診察室便り

2015年6月21日(日)
手・足・口病

 この頃暖かくなってきましたが、昨日は昼過ぎに突然雨が降ってビックリしました。どうも大気が不安定のようですね。予想では今夏は冷夏かもしれないとのこと。猛暑はいやですが、やはり暑いときには暑くならないと農作物の収穫にも影響を及ぼします。平年並みが一番いいですね。

 今年も夏かぜが流行る季節になってきました。昨シーズンはあまり大きな流行は見られませんでしたが、今シーズンは手・足・口病が流行ってきそうです。

 典型的な手・足・口病は、手のひら、足の裏、臀部や口腔内に小さな水疱~湿疹ができるのですが、手・足・口病にもいろいろ種類があって、あまり水疱が目立たないタイプ、湿疹が肘や膝に多発するタイプなど、様々です。今のところ典型的な手・足・口病よりも、肘や膝に湿疹が見られるタイプが多いように思います。

 いずれにせよ。手・足・口病は軽症が多いのですが、時として重症化することもありますので、発熱が持続したり、だんだん元気がなくなってくるようなときは、早めに医療機関を受診しましょう。

 6月17日、2018年ロシアW杯アジア2次予選の日本vsシンガポールをちょっと観戦しました。試合結果は0-0の引き分けでした。試合後は格下相手の引き分けとあって、気まずい空気が流れていましたね。でも、勝敗に一喜一憂することなく、もう少しスッキリした気持ちになれないもんでしょうか?

 シンガポールは最近の日本のサッカーを良く研究していたと思います。イラク戦で大勝した時のパターンは完璧に封じられたように感じましたし、なんといってもゴールキーパーが素晴らしかった。まさに神憑りのスーパーセービングを随所に見せてくれました。敗れた日本を責めるのではなく勝ったシンガポールを賞賛すべきでしょう。

 試合終了後の日本人サポーターはブーイングで日本選手を迎えました。全力で戦った選手たちに負けたからといってブーイングとはね?悔しさは選手たちが一番よくわかっているはず、いつの日か「あの日の敗戦があったからこそ、今日の勝利がある。」と言えるように、捲土重来の気持ちで頑張ってほしい。

2015年6月3日(水)
東北六魂祭

 この頃溶連菌感染症のお子さんをよく見ます。【発熱~のどの痛み】が定番の症状ですが、全身にうっすらとした発疹やイチゴのようなブツブツした舌もよく見られます。

 溶連菌は比較的診断も容易で薬の効きもよくすぐ解熱しますが、また、すぐ罹ることもあります。なかなか免疫が出来にくいことや、健康な状態でも、のどには溶連菌が付着していることもあり、その結果、何回も罹ってしまいます。日頃から手洗い、うがいをして予防を心がけることですね。

 溶連菌とは全く違いますが、MERS(中東呼吸器症候群:マーズ)とかいう感染症が韓国で発症したようですね。一般の肺炎と区別がつきにくいようです。人~人感染はあまり強くないらしいですが、最初はそうでも、感染が繰り返されていくうちにどんどんウイルスが変異して・・・。と言うことも懸念されます。
 今のところ日本国内での発生はないようです。あまり大騒ぎせず、感染予防の基本である手洗い、うがいをしましょう。

 今週の日曜日に秋田市で行われた東北六魂祭を見に行ってきました。六魂祭はいつも人出が多く混雑しますね。そこで、今回は観覧席つきのバスツアーで行ってきました。会場は秋田市の竿燈通りでしたが、この通りは片道3車線の広い通りです。夏祭りの竿燈はこの竿燈通り全部を使いますが、六魂祭では片道3車線を観光客向けの観覧席にして、残りの3車線で行われました。やはり、椅子に座って見られると楽でいいですね。

 当日は天気が荒れ模様との予報でしたが、幸運にも快晴と言っていいくらいの五月晴れでした。例によって東北六県のお祭りを順に観ましたが、もう少しゆっくり観たいような気もします。アッという間に終わりますからね。

 いつもはコンパクトにまとめた青森ねぶたでしたが、今年は本来の大きさでフル装備しての登場でした。やはり迫力があります。自分も青森に居た頃がありますから、ねぶたを観ると懐かしい気持ちになります。

 地元とあって、やはり、竿燈が一番出演時間が長かったです。少し風が強く道路標識に提灯がぶつかったりして大変そうでしたが、肩や手のひらで支える職人芸は見事でした。

 さて、パレードも終わり帰りのバス停留所に行こうと思ったら、交通規制が厳しく、なかなか目的地へ着くことができませんでした。やっとついた地点はどうも集合場所とは違うような・・・。お巡りさんに道を尋ねると観光バスの停留場ではなくシャトルバスの停留所とのこと、あと15分でバスが出る!ここから走った。走った。マァ、何とか間に合いましたが、危うく置いてけぼりになりそうでした。

 今年で5回目になる六魂祭ですが、来年の青森でちょうど東北六県を一巡します。その後の予定は未定だそうです。開催する都市の負担も大きそうですができれば続けてほしいですね。

2015年5月17日(日)
シラカバ花粉症

 今年は暖かくなるのが早いですね。もう田植えも始まっています。それとともにイネ科の花粉症も始まります。イネ科の花粉症は5月中旬くらいから始まってきますが、今年は少し早そうです。

 3~4月のスギ花粉症が終わって,イネ科花粉症が始まるまで少し間がありますが,この間も花粉は飛んでいます。シラカバは、北海道で多く見られますが本州にも生育しています。4月中旬~5月中旬にかけて症状が強まるような時は、シラカバ花粉症かもしれませんね。

 また、シラカバは、リンゴ、サクランボ、モモ、ナシなどのバラ科果実と共通抗原性を持つため、シラカバ花粉症の人はこれらの食品を食べると、口の中や舌、のどが腫れたり、かゆくなったりすることがあり ます。(口腔アレルギー症候群と言われています。)
 この様な症状が見られたら、果物だけでなく花粉も一緒にチェックすれば良いです。ちなみにスギはトマトと、イネ科のカモガヤ、オオアワガエリはメロン、スイカ、キウイと、共通抗原性持っています。

 大相撲夏場所が始まりました。昨年の秋場所で大活躍した逸ノ城でしたが、どうもその後は伸び悩んでいますね。昨日も栃ノ心に頭をつけられ下からこじ開けられ上体を起こされて、あれよあれよという間に寄り切られてしまいました。

 体の大きい力士は攻めている時は体重が味方してくれますが、防戦に回ると自分の体重を支えきれず、まあ、自分自身の体重に押されるようなもんですね。意外とあっさり土俵を割ることが多いよ うです。ハワイ出身の小錦もそうでした。

 いっちゃんには(親しみを込めて、私は逸ノ城をそう呼んでいます。)恵まれた体格があるのだから、もう少し工夫して、ガッチリまわしを取る四つ相撲を会得してほしいです。立ち会いに変わったり、はたいたりというのは将来大成するであろうと期待されている力士にはふさわしくないですね。頑張れ!いっちゃん。

2015年5月4日(月)
今日は何の日?

 この頃、急に暖かくなってきました。一気に夏になりそうな気配ですが、明日はまたちょっと天気がぐずつくようですね。

 一昨日の土曜日、夜間急患診療所で勤務してきました。発熱の患者さん多かったですね。連休中とあって県外からの患者さんも受診してました。
 通常、夜間急患診療所の処方は一日分ですが、インフルエンザや水痘などの薬は、あらかじめ投与日数が決まっていますので、ケース・バイ・ケースの処方になります。

 当日は4連休の前日でしたので、4日分薬を処方しました。これで連休中は大丈夫かな?とはいえ、発熱が続くと心配でまた受診したくなるもんです。連休中は当番医も混雑しそうですので、発熱で受診したお子さん(の保護者)には、発熱が続くときの受診ポイントをお話しました。

 発熱が続いている時に受診が必要な場合は、一つ目は、前日と比べて明らかに状態が悪くなっている(と感じた)とき。二つ目は、どんなに元気でも3日以上発熱が続くとき。 夜間急患診療所ではいつもこのようにお話しておりますが、絶対的な基準ではありませんので、ご参考程度にして下さい。

 ところで、今日5月4日は「みどりの日」と言うんですね。あれ、昔は4月29日(昭和天皇誕生日)が「みどりの日」じゃなかったかな?で、5月4日は休日でなかったのが、いつの間にか「国民の休日」とかになったんじゃなかったかな?
 こんがらかりますね。マア、休日であれば名称は何でもいいようなものですが、ちょっと確認したくなりました。

 さ~と調べたところ、1986年、当時の労働大臣山口敏夫が、5月3日の「憲法記念日」と5月5日の「こどもの日」に挟まれた5月4日を祝日にして3連休にすれば、みんなが喜ぶだろうと言うことで、5月4日を「国民の休日」という意味不明な名称の祝日にしました。ここから3連休になったわけですね。それまではよく“飛び石連休”なんて言われてましたね。

 そして、時は流れ平成時代になりました。するとそれまで昭和天皇誕生日だった4月29日が祝日でなくなるので、これを「昭和の日」として祝日に残そうと当時の与党は考えたそうですが、野党の反発が強かったため、名称を「みどりの日」としたのだそうです。ここまでは、4月29日が「みどりの日」、5月4日は「国民の休日」だったわけですね。

 ところが、その後「昭和の日」を制定しようという国会議員の希望が強く、2000年ついに、4月29日が「昭和の日」になりました。そこで、「昭和の日」に追い出されて行き場所がなくなった「みどりの日」が意味不明の「国民の休日」の代わりに5月4日に引っ越してきたと言うことです。

 「国民の休日」は何にでも当てはまりますから、やはり、時節にふさわしい名称がよいですね。

2015年4月18日(土)
スギ花粉舌下免疫療法

 まだ、スギ花粉症のシーズンですが、少し落ち着きつつあるようです。盛岡市の今年のスギ花粉飛散予測数は昨年度の4~5倍で4053個/m3と予測されていましたが、既に4月17日で6194個/m3飛散しており、予想数を大きく上回っています。まだ飛散しそうですが、過去10年間の統計を見てみますと、4月中旬以後に最高値を記録した年はないので、今月下旬には、そろそろ終息に向かうように思います。でも、まだ要注意ではあります。外出時はマスクをしましょう。

 以前にご紹介した「スギ花粉舌下免疫療法」ですが、まだ、実施できないでいます。昨年10月から保険適応となりましたが、10月はインフルエンザワクチン接種開始とも重なり、喘息などの外来患者さんも多くなり、ここにさらに 舌下免疫療法となると、もう手が回らないという状況でしたので、昨年は実施を見送りました。

 今シーズンには間に合いませんでしたが、來シーズンのスギ花粉症に併せて準備したいと思っています。治療はスギ花粉の飛散が始まる3ヶ月以上前から始めます。スギ花粉が飛散している1月中旬~5月末までは治療できません。夏~秋にかけての開始となると思いますが・・・、ただ、この治療、なかなか根気がいります。

 まず、薬を舌下投与します。そして2分間ジッと口に含んだまま時間が経つのを待ちます。これを毎日続けます。しかも最低3年間!必要あればもっと長く続けます。

 この舌下免疫療法を忍耐強く毎日2分間、3年間行っても、必ずしもスギ花粉症が治るとは限りません。有効率は約8割と言われていますが、効果の不十分な人もいます。全員が根治(すっかり治ること)するわけでもないのです。また、滅多にないことですがアナフィラキシーショックのような重篤な副作用の心配もあります。

 実際に続けられる人はそう多くないと思います。自分もスギ花粉症ですが、今シーズン真面目に内服、点鼻、点眼したせいか、思ったほど症状が見られていません。もし、今年もつらい思いをしたら舌下免疫療法を行うつもりでしたが、自分くらいの症状なら従来の治療で十分かなと思いました。

 舌下免疫療法は薬物療法では効果の得られない重症な場合に考慮する選択肢のようです。近々、ダニの舌下免疫療法も行われる見込みです。ダニの症状はほぼ1年中見られますので、スギ花粉症以上に需要があるのかもしれません。こちらも長期間にわたる治療が必要のようですので、やはり根気がいります。もっと短期間で治る治療法が開発されるといいですね。

2015年4月13日(月)
石割桜

 まだ、天候不順な日が続きますが、少しずつ暖かくなってきました。もうそろそろ桜も咲きそうです。昨日、車から石割桜を見ました。まだ、蕾のようでした。全国的にも有名になった石割桜ですが、年々老朽化してきているようです。昨年はあまり花が咲きませんでしたが、今年はパッと咲いてほしいですね。

 ところで、よく言われることですが、石割桜は、「本当に岩を割って桜が咲いたのか?割れた岩の間に桜が生えたのか?」どっちなんでしょうね。

 石割桜がある裁判所の土地は、江戸時代には南部藩の家老のお屋敷でした。そのお屋敷で記された日記に、「ある晩、激しい雷雨が降り大きな落雷があった。その時、土台の岩が割れた」と記されていま す。特に石割桜に関する記述はないようです。

 ここからは推測です。おそらく雷で割られてできた亀裂に桜の種が舞い込んで、そこから桜が根を張って、まるで岩を割るように発育したのではないか・・・と考えられています。

 厳しい冬を乗り越え、頑丈な岩を割って咲く石割桜には、たくましさと華やかさを感じます。観光客が多いのも頷けます。

 4月は入園・入学シーズンです。この頃発熱で受診する乳幼児が目立ちますが、4月から幼稚園や保育園に入園したお子さんが多いです。マァ、新人(?)にとって初めての集団生活ですから、いろいろバイ菌をもらってくるのでしょう。

 お父さんお母さんは、急に病気がちになって、心配されるかもしれません。しばらく病院とのおつきあいが増えて大変ですが、半年くらい経てば環境に慣れてきますよ。こういう体験をしながら丈夫になっていくのでしょうね。石割桜のようにたくましく育ってほしいものです。

2015年4月1日(水)
開院記念日

 今日は雨模様の天気ですね。本日は当院の開院記念日です。19年前の4月1日に開業しました。小雪が舞うちょっと寒い日でした。この間いろいろなことがありましたが、日頃当たり前のように行っている医療行為も大きく進歩してきています。

 今では当たり前のインフルエンザの検査キッとは、平成11年に、また、抗インフルエンザ薬のリレンザは平成12年に、タミフルは平成13年に、それぞれ発売されました。それまではインフルエンザに効く薬は何もなく、熱が下がらないといって受診する患者さんに対して、これ以上悪化しないようにと点滴をするくらいのことしかできませんでした。

 当然解熱するわけではなく、数日通院してやっと解熱するという状況でした。それが、今は抗インフルエンザ薬を飲むと(吸入すると)もう1~2日で解熱してしまいます。19年前はとうてい考えられないことでした。

 インフルエンザ流行時は外来が混み合いますが、抗インフルエンザ薬のない時代の混み合い状況は今と比較にならないほど混み合ってました。とにかく熱が下がらないので、患者さんは毎日受診します。点滴のベッドがなくなり、待合室で休んでもらったこともあります。おそらく想像がつかないでしょう。とても大変な時代でした。

 気管支喘息治療の進歩もめざましいものがあります。以前は気管支拡張剤(気管支を広げる薬)が主流でした。発作の有無にかかわらず毎日気管支拡張剤を内服していました。内服している間はよいのですが、止めるとまた、すぐ発作を起こすということの繰り返しでした。

 夜に発作を起こし夜間救急を受診した方も多いと思います。その場合、そのまま入院したり、翌日も外来で点滴をしたりと、とても患者さんの負担が大きく気管支喘息は大変な疾患でした。

 今は、気管支喘息は「気道過敏性を伴う慢性炎症疾患」と考えられるようになり、炎症を直接治療する吸入ステロイドが治療の主役になってきました。そのおかげで喘息発作で夜間救急を受診する人は殆どいなくなり、外来での点滴も年に数人程度です。

 開院以来19年の月日がたちます。インフルエンザや気管支喘息に限らず、多くの疾患に対して医学の進歩がみられています。時代の流れに遅れないよう、「日々是学習」の気持ちでこれからも小児医療に励んでいきます。

2015年3月30日(月)
会うは別れの始め

 今日は風が強かったせいか、スギ花粉がよく飛んだようですね。最近は1~2才のスギ花粉症のお子さんも珍しくなくなりました。特にご両親がスギ花粉症を持っていると、お子さんはほぼ100%スギ花粉症を発症します。

 残念ながらスギ花粉症にならないように積極的に予防する方法はなく、できるだけスギ花粉に接触しないように心がけるしかありません。ご両親がスギ花粉症でしたら、お子さんはスギ花粉の飛びそうな日の外出はできるだけ控えた方がよいです。       

 3月は転勤や退職者も多く、別れの月です。今年も多くの患者さん達が盛岡を去って行きます。気管支喘息やアトピー性皮膚炎のような長期加療の必要な疾患は経過が長くなると以前のことが忘れがちになってきます。そこで、新しい土地へ行っても今までの治療内容がわかるように、できるだけ詳しい紹介状を書いて差し上げています。

 いつも、紹介状は新しい主治医の先生用と保護者用に2通作っています。これから診ていただく新しい先生と紹介状を共有することにより、スムーズな治療ができるようにと考えてのことです。

 当院も3月いっぱいで1名が定年退職、1名が退職します。診療所のスタッフは、医師、看護師、事務員が定番ですが、定年退職される方はこのどれにも属さず、みんなの仕事の補助をしてくれる「縁の下の力持ち」のような存在でした。

 清掃、整理整頓のような雑用から患者さんの誘導など、足かけ10年間勤務していただき、とても助かりました。少し休養してから、今後の道筋を決められるようですが、冬場の忙しい時には、ちょっと手伝ってもらいたいですね。

 もう1名は、ご主人の転勤のため退職することになった看護師さんです。昨年の8月から勤務してもらっていました。テキパキと仕事をこなし冬場も乗り切りましたので、これから大きな戦力になると期待していた矢先でしたので、残念です。

 「会うは別れの始め」というように、出会いがあれば、必ず別れがやってきます。出会いは別れを前提としたものである以上、いつ 別れがきても悔いが残らないように、自分が出会ったみんなと共有する時間をを大切にしていきたいと思っています。

2015年3月29日(日)
診察室便り再開しました。

 しばらくお休みしていましたが、また、診察室便りを再開することとしました。いつも皆様からのお便りを、楽しく読ませていただいておりましたが、最近、容易にご返答できないような内容が多くなってきました。

 いろいろありますが、例えば、「他院での治療内容に対するコメント」などは、まず、良いも悪いも申し上げられません。いわゆる“セカンドオピニオン”と言うものはきちんと患者さんを診察した上で申し上げることです。それを、メールだけで回答するということは不確実な情報提供をすることになり、間違いの元になります。また、今診ていただいている医師に対しても誤解を持つことにもなりかねません。と言うような返事をすると、今度は、「不親切だ」とか、「わからないから回答しないのだろう」とか、また、とんでもないメールが来るんだよね~。自分自身ヤレヤレ・・・と感じることが多くなり、診察室便りを閉鎖することにしました。

 ところで、この頃、来院される方々から、「診察室便りは止めたんですか?」とか、「面白い話が多かったので再開してほしい」というようなお話を伺いました。マア、確かに迷惑メールはごく一部の人に限られていますから、何も診察室便りを止めなくてもいいことですよね。う~ん、じゃ再開するかと言うことで、また始めることにしました。ただ、メールについては、しばらく凍結状態にします。ご了承下さい。

 では、早速スギ花粉の話題に触れましょう。今年のスギ花粉はしばらくぶりに多いとの予測でしたが、全くその通りですね。「昨年は何ともなかったのに~」と言ってくる人たちが大勢います。少ないと言えども毎年花粉は飛びますので、ドンドン感作されていつかは症状が出てくるわけです。

 自分もスギ花粉症ですので、今シーズンはガッチリ治療しています。とにかく毎日の点鼻薬、点眼薬は欠かせません。最近の薬はとてもよく効きますのでシーズン中継続すればかなり軽症で済むはずです。よくお話することですが、点鼻薬は風呂上がりに点鼻すると効果が上がります。風呂上がりは鼻が少し通っていますので、キチンと鼻をかんで点鼻するとよいです。点眼液は持続時間が短いので1日4回しっかり点眼しましょう。

 市販薬の点鼻薬、点眼薬の中には、血管収縮剤が含まれている製品があります。この製品ははじめはよく効いた感じがしますが、使うほどに血管が硬くなりかえって症状が悪化しますので、お子さんにはお勧めしません。大人の方が使うにしても短期間にとどめるべきです。

 代表的な血管収縮剤は、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリンなどです。市販薬の成分表示をよく見て下さい。

 今のところ最高にスギ花粉が飛んだのは3月18日(水)でした。その後も天気のよい日にはかなり飛んでいますが、今シーズンの予測飛散花粉数の半分くらいはすでに飛んでしまったようです。例年、連休前頃まで飛ぶスギ花粉ですが、今シーズンはちょっと早めに終了するかもしれませんね。ぜひ、そうなってほしいです。

2015年2月8日(日)
経鼻弱毒化インフルエンザ生ワクチン

 例年ですと寒さが厳しい時節ですが、今年はそれほどでもないですね。今日は雨です。とても暖冬などとは言えませんが、まずまずの寒さでしょうか。

 2月になってもインフルエンザの患者さんは増えてます。先々週くらいから幼稚園の集団発生が目立ちます。今年はズ~とA型が流行しています。まだ、B型はあまり発生していないようですが、これだけA型が流行した後に、さらにB型だと参りますね。

 未年は温和な一年?なんて思っていましたが、国内では悪辣な犯罪が続出し、また、中近東情勢は激しく揺れ動いています。もはや、「ISISは歴史上、最も残忍で残酷なテロリスト集団」ということに疑問を持つ人はいません。あのアルカイダですら、「過激すぎる」として非難しているようです。なんでも、聖戦(ジハード)で戦死した者は、天国でハーレムのような暮らしを送れると本気で信じているとか?日本も標的にするとか?とんでもないことになってきました。国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は3日、ISISを非難するコメントを発表しましたが、コメントだけでなくもっと具体的に対策を講じてほしいものです。国連はこういう時のためにあるのではないでしょうか?

 以前にお話した経鼻弱毒化インフルエンザ生ワクチン「MED13250」が、いよいよ国内でも発売される見込みとなりました。このワクチンは現在のような注射ではなく、鼻の中にシュッとスプレーで噴霧します。インフルエンザウイルスは鼻から体内に侵入してきますから、あらかじめ鼻の中に免疫を作っておけば、発症予防に効果が期待できるというわけです。

 既に欧米では使用されていますが、日本国内ではまだ認可されていないため、一部の医師が海外から輸入して使用しているのが現状です。この経鼻ワクチンは主に小児で使用されており、18才以上の適応については今後の課題となっています。早ければ2017/18シーズンに国内でも使えるようになるようです。新たなインフルエンザ対策として期待できそうです。

2015年1月10日(土)
インフルエンザ流行 続行中

 年が明けて、インフルエンザも一段落したかと思いましたが、この頃また、インフルエンザの患者さんをみますね。まだ、小中学校は冬休み中ですが、あちこち外出先でもらってくるようです。さらに、保育園での感染が目立ってきました。さらに、さらに、B型インフルエンザの患者さんもみられます。

 今シーズンは流行が早く始まりましたが、だからといって早く終息するわけでもないようです。小中学校が始まるとまた、感染が拡がりそうです。今シーズンは長そうですね。でも、これだけ流行すれば多くの人が免疫を持つようになりますから、今後2~3年はあまり流行しなくなるかもしれません。せめてそうなってほしいものです。 

 フランスでは大変なことになっていますね。フランスの国旗は三色旗と言われます。青は自由、白は平等、赤は博愛(友愛)を表すと言われていますが、どうもそれは俗説のようで、正式には白がフランス王家の色、青と赤はパリ市の紋章の色であって、三色が一つになって、「パリと王家との和解」の意味を表しているのだそうです。フランスは宗教の問題、移民の問題などなどいろいろな問題を抱えているようですが、テロに屈することなく、“和解”の精神で臨んでほしいですね。

2015年1月1日(木)
あけまして おめでとうございます

 あけましておめでとうございます。今年は未年ですね。羊は従順で温和な動物ですので、未年生まれの人は情に厚く親切なんだそうです。また、人との争いや対立を嫌うため、人間関係もいたって良好ということです。しかし、その優しい性格ゆえに、頼みごとが断れない場合もありますので注意が必要のようです。

 どんな干支にもいろいろな巡り合わせがあるようです。振り返ってみると、その干支に特徴的な出来事も多いようです(まあ、偶然でしょうが)。

 ちなみに過去の未年を見ると、12年前の2003年(平成15年)は、イラク戦争が勃発しました。また、アジアを中心に、「新型肺炎SARS(サーズ)」が流行しました。24年前の1991年(平成3年)には湾岸戦争が勃発しました。その年末にはソビエト連邦が崩壊し、ゴルバチョフ大統領が辞任しています。36年前の1979年(昭和54年)には、ソビエト連邦がアフガニスタン侵攻しています。さらに48年前の1967年(昭和42年)には、イスラエル・アラブ連合間で第三次中東戦争が勃発しています。

 こうしてみると日本では温和な未年のようでも、けっこう世界情勢は揺れ動くようです。今も世界のあちこちで紛争が起きています。今年は誰もが平和に暮らせる世界になってほしいですね。