で続けられなくなる人もいますが、その時は一時中断します。また、機会を見て再開すればいいですよ。やる気さえあれば気軽にできて効果の期待できる舌下免疫療法です。

 スギ花粉症の場合は、スギシーズンの終わった6月からの実施になりますので、それまでは薬物療法で乗り切ってください。

 新型コロナウイルスワクチンの接種が始まりましたが、なかなか思うようには進んでないようですね。私達医療従事者も、最初は3月下旬と言うことでしたが、とにかく、ワクチンが入ってこないと言うので、いつの間にか5月上旬くらいになったようです。十分な量があれば迅速に接種が進むのでしょうが、不足してるわけですから、なんともならないです。

 新型コロナウイルスワクチンには接種の優先順位がもうけられています。高齢者や医療従事者から優先接種すると言うことです。これで良いと思いますが、チョット?

 今、一番ワクチンが必要とされているのは、東京都や周辺の県、大阪府などのように流行が収まらない地域のように思います。あまり流行していないところでは、そんなに急がなくても良いのでは?なんて言うと反論されるかもしれませんが、数に限りがある以上、今必要なのは、今流行っている地域を早く収束させることだと思います。

 ワクチン不足のニュースをもう一つ。すでに広報などでご存じの方も多いと思いますが、、日本脳炎ワクチンが不足しています。

 現在、日本脳炎ワクチンは二つの製薬会社で製造されていますが、2社のうち1社のワクチンに製造上の問題が生じたことから、出荷量が調整されることになりました。この結果、全国的に日本脳炎ワクチンが不足する事態となりました。十分な量が供給されるのは、今年の12月の見込みと言うことです。

 というわけで、日本脳炎ワクチンも優先接種しなければならなくなりました。厚労省からは、接種の優先順位について、次のような通達がありました。
 「供給が安定するまでの間、日本脳炎ワクチン4回接種のうち第1期初回の2回(1回目及び2回目)の接種を優先いただくようお願いいたします。
 ただし、定期接種として受けられる年齢の上限が近づいている場合には、定期接種で受けられる年齢を過ぎないように接種をすすめてください。」

 「4回接種のうち第1期初回の2回(1回目及び2回目)の接種を優先」は、その通りです。まだ1回も接種していない人を優先するということですので了解です。  
 少し解釈が難しいのが、「定期接種として受けられる年齢の上限が近づいている場合には、定期接種で受けられる年齢を過ぎないように接種をすすめてください。」う~ん、どうもこれはわかりにくいです。接種できる上限年令までどのくらいの期間があれば、接種を待ってもらうのか?ハッキリ示されていません。結局、各医療機関で決めて下さいということですね。

 いろいろ考えた結果。接種できる上限年令まで1年以内の人達を優先接種することにしました。それ以外の人達には少し待ってもらうことになりますが、12月以降は十分供給されるようですから、今、急いで接種しなくても、それから接種すればよろしいかと思います。

2021年3月11日(木)
あの日から10年

 未曾有の被害をもたらした東日本大震災から、今日で10年になります。金曜日の午後2時46分に突然の大きな揺れがおこりました。乳幼児健診の時間帯でしたので、赤ちゃんが多く一瞬焦りました。なかなかおさまらないので、全員院外に出ましたが、まだ電線や駐車中の車も揺れてました。

 その後の報道で、地震の規模がとんでもないことを知りました。幸い、盛岡市内は大きな被害はなかったため、当院も早めに診療再開できるようになりましたが、沿岸部は医療施設も崩壊し、交通も麻痺し移動手段が絶たれたため、陸の孤島のような状態でした。

 <中でも、山田町、大槌町、陸前高田市の被害は甚大で、これまで地域医療の中心的な役割を担ってきた県立病院も壊滅的な状態に陥りました。
 発災直後は全国から集まった医療支援チームが中心となって被災地での支援活動を行ってきましたが、達増拓也岩手県知事、戸羽太陸前高田市長、大津定子気仙医師会副会長から岩手県医師会への正式な支援要請があり、同年8月7日、陸前高田市立第一中学校の敷地内に「岩手県医師会高田診療所」が開設されました。以後、平成28年3月までの4年8か月にわたり内陸部の医師や看護師が中心となって支援活動を続けました。>
(<>は、「岩手県医師会の被災地医療支援について」より抜粋)

 私も2か月に1回くらいでしたが、山田町と陸前高田市へ健診や診療応援に行きました。そこで、盛岡から転居してきた当院かかりつけのお子さんとも会いました。津波に追われて本当に怖い思いをしたようです。幸いトラウマになることはなく元気そうでしたので、少し安心しました。

 昨日、山田町より、『ご支援いただきました皆様へ、岩手県山田町における「東日本大震災」ご支援の御礼』として【ありがとう】ポスターが送られてきました。

 同封されてきた添え書きには、『発生当初、移動手段も絶たれた中、岩手県山田町へ医療支援いただきました事、心より深く御礼申し上げます。(中略) 震災から10年経った山田町から笑顔と感謝の想いを届けたい。そのような気持ちで、山田町在住の若者により「やまだ未来作戦」という有志団体を立ち上げ、今回のポスターを製作した次第です。』と、書かれていました。とても嬉しいです。涙が出そうです。たいした支援もできなかったのに、こんなに感謝していただけるとは思ってもいませんでした。医療従事者にとって一番嬉しいのは患者さんからの【ありがとう】という一言です。

 ポスターは中待合室に掲示しました。QRコードから山田町のメッセージ動画を見ることができますので、是非、ご覧ください。

2021年2月28日(日)
RSウイルス感染症

 だんだん春めいてきました。雪かきから解放されるかと思うとホッとします。寒暖差が大きい日々ですが、もうすぐ春ですね。

 今年の冬は例年になくRSウイルス感染症が目立ちました。RSウイルスは元々は秋~冬に流行るウイルスですが、いつの間にか、夏頃から見られるようになってきました。それが、今年は昔通りの冬型ウイルスとなって猛威を振るっています。

 RSウイルスは1才未満、特に生後6か月くらいまでの赤ちゃんが罹ると急性細気管支炎という重症な気管支炎を引き起こし、入院が必要になる場合も多くみられます。

 1才を過ぎる頃から、少し症状が軽くなりますが、「熱がなかなか下がらない、咳がひどくて眠れない」という状態が続きます。特効薬もなく、難儀な病気です。とは言え、最近はあまり重症な患者さんは見なくなってきました。

 RSウイルス感染症に特効薬はありませんが、それなりに効果の見られる薬もありますので、昔ほど難儀というわけではなくなりましたが、やっぱりつらい病気です。

 盛岡市の岩手県営アパートなどで、先月から今月にかけてドアやビニール傘などが燃える不審火が相次いでいました。警察は放火の疑いで捜査をしていましたが、2月22日に、14歳未満の子どもが、保護者と一緒に警察を訪れ、5件の放火を認めました。「どのように燃えるか試してみたかった」と話しているそうです。

 なんとも残念な事件です。なぜ、こんなことになったのか?屋外で火を燃やせば危険なことになるということは十分わかっていたでしょう。

 オギャーと生まれてきた瞬間は善悪の区別などつくわけもなく、人は成長の過程でいろんなことに出会います。その時々に物事の善悪も学んでいきます。1才を過ぎる頃から、少しずつ、良いこと、悪いことを教えてあげないとなりません。良いときは褒めて、悪いときは叱って、自分の子どもにはハッキリ言えても、よそのお子さんにはハッキリ言えないこともあります。

 時々、診察を待っている間に、スリッパをパタパタ鳴らしながら、何度も廊下を走り回っているお子さんがいます。こういう時、ほとんどの親御さんはあまり注意しません。私が注意すると、だいたいは静かになってくれます。周囲にいた人達もホントは注意したかったと思いますが、直接話したのでは、気まずくなりますので、だれも言わなかったのでしょう。

 誰しも、自分の子には甘くなりがちです。今の世の中は他人から注意されることがまずありません。となると、子どもが正しい道を歩むように、幼少期から親が良いこと、悪いことを教え諭していく必要があります。 「三つ子の魂百まで」と言うように、幼い頃に体得した性格はいくら年をとっても変わるものではありません。

2021年2月13日(土)
ワクチン日本上陸

 今年の冬は雪が多く、大変です。今週はだいぶ寒さも和らぎましたが、まだ2月中旬ですので、もう一度くらい寒波がやって来そうです。いつものことながら、春が待ち遠しです。

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が辞任を表明しました。今までにもよく問題発言をなさる方でしたが、今回は“女性蔑視発言”と言うことで、ついにアウトになりました。

 人間は誰でも高齢になるにつれて、体力、知力は衰えてきます。自分の感情を抑制する脳の働きもそうです。真意は別にあったのかもしれませんが、表現はよくなかったですね。今度は、次の会長を誰にするのか、これはこれでもめています。東京オリンピック・パラリンピックの開催は難しそうですね。

 昨日、ベルギーから待望の新型コロナウイルスワクチンが日本に到着しました。何やら「特例承認」とかいって、すぐに有効性、安全性を確認して接種を開始するとのことです。しかし、特例って、何だかね?もし承認できないなら、このワクチンをベルギーに返品するわけでもないでしょう。もう、世界中で接種されているわけだから、国内にワクチンが入ってくる前に承認を済ませて、サッサと接種開始すれば良いですよね。時間がもったいない。

 ところで、日本国民のほぼ全員に接種するとなると、これは一大事業です。まずは16才以上が接種対象ですので、小児科医はあまり出番がなさそうですが、小児科医はワクチン接種が得意?ですので、医療従事者の端くれとして、何かお手伝いをしたいと思っています。まだ、どこからも何も連絡がありませんが、これから、数週間は目まぐるしい動きがありそうです。

2021年1月7日(木)
再び、緊急事態宣言

 今日の東京都は2.447人だそうです。まだまだ、殆どの人が感染していないわけですから、日々増加するのはやむを得ないことです。そこで、感染スピードを減速させるために、二度目の緊急事態宣言が発令されることになりました。

 今回の緊急事態宣言では、飲食店が午後8時までの時短営業を余儀なくされるようです。飲食店での感染が多いからと言うのがその理由のようですが、お店が一生懸命感染対策していても、それには限界があり、完全に感染を防ぐことはできません。

 これは、飲食店に限らず、会社でも病院でも一般家庭でもどこでも同じです。それを飲食店だけに押しつけるのは、どうかと思います。

 問題は飲食店で飲み食いする客側にあります。「大勢でワイワイガヤガヤ」騒げば、感染を広げるということは、小学生でもわかること、黙々と無言で飲食すれば別に何時まで営業しても良さそうなものですが、「大勢でワイワイガヤガヤ」しないと飲食店に行った気がしないのでしょう。

 「大勢でワイワイガヤガヤ」は、今は飲食店に限らず、どこに行ってもダメなわけです。でも、大晦日にはあちこちで人が集まってたし、箱根駅伝もけっこう観客いたし、国会議員は午後8時まで4人以下ならば会食やってもOKなんて言ってるし、日本人のモラルの低下には呆れるばかりデス。

 飲食店には「純粋に食べる、飲む」だけを目的として行けば良いのではないでしょうか、一組一人のお客さんで、黙々と無言で飲食する。これなら時短営業しなくても良いと思いますけどね。無理かな。

 本でも読みながら、スマホでゲームやりながら、ながら族は少し行儀が悪いですが、自分ならこれで飲食できますよ。「大勢でワイワイガヤガヤ」は、今は耐え忍ぶしかないです。一人でじっくりもまんざらではないはず。必ずまた、「大勢でワイワイガヤガヤ」できるようになります。それまで、飲食店崩壊にならないでほしいです。

2021年1月1日(金)
あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます。今年は、丑年(うしどし) です。牛は、十二支の動物の中で最も動きが緩慢で歩みが遅いです。また、十二支の2番目の干支であることから、子年に蒔いた種が芽を出して成長する時期とされ、まだ結果を求める時期ではなく、耐えながら、先を急がず一歩一歩着実に物事を進めることが大切な年と言われています。

 まだまだコロナの収束は見られず、今年も昨年と同様の状況です。しかしコロナとの戦いも一年経ち、少しは相手の姿も見えてきました。冬季に流行するというのはある程度予測できました。今がその時期でしょう。夏季はそんなに流行りませんでした。流行地域、流行時期に応じて、牛のように先を急がず一歩一歩着実に対策を講じていくしかないです。

 「牛の歩みも千里」といいます。これは、努力を怠らなければ、必ず成果があがることのたとえです。悲観的にならず、みんなが感染予防に務めれば、必ず、収束の日がやってくると考えましょう。

 毎年、元旦には盛岡八幡宮に初詣に行ってますが、今年は正月三が日は避けることにしました。今は『耐える』時期なんでしょうね。