診察室便り

 日常診療で感じた事、最近の話題、など、医療だけでなく、いろいろな話題にふれたいと思います。
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2023年2月5日(日)
「電話が繋がらない」のお知らせ

 先週水曜日の大雪にはまいりました。朝から晩までやむことなく、ず~と雪が降りました。木曜日は雪もやみ、比較的穏やかな天気でしたが、午後になって異変が起こりました。といっても天候ではなく、なんと、クリニックの固定電話が繋がらなくなってしまいました。

 隣の薬局に電話したら、何度かけてもお話中?ちょっと他院に用事があって電話したところ、やはりお話中?こりゃおかしい。そこで携帯から薬局にかけたら、ちゃんと繋がる。薬局からこっちにかけても繋がらないとのこと。え~?当院の電話が全く使えなくなりました。しかし、Web予約はキチンと作動しているし、ネットも繋がる。となると、ケーブル~電話用モデムの故障とか、とても自分では対処できそうにもないので、いつもお世話になっている電話会社に連絡したところ、遅い時間にもかかわらず、見に来てもらえました。

 いろいろと調べてもらったところ、院外での接続に問題があるようで、ちょっとやそっとでは直らないようでした。どうもこの大雪が影響してるらしいとのこと。さあ困った。時間は6時半を過ぎており、どこに連絡しても繋がらない。それにこの日は夜間急患診療所の当番なので、そろそろ出かけないとならない。いやはやまいった。

 明日になったらまずNTTに連絡しようということにして、さしあたり、当院をご利用なさっている方には、事情をお知らせしようと、夜間急患診療所から帰宅後、【「電話がつながらない」のお知らせ】をWebに掲示しました。ご覧になった方は驚かれたと思います。

 金曜日朝一番に、NTT始め関連する業者さんたちに連絡をしたところ、皆様から早急に対処していただけるとご返答をいただきました。どうもあちこちで電話回線の事故が起きているようで、土曜日に順番に回っていくので、到着30分くらい前に連絡すると言うことでした。

 何とか、土曜日のうちに復旧してほしいと思っていたところ、午前中に連絡が入り、昼前に点検してもらえました。その結果、外部の電話回線を受ける機器が劣化していたということが判明しました。大雪の影響は定かではありませんでしたが、原因がわかり早速工事していただいたところ、電話回線が復旧しました。あ~ホッとした。電話が繋がらなかったのは木曜日の午後から土曜日の午前まででしたが、ものすごいストレスでした。

 当該事業者の皆様には、迅速にご対応いただき、心より感謝申し上げます。また、当院をご利用いただいてる皆様にもご迷惑をおかけしました。2月6日(月)からは、従来通りの電話によるお問い合わせが可能です。

 話は変わりますが、この頃、インフルエンザが増えてきました。流行り初めはだいたい学校、幼稚園、保育園ですので、ある程度流行地域が限定されてきます。その一方、コロナは少なくなってきました。そろそろ、バトンタッチでしょうか?同時流行はしないと思っていますが、油断はできません。

 先日インフルエンザに罹ったお子さんの保護者から、家族や兄弟の待機期間は何日ですか?と聞かれました。インフルエンザでは家族の待機期間はありません。ふつうに生活して大丈夫です。みんなすっかりコロナに慣れてしまいましたね。

2023年1月1日(日)
あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます。今日は朝から雪が降っています。午後からは天気は回復するようです。雪がやんだら初詣に行ってきます。あまり積もらないと良いですね。

 今年は卯年です。うさぎから受けるイメージは優しい感じですが、卯年はどんな年なんでしょう。本来の干支とは「十二支(じゅうにし)」」と「十干(じっかん)」を組み合わせたものです。十二支とは時間を表し、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12種の動物を当てはめています。この十二支に、空間を表す十干「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10の要素を加えたのが、60種からなる「干支」です。 双方を組み合わせた干支を六十干支(ろくじっかんし)ともいい、60年で一巡します。

 60才になると「還暦のお祝い」を行う習慣があります。これは、生まれてから60年で六十干支が一巡し、元に戻ることに由来しているのだそうです。

 六十干支でいうと、今年2023年は「癸卯」となります。「癸」は十干の最後で、一つの物事が収まって、新しい物事へ移っていく段階を意味します。「卯」はもともと「茂」という字が由来といわれ、繁殖する、増えるという意味があります。また、「卯」という字の形が「門が開いている様子」を連想させることから「冬の門が開き、飛び出る」という意味があると言われています。

 こういうことから「癸卯」の2023年は、昨年までのいろいろなことに一区切りついて、成長や繁栄という新しい世界が広がっていく年と解釈できます。なんとなくコロナの収束を期待したくなる「癸卯」です。

2022年12月31日(土)
大晦日

 今年も大晦日になりました。コロナに振り回されてすでに3年経ちます。いまだに、出口がみえない日々ですが、政府内では、「新型コロナについて、感染症法上、季節性インフルエンザと同じ【5類】への引き下げを、早ければ来年春にも行う案」が、やっと本格的に議論されるようになったようです。今までも何度か同じような話はありましたが、今回は本気?のようです。

  5類になったときの問題は、患者が増加したときに入院調整が行われなくなることでしょう。特に重症者が増えたときが大変です。来年春までには結論が出そうですが、現状は、多くの人はWithコロナの生活になっているように感じます。一方、医療機関だけは相変わらずゼロコロナのままです。現場の混乱も少し緩和されてほしいです。

 インフルエンザが少し流行り始めてきました。同時流行と言うほどではないですが、毎日コロナ~人、インフルエンザ~人という具合です。まだまだ、コロナの方がインフルエンザよりも多いですが、もともと、インフルエンザの流行は年明けからが多いですので、来月末頃には今よりもインフルエンザの患者さんは増えていそうです。幸い、コロナとインフルエンザと同時に罹った患者さんは今のところ診てませんが、そのうち数は少ないものの、同時発症する人も出てくるでしょう。冬休み後の、学校、幼稚園、保育園でどのような流行になるのか、恐々としています。

 今年の秋は、2年半ぶりに岩手県外に出かけてきました。10月には、学会で東京と、同窓会で水戸へ、さらに12月も研究会で東京へ行ってきました。どこに行っても、コロナ前のように賑やかに人が往来していました。以前との違いは、ほとんどの人がマスクをしているということくらいかな。来年は卯年です。うさぎのように軽やかなステップで、コロナを乗り切りたいものです。

2022年11月27日(日)
生後6か月~4歳の子どもへの接種(乳幼児接種)

 11月も末になり寒さがましてきました。12月上旬は少し冷え込みが厳しくなるようですが、中旬以降はそうでもないようです。寒いのも嫌ですが、大雪にはまいります。暖冬であってほしいですね。

 新型コロナウイルス感染症は、第8波に入ったようで、日々感染者が増えています。そんな中、「厚労省は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけの見直しに向け、本格的な検討を始める方針を固めた。」という報道がありました。季節性インフルエンザ並みの「5類」への引き下げを念頭において、専門家を交えて新型コロナの感染力や感染した場合の症状の重さ、変異の可能性などの評価に着手する。ということだそうです。

 今や、行動制限もなく、緊急事態宣言もなく、旅行支援をし、イベントは通常通り、これでは、感染拡大を容認しているようなもの。もう、みんなどんどん罹って早く終わりにしようといっているようなもの。しかし、重症化しては困るので、ワクチンを接種しようとなるのでしょうね。

 その一方で、陽性者は症状があろうとなかろうと、仕事を休まなければなりません。医療現場だけではなく、多くの職種がスタッフ不足で通常の業務ができなくなっています。というわけで、「感染症法上の位置づけの見直し」をするのでしょう。ほとんどの人が軽症ですんでいますので、そろそろ厳しい制限をとっても良いかと思います。強毒性の変異株が出現したら?なんてことを考えていたらきりがない。臨機応変に対策を立てるしかないと思います。今シーズンのインフルエンザが流行る前に見直してくださいよ。

 生後6か月~4歳の子どもへの接種(乳幼児接種)が始まりました。日本小児科学会は【小児の患者数が増加し、それに応じて重症化する小児患者も増加しました。~中略~ メリット(発症予防)がデメリット(副反応等)を上回ると判断しています。現時点では、有効性や安全性に関わるデータは限られてはいますが、当学会は、生後6か月以上5歳未満の小児への新型コロナワクチン接種を「推奨する」としました。】と述べています。

 前述したように、今のコロナは軽症がほとんどです。小さいお子さんは普通の風邪よりも軽いという印象を受けます。しかし、数は少ないものの、入院治療されたお子さんもいます。特に免疫が弱くなるような基礎疾患を持っている場合、重症化することがあります。

 感染症は数が増えれば、それに応じて重症者は増えてきます。これはコロナに限らず多くの感染症で言えることです。手足口病のような軽い疾患でも、脳炎・脳症、心筋炎、弛緩性麻痺など、とんでもない合併症がみられることがあります。だから、コロナワクチンを接種しましょうということになるのでしょうが、現在まで、日本全国で重症となった小児はどのくらいいたのか? その病名は何だったのか? その結果はどうなったのか?など、詳しい情報はほとんどありません。感染者数が増えれば、それに応じて重症者は増えるのは、確かなことですが、コロナに関してはよくわかりません。

 当院でも生後6か月~4歳の新型コロナワクチンを接種することにしましたが、接種に迷っている保護者も多いかと思います。少し考える時間があった方が良いと思い。12月からの接種としました

 5~11才の接種が始まった時、2022年2月27日(日)の診察室便りに、次のように書きました。
 【基本的にはワクチンは重症化を防ぐために接種するという考え方になります。私が保護者から、接種すべきかどうかについて質問されたら、「コロナは今はただの風邪と同じ、あるいはそれ以下ですが、ただの風邪でも重症化する場合はあります。それはコロナでも同じです。さらに、今後コロナがどのように(重症化)変化するかはわかりません。稀に重症化することはありうることと思います。その可能性をさらに下げる意味ではワクチンは有用と思います。」という説明しかできないでしょう。】

 基礎疾患を持っているお子さんには積極的にお勧めします。ふだん健康であるお子さんについてもお勧めしますが、日本小児科学会の「「生後6か月~4歳の子どもへの接種(乳幼児接種)についてのお知らせ」も参考してください。

2022年10月6日(木)
今年の(も)インフルエンザ、流行る? 流行らない?

 昨年も、一昨年も、インフルエンザは全くみられませんでした。なぜインフルエンザが流行らなかったのか?はっきりとした原因はわかっていません。

 複数のウイルスが人に感染するとき、椅子取りゲームのような現象が起きます。これは、一つの細胞に二つのウイルスが感染した場合、一方のウイルスが細胞に感染するのに必要なレセプター(接合部)を独占するため、他方のウイルスが感染できなくなるためと考えられており、「ウイルスの干渉(かんしょう interference)」と言います。

 簡単に言うと、水たまりに大きな石と小さな石を同時に投げると、大きな石の波紋が小さな石の波紋を消してしまいます。これと同じです。同じようなウイルスが全く同時に人に感染することは通常ありません。新型コロナとインフルエンザの同時流行が危惧されていますが、時間がずれてそれぞれが流行することはありえますが、全く同時に両方のウイルスに感染することは少ないと思います。

 日本でのインフルエンザの流行を予測する一つの方法として、北半球(日本)よりも先に冬を迎える南半球の国々の流行状況が参考になります。南半球でインフルエンザが流行すれば北半球でも流行るし、南半球で流行らなければ北半球でも流行らないというパターンをとることが多いです。
 一昨年は南半球では全くインフルエンザが流行しませんでした。昨年は少ないながらオーストラリアでは5才未満と60才以上にみられました。ところが、今年は過去2年間とは比較にならないくらいの流行が見られています。オーストラリアで流行した株は約80%がA香港型です。A香港型は新型(H1N1)2009と比較して、重症化する場合も多く、乳幼児の脳炎・脳症も見られます。

 一方、国内の感染症も変化がみられます。過去2年間、小児科外来を賑わす感染症は激減しました。ところが、今年は夏場になってから、一気に常連?の感染症が流行り始めました。手足口病ヘルパンギーナアデノウイルス溶連菌RSウイルス・ヒトメタニューモウイルス感染症、などが、コロナと同じように流行しています。まるで風邪ウイルスにコロナも仲間入りしてきたような感じがします。

 過去2年間、コロナとインフルエンザの同時流行と騒ぎ立てられましたが、全くそういうことはありませんでした。どうせ今年も・・・と思うかもしれませんが、南半球の状況や今の小児科外来をみていると、やはりインフルエンザは心配になります。

 人の免疫はインフルエンザのようなウイルス感染を毎年繰り返すことによって、自然に高まると考られています。たとえ症状が出ないような軽い感染でも十分に免疫が高まっていきます。これを、「ブースター効果」と言います。インフルエンザは不顕性感染(感染しても症状がでない)が多く、知らないうちに罹って自然に免疫が高まっている人も多く、実際の患者数より感染者数は遙かに多いはずです。過去2年間は、全くインフルエンザが流行しませんでした。そのため、ほとんどの人はインフルエンザに対する免疫が低下しています。

 私は、毎年多くのインフルエンザの患者さんを診ています。皆さんからは「よく先生はインフルエンザに罹らないですね?」と不思議がられますが、診察している多くの患者さんから少しずつ感染して自然に免疫が高まっていると思っています。しかし、しばらくその機会がなかったため、私もインフルエンザに対する免疫は確実に落ちています。今年は2回接種しようかと思っているくらいです。「ほとんどの人が、インフルエンザに対する免疫が低下している。」ということだけは、はっきりしています。備えあれば憂いなしです。インフルエンザワクチンを接種しましょう。

2022年9月19日(月)
新ファイザーワクチン

 今年もまた台風のシーズンになりました。台風14号は、明日には東北地方にも影響を与えそうです。岩手県は、山に囲まれているせいか、あまり大きな被害はないようですが、それでも強風域に入ると危険です。開院当初あちこちに野立て看板を立てましたが、台風の度に飛ばされて、「お宅の看板が道路に転がっています。」などと連絡を受けたこともありました。

 台風のように猛威を振るっている新型コロナウイルスも、この頃少し減少してきました。感染症は、ある程度増えると自然に少なくなるものですが、そろそろ一段落してほしいですね。
 コロナの新しいワクチンがそろそろ始まりますが、このワクチン、名前がまだハッキリしていません。従来の新型コロナワクチンにBA.1株も含まれているので、とりあえず新ファイザーワクチンという名称で呼ばれています。さらに、BA.4/5対応ワクチンも作られるようです。となると、新型コロナウイルスのワクチンは、従来型、BA.1対応、BA.4/5対応、他に小児用(5~11)対応、さらに0~4才対応ワクチンも検討されているとか?もうこんがらかってきますね。これからインフルエンザワクチンも始まりますので、今年の秋~冬はワクチンでてんてこ舞いしそうです。

 インフルエンザワクチンは10月1日より接種予定です。今後の動向にもよりますが、今のところインフルエンザワクチンと新型コロナワクチンとの同時接種は見合わせています。

 過去2年間、コロナとインフルエンザの同時流行と騒ぎ立てられましたが、全くそういうことはありませんでした。どうせ今年も・・・と思うかもしれませんが、南半球ではインフルエンザが流行しました。小児科外来も通常の感染症が増えており、以前の状況に戻りつつあります。しばらくインフルエンザが流行らなかったので、多くの人はインフルエンザに対する免疫が低下しています。できるだけインフルエンザワクチンを接種しましょう。次回はインフルエンザワクチンについて、ふれたいと思います。

2022年8月23日(火)
withコロナ

 暑い夏と言うよりも蒸し暑い夏が続いていますが、朝晩はめっきり涼しくなってきました。少しずつ秋の気配を感じます。

 先月末に当院の職員が複数名コロナに罹りましたので、2日~6日まで休診することにしました。時々、同業者でこういうことがあると聞いてはいましたが、まさか、自分の所がなるなんて思ってもいませんでした。マア、ホントにコロナは誰でも罹るありふれた病気なんですね。とは言え、現実はさて、どうしよう?ということで、困りました。

 職員全員がマスク、フェイスシールド、手袋などを着用しておりますので、濃厚接触者には該当しませんでした。そのため、診療を続けることも可能でしたが、人手不足では、なにか問題が起きたときに十分な対応ができないと思い。短期間ではありますが、休診しました。幸い、全員軽症で、翌週からは通常の勤務をしております。突然の休診であり、皆様にはご迷惑をおかけして、大変申し訳ございませんでした。

 一作日の日曜日は休日当番医でした。最近の休日当番医はコロナ検査を希望される方の受診が多く、もはや、休日検査センターになっています。あまり、ご存じないかもしれませんが、コロナの検査は、検査自体は簡単なのですが、その後の事務処理が大変で、会計が終わるまでかなり時間を要します。さらに新患の場合、新たにカルテを作らなければならないため、もっと時間がかかります。

 ある休日当番医では、午後1時に受診して会計が終わったのが、午後7時と言うこともあったそうです。誰でもコロナが心配になりますが、少し過剰に反応しているようにも思います。わざわざ、休みの日に検査しなくても良いのでは?と思う事例も多くありました。

 現在、国内でコロナに罹った人は17,554,948人です。日本の総人口は約125,000,000人ですから、やっと10%を超えたところです。集団免疫は人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染患者が出ても、他の人に感染しにくくなることを意味しますが、だいたい全人口の60%が免疫を持てば達成できると言われています。

 17,554,948人にワクチン接種人数も含めれば、60%を超えていると思いますが、集団免疫獲得までは、どうもまだまだほど遠いと言う気がします。ちなみに当院では罹患率50%ですので、もしかしたら集団免疫が成立しているかも?あまりにも小さい集団なので、無理ですね。

 患者数が増えても行動制限はなくなり、多くの人達は、なんとなくwithコロナになったような気がしているのではないでしょうか。2類相当の見直し議論も進んでいるようです。まだまだ先が見えませんが、これからは【自分にあったwithコロナ】を模索していくことになりそうです。

2022年7月21日(木)
できるか?夏祭り

 あっという間に、コロナが爆発してしまいました。今までにない猛スピードで増えています。岩手県の今日の感染者数は975人だそうです。以前は緊急事態宣言とかマンボーとか出ていましたが、この頃は何も聞かなくなりました。人の集まる催しも普通に行われています。なんとなく、増えるだけ増えればそのうち終わるだろうという雰囲気を感じます。コロナに罹ると白い目でみられたりしていましたが、今はそんなことはなくなりました。これもwithコロナになってきたからでしょうね。

 やたらと検査を勧める記事を目にしますが、現場ではけっこう大変な事態になっています。抗原検査キットは出荷規制がかかり、いつ在庫がなくなるかわかりません。外注のPCR検査も検体が多くなり、結果判明まで2日かかることもあります。検査の問い合わせは多く、1人1人カルテを作成して処方箋を発行するのに莫大な時間を取られます。その分他の患者さんの待ち時間が長くなってしまい、ご迷惑をおかけしています。今、検査は駐車場で行っていますが、この暑い中、マスクは気密性の高いN95を付けて、ガウンを着て、手袋を二重にして、フェイスシールドをつけて、もう暑くて息苦しくてシンドイです。

 今のコロナは軽症が多いと、誰もが実感していますが、一方で少数ながら重症もいます。ということも、もうみんなが知っています。コロナを気にする人と、あまり気にしない人がいる。人それぞれのwithコロナに近づいてきたように思います。塩野義製薬のコロナ治療薬が残念ながら認可されませんでした。詳細はわかりませんが、再審査もあるようですので、まだ希望はあります。ワクチンの効果がどうのこうのと言われています。今、重症が少ないのはワクチンのおかげ?コロナ自体が弱毒だから?あるいはその両方?私もよくわかりません。

 もうすぐ全国で夏祭りが始まります。東北六県自慢の夏祭りも今年は開催されるようです。はたして、本当にできるのでしょうか?その是非はさておき、今の状況で行う夏祭りは、まさに、「弱毒性易感染性上気道ウイルスの過密集団への影響」という大規模臨床試験としか言えません。マスク着用グループと非着用グループに分けて、感染比率をを比較してもよいでしょう。この結果はお盆の頃には出てるでしょうね。それによってwithコロナが進むか、停滞するか?とても関心があります。

2022年6月29日(水)
もうインフルエンザ?今年の冬は?

 この頃、急に暑くなりました。関東では猛烈な暑さで電力消費量も増え、「電力需給ひっ迫注意報」という聞き慣れない言葉も耳にします。ひっ迫するのは医療に限ったことだけではないですね。

 そんな中、東京都内の小学校でインフルエンザによる学年閉鎖の報道がありました。インフルエンザによる学年閉鎖などの措置が取られるのは、一昨年以来です。しばらくなりを潜めていたインフルエンザですが、早くも今年の冬は新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に注意などと言われています。今シーズンはどうなるのでしょう?

 毎年のことですが、日本のインフルエンザの流行を予測するには、日本よりも先に冬を迎える南半球の流行状況が参考になります。今年のオーストラリアは、まだ冬になったばかりですが、過去2年間ほとんどみられなかったインフルエンザがかなり流行しています。となると、今シーズンの日本もインフルエンザが流行する可能性は高そうです。

 この2年間、全くインフルエンザを診てませんので、多くの人がインフルエンザに対する免疫が落ちています。ひとたびインフルエンザが流行れば、けっこうな流行になりそうです。仮に新型コロナウイルスとインフルエンザが、同時あるいは少し時期がずれても、それぞれ流行した場合、今の医療体制では、かなり混乱しそうです。インフルエンザはある程度患者さんを隔離して診察できますが、新型コロナウイルスは完全に他の患者さんとは隔離しなければなりません。発熱患者が、コロナも疑わしい?インフルエンザも疑わしい?となったら、どのように診療したらよいのか?大変悩みます。現状は、コロナの検査は駐車場で行っていますが、インフルエンザも駐車場となると、ちょっとどうかなあと思ってしまいます。

 新型コロナウイルス感染症が現在の指定伝染病:2類相当からインフルエンザ同様の5類感染症に格下げ?してもらえば、これはもういつものインフルエンザの診療と同じですので、あまり悩むことはありません。そろそろ新型コロナウイルス感染症を5類にしてはと言う声も聞かれます。

 世界中の国々でコロナ対策が緩和されてきているのに、日本ではいつまで経っても2類相当のままです。多分、WHOがパンデミック収束宣言でもださない限り、今のままでしょうね。と、思っていましたが、この頃は町でも人出が増えてきており、何となく、コロナ以前の生活に戻りつつあるような雰囲気を感じます。先週の土曜日に盛岡駅に行きましたが、人が多すぎる!チョットびっくりしました。これは全国的な傾向でしょう。そういう状況で、参議院選挙になりました。選挙の結果がどうなるのかわかりませんが、もしかしたら、選挙後には、世の中の動きに合わせて、コロナ規制に少し変化があるかもしれません。

 もし、新型コロナウイルス感染症が5類になった場合、町の診療所でも普通に診察できそうです。問題は入院が必要になったときです。今は、指定伝染病ですので、保健所の指示で入院できる病院が決まりますが、それがなくなると、各診療所が入院医療機関を探すことになります。病診連携がしっかりできていないと、入院できる病院の確保が難しくなり、今以上に混乱するかもしれません。また、PCRや抗原検査も今は自己負担がありませんが、指定伝染病から外れたとたんに、インフルエンザの検査同様、有料になります。新型コロナウイルス感染症を5類にするには、このようなことに対して十分準備をしておく必要があります。現状を見据えると、しばらくは、指定伝染病:2類相当のままでしょうね。

2022年6月5日(日)
コロナの収束はいつ?

 週末から週明けにかけて、梅雨前線が北上し、東日本、西日本の広い範囲で降雨が予想されています。このまま梅雨入りするのかどうか微妙なところですが、大雨には注意した方がよいです。

 今日は、休日当番医でした。特に目立った流行病はありませんが、下痢、嘔吐のお子さんが多かったですね。季節に関係なく胃腸炎はみられるようです。コロナの検査は3人行いましたが、1人陽性でした。この頃は少しコロナも下火になりつつあるように思いますが、まだまだ、先行き不透明です。もう誰が感染しているかわからない状況ですが、なんとなく怪しい人?がわかるようになってきました。濃厚接触者で症状があるときは、感染していることが多いようです。当たり前ではありますが、最近実感するようになりました。

 ゴールデンウィークがあけてから、新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数は少し増加しましたが、その後は漸減傾向にあります。当院でも検査陽性になるお子さんは少なくなってきました。

 これは、新型コロナワクチンの3回目接種が加速し、現在では全人口の約6割が3回接種を完了済みであることや、累計感染者数が延べ900万人近くなってきたという良い面と悪い面から「集団免疫」が少しずつ確立してきた結果と考えるのが妥当と思われます。

 そして、最近では外国人の入国制限緩和措置も相まって、国内外をまたぐ人流も増加しつつあります。韓国大使館領事部前には観光ビザ発行を求めて1,000人を超える申請者が行列をつくったと言う驚きのニュースもありました。となると、そろそろ収束?と期待しますが、どうでしょう?私は、今年いっぱいは要注意と思っています。

 ワクチンは感染の鎮静化に一定の効果をあげています。オミクロン株に対するワクチン3回目接種直後の発症予防有効率は60%以上ですが、この効果は約5か月経過するとなくなると言われています。3回目接種件数のピークは今年2~3月でした。その効果がほぼなくなるのは7~8月くらいですから、秋になると少し不安です。

 さらに高齢者や基礎疾患保有者を対象に始まった4回目の追加接種の有効率も数か月で減衰するだろうと予測されます。今年2~3月に3回目接種をした人が4回目接種をするのは、5か月後とすると、4回目接種件数のピークは今年の7~8月頃でしょうか、その4回目接種の効果が、2回目や3回目と同様に5か月程度で低下すると仮定した場合、その時期はは年末年始頃となりそうです。

 こう考えると、今後の流行のピークは、まず秋にきて、それがどのくらい続くかはさておき、今秋から年末年始にかけては、ある程度の流行を覚悟しておいた方が良さそうです。

 しかし、今秋以後、医療の逼迫や社会経済に大きな悪影響を与えるほどの流行でなければ、なんとなく、収束へ向かうような気もします。日常生活に過度な負担がなくなることが当たり前になって、初めて感染の収束といえますが、それはもう少し先でしょう。

 いまでこそ、インフルエンザはあまり恐れられない病気になってしまいましたが、それは、簡単な検査キット、ワクチン、治療薬といういわば「三種の神器」があるからです。今から20年前は何もありませんでした。当時のインフルエンザはひとたび流行すると社会は完全にパニックになってました。covid19にも、もっと効果のあるワクチンと治療薬ができれば、そこで初めて収束という状況を迎えることができるでしょう。この間に新たな強毒性変異株が登場しないことを祈るのみです。

2022年5月3日(火)
新型コロナ脳症?

 桜の咲く頃には、スギ花粉症も症状が軽快してきますが、今年は例年よりもスギ花粉の飛散量が多く、ゴールデンウィーク頃まで症状が続いてる患者さんもけっこういます。そろそろおさまりますが、今度はイネ科の花粉が気になってきます。イネはスギのように遠くまで飛散しませんから、原っぱに近づかないことが一番の対策です。

 5~11才の新型コロナワクチンを3月12日(土)から6週間にわたって接種しました。当初の予定では、5~11才のお子さんでは、インフルエンザワクチンを接種した人のだいたい8割くらいの人が接種するのではないかと思っていましたが、予想以上に接種されるお子さんは多かったです。

 4月下旬からは、昨年秋に接種した12才以上の方の3回目接種が始まりますので、5~11才のお子さんの接種については、一時終了としましたが、接種希望される方がおおぜいいらっしゃいますので、5月10日(火)より再開することとしました。

 昨日、栃木県で基礎疾患のない10才未満のお子さんが新型コロナウイルスに感染して死亡したという報道がありました。子どもは新型コロナで重症化しにくいとされ、厚生労働省によりますと10才未満の子どもで亡くなったのは先月26日までで4人と極めてまれです。栃木県によりますと、お子さんの亡くなった原因は急性脳症ということです。

 急性脳症はコロナに限らず、いろいろなウイルス感染症でみられる病気です。身近なところでは、インフルエンザ脳症がよく知られています。コロナによる急性脳症とインフルエンザ脳症が同じ機序で起こるのかどうかはわかりませんが、インフルエンザ脳症については、【免疫の暴走】が原因と考えられています。

 インフルエンザ脳症は、インフルエンザウイルスに対して、私達の免疫が正しく働かないために起きるとされています。免疫を調節し、体内に侵入した病原体を排除する物質を“サイトカイン”と言います。サイトカインには多くの種類があり、相互に連携を取り合って働いています。これを“サイトカインネットワーク”と言います。インフルエンザは、この“サイトカインネットワーク”を障害します。

 その結果、過剰な免疫反応、言い換えれば、【免疫の暴走】が起きて、「高サイトカイン血症」という状態になります。脳内では、「高サイトカイン脳症」という状態になり、免疫が正常に機能しないため、脳細胞が障害を受けて、けいれん、意識障害、異常行動などが見られるようになります。

 さらに多くの細胞が障害を受け、全身状態が悪化すると、呼吸が止まったり、血管が詰まったりし、多くの臓器の障害(多臓器不全)へと進み、命に関わる重症となります。

 コロナの場合、インフルエンザほど病原性が強くなくても、未知のウイルスということで、免疫が正しく働かなくなることは十分考えられます。インフルエンザ脳症の予防として、インフルエンザワクチンがあります。インフルエンザワクチンは確実にインフルエンザの感染を防ぐ力はありませんが、重症化を防いでくれます。それは、ワクチンによってある程度の免疫ができていれば、インフルエンザを正しく認識して、【免疫の暴走】を起こすことなく、正しい免疫反応で対処できるからです。コロナに対しても、ある程度の免疫を確保していれば、重症化を防げるかと思います。

 2月27日(日)の診察室便りに 、「ただの風邪が命取りになる病弱の子もいますし、どんな風邪でも稀ながら深刻な合併症を起こすことがあるのです。それはコロナも同様です。」と書きましたが、患者数が増えれば、やはり一定数の重症者はでてきます。重症化を防ぐために、新型コロナワクチンの接種をお勧めします。

2022年4月3日(日)
開院記念日

 この頃、ポカポカと暖かくなってきました。それとともにスギ花粉が舞い上がっています。例年は3月下旬~4月上旬がピークですが、今シーズンは冬が長かったせいか、ピークがずれ込み、4月上旬~中旬くらいまで続きそうです。桜の咲く頃にはおさまりますが、それまでけっこう大変です。

 今の時期に受診される患者さんには、舌下免疫療法をお勧めしています。ほとんどの方が、6月になったら是非始めたいと言ってくれますが、実際に6月になって受診される方は少ないです。やはり、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ですね。

 新型コロナウイルスは、一向に減少する気配をみせず、ダラダラと続いています。オミクロン株は流行しやすいので、流行のピークも早くきて、減少するのも早いだろうと予測されていましたが、はずれました。

 国立感染症研究所は、オミクロン株の変異株BA.2(ステルスオミクロン株)の割合が60%に達して、今後は主流化するとの推計を示しました。5月第1週には9割を超えると予想しています。
 新規感染者のうち20代の割合が増加傾向にあり、この年代では飲食店での感染が増えつつあることも分かりました。また、「これから新年度を迎えると、春休みやお花見など多くの人が集まる機会が増える。今後のリバウンドを防ぐためにも感染防止策の徹底が必要だ。」としています。

 現在、600~700万人くらいの人が新型コロナウイルスに罹患しました。3回目のワクチン接種した人が約5000万人くらいです。日本の人口は約1億2千500万ですから、半分近くの人がある程度の免疫を持っていることになります。感染症が収束するためには集団免疫を獲得しなければなりません。そのためには、全人口の60~70%が免疫獲得する必要があります。となると、もう少しワクチンが進めば、コロナの収束も見えそうですが、現実は新たな変異株の出現もあって、思う通りにはなっていません。

 昨日は、5~11才の新型コロナワクチンの集団接種に行ってきました。集団接種と言ってますが、実際は私達小児科医が1人1人診察して接種していますので、個別接種を大きな会場(集団)で行っているようなもです。ほとんどのお子さんは、おとなしく接種させてくれます。たまに大暴れするお子さんもいましたが、無事終了しました。今のところ、ワクチン接種後に体調を崩す子はみられず、スムーズに接種が進んでいます。一方、昨年の秋に1回目、2回目を接種した12才~64才の3回目接種も始まります。こちらはまだ準備中ですが、4月23日(土)くらいからは開始したいと思っています。

 一昨日の4月1日は当院の開院記念日です。毎年新たな気持ちで新年度を迎えますが、今年は、コロナの検査とワクチンで全く余裕もなく、新年度という気がしません。当分の間、慌ただしい日々が続きそうです。

2022年3月11日(金)
あの日から11年

 決して忘れることのない3月11日が、今年もやって来ました。長引くコロナ禍の中、さらに加えて、ロシアのウクライナ侵攻もあってか、次第に被災地の現状が遠のいているような気もします。政府主催の追悼式も今年は行われません。記憶の風化が懸念されていますが、幾星霜を経ても、決して忘れることのない惨劇です。

 プロ野球ロッテの佐々木朗希投手は、小学3年の時、岩手県陸前高田市で父と祖父母を失い、避難所生活を送りました。彼の口からその話を聞くことはあまりないですが、その時の悲しみは忘れることがないでしょう。しかし、佐々木投手の堂々としたピッチングは、観るものみんなに勇気と感動を与えてくれます。今シーズンはオープン戦から160km代の速球を連投しており、開幕が楽しみです。

 3月から5~11才の新型コロナワクチンの接種が始まりました。当院でも明日12日から開始します。どのくらいの人数が接種希望されるのか、見当がつきませんでしたので、最初は少なめに予約枠を設定しましたが、あっという間に埋まってしまいました。そこで急遽、予約枠を増やしましたが、やはり、すぐ満員となってしまいます。

 小児用新型コロナワクチンは1Vから10人分接種できますので、予約人数は10の倍数になります。このワクチンはインフルエンザワクチンのように、はじめから1人分ができているのではなく、接種当日に10人分を作らなければならないので、大変手間がかかります。

 一般診療、健診、予防接種(コロナ以外)に加え、この頃はコロナの検査にも時間をとられ、てんてこ舞いしています。このような状況で、さらに、新型コロナワクチンの接種も行いますので、どうしても、時間が足りなくなってしまいます。

 誠に申し訳ありませんが、コロナワクチン接種期間は、一般診療時間を短縮することにしました。今までは、予約外の患者さんでも時間に空きがあれば診察していましたが、今後しばらくの間は、予約外の患者さんは診察できませんので、ご了承くださるようお願いします。

2022年2月27日(日)
小児(5~11才)の新型コロナワクチン接種開始

 いよいよ3月から小児(5~11才)の新型コロナワクチンが始まります。盛岡市では、すでに接種対象者への接種券発送も始まっており、今週中にはお手元に届くものと思われます。当院でも3月1日(火)より予約開始、3月12日(土)より接種開始の予定です。

 私達盛岡市内の小児科医は盛岡市新型コロナワクチン接種本部とワーキング会議を数回にわたり行ってきました。明日がその最終の打ち合わせになります。ワクチンについて理解を深め、安全に接種するにはどのようにしたら良いのかなどについて、話し合いを重ねてきました。

 接種は、個別接種と集団接種の二本立てで行う予定ですが、集団接種は、12才以上とは会場を別にして、毎週土曜日行われる予定です。原則として、小児科医が接種に行きます。個別接種を集団で行うようなものです。かかりつけ医で予約がとれない場合は、集団接種をご利用ください。

 ワクチンについては、接種されるお子さんと保護者がよく話し合って決めるように言われていますが、なかなか難しいと思います。厚労省は「5~11歳の子どもへの接種(小児接種)についてのお知らせ」をネットに上げています。「新型コロナワクチンQ&A」や、「ワクチンの安全性・有効性について」掲載されていますので、ご参考にしてください。

 気になる副反応ですが、5~11才のワクチンは、ワクチンそのものが成人用と別の製品となっています。mRNAは30μgが10μgに減っただけですが、安定化剤も含めて成分が少し違うようです。そのわずかな違いが悪影響を与える可能性は極めて低いと思っていますが、今後、多くの子どもに接種してみなければわからないことです。

 5~11才のワクチンについて、アメリカでは何百万人分ものデータが出てきています。治験のデータに比べるとやや厳密さに欠けてるようですが、何か深刻な副反応があるとしても非常に稀なものと考えられています。

 コロナの現状をみますと、全国的な流行となっていますが、岩手県が今一番流行のピークに向かっているようです。今月になってから検査数も増えてきました。けっこうな人数が感染しています。

 4才の保育園児は発熱した日にPCR検査しました。翌日に陽性と判明しましたが、すでに解熱して元気とのこと。お母さんが喉が痛くて微熱があるというので、今度はお母さんとお父さんも検査しましたが、お母さんは陽性、お父さんは陰性でした。心臓の持病を持っている中学生は、発熱翌日に検査したら陽性でした。完全には解熱しておらず、少し倦怠感があるとのことでした。

 感染状況からは、幼児、小学校低学年くらいまでは、軽い風邪としてもよいくらいです。それ以上の年令では少し辛い症状がみられるかもしれません。確かに周囲への感染力は強く、家庭内感染は防ぎようがないようです。

 ワクチン本来の目的は、①.感染予防(病気に罹らないようにする) ②.重症化を防ぐ(罹っても軽くすむ) ③.集団免疫の獲得(人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染者が出ても、他の人に感染しにくくなること)の3つです。小児(5~11才)の新型コロナワクチンについて、私はこの3つを次のように考えています。

 まず①.現在、接種されている新型コロナワクチンは、オミクロン株に対しては、かなり感染予防効果は下がって、感染予防効果のあるワクチンとは言いがたいように思います。
 子どもはよく風邪を引きます。そして、すぐ治って、それ相応に自然免疫を獲得します。子どもたちにとっては、オミクロン株だろうが、デルタ株であろうが、他の風邪のウイルスと同様、普通に対応できているように見えます。したがって①.はあまり意味がないと考えています。

 次に②.これは意味があると思います。②.の前に、③.についてお話しします。「集団免疫を作るために子どもに接種する」は、正しいのか?どうもこれも賛同しかねます。
 新型コロナワクチンには、「努力義務」という言葉が使用されていません。義務になるワクチンは、集団免疫を獲得した上で、免疫のない弱い人達を守ることが目的です。現在、オミクロン株に対して感染予防効果が落ち込んでいる状況では、集団免疫獲得のためにみんなが接種しようというのは、少しピントがずれています。

 「社会の日常を戻そう。学校の日常を戻そう。」とは言うものの、ワクチンを接種したからと言って、すぐに、スポーツ大会や、音楽コンクールや、修学旅行が解禁になるとは思えません。ですから、お子さんにはワクチンを接種すると、すぐに前のような学校生活に戻ることができるとは、言わない方が良いか思います。

 1つ前に戻って、②.ですが、これが、今回のワクチンの一番重要なところだと思っています。5~11才は、一番コロナが重症化しない年令層だと思います。ならばワクチンは不要?しかし、基礎疾患を持っていると、コロナに感染したとき重症化する心配があります。これは、どの年令層でも同じです。基礎疾患を持つ場合はワクチン接種した方が良いです。

 では、基礎疾患とはどのような病気かというと、重症化リスクの高い持病として、日本小児科学会は、「新型コロナウイルスワクチン接種に関する、小児の基礎疾患の考え方および接種にあたり考慮すべき小児の基礎疾患等」を上げています。大雑把に言いますと、慢性呼吸器不全や重い神経学的な後遺症、先天性の心臓病、ダウン症のような染色体の異常など何らかの病気や、小児がん等の病気やその治療のために免疫の力が落ちている子どもと肥満児たちが対象になりそうです。

 ただの風邪でも命取りになるような重症化リスクの高い子どもたちにとっては、ワクチン接種はとても大きな防衛手段です。また、肥満は病気のように思えないかもしれませんが、高度肥満の場合、年令が進むにつれて免疫が低下することがありますので、要注意です。

 では、基礎疾患のない子はワクチンは不要かというと、そうとも言えません。ところで、風邪と一口に言ってもいろいろあります。風邪だと思ってたらいつの間にか悪化して大変な目に遭ったと言う話はよく耳にします。

 昔から「風邪は万病の元」と言われています。ただの風邪のウイルスでも十数万人もかかれば、1人か2人はとんでもない重症になります。子どもの場合、大人と比べると、風邪のウイルスは臓器親和性が強く、大切な臓器(心臓、脳、肝臓など)に感染を起こして、時として、心筋症(炎)、脳症、劇症肝炎のような命に関わる重篤な合併症をもたらします。
 ただの風邪が命取りになる病弱の子もいますし、どんな風邪でも稀ながら深刻な合併症を起こすことがあるのです。それはコロナも同様です。

 日本では、コロナは子どもに対して、今のところ、風邪の域を出ていませんが、海外では、入院の必要な子どももいます。今後も子どもの感染者が増えていけば、一概に軽いとは言えなくなるかもしれません。

 5~11才の年代の子どもに対しては、基本的にはワクチンは重症化を防ぐために接種するという考え方になります。私が保護者から、接種すべきかどうかについて質問されたら、、「コロナは今はただの風邪と同じ、あるいはそれ以下ですが、ただの風邪でも重症化する場合はあります。それはコロナでも同じです。さらに、今後コロナがどのように(重症化)変化するかはわかりません。稀に重症化することはありうることと思います。その可能性をさらに下げる意味ではワクチンは有用と思います。」という説明しかできないでしょう。

 以上、長々と書いてみましたが、最後は、決まり文句の「安全性と有用性を考えて接種を決めましょう」になってしまいます。本文が、接種を決めるときの一助となれば幸いです。

2022年2月21日(月)
オミクロン株 大流行

 新型コロナウイルス(オミクロン株)は、全国で流行し、岩手県も今までにない患者数となっています。「感染力は強いが、重症化は少ない」とは言え、1人陽性者がでれば4人の濃厚接触者がいると考えられていますので、患者数は増加の一途をたどっています。

 当院でも検査をするお子さんが増えてきました。朝、受付開始と同時に問い合わせの電話が鳴り止みません。すぐに電話に出られずご迷惑をおかけしておりますが、この様な状況ですので、なにとぞご理解をお願いします。検査を希望される方は、コロナの検査で受診される方へをお読みになってください。

 子どものオミクロン株の症状は、「軽いかぜ」という感じです。オミクロン株は咽頭(のど)で増殖しますので、咽頭痛(のどの痛み)や発熱がよく見られます。他に、咳嗽、鼻汁、嘔吐、下痢など胃腸炎のような症状もみられ、普通のかぜとの区別が困難です。しかし、発熱は2日くらいで下がることが多く、ほとんど軽症です。3日も休めば、軽快しますので、あまり心配しないことです。年令別に見ると、学童の方が幼児よりも解熱後に少し倦怠感が見られたして回復に時間がかかるようです。

 オミクロン株の潜伏期間は、1~3日です。感染してから3日経たないと検査してもわかりませんし、軽症ですから、軽いかぜくらいに思って、知らないうちに他の子に移してしまうこともありそうです。軽症、無症状のまま軽快し、兄弟姉妹や親の発症で気がつくこともあります。

 咽頭でウイルスが増殖することが、なかなか厄介で、発育途上の子どもは大声で話したり、友達に触ったりしますので、感染対策を完全には守り切れません。このため、幼稚園や保育園での感染が拡大しています。

 多くの場合、軽症ですむオミクロン株ですので、軽く罹って免疫ができれば、それで良いわけですが、みんながそういうわけにはいきません。アメリカの報告によると、オミクロン株の感染から3日以内に集中治療室に入るなどした5才以下の人数はデルタ株の約3割だったということです。決して多くはないものの、やはり、重症化するお子さんはいるようです。

 また、オミクロン株の変異株BA.2(ステルスオミクロン株)はオミクロン株よりも重症とも言われています。今後、オミクロン株が下火になった後に、ステルスオミクロン株が流行するのではないか?という心配もあります。

 オミクロン株に罹って免疫ができた子たちはステルスオミクロン株にもある程度抵抗力が期待できるかもしれません。しかし、オミクロン株に罹らなかった子たちは相変わらず免疫を持たないままです。

 3月から、小児(5~11才)の新型コロナワクチンが始まります。今まで、子どもの感染はあまり問題になりませんでしたが、爆発的なオミクロン株の流行状況を見ていると、少し見方が変わってきたように思います。一口に基礎疾患と言ってもいろいろありますが、ワクチンが必要なお子さんは一定数いるように思います。

2022年1月27日(木)
対策の“迷走”

 今年の冬は雪が多くてまいります。雪かきは一苦労です。大寒は過ぎましたが、春はまだまだ先ですね。

 連日、すさまじい勢いで、オミクロン株が猛威をふるっています。12月31日の診察室便りに「新型コロナウイルスは、4~5か月くらいの周期で増減しています。となると、1月下旬が心配です。」と書きましたが、その通りになってしまいました。聞くところによると、このオミクロンの変異株BA.2とかも見られるようになったとか、オミクロン株に有効な新しいワクチンが開発されるとか、まるで無限ループに陥ったような気がします。

 過去の流行状況を見ると、大体が、正規分布曲線のように、左右対照的な増減を繰り返しています。つまり、増え方がゆっくりだと、減り方もゆっくりで、逆に増え方が早いと、減り方も早いという感じです。オミクロン株も今は大流行していますが、来月中~下旬以降には減少に転じるかもしれません。

 ところで、先週あたりから、コロナ対策の潮目が変わり始めた。と感じるニュースが目立ってきたように思います。コロナ対策を政府に助言する尾身会長をはじめとした専門家の有志は、1月21日、感染が急拡大した場合、若年層で重症化リスクが低い人は「必ずしも医療機関を受診せず、自宅療養を可能とすることもあり得る。」とする提言を公表しました。オミクロン株で医療が破綻する前に議論しておくべきこと、という視点からの提言とのことですが、これは、随分踏み込んだ内容の提言です。

 その一方で、政府側は効果が今ひとつ不明と言われる蔓延防止等重点措置の適用を進めています。さらにワクチンの3回目接種もどんどん前倒しで進めています。こういう状況を見ると、国は“やるべきことをやっている感”を出す一方で、専門家側から方向転換の発言をしてもらうことで、新型コロナウイルスに対するイメージを徐々に「ほとんどの人が自宅療養だけで治る病気」へと変えていこう、という意図を感じます。

 こうした動きを、「コロナ対策、専門家迷走 蔓延防止で知事間温度差」と皮肉る新聞記事もありましたが、私は専門家側も政府側も含め、わざと、“迷走”を演じているような気がします。さらに、1月24日、後藤厚生労働大臣は「医療の逼迫する地域では、重症化リスクの低い若者らは自らの検査だけで医師の診断なく新型コロナウイルス感染者と判断し、自宅療養に移るのを認める。」と表明しました。同日には厚労省から事務連絡が通達されています。これは1月21日に専門家の有志が提言したことと同じです。

 また、学校などでも、対応に変化が見られてきました。大阪府教育庁は、極力、子どもたちの学ぶ環境を維持したいとして、感染などが確認された場合の休校や学級閉鎖の基準を緩和しました。これまでは、感染者や濃厚接触者が1人でも確認されれば、学級閉鎖などにするとしていましたが、新たな基準では、原則として、感染者や濃厚接触者だけを出席停止にして、学校活動を継続するとしています。季節性インフルエンザのように、クラスで一定数発症したら学級閉鎖、複数のクラスが学級閉鎖になれば学年閉鎖、複数の学年に拡がれば休校という具合です。

 さらに、「新型コロナウイルス感染症による学校休業状況」を学校名を出してwebサイトで公開し、流行状況をみんなに知らせています。○○保健所管内の教育施設としか報告しないどこかの県とは大違いです。

 現在の濃厚接触者の定義は、「適切な防護(マスク)なしに手で触れる距離(1m)で15分以上の接触をしていたもの、または同居、長時間の接触、防護なしでの診察や看護、介護 汚染物質に直接触れること」とされています。

 今、学校ではこれに当てはまるような子はいないと思います。どの子もしっかりマスクをつけていますし、長話をしてるような子はいません。となると、学校での濃厚接触者はかなり少なく、感染拡大の防止と教育環境の確保を両立できると思います。

 過度に恐れるのではなく、国民の多くの認識が季節性インフルエンザに対するのと同程度に変わっていけば、いわゆる「withコロナ」の世界も現実味を帯びて来るでしょう。果たして政府の目論見、世論形成はうまくいくのか、“迷走”で終わりはしないか…。今後の動きに注目しましょう。

 さて、いよいよ、3月からは5才~11才の子どもへの新型コロナワクチンの接種が開始されます。厚労省は、子どもへの接種を、無料で受けられる公的な予防接種に位置づける方針(公費負担)を決めたうえで、保護者の「努力義務」とするかどうかを議論しています。

 現在、新型コロナワクチンの接種は、法律で妊婦をのぞくすべての対象者の「努力義務」とされています。「努力義務」とは、接種を受けるよう努めなければならないとする予防接種法の規定で、麻疹や風疹など定期接種のワクチンの多くに適用されています。

 新型コロナワクチンについても、蔓延防止の観点から「努力義務」と位置づけられていますが、本人や、16歳未満の場合は保護者が有効性や安全性を考慮して接種するかどうかを決めることになっていて、接種を受けなかったとしても罰則はありません。

 1月26日の厚労省の分科会では、専門家から「『義務』ということばに拒否反応もある。本来は、接種するかどうかを選択できるという趣旨であり、その意味が正しく伝わるように説明する必要がある」といった意見も出ていました。

 また、「努力義務とすることで保護者が仕事を休みやすくなるなどの効果が期待できる」とか「努力義務としない場合『子どもは打たなくていい』というメッセージに受け取られかねない」という意見が出された一方で、「オミクロン株に対して感染を防ぐ効果が、子どもについても期待できるのか明確ではない」「妊婦を適用除外にしたのと同じように、十分なデータがそろうまで待つべきだ」という意見も相次ぎました。このため、5才~11才の接種を保護者の「努力義務」とするかどうかは引き続き議論することになりました。

 どんなワクチンでも、常に有効性と安全性を考えて接種しなければなりません。現在、厚労省は、接種を受ける子どもとその保護者向けの説明書を作成中です。接種開始まで、1か月あります。この間に少しずつ新型コロナワクチンに対して理解を深めていくことになります。自分もいろいろ情報収集していますが、まだよくわかりません。接種が始まる頃には、少しでも皆様の疑問にお答えできるようにしたいと思っています。

2022年1月1日(土)
あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます。今日は少し寒波も緩み穏やかな年始を迎えています。明日からはまた天気が荒れそうですので、初詣は今日が良いですね。

 今年の干支(えと)は寅ですが、寅年にもいろいろあるようで、今年は「壬寅(みずのえとら)」です。本来の干支とは「十二支(じゅうにし)」」と「十干(じっかん)」を組み合わせたものです。十二支とは時間を表し、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12種の動物を当てはめています。この十二支に、空間を表す十干「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10の要素を加えたのが、60種からなる「干支」です。 双方を組み合わせた干支を六十干支(ろくじっかんし)ともいい、60年で一巡します。

 60才になると「還暦のお祝い」を行う習慣があります。これは、生まれてから60年で六十干支が一巡し、元に戻ることに由来しているのだそうです。とマア、聞いたままを書きましたが、干支の豆知識として、知っておきたいですね。60年で一巡しますから、寅年も5つの組み合わせがあり、それぞれに特徴があるようです。ちなみに今年の「壬寅」は、優しい虎なのだそうです。

 2年前に新型コロナウイルスが発生したとき、今日のような現実が訪れるとは誰も思わなかったことと思います。最初は恐れおののき、次第に受け入れるようになってきたとは言え、収束まではほど遠く感じます。一方、withコロナも社会に浸透してきています。withコロナの意味は、人によって解釈が異なるかもしれませんが、「新型コロナウイルスはもはや撲滅困難。これからは共存しながら、暮らしかたや価値観を変えていく」ということだと思います。したがって、職種や環境によっていろいろなwithコロナがみられるようになってきました。

 町の医療機関としては、そろそろ、指定伝染病から外してもらって、患者さんを普通の診察室で診察できるようになれば、何となくwithコロナになってきた感じがします。しかし、まだまだ実現不可能です。

 「壬寅」の「壬」は「妊に通じ、陽気を下に姙(はら)む」、「寅」は「螾(ミミズ)に通じ、春の草木が生ずる」という意味があります。そのため「壬寅」は厳しい冬を越えて、芽吹き始め、新しい成長の礎となるイメージを与えてくれます。少しずつwithコロナが実現されるよう期待しています。