熱が長びくアデノウイルス感染症 咽頭結膜熱(プール熱)

 夏だけじゃない、冬にも流行ることがあります。

 高熱に注意!!

 アデノウイルスに感染すると、高熱が続き、喉の腫れや痛み(咽頭炎)が見られたり、目ヤニや目の充血(結膜炎)が見られます。よく見られる症状は咽頭炎です。結膜炎も加われば、咽頭結膜熱(プール熱)と言います。プールで感染することが多いですが、プールに入らなくても感染します。

 夏に流行しますが、冬にも見られます。“のどの痛みと頑固な発熱”が特徴です。別名“夏のインフルエンザ”とも言われ、ときどき大流行することもあります。 アデノウイルスには、胃腸炎や肺炎、膀胱炎を起こすなど、50種類くらいのタイプがあります。


◆ 主な症状

@.発 熱:38〜40度くらいの熱が4〜5日続きます。1週間以上続く事もあります。    

A.咽頭炎:咽頭〜扁桃の腫れがひどく、真っ赤になります。溶連菌とよく似ています。のどの痛みも強く、食欲が落ちます。

B.眼症状:結膜炎による眼の炎症が見られます。眼が痛くなったり、かゆくなったり、目ヤニがみられるようになります。通常、片眼から始まり両眼に広がります。


◆ こんな時は、早めにもう一度診察を受けましょう。

@.前の日と比べてドンドン悪くなってきたと感じるとき。

A.いくら元気があっても、38度以上の熱が3日以上続くとき。  


◆ 食べ物、水分

 のどは痛いし、熱も高いので、食欲がないのはしかたがありません。無理してたくさん食べる必要はありません。プリン、ゼリー、アイスクリーム、冷ましたおじや、とうふ、冷めたグラタン、等はいかがでしょうか。水分補給は、経口補水液(OS-1、ソリタ顆粒など)、麦茶、ミネラルウオーター、牛乳、冷めたみそ汁やポタージュ、等がよいでしょう。                


◆ 治療

 アデノウイルスに効く特効薬はありません。対症療法が主体です。免疫が高まれば自然に解熱しますが、高熱が1週間以上続くような場合は入院が望ましいです。                                


◆ 感染経路 

 アデノウイルスは、口、鼻や喉の粘膜、あるいは、眼の結膜から体の中に入り込んで感染します。感染経路は鼻汁等からの飛沫感染が主ですが、目ヤニ、便からの感染もあります。このウイルスは、咽頭からは1〜2週間、便からは3〜5週間排泄されています。潜伏期間は5〜7日です。


◆ 予防

@.とにかくよく手を洗い、うがいをすること(全ての感染症対策の基本です。)→流水で15〜30秒間、手をもみ洗いする。  

A.感染者との密接な接触はなるべく避ける。(タオルなどは別に使う。)  

B.プールの塩素消毒は十分にする。プールから上がったら、シャワーを浴び、眼を洗い、うがいをする


保育園、学校は、いつからいけるの?
アデノウイルスは大変感染力が強く、熱が下がっても、2日くらいは感染力があります。できれば解熱後2日間は休むのが望ましいです。