診察室便り

 日常診療で感じた事、最近の話題、など、医療だけでなく、いろいろな話題にふれたいと思います。
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2018年2月8日(木)
インフルエンザ今昔

 まだまだ寒い日が続いてます。福井県では約1500台の車が雪に埋もれて約10kmにわたり動けなくなってしまいました。今日は天気も回復してきて少しずつ動き始めたようです。なんとも凄まじい出来事です。

 インフルエンザのA型、B型同時流行の勢いは止まりません。日を追うごとに患者さんが増えてるように感じます。混合流行なんて言われたりもしていますが、A型、B型が混じって(混合して)AB型になるわけないので、同時流行の方が正しい表現ですね。

 マスコミ報道はA型、B型同時流行で近年にない大流行とあおっています。確かに、毎日、大勢のインフルエンザの患者さんを診察していますが、それほど大変でもないです。もちろん忙しいことには変わりありませんが、むか~し、インフルエンザの検査キットがなく、もちろん、インフルエンザに効く薬もなかった時代を思えば、この程度の流行たいしたことないですよ。な~んて言ったりすると、あちこちから非難されそうですな。

 平成11年に検査キットが、平成12年にリレンザ、平成13年にタミフルが発売されてインフルエンザの診断治療は画期的に変わりました。それまでのインフルエンザ診療はどんなだったか、想像つきますか?

 ちょっと話はそれますが、インフルエンザという呼称(病名)は昭和になってから一般的に広まってきたようです。それまでは「流行性感冒」とかいって、「冬のはやりカゼ」というイメージでした。冬になっていつものカゼより少し症状がきついと、「流行性感冒」と診断されてたわけです。これがいつ頃からインフルエンザと呼ばれるようになったかは不明ですが、昔のインフルエンザの診断は容易でなく、血液検査で抗体価の上昇から診断したりしていましたが、これがまた不正確で、しかも時間がかかる。結果がわかる頃には患者さんは治っているというようなことが日常茶飯事でした。

 では、本線に戻って、検査キットや薬がなかった時代の診療はどうだったのか?今から20年くらい前にタイムスリップして、当時の診療風景を再現してみました。

まず、初日
お母さん:昨日から急に高熱が出て、グッタリして何も食べられないんですよ。
小児科医:カゼかな?ところで、周囲にインフルエンザに罹った人はいませんか?
お母さん:保育園では熱で休んでいるお友達もいるようです。
小児科医:ニュースでインフルエンザが流行ってきたといってましたから、インフルエンザかもしれませんね。
お母さん:どうしたら良いですか。
小児科医:発熱によって免疫が上がってきて治癒しますので、あまり熱冷ましは使わないようにして様子を見ましょう。
お母さん:はい、そうします。

そして、2日日
お母さん:先生、全然熱が下がりません。昨日よりも悪くなったような気がします。もう2日間何も食べていないです。
小児科医:そうですか、確かに昨日より悪そうですね。では、今日は点滴をしていきましょう。
お子さん:エ~ン、エ~ンと泣く

そして、3日日、
お母さん:先生、良くなるどころか、どんどん熱が上がってきます。昨日帰ってから今まで、座薬を6回使いましたが熱が下がりません。
小児科医:そうですか、やはり、インフルエンザでしょうね。インフルエンザに効く薬はないので、体力や免疫力が上がってくるのを待つしかないです。それまで頑張りましょう。今日も点滴をしましょう。それと、二次感染予防に抗生物質を処方しましょう
(小児科医の心の中)ウイルスに抗生物質は無効だが、他に有効な薬もないし、いつもながら困った。
お子さん:今日も、エ~ン、エ~ンと泣く

そして、4日日
お母さん:先生、全然熱が下がりません。今日で4日目です。毎日ボーとしています。一体いつになったら治るんですか?ほんとに大丈夫ですか?(目がつり上がり、言葉がだんだんきつくなってくる)
小児科医:インフルエンザの発熱は4~5日で下がってきますので、もう少しの辛抱です。多くの人はそろそろ回復しますが、時々入院が必要になるときもあります。大丈夫かと言われても、今のところは大丈夫に見えます。
(小児科医の心の中)なんとも歯切れが悪い説明。自分がとても頼りなく思われているというのを実感。

お母さん:うちの子はどうでしょう?毎日痛い思いをして点滴をしてもさっぱり良くなっていないように見えますが?
小児科医:そろそろ治りそうですが、お母さんも少しお疲れのようですから、大事をとって入院しましょうか?
(小児科医の心の中)外来ではもう限界かもね。

お母さん:入院したら治るんですか?どんな治療するんですか?
小児科医:インフルエンザに効く薬はないので、治療は今と同じように点滴が中心です。肺炎などを合併していればその治療もします。24時間持続点滴しますので、外来治療よりは効果があります。免疫力が上がってくるのを待つという意味では、外来も入院も基本的には同じです。
お母さん:え~、一日中点滴するの、かわいそう!

 とマア、こんな具合でした。時間の経つのを待つしかない治療?なんて想像つきますか?今は、検査キットも薬もあり、インフルエンザの患者さんの多くは1回の受診ですみます。1回の受診で診断がつかなくても2回目の受診でほぼ結果が出ます。

 昔は、ごらんのように熱が続くため一人の患者さんが3~4日続けて受診するのが普通でした。つまり、今の患者数の3~4倍の患者さんを診ていたことになります。診察は検査キットはないので検査なし(当たり前ですね)。薬もないので点滴くらいしかすることがない。ベッドはいつも満員。そこに付き添う人たちもインフルエンザに罹ってしまう。ベッドが足りなくなり、待合室をカーテンで仕切って点滴をしたこともあります。診察は毎日7~8時過ぎまでかかり、もう自分も含めスタッフ一同みんなホントにグッタリでした。この時代を思えば今の流行なんてかわいいもんですよ。

 ただ、なんかの弾みで薬が効かなくなったら、また、あの暗黒時代に逆戻りです。この頃、予防に薬を欲しいという人を多く見かけます。薬の乱用によって、薬の効果が落ちてしまうこともあります。本来健康な人ならば、インフルエンザの薬はインフルエンザに感染したときだけ使用するようにしましょう。

2018年1月28日(日)
A型、B型同時流行

 ここ数日寒い日が続いています。今が一年で一番寒い季節ですね。でも、少しずつ日が長くなってきました。ほんのチョッピリ春の気配も感じます。

 今日は大相撲初場所の千秋楽です。先場所から続いている不祥事は後を絶たないようですね。優勝インタビューで栃ノ心が「ゴルフクラブで鍛えられた。」なんて、話したら面白いでしょうね。マア、そういうことはないでしょう。

 ところで、成人式を台無しにした はれのひの篠崎社長と、春日野親方はなんとなく顔が似ているように思えます。性格も似たもの同士かな~?今場所が終わったら、今まで無言だった貴乃花親方が何か爆弾発言でもしそうな感じがしますが、マア、それもないか。

 学校が始まる前から流行が始まったインフルエンザですが、かなり流行ってきました。今シーズンはなんといってもA型、B型同時流行というのがスゴいですね。

 普通はA型から始まって、それからB型が少し出てきて、おしまいというパターンですが、両方流行ると結構大変です。早くもA型、B型両方にかかった人もいます。

 なんとなく、小学校、中学校はB型、幼稚園、保育園はA型が多いように感じますが、もうすぐゴチャゴチャになってくるのでしょう。

 よく患者さんから、「先生はインフルエンザに罹らないんですか?」と、聞かれます。毎日大勢のインフルエンザの患者さんを診ていますから、ガッチリ感染しているはずです。でも、軽く感染してるんだと思います。その結果、免疫力がアップしているのではないかな?と、自分では思っています。毎日軽いワクチンを打っているようなもんでしょう。とは言え、全くの新型が発生したときは不安ですね。

2018年1月13日(土)
そろそろ、またインフルエンザ

 北陸や西日本では大雪で大変なことになっています。岩手県も北国ですが、今年は今のところ大雪の被害は免れています。でも、天気予報によると、そのうち寒気が北上してくるような話でした。いずれ、もっと寒くなって雪も降るんでしょうね。1月中旬から2月中旬が最も寒い時期です。

 もう、そろそろ冬休みも終わり新学期が始まります。年末にはB型インフルエンザが少し流行りかけてきましたが、学校の冬休みと同時に一段落していました。新学期が始まれば、またそこそこに流行るんだろうと思ってましたが、どうも今週になったらインフルエンザのお子さん達チョコチョコやってきます。

 圧倒的にB型が多いですが、A型も出てきました。どのあたりで流行しているのか、よくわかりません。大勢人が集まるところで、感染することが多いんでしょうね。この分だと、新学期と同時にA型、B型両方流行るかもしれません。

 いつもお話ししておりますが、できるだけインフルエンザワクチン接種した方がいいですよ。ワクチン接種しても完全に感染を防ぐことは出来ませんが、インフルエンザに感染たとき、体内で出来た免疫は正しくインフルエンザウイルスを処理してくれます。免疫のない状態でインフルエンザに感染すると、本来は我が身を守るための免疫がどのように対応してよいのかわからず、思いがけない異常反応を起こすことがあります。それが、脳炎・脳症のような重篤な合併症の原因ともいわれています。

 最も寒くなるこれからが本格的なインフルエンザシーズンです。手洗い、うがいを励行して十分睡眠をとりましょう。

2018年1月1日(月)
あけましておめでとうございます

 あけましておめでとうございます。12月は寒い日が続きましたが、年末年始は少し落ち着いた天気になりました。

 今年は戌年です。戌が犬という字になったのは、後世、一般庶民が読みやすいようにということからだそうです。

 ところで、「戌」は「滅びる」を意味する「滅」で、あまり良い感じがしませんが、「守る」という意味につながるのだそうです。これを植物に例えますと、木は、種から芽を出し、花が咲き、実をつけますが、やがて熟した実は落ちます。それでも木は残ります。最終的に本体の木だけは守るということで、たいへん忠義なたとえに引用されてるようです。

 犬はとても人間と親しく、忠実な動物です。そこから、戌年の人は「誠実な努力家」と言われています。

 一昨年は申年、昨年は酉年、そして今年は戌年、桃太郎トリオがそろいました。来年は亥年。猪突猛進の前年である今年は、ゆっくり、しっかり堅実に足元を固める年なんでしょうね。

 食物負荷試験は、現在、卵、ミルクのみ行っていますが、主に軽症なお子さんを対象にしています。次第にほかの食品も行う予定ですが、その前に、もう少し、卵、ミルクの対象者を広げていきたいと思っています。

 アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法は現在12才以上が対象ですが、今年度中に少し対象年令が下がります。おそらく5才以上となると思いますが、5才の子が舌下免疫療法の意味を理解するのは難しいと思います。アレルギー性鼻炎だから誰も彼も舌下免疫療法というわけにはいかないでしょう。やはり、小学校高学年くらいにならないと難しいように思います。小児科で本格的に舌下免疫療法が普及するには、まだ少し時間がかかりそうです。

 今年もいろいろ新しい試みに挑戦し、堅実な医療を心がけたいと思っています。新年は5日から診療開始しますが、2日は休日当番医です。

2017年12月31日(日)
大晦日

 今年も12月31日を迎えました。夏にRSウイルスが流行したり、冬のインフルエンザはB型が流行したりと、感染症の流行り方がやや変則的な年でした。

 B型はA型と比べると少し症状が緩やかですが、それでも結構つらそうな人も多かったです。今年のB型は一度発熱し、翌日少し解熱し、翌々日また熱が上がってくるというパターンが多いように感じました。

 小さいお子さんでは嘔吐のような腹部症状もみられました。通常のインフルエンザウイルスは腸管感染はしませんので、腹部症状からインフルエンザ感染を考えるのは、ちょっと不自然ですが、B型は疑う必要がありますね。年末年始の国民大移動に伴い、あちこちでインフルエンザが流行るかもしれません。

 今シーズンはインフルエンザワクチン不足が心配されましたが、今になって急に市場に出回ってきました。ほんとに欲しい11月はギリギリで、いつ足りなくなるのかとハラハラしながら接種していましたが、何とか持ちこたえました。今のところ、希望者には全員接種できています。もう少し現場の事情を考えてほしいものです。

 来年は1月2日が休日当番医です。年の初めから大変です。年末年始の当番医は通常とは別枠で決めています。以前はくじ引きでしたが、何となく?不公平感が漂ったため、今は、あらかじめ順番を決めています。くじ引きで決めていたころは、私は1月1日が1回、12月31日が5回当たっています。マア、当たりがいいのか悪いのか?微妙ですな。

 来年も良い年でありますように!!

2017年12月3日(日)
そろそろインフルエンザ

 この頃、大相撲の日馬富士暴行事件がよく報道されていますが、コメンテーターは自分の推測で話をしていますので、人によりさまざまです。いつまでたってもよくわかりません。被害者である貴ノ岩に同情が集まっていますが、加害者の日馬富士にも擁護論が聞かれます。千秋楽の白鵬の迷挨拶といい、大相撲は襟を正すことがたくさんありそうです。

 インフルエンザのニュースがチラホラ聞かれるようになりました。ところでワクチン、足りるのか?足りなくなるのか?先々週、インフルエンザのニュースを3件ほど見ました。

 一つ目は、インフルエンザとタミフルの異常行動でしたね。今に始まったことではなく、薬が原因かどうかは別として、インフルエンザに罹れば異常行動がみられるので気をつけましょう。で、薬にだけ頼らずワクチンを接種しましょう。でした。
 二つ目は、殺人インフルエンザが流行するかも?殺人インフルエンザって?新型が発生したのかな?と思いきや、毎年流行を繰りかえしているA香港型H3N2のことです。確かに、A香港型はもう一つのA型(H1N1)2009よりも病原性は高いです。実際重症例も多くみられます。今シーズンはさらにバージョンアップしたんでしょうかね。これについてもワクチンを接種しましょう。でした。
 三つ目は全国的にインフルエンザの流行が始まった。これもワクチンを接種しましょう。でした。

 そして、先週インフルエンザワクチンが12月からは順調に供給されると報道されました。11月までは安定供給するために厳しい出荷規制がかかり、手元に十分量のワクチンがありませんでした。入荷予定日にきちんと入ってこないと接種できなくなるところでしたが、何とかつないできました。

 こういう状況からインフルエンザ関連のニュースを裏読みすると、厳格な出荷規制をして来たために、もしかしたら、市場に出回るころには余ってしまうかもしれない?という心配が出てきたかもしれませんね。そこでワクチンを接種しましょうか?かなりうがった見方ではありますが、、、

 11月中旬に市内の保育園でA型が少し流行りました。昨日は市内の小学校で学級閉鎖がありましたが、こちらはB型でした。A、B両方流行るかもしれません。

 インフルエンザワクチンは、ほとんどの人が年内に接種されます。当院のインフルエンザワクチンは例年の7~8割終了しました。今のところなんとか接種希望者全員に接種しています、今後は少し不安ですので、お早めに接種するようにしてください。

2017年11月23日(木)
小児アレルギー学会

 いよいよ、冬将軍がやってきました。寒くなりましたね。インフルエンザもボチボチみられるようになってきました。ワクチンは今のところ不足していませんが、地域によっては深刻な状況になっているところもあるようです。

 この前の土日、宇都宮で開催された「第54回日本小児アレルギー学会」に出席してきました。すでにご存じの方も多いと思いますが、神奈川県で牛乳アレルギーのため経口免疫療法を実施中のお子さんがアレルギー症状のため、一時呼吸停止になり病院に搬送され、低酸素脳症で治療を続けている。という報道がありました。

 これに関連して学会では「食物アレルギー患者における重篤な食物アレルギー症状の調査結果」が報告されました。低酸素脳症に陥ったお子さんについての詳細は、ご家族の事情を配慮して公表されていません。経口免疫療法の注意喚起でした。

 経口免疫療法は、食物アレルギーを持つお子さんがその食品を少しずつ食べることによって相当量を食べられるようにする治療です。経口免疫療法を始めるにあたって、まずどのくらいの量を食べることができるかどうかを決めます。これを負荷試験といって、アレルギーを起こす食品を少~しずつ食べて、このくらいなら大丈夫という安全量を決めて、そこから始めます。できるだけ毎日食べて徐々に増やしていくわけです。

 しかし、この経口免疫療法、二つの意味というか方法があります。一つは、前述したような安全量を決めてそこから少しずつ増やしていく方法で、一般の診療所でも行われています。当院でも行っていますが、安全性に重点を置き、軽症な食物アレルギーのお子さんが対象です。これは経口免疫療法というよりは食事指導と言った方がわかりやすいように思います。

 もう一つは、負荷試験でアレルギー症状が出るか出ないかのギリギリの量を決めて、そこから食べ始めていく治療法です。この場合、当然アレルギー症状が出現することが予想されますので、症状出現時に備えた対策が必要です。これが、本当の意味の経口免疫療法です。少しずつ食べていたのではなかなか改善が見られない重症な食物アレルギーのお子さんたちが対象となりますが、これは治療というものの研究的な要素も多く、対象となるお子さんは治療を受けるというのではなく、臨床研究に参加するという形で開始されています。

 ところで、当然のことながら、関心のある医師が多く、開始30分前には会場の席が埋まっていました。立ったままで聴講する人も多く中に入れませんでした。そこで、中継テレビが用意されましたが、今度はそこが黒山の人だかりという状況でした。テレビではそんなところは映ってなかったようですね。

 小児アレルギー学会といえば、昔は気管支喘息が話題の中心でした。その後アトピー性皮膚炎が盛んに議論され、しだいにアトピー性皮膚炎と食物アレルギーとの関連で盛り上がり、今は発表の8割近くが食物アレルギー関連です。この傾向はまだまだ続きそうです。

2017年11月3日(金)
ツバメウオ

 先月は大型台風が続いて天気が荒れましたが、11月になったら少し寒さが緩んできたようです。でもまた寒くなっていくんでしょうね。10月中旬に突然パソコンが壊れてしまい、大変でした。今までもバージョンアップするときによくトラブルが起きましたが、今回は再生不能で、すべて買い換えました。困ったもんです。

 海水魚の写真と名前を書いて水槽の下に掲示しました。お子さんたちに魚の名前を聞かれるんですよね。それぞれ特徴がありますが、このちょっと大きいツバメウオが人気があるようです。色合いは地味ですが、おおらかにゆっくりと泳ぎます。ツバメウオに限らず、お魚さんはデリケートですから、くれぐれも水槽はたたかないようにしてくださいね

 
 ツバメウオ

 インフルエンザワクチン不足のニュースを時々耳にしますが、今のところ大丈夫です。確かに今年度は例年より少ない生産量です。そのため出荷規制が行われており、各医療機関では一度に多くのインフルエンザワクチンを確保することができません。ですから、どこも手元には少ししかないのです。となると、事前に予約するというのはちょっと難しいそうです。そこで、予約できない。手元にない。いつ入荷するか確約できない。それがワクチン不足という表現になってるんでしょうね。

 実際、ちょっと、入荷が途絶えるとたちまち不足という事態はあるかもしれません。これから12月末までに少しずつ入荷してきます。その頃には毎年接種する人たちは、終わっていますので、そんなに大きな混乱にはならないと思っています。とはいえ、いつも想定外のことが起きますので、年を越すまでは不安ではあります。

 最近インフルエンザワクチン接種される方が増えています。午後4時頃から外来が混み合って大変混乱しています。午前は比較的すいていますので、できるだけ午前の受診をお願いします。

2017年9月30日(土)
インフルエンザワクチン不足?

 この頃、朝が冷え込んできました。一昨晩は寒くて夜中に目が覚めました。9月まではまだ夏の続きのような気がしますが、10月と聞くと一気に秋になった感じがします。

 あまり政治には関心がないほうですが、衆議院の解散で10月22日に選挙が行われることになりました。小池東京都知事が率いる希望の党が話題を呼んでいます。ここ数日選挙の話といえば、こればかりですね。

 ふつう選挙といえば、「私が当選した暁には~」てな具合に自分の政策をみんなに聞いてもらうもんですが、今のところどこの政党も具体的な政策らしきものが見えてこないようです。10月10日公示だそうですので、それからでしょうね。

 さて、毎年のことですが、今年もまたインフルエンザワクチンの季節がやってきました。今年はワクチンが不足しそうなんて話が聞かれます。実はワクチンが足りなくなるかもしれないというのは、夏にはすでに分かっていました。

 毎年、春にその年のインフルンザワクチンの製造がはじまりますが、今年は最初予定したワクチン株でうまく作れなかったので、株を変更して作りなおしたのだそうです。また、熊本地震の影響でワクチン製造に支障をきたしたことも原因のようです。その結果、今年は例年の80~85%くらいの製造量のようです。

 インフルエンザワクチンは概ね前年使用した分と同じくらいの量が各医療機関に出荷されます。今のところ昨年と同じくらいの量を確保できそうですが、今後どうなるか?少し不安ではあります。

 ネットを見ると、岩手県内の医療機関ではありませんが、予約制限?とか、かかりつけの子にしか接種しないとか?ホントかね?と思うような記事を目にします。毎年、当院にはあちこちで接種を断られた(理由は不明)お子さんたちが大勢いらっしゃいますが、お断りせず全員接種しています。今年もそうしようと思っていますが、ほんとに不足したらどうしよう。頭が痛いです。

 10月20日より、盛岡市、紫波町、矢巾町、滝沢市の補助が始まりますので、この日から接種開始しようと思っています。10月初旬には院内掲示やホームページでお知らせします。

 今年も9月15日山車大絵巻パレードを観てきました。これが終わるといよいよ秋です。


     
 三番組 羅生門    南大通二丁目町内会 義経八艘飛び
     
 の組 碇知盛    み組 毛剃九右衛門


2017年9月14日(木)
もう、インフルエンザ?

 日増しに朝夕涼しくなってきました。秋を感じる今日この頃です。

 例年この時期には食中毒がよく発生しますが、群馬県の総菜店の食品を食べた3才の女の子が、O-157に感染して死亡したというニュースがありました。痛ましいことです。ご冥福をお祈りします。

 女の子は、タケノコやエビの炒め物など4種類の加熱食品を食べたそうですが、保健所の調査ではO-157は検出されていないそうです。

 この総菜店では、大皿に盛られた総菜を好きなだけ取る「量り売り」をしており大皿にはふたはなく、取り分けるトングも使い回せる状態だったそうです。何となく不衛生と感じます。従業員や調理場の設備などから、O-157は検出されていなかったようですので、販売の段階で、2次感染が起きた可能性があります。

 ところで、これまでに同じ遺伝子型のO-157が、群馬県や埼玉県以外にも、東京、神奈川など首都圏や、長野、新潟、滋賀、香川など、全国11の都県で検出されています。となると、ある一定の感染ルートが推測されます。一刻も早い感染ルートの解明が待たれます。

 当院でも先々週O-157の患者さんを2名診ました。下痢、血便、発熱と症状がそろえばO-157のような感染性(細菌性)胃腸炎を疑いますが、最初は症状に乏しいこともあり、初期診断が難しいこともあります。食中毒は予防が大切です。菌を、「付けない」「増やさない」「死滅させる」ことが3大原則です。

 今日、今年始めてインフルエンザの患者さんをみました。1才のお子さんでした。見た目は元気であまりインフルエンザという感じはしませんでしたが、家族の半分がインフルエンザに罹っているとのこと。調べたらなんとインフルエンザA型でした。あ~、驚いた。

 家族で最初に感染した(と思われる)人はコンビニ勤務していたようなので、不特定多数の人との接触があったのでしょうね。これが今年の始まり?とは思えませんが、チョット調べてみたら、全国的にも早いペースでインフルエンザが見られているようです。佐賀県佐賀市の高校、神奈川県川崎市の小学校、宮城県仙台市の小学校では、今週初めにもう学級閉鎖が行われています。

 真夏からRSが流行ったり、今シーズンは冬の感染症の流行は早いのかもしれません。

2017年8月25日(金)
今年の夏かぜ

 今日は台風一過のような好天です。久々に自転車で通勤しました。途中、明治橋から北上川を見ましたが、川は増水して濁流となっています。こんなに増水した北上川は見たことがないです。小さなお子さんは川辺に近寄らないようにしましょう。

     
 増水した北上川
まるで海ですね。
   いつもの北上川

 お盆前に痛めたギックリ腰もよくなり、診療に励んでおりますが、今年の夏は例年よりも夏カゼが流行っています。夏カゼと一口に言ってもいろいろあります。同じ疾患でもその年によって微妙な違いがあります。日常診ている今年の夏カゼの特徴を少しまとめてみました。

 まず、殆どの場合“喉が赤い”です。初日はこれで夏カゼと診断し、「経過をみましょう」となります。ここからいろいろあります。

1.手・足・口病:まずは、今夏大流行の手足口病です。通常は手のひら、足の裏に発疹が出現するのですが、今年の手足口病は、肘、膝、臀部に少し大きめの発疹~水疱が見られます。
 喉の発疹は発熱と同時に見られる場合が多いです。肘、膝、臀部の発疹は、発熱した時点で少し出現していることもありますが、発熱が1~2日続いて解熱する頃から、ゾロゾロと出現することが多いです。突発性発疹みたいですね。

2.ヘルパンギーナ:発熱は2日くらいで解熱しますが、その頃から喉の奥に大きな口内炎が出来てきます。喉の痛みが強くなり、食事が取れなくなることもありますが、そんなにひどくはなりません。

アデノウイルス感染症(咽頭結膜熱):喉の赤みはこれが一番です。ジュクジュクして白苔(汚れの塊)がみられます。溶連菌とよく似ていますが溶連菌よりもさらにジュクジュクしています。発熱と喉の痛みが特徴ですが、発熱は1週間くらい続くこともあり、手足口病やヘルパンギーナよりもキツイです。

4.RSウイルス感染症:上記1.~3.のように喉が赤くなることはあまりありません。RSは一般的な夏カゼではないです。
 本来は秋~冬に流行する疾患ですが、今年はなぜか夏に大流行しています。一説には季節外れの流行ではなく、流行が早まっただけともいわれています。
 RSは年令によって症状が異なります。赤ちゃんでは細気管支炎と言って喘息のような激しい喘鳴が見られ呼吸困難に陥ります。6ヶ月未満の赤ちゃんでは入院することが多いです。1才過ぎくらいから喘鳴はあまり強くなくなりますが、激しい咳と頑固な発熱が続くようになります。健康な年長児ですと普通のカゼ症状くらいですみます。赤ちゃんにとっては怖~いRSです。

 ざっと、現在流行中の今年の夏カゼの特徴を並べてみました。1.~3.の夏カゼは殆ど軽症ですむことが多いですが、ときどき重症化しますので、ドンドン悪くなっていくような時は早めに再受診しましょう。また、大人が罹るとけっこう症状がキツイです。お子さんの食べ残しを食べたりしないように、また、食器やタオルは共用しないようにしましょう

2017年8月13日(日)
お盆休み

 暑い日が続きますが、朝晩はそんなに暑くないので、例年の夏よりは少し過ごしやすいです。この分だと秋は早いのかもしれませんね。

 気象のことはよくわかりませんが、暑い季節は暑く、寒い季節は寒い方が何となく自然に思えます。今年の夏はRSウイルスが大流行していますが、こういう気象の変化とも関係あるかもしれません。

 今日からお盆です。もう帰省ラッシュが始まったようで、明日がピークとのこと。お盆前に帰省してきた患者さん達を診ましたが、もうすでに帰路についたお子さんもいます。
 RS、手・足・口病、アデノ、ヘルパンギーナ等々、今年の夏は夏かぜ大流行です。みんな元気になって帰ったかな?

 毎年、お盆にはクリニックの残務整理をしています。たくさん不要ゴミが出てきますのでけっこう力仕事も多いです。なのに、なんと昨日ギックリ腰になってしまいました。別に重いものを持ち上げたわけではないのですが、チョット姿勢が悪かったんでしょうね。

 湿布してコルセット巻いて、出来るだけ安静にしていますが、これでは力仕事は無理!残務整理は持ち越しになっちゃいました。今日は痛みはだいぶ和らいできましたが、今年のお盆休みはホントに休みだけになりそうです。小児科は秋から冬にかけて猛烈に忙しくなりますので、お盆休みはしっかり休んで繁忙期に備えなさいと言うことでしょうね。

2017年7月20日(木)
塩中毒

 今週の月曜日は休日当番日でした。最近特に流行り病も無く、閑な当番日かと思っていましたが、先週末から少しずつ患者さんが増えてきたせいか、けっこう忙しかったですね。恒例の夏カゼも、手・足・口病アデノウイルス感染症などよく見られます。

 手・足・口病は、その年によって特徴があります。通常の手・足・口病の発疹は手のひらや足の裏に小さな水疱を形成します。発熱もあまり見られませんが、今年の手・足・口病は、肘や膝にチョットふくれた感じの発疹が見られます。発熱もよく見られます。発熱が1~2日続いて解熱する頃に発疹が目立ってくるというパターンが多いです。

 数年前にもこういうタイプが流行しましたが、肘や膝に多くの発疹が見られると1ヶ月くらい経過してから、爪がはがれたりすることもあります。大体はきれいに治りますが、びっくりしますね。

 手・足・口病は、多くの場合軽症ですが、時として重症な場合もありますので、発熱が長引くようなときは早めに受診しましょう。

 もう一つ、今流行中の病気があります。普通は秋~冬にかけて流行するRSウイルス感染症が、なぜかこの暑い夏に流行っています。RSウイルスは年長児や大人が罹ってもカゼ程度の症状ですみますが、赤ちゃん(特に、6ヶ月未満)が罹ると細気管支炎というとても重症な気管支炎になり、入院することも多いです。

 ゼーゼー、ヒューヒューという苦しい呼吸器症状が主症状ですが、発熱もけっこう続きます。保育園の赤ちゃんクラスではあっという間に流行してしまいます。赤ちゃんの呼吸がチョットおかしいなと思ったら早めに受診しましょう。

 2015年8月、盛岡市内の認可外保育施設で当時1才のお子さんが大量の塩分摂取による塩中毒の症状で亡くなったというニュースを耳にしました。預かっていた元経営者は、傷害致死の疑いで逮捕されました。小さいお子さんを預けているご両親にはとても怖いニュースです。いったい何があったのでしょうか?

 容疑者の元経営者は「液体に食塩を溶かして飲ませたが、死ぬとは思わなかった」と供述しています。脱水症状でもあって飲ませたのでしょうか?それにしても中毒に至る量の食塩水を1才の子が飲めるわけがありません。途中で吐き出してしまいます。

 一体どのくらいの食塩を摂取したのでしょうか? 日本中毒情報センターによると、食塩(塩化ナトリウム)の推定致死量は0.5~5g/kgとされています。1才児ですと、体重約10kgくらいですので5~50gくらいの食塩量です。ちなみに1日に必要な食塩量は成人男性で8g未満、女性で7g未満とされています。未満とあるのは、ただでさえ日本人は食塩を取り過ぎる傾向があるので、少し厳しい表現になっています。この値を参考にすると、1才児では大体1日あたり1.5gくらいが必要な食塩量になります。5gでも致死量になるなら、通常の食事の3~4倍の食塩量でも危険という事になります。

 食塩を取り過ぎるとNA(ナトリウム)が増えます。体内のNA量は腎臓で調整されますが、乳幼児では腎臓の働きが未熟であるため、一度に大量のNAが体内に入ってくると上手く処理することが出来ません。NAが過剰な状態を高NA血症といいます。

 NAは細胞内から細胞外へ水分を運びますので、高NA血症では細胞が脱水状態になります。この現象は特に神経細胞で顕著にみられ、脳が萎縮したり、血管が障害を受けます。その結果、傾眠、けいれん、昏睡のような神経症状が見られるようになります。

 首や背中など全身に塩の結晶がつき、ベビー服も塩でかたくなっていたということですから、相当な量の食塩が体内に貯留していたものと思われます。本当にお気の毒です。亡くなられたお子さんのご冥福をお祈りします。

 このお子さんは2015年8月17日午前10時半ごろから18日午前0時5分頃までの間、保育施設に預けられていたようですが、もう少し早く帰宅できていれば、この様なことにはならなかったかもしれません。悔やんでも悔やみきれない事件です。

2017年7月6日(木)
劇症型溶連菌感染症

 6月28日、プロ野球西武ライオンズの森慎二投手コーチが劇症型溶連菌感染症(以後、劇症型)で亡くなったというショッキングな報道がありました。
 普通、溶連菌といえば、発熱や喉の痛みが主な症状の「喉のカゼ」というイメージしかありませんが、時として、とんでもない重症型があり、それが劇症型です。

 劇症型は、1987年にアメリカで発見されました。日本における最初の感染は1992年です。それ以降、日本では毎年100~200件の劇症型が確認されています。2015年には434名、2016年は11月20日現在の患者数が442名と、過去最多の患者数を更新しました。小児例はこれまで約 50 例(1999~2010年)が報告されています。

 劇症型は、体力がない人とか免疫力が弱い人とかが罹りやすいわけではなく、子どもから大人まで誰でも罹ります。特に30歳以上の大人に多いのが特徴の一つです。

 最初に見られる症状は、発熱や喉の痛みとか、手足の痛みや腫れなどで、ふつうのカゼとよく似ています。そのため早期発見が難しい病気です。
 
 劇症型では通常は細菌が存在しない組織(血液、筋肉、肺など)に菌が侵入し、症状が進行すると、高熱が続き、傷口の痛みが強まり、重症化してきます。

 さらに菌が全身に回り(敗血症)、ショック症状や 肝不全、腎不全のような全身の臓器が働かなくなってしまう状態(多臓器不全)になります。また、筋膜や脂肪の組織が破壊されて、手や足の切除が必要になることもあるため、劇症型は、「人食いバクテリア」とも呼ばれています。

 これらの症状は数時間~数日の間に急激かつ劇的に進みます。死亡率が約30%というきわめて重症な感染症です。

 ところで、溶連菌自体はありふれた菌で、健康な人の体内にも存在しています(健康保菌者)。また、溶連菌に感染しても症状が起こらない場合もあります(不顕性感染)。この様に症状はないけど、喉に溶連菌が存在している小学生は10%もいると言われています

 劇症型を来す溶連菌とカゼ症状ですむ溶連菌との違いはよく分かっていま せんが、菌の進化の過程で、遺伝子の変異がおこり劇症型に「変身」した可能性があると推測されています。

 子どもがよく罹る溶連菌は、発熱や喉の痛みが主な症状です。リウマチ熱や腎炎のような合併症が心配なので抗生剤を服用しますが、基本的には劇症型を心配する必要はありません。

 ただし、傷がある場合は要注意です。劇症型の感染経路は明らかになっていませんが、傷口から感染することが多いとされています。

 小さな傷でも、周辺の痛みが強い場合は要注意です。傷とそのまわりを指で押すと強い痛みを感じる時があります。この場合、蜂窩織炎といって、皮膚の深部にまで菌が入り込んでいる可能性があります。ここから、一気に全身に菌が回ることがありますので、 「指で押すと強い痛み」を感じるような時は早めに受診しましょう。 

 劇症型に対して、特別な予防法はありません。季節を問わず、うがい・手洗いを徹底する事が大切です。また、小さな傷が原因になることもありますので、傷を見つけたらすぐに水道の流水で水洗いし、清潔に保つ様にします。「早期の発見・対処」が大事です。