診察室便り

2015年12月31日(木)
大晦日

 今年も大晦日になりました。いろいろなことがあった1年でしたが、物騒な事件が多かったように思います。平穏な未年と思ってましたが、そうでもなかったですね。

 昨日は夜間急患診療所、本日は休日当番医でした。?なんと、3年前も同じパターンでした。驚き!あたりがいいんだかね。毎年、今の時期はインフルエンザやらなにやら流行病が多く、急患も多いのですが、今年は溶連菌が少しみられるだけで平穏な年末です。

 最後に未年らしくなりました。と思っていたら、インフルエンザのお子さん1名受診しました。お母さんから移ったようですが、お母さんの感染経路は不明です。年末年始で人と人との交流が増えるとインフルエンザも本格的に流行するかもしれませんね。

 毎年、いろいろ新しいことを試みていますが、今年は外来で食物負荷試験を実施してみました。食物アレルギーは年令とともに自然治癒していく傾向が見られますが、実際にいつ頃から食べられるようになっていくかよくわかっていません。そこで、最近は少し食べて安全に食べられる量を確認し、その量から徐々に増量して食べる食事指導が行われるようになってきました。この安全に食べられる量を決めるのが食物負荷試験です。

 もともとアレルギーを起こす(可能性がある)食品を食べるわけですから、十分な準備、対策をしてから行うべき検査です。従来は総合病院で1泊入院しながら行っていた食物負荷試験ですが、最近では外来でも行われるようになってきました。

 当院でも今年の夏頃から実施しています。対象となるお子さんはアナフィラキシーなど起こしたことのない軽症なお子さんだけです。原因食品も今のところ卵、牛乳のみです。1日1人しか実施できませんが、インフルエンザワクチンで外来が混み合う10~12月は中止しておりました。

 年が明けたらまた再開しようかと思っておりますが、スタッフ不足でちょっと手が回らないのが現状です。いずれ準備が整いましたら、対象となるお子さんたちに声をかけようかと思っております。

 来年は申年です。「悪いことが去る」平和な年になってほしいですね。

2015年12月14日(月)
インフルエンザとノロウイルス、今昔

 12月になりましたが、今のところあまり寒くないですね。もしかして今年は暖冬?だと良いのですが、わかりませんね。

 感染症は天候によって流行ったり流行らなかったりします。インフルエンザは低温乾燥した環境で流行りますので、今のところ殆ど見られてません。
 9月頃には関東方面で早々とインフルエンザが出てきましたので、今シーズンは早い流行かと思ったのですか、全く予想は外れました。
 毎年流行るインフルエンザですが、10数年に1度くらいインフルエンザが殆ど流行らない年があります。このまま暖冬が続けば案外そうなるかもしれませんが、マア、そういう事はめったにないのであまり期待しない方が良いですね。

 今の流行病といえば、ノロウイルスでしょうか。まだ、大きな流行にはなっていませんが、患者さんは確実に増えてきています。学校、幼稚園、保育園、飲食店などで集団発生がチラホラ見られるようになってきました。

 ノロウイルスは感染症 つまり、“うつる病気”です。人が大勢いるようなところでは一気に拡がることが多いです。ワクチンも特効薬もなく。治療の基本は予防です。手洗いと吐物の処理がとても大切です。福山市が作成したノロウイルス対応マニュアル(家庭編)はとてもわかりやすく、かつ、実践的です。これを参考にされると良いでしょう。(リンクの許可はいただいております。)

 ノロウイルスの患者さんを診ていると、なんとなく昔のインフルエンザの患者さんを思い出します。今ではインフルエンザは簡単に検査が出来て、診断がつけば薬が処方されるのが、当たり前になっていますが、インフルエンザの検査が出来るようになったのは平成11年から、インフルエンザの薬が出来たのは平成12年からです。それまでは検査も薬もな~んにもありませんでした。

 では、インフルエンザっポイ患者さんがきたら、どうしてたかと言うと、な~んにも効く薬はありせんので、熱冷ましの坐薬でおしまい。しかし、インフルエンザをやっつけるためには体の免疫が頑張らなければなりません。免疫を上げるためには発熱が必要です。というわけで、「出来るだけ熱冷ましは使わないように」と言って処方します。あまり使うなと言って薬を処方するとはナンノコッチャ?でも、これだけで納得する患者さんはまずいません。帰宅後「何回も熱冷ましを使っても熱が下がらない」と言って、翌日また、受診します。点滴もしたりしましたが、それで治るわけでもありません。ある程度時間が経過して免疫が上がる頃には治っていくのですが、それまではガマンの日々でした。

 昔のインフルエンザ同様、現在のノロウイルスも効く薬は何もありません。ジッと回復するまで待つしかありません。でも何か薬は欲しくなりますよね。
 一般的なノロウイルスのパターンは、まず、突然の嘔吐でビックリ。さらに何回も吐くので心配になって受診。ですね。吐くのはノロウイルスを体外に出すためです。吐いて出さなければ治らないから吐くのです。吐いてる時にいくら吐き気止めを使っても吐き気は治まりません。吐きたいのに吐けなくて、かえって具合が悪くなります。従って、吐いている時は何も薬は必要ありません。という事になりますが、これまたインフルエンザと同様で、納得する人はまずいません。何か薬が欲しいと言われる事が殆どです。

 ノロウイルスのような急性胃腸炎では、嘔吐がおさまってから下痢が始まる事が多いので、整腸剤を処方する事が多いです。でも、吐き気止めの薬も要望される事が多いですね。吐いてる時の吐き気止めは無意味ですが、吐き気が治まってきて少し水分補給ができる頃になったら、吐き気止めを使用してもよいです。これは回復しつつある腸の働きを助ける意味であって、吐き気が強い時に無理やり力ずくで吐き気を抑えるのではありません。と言って、処方しますが、多くの場合、帰ったらすぐに吐き気止めを使って、後日サッパリ吐き気止めが効かなかった。といわれます。マア、その通りなんですよね。 

 インフルエンザ治療で大変な思いをしていた頃、今のような便利な時代になるとは思いもしませんでした。重症な新型インフルエンザがいつ発生するか不安な事も多いですが、医学の進歩を感じます。

 同様に何年かすれば、ノロウイルスもワクチンや特効薬ができて、昔は大変だったなあと懐かしく回想する日が来るのでしょうね。早くそうなってほしいものです。

2015年11月29日(日)
スタッドレスタイヤ

 連休を境に急に寒くなってきましたね。昨日新しいスタッドレスタイヤを購入しましたが、ショップがずいぶん混んでいて装着してもらうまでけっこう時間がかかりました。
 夕方6時から会合がありましたが、タクシーもなかなかつかまらず遅刻してしまいました。そろそろ師走という感じです。

 さて、今シーズンはいつもの年とちょっと違いますねインフルエンザもノロウイルスに代表される急性胃腸炎も今のところ流行っていません。
 インフルエンザは9月頃には例年より早い流行も心配されましたが、どうも今シーズンは遅い流行になりそうです。とはいえ、いずれ流行るでしょうからワクチン接種はできるだけ年内に済ませるようにしましょう。

 スタッドレスタイヤでいつも思うことですが、テレビのコマーシャルで氷上を走っている車がピタリと止まる場面がありますね。あんな事は絶対無いはず!確かにタイヤは止まるでしょうが、そのまま車はツーと滑って、どっかにガッツンとぶつかるんですよね。「タイヤは止まるが、車は止まらない。」そこまでキチンと映像を見せるべきと思います。

 でもそうなると、タイヤのコマーシャルではなく冬道の怖さの警鐘になってしまいますね。冬道は怖いです。まず一番はスピードを出さないことです。病気に限らず何事も前もって準備をすること、つまり予防が大切ですね。

2015年11月16日(月)
そろそろノロ?

 11月も中旬になりましたが、いつもの年と比べると暖かいですね。おまけに雨が多く、あまり乾燥していません。そのせいか冬に流行るインフルエンザのような感染症も少ないようです。

 先週の土曜日に夜間急患診療所で診療してきましたが、患者さんはわずか9人でした。毎年11月の土曜日といえば患者さんはけっこう受診するのですが、閑散としていました。

 今のところ、これと言った大きな流行病が無いと言うことでしょうね。とはいえ、おなかのカゼ(急性胃腸炎)はチラホラみるようになってきました。

 今年のノロウイルスは新型が流行りそうとのことです。新型に対しては誰も免疫を持っていないから、「大流行~重症?」が心配されているようですが、実際に患者さんを診ないとわからないことです。

 2009年に流行った新型インフルエンザも患者数こそ多かったものの重症者は少なかったはずです。まだ見ぬ病気を恐れ対策を講じることは大切なことですが、過剰に反応してもいけません。実際に患者さんを診ていくうちにその重症度はわかってきます。その程度に応じて臨機応変な対策に切り替えていくことが大切です。

 ノロは秋の終わりから冬にかけて流行ってきます。寒さが本格化する頃には必ず出てきます。それまでにノロ対策をHPや院内に掲示していきたいと思っています。

2015年10月31日(土)
インフルエンザワクチンと同時接種

 朝晩冷え込んでくると冬の訪れを感じます。季節柄そろそろ“おなかのカゼ(急性胃腸炎)”が流行ってくる頃ですが、今のところ、あまり大きな発生は見られていないようです。いずれ、“冬”を実感する頃には流行ってきますので油断できません。

 さて、一時、品不足が心配されたインフルエンザワクチンですが、出荷規制もとけたため、順調に接種が進んでいるようです。

 インフルエンザワクチンを接種する時に他のワクチンも一緒に接種する場合がよくあります。特に1才になりますと、麻疹・風疹、水痘、ヒブ追加、肺炎球菌追加とインフルエンザ以外にも接種するワクチンがたくさんあります。

 毎年今頃になると、どういう順番で接種したらよいかと患者さんから尋ねられます。特別な取り決めはありませんので、順番にはこだわりませんが、できるだけ効率よく、また季節にあったワクチンを優先して接種します。

 通常は麻疹・風疹を最優先します。でも今急ぐのはやはりインフルエンザです。麻疹・風疹は春の終わり~夏の初めに流行ります。水痘は冬に流行ります。ヒブ追加と肺炎球菌追加はそんなに急がなくともよいです。ヒブ追加と肺炎球菌追加接種後は1週間あければ他のワクチンが接種できますが、麻疹・風疹、水痘は接種後4週間あけないと他のワクチンを接種できません。インフルエンザは2~4週間間隔で2回接種します。

 以上のことを考慮して次のようなプランをお勧めしています。

 2本同時接種の場合  3本同時接種の場合
 ①.インフルエンザ1回目+ヒブ追加  ①.インフルエンザ1回目+ヒブ追加+肺炎球菌追加
  2(~4)週おいて  2(~4)週おいて
 ②.インフルエンザ2回目+肺炎球菌追加  ②.インフルエンザ2回目+麻疹・風疹+水痘
  1週間おいて  
 ③.麻疹・風疹+水痘  


 他にもいろいろプランは立てられますので、ご遠慮なくおたずねください。

2015年10月12日(月)
ブレイブブロッサムズ

 この頃、寒くなってきましたね。いつもの年より2週間くらい速いペースで冬に向かっているようです。

 ラグビーのワールドカップはこれからベスト8の激突ですが、なんと言っても“ブレイブブロッサムズ”は素晴らしかったですね。3勝してもベスト8に進出できないのは本当に残念で悔しいですが、南アフリカ戦をはじめとして世界中に感動を与えてくれました。このまま南アフリカが優勝すればいいですね。

 今回の戦いが4年後に日本で開催されるワールドカップにつながってほしいです。“ベスト8以上”はその時の楽しみにとっておきましょう。

 さて、今年もインフルエンザ ワクチンの季節になりましたが、今年は少々異変がみられます。例年9月下旬に入荷するインフルエンザワクチンですが、今年はメーカー1社が手続き上の不備のため出荷が遅れています。すでに国家検定も通っていますので、書類上の問題らしいですが、この連休明けでもまだ、微妙な情勢のようです。盛岡市周辺の市町では20日頃から補助金が出ます。それまでには間に合うと思いますが、少し不安ではあります。

 以上のような状況ですので、安定供給ができるように、今年は2社のインフルエンザワクチンを接種することとしました。国内のインフルエンザワクチンは数社で製造しておりますが、使用されているインフルエンザ株は全て同じものですので、どこのメーカーでもかわりありません。1回目をA社のワクチンを接種して、2回目をB社のワクチンを接種しても全く問題はありません。

 今年も岩手県内ではすでにインフルエンザが発生しています。季節も10月半ばになりました。そろそろ、ワクチン接種をしましょう。

2015年9月23日(水)
休日当番医+夜間急患診療所

 9月の連休をシルバーウイークというのだそうですが、どこに行っても行楽客で賑わっているようです。連休はゆっくり休めて良いのですが、8月のお盆連休からまだ1ヶ月ですので、できれば10月くらいに連休があった方がうれしく感じますね。

 今日は、“道の駅「紫波」 産直センター あかさわ”に行ってきました。毎年秋にブドウを買いに行っています。天気も良いせいか、ものすごく混んでました。幸い美味そうなブドウもありました。日本酒やワインの試飲もありましたが、車ですので、残念ながらNGです。

 小さい頃に診ていた患者さんたち3人と偶然会いました。皆さんお元気でした。子どもは大きくなると小児科とは疎遠になりますが、久しぶりに会うと立派に成長してるなと思いますね。この子たちの成長に少しは自分も役だったのかなと思うと日々の診療に励みになります。

 昨日はハードな一日でした。休日当番医で日中診療した後、夜間急患診療所にも行ってきました。午前8時30分から午後11時まで丸一日診療続けて少し疲れました。

 休日当番医も夜間急患診療所も小児科医だけで回していますので、最近は少しみんなの負担が増えてきたように感じます。とはいえ、自分が休めば他の人に負担が増えると言う気持ちで、みんな頑張っています。

 昨日は軽症のお子さんが多かったのですが、喘息のお子さんもかなり目立ちました。当番医では喘息発作1名、扁桃腺炎1名、急性細気管支炎(RSウイルス感染症)2名を、夜間では喘息発作1名の合計5名を入院紹介しました。
 RSの赤ちゃんは2ヶ月と3ヶ月でした。先週の土曜日は生後13日のRSも入院紹介しました。この頃喘息だけでなくRSも目立ちます。

 ちょっと気になったのは矢巾町から受診したなかなか熱が下がらないお子さん。なんと、お母さんがインフルエンザに罹ったとのこと!早速調べてみましたがインフルエンザ(-)でした。どうも県南ではチラホラ、インフルエンザが出ているらしいです。

 インフルエンザの流行期は全く予想がつきませんが、今シーズン(平成27年9月以降)のインフルエンザの患者報告数は昨年同期と比べて1.7倍になっています。このペースで行けば今年の流行は案外早いかもしれませんね。

 今シーズンのインフルエンザ ワクチンは10月1日から開始します。できるだけ早めに接種されるようお勧めします。

2015年9月13日(日)
September attack

 今まで経験したことのない大雨が降りました。関東地方は大変なことになっています。一刻も早い復旧が望まれます。

 ところで、9月になって急に気管支喘息のお子さんの受診が増えています。2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロはSeptember 11 attackと言われてますが、9月は喘息発作が頻発する月で、9月の発作をSeptember attackと言います。毎年この時期は患者さんが多いのですが、今年はとても多いです。この異常気象とも無関係ではないでしょうね。

 気管支喘息の症状は「ゼイゼイ、ヒューヒュー」という苦しい呼吸だけではないです。いつも咳をしたり、軽い運動でも息苦しくなったりすることもあります。8月下旬~9月にかけて、呼吸器症状が続くような場合は一度受診してみてください。

 気管支喘息の治療で一番効果があるのは吸入療法ですが、吸入していてもなかなか良くならないという患者さんがときどきいます。殆どの場合、吸入のやり方が上手くいってないようです。ちょっと、チェックすると見違えるように効果が出ます。

 最近の喘息治療は以前よりも格段に進歩して、点滴治療することも殆どなくなりました。また、夜間に発作を起こして救急を受診するお子さんも激減しましたが、まだときどき夜間診療所で診ることがあります。

 気管支喘息の治療は、【苦しくなってから治療するのではなく、苦しくならない様に普段から予防治療する】ことが大切です。9月~10月は喘息シーズンです。しっかりと予防治療しましょう。

2015年8月30日(日)
夜尿症

 まだ8月下旬というのにだいぶ涼しくなりましたね。もう秋の気配を感じます。先週ちょっと診療をお休みして仙台で開催された日本外来小児科学会に行ってきました。

 金曜日の午後に仙台駅に着きましたが、ものすごい人混みでした。何事かと思ったら、仙台育英が帰ってくるとのこと。なるほど納得です。街中、「祝準優勝 仙台育英高校」という文字が目立ちましたが、中には、「祝優勝 仙台育英高校」と言うのがいくつかありました。ン?優勝?準優勝ではなかったかな。でもよく見ると祝と優勝の間に小さく“準”とありました。いかにも伊達藩らしいですね。

 学会会場は東北大学のキャンパスでした。ふつう、学会というと市中ホテルが会場となることが多いのですが、大学のキャンパスもいいですね。いかにも勉強するという雰囲気があります。なんと言っても会場費が安くすむのがいいです。

 最近の小児科関連の学会では食物アレルギーの講演が多いのですが、この学会は子どもの病気に限らず、事務的な内容も含めて、小グループで討論する形式が多いです。電話予約やネット予約もこの学会で学んできましたし、指先からの微量採血や、新型インフルエンザ対策もありましたね。

 いろいろ耳学問してきましたが、夜尿症について少しお話したいと思います。日常診療で夜尿症のお子さんをよく診ます。症状の程度は千差万別ですぐ治るお子さんもいますが、大多数のお子さんは治るまでけっこう時間がかかります。
 
 夜尿症は尿量の多いタイプ、膀胱容量の小さいタイプ、両方見られるタイプなど、いくつかに分類されます。それによって適切な治療(薬物など)が選択されます。また、最近ではいくつかの治療法を組み合わせたりしていますが、どうも一筋縄ではいかないのが現状です。

 夜尿症治療で一番大切なことは生活指導と言われます。これが夜尿症の患者さん達にあまり浸透していないようです。昼はおしっこを我慢したり、夕方からはあまり水分をとらないようにとよく言われます。こう一般的なことはみんな知っています。

 ところで、意外と知られていないことですが、夕食から就寝までの時間も大切です。水分摂取後、尿として排泄されるまでに一定の時間が必要です。水分摂取後3時間で大体80%が尿となります。つまり、夕食後すぐ寝てしまうと尿が排泄されないままですので、どうしても就寝中におしっこが出てしまうと言うことになってしまいます。

 多くのお子さんは午後6時頃に夕食をとり、午後9時前には就寝しているようですが、塾や、スポーツクラブに通っていると、どうしても帰宅が遅くなり、夕食から就寝まで1時間くらいという場合もあるようです。これではなかなか夜尿症も治りません。

 夜尿症の治療は「年単位」で考えるべきといわれます。確かに、【あせらず、おこらず、おこさず】ですね。

2015年8月14日(金)
山の日

 この頃、朝晩少し涼しく感じるようになってきました。もう秋の気配を感じるようになります。いつものことながら、暑い暑いと言いながらも東北の夏は短いですね。

 来年から8圧11日は「山の日」として国民の休日になるようです。本当は8月12日にしてお盆の連休を一つ増やす予定だったらしいですが、12日は日航機墜落事故があった日なので避けたと言うことです。

 そうすると、来年からは11日休んで、12日仕事して、13日からお盆休みになりますが、どうも12日の扱いが難しいですね。おそらく11日から6連休と言うところが増えそうです。5月のゴールデンウイーク、9月のシルバーウイークに次いで8月はどういう呼称になるでしょうね。

 休日が増えるのはいいですが、その分平日に負担がかかるわけですから、そんなに喜んでばかりもいられません。

 今年度のインフルエンザワクチンの準備がそろそろ始まってきました。従来のインフルエンザワクチンはA型2株、B型1株の3価ワクチンでしたが、今年度からB型が2株に増えて、4価ワクチンになります。

 B型は山形系統とビクトリア系統の2株ありますが、両方同時に流行することはあまりないものの、どちらが流行するか見当がつきませんでしたが、今年度からはどちらにも対応できることになります。

 来月には盛岡市主催のインフルエンザワクチン講習会も始まります。お盆過ぎれば、あっというまに秋ですね。そろそろ喘息発作も増えてきます。季節の変わり目には健康に留意しましょう。

2015年8月2日(日)
夏の空調

 夏の風物詩のような手・足・口病が流行中です。今年の手・足・口病は、手のひらや足の裏にはあまり発疹が見られず、肘~前腕や膝~下腿に発疹が見られるタイプが多いようです。今年始めて手・足・口病に罹ったお子さんはこれが普通の手足口病と思うでしょうね。

 一般に発熱することは多くないのですが、今年のタイプはけっこう発熱しています。発熱が1~2日続いてそれから発疹が出てくるという突発性発疹のような手・足・口病です。

 今のところ重症者は見られませんが、手・足・口病とわかっていても3日以上発熱が続くようなときは、もう一度受診した方が良いですよ。

 この頃暑い日が続いています。お盆頃まではこの暑さが続くようですので、うんざりですね。夜も暑くて眠れないという人も多いです。現在の建造物は密閉性が優れています。そのため、昼の熱気が夜になってもこもったままなので室内気温があまり下がらないんでしょうね。

 ひと昔前はエアコンが無くても快眠できましたが、今は環境が違います。熱帯夜の日数はここ数年で猛烈に増加しています。西日本のように暑い地方では一晩中エアコンをつけっぱなしにしている家庭も多いようです。東北はそこまでしなくてもよさそうですが、夜間の空調はどしたらよいでしょうね?

 以前にもお話した一般的な事ですが、空調の前に環境整備も大事です。
例えば、
・西日の入る部屋は、部屋の温度が上がりますので、寝室には適しません。寝室にする場合は、カーテンやすだれで日ざしを遮って下さい。
・部屋へ帰ったら、まず、窓を開けて換気をしましょう。部屋にたまった熱を外に逃がすことで、部屋の温度が下がりやすくなります。
・冷気は下へ下へとたまっていきます。2階よりは1階の方が涼しいです。
・除湿(ドライ)は、設定温度が高くても体感温度は下がります。部屋の湿度は50~60%が良いです。
・間接的に風が身体にあたるようにすれば、体感温度は下がります。扇風機やサーキュレーターを利用して室内の空気を循環させましょう。

 夜間の空調の目的は~いかに健康的にグッスリ眠れるか~と言うことです。
人間の睡眠は、入眠後の最初の3時間に脳の休息に特に必要な深い睡眠(ノンレム睡眠)が多く現れます。この時間帯に暑さで起きたり眠りが浅くなってしまわないように、深い睡眠を確保出来れば、あまり睡眠不足になることはありません。
 したがって、入眠後の3~4時間だけエアコンをかければ、おおむね十分な睡眠がとれると言うことになります。実際は個人差もあるようですが・・・。

 設定温度は28~29度くらいが推奨されています。日中自分の診察室は28度にしていますが、ちょっと寒く感じることもあり、29度くらいにすることの方が多いです。

 まだまだ、猛暑が続きますがお盆過ぎれば東北は涼しく感じます。もう少し暑さに負けずしっかり健康管理しましょう。

2015年7月25日(土)
日本人気質(かたぎ)

 栃木県宇都宮市の保育施設に預けられていた9ヶ月の乳児が熱中症で死亡したというニュースがありました。この赤ちゃんは3泊4日間両親の元を離れて預けられたそうですが、最初の日からすでに発熱もあったようです。

 ニュース番組からしか情報を得ることができませんので、詳細不明ですが、こうなる前に何とかならなかったでしょうか?施設ではどのような保育をしていたのか?3泊4日間も9ヶ月の乳児を他人に預けなければならない事情とはどんなことだったのか?

 とても心が痛みます。矢巾の中学生の自殺をはじめ、この頃悲惨なニュースが多すぎます。

 “日本人気質(かたぎ)”とは、日本人の気質(きしつ)を表した言葉ですが、いろいろな解釈があるようです。日本人は、良い意味では優柔不断。悪い意味で融通が利かない。決断力が弱くyes or noと即答できない。という軟弱な面を持っています。一方、義理人情に厚く、我慢強く、困っている人には手をさしのべる、という優しい心も持っています。これが良い意味での“日本人気質”と思います。

 幼い生命を守るのは大人の義務です。良い意味での“日本人気質”を発揮しなければなりません。

2015年7月17日(金)
安全保障関連法案

 安全保障関連法案が衆議院で可決されました。いくら聞いてもよく分かったような分からないような?自国や友好国の安全を守るための法案は誰でも賛成するでしょうが、その手段が武力行使となるといろいろ考えさせられます。必然的に他国間の武力紛争にも巻き込まれそうです。

 全て話し合いで解決できればそれが最善ですが、話の分からないヤツはどこにでもいるもの。某国の領空・領海侵犯や尖閣諸島の漁船衝突事故など日本を取り巻く安全保障環境は、ここ数年で大きく変わってきました。現行法では国を守るのが難しいと感じる人も多いはずです。国防を真剣に考えなければならない時期とは言え、これからどうなるのでしょうね?

 ところで、15日の衆議院特別委員会を見ましたか?とても醜かったですね。プラカードもって反対、反対と大騒ぎ。「お願いだから、やめて~」とカメラ目線で絶叫する某女性議員。おまえは吉本か?
 そして採決は、委員長「賛成のみなさんの起立をお願いします!」 みんな立ってるじゃん。委員長「はい!全員起立で可決しました!」だと?

 これが選挙で選ばれた国民の代表とは情けない。民主主義はどこへ行った?イギリスは清教徒革命、フランスはフランス革命、アメリカは独立戦争という“いわゆる市民革命”を経験して市民が政権を樹立し、今日のような民主国家を作ってきました。しかるに日本は市民革命の経験がない国です。明治維新は徳川が薩長に代わっただけで市民(国民)の参加はなかった。だからいつの時代も市民(国民)の声は届かない。市民(国民)無視の政治がまかり通ってしまうんでしょう。

 私の祖父は戦争に行ってきました。私が子どもの頃には何度も戦争の話を聞かされました。ここには書けないようなこの世の生き地獄を思わせる悲惨な話ばかりでした。そして話の最後は、決まって「絶対に戦争だけはしてはいけない。」でした。

2015年7月5日(日)
手・足・口病 流行中

 この前、手・足・口病が流行りそうとお話ししましたが、この頃、“それらしき”疾患よく見ますね。“それらしき”と言うのは、湿疹が肘や膝に見られるので、典型的な手・足・口病とは異なるからです。それと、もう一つ特徴的なことは発熱が1~2日続いてから湿疹が出現するパターンがあります。まるで突発性発疹みたいです。

 夏かぜの定番と言えば、手・足・口病、ヘルパンギーナ、アデノウイルス感染症(咽頭結膜熱)の3疾患が有名です。それぞれ特徴があります。

 ヘルパンギーナは、1~2日発熱が見られた後に、喉の奥に大きな水疱~潰瘍(口内炎)ができます。少し痛みがあって若干食欲が落ちるくらいですが、潰瘍(口内炎)がひどいと、しばらく食べられなくなり入院治療が必要な場合もあります。

 アデノウイルス感染症(咽頭結膜熱)が3疾患の中では一番大変です。「真っ赤な喉と頑固な発熱」が特徴で、発熱は1週間くらい続くことが珍しくありません。

 この夏かぜ3疾患は、症状から診断するのは比較的容易ですが、何一つ特効薬はありません。ジッと免疫が上がるのを待つしかありません。手洗い、うがいをしっかり行うしかないですね。

 明日は、女子ワールドカップの決勝戦ですね。準決勝では診療前の短い時間に偶然ペナルティキックの場面を二つとも観ることができました。ラッキー!

 決勝は午前8時キックオフですから、また観戦できそうです。どちらが勝っても記憶に残る良い試合を期待しましょう。