診察室便り

2007年12月31日(月)
休日当番医

 本日は、休日当番医でした。年末年始の当番医は3〜4年に1回当たります。いつもこの時期は混み合いますが、本日は悪天候にもかかわらず、猛烈に混み合いました。午前9時から午後6時30分まで、昼食もとらず、コーヒー1杯とリンゴジュースだけ飲んで、ひたすら診察しました。スタッフも交代で少しは休憩しましたが、誰も満足に食事もとってません。とても疲れました。中には待ちきれずにお帰りになった患者さんもいました。夜間診療所も混み合ったと思います。

 しかし、いつも思うことですが、休日当番医も夜間診療所も、“急に具合の悪くなった人”、つまり、“急患”のためにあるものです。待ちきれずに帰ると言うことは本当に救急性があるのでしょうか?。何も今受診しなくてもよいようにも感じます。とはいえ、長い休みが続くとなにかと不安になるのかもしれませんね。「少し薬があれば安心」とか、「これから出かける時のために」とか、いろいろあるんでしょうね。

 インフルエンザ、急性胃腸炎、水痘、じんましん、食物アレルギー、気管支炎、喘息発作、高熱の続くカゼ、溶連菌、等々・・・。今年の冬を象徴するような1日でした。細気管支炎になりそうな赤ちゃんを二次輪番に紹介した他は、あまり重症な患者さんはいませんでした。早く元気になればよいですね。
 インフルエンザの患者さんは18人でしたが、そのうちお二人は薬(タミフル)なしで治療したいとのことでした。見たところ、そんなに具合が悪そうには見えませんでしたが、これからどうでしょう・・・。A型インフルエンザの場合、特に治療をしなければ、平均4〜5日間高熱が続きます。解熱後も少し体調不良が続くことが多いです。元気がないようなら、また、休日当番医を受診するようお話ししました。早く元気になればよいですね。

2007年12月23日(日)
待ち時間

 インフルエンザ流行ってきましたね。先週は小学生が多かったです。保育園・幼稚園もあちこちで流行ってきています。いつも思うのは、早く冬休みになればよいなということです。大体冬休みになれば一段落することが多いのですが、今年はどうでしょう。

 昨日は大変混み合い待ち時間も長くなってしまい、申し訳ありませんでした。インフルエンザが流行ると時々混み合うことがあります。5年前から電話予約を取り入れていますが、今の時期は予約外の患者さんも多く、どうしても混み合ってしまいます。
 それでも予約なしの頃と比べれば待ち時間は短い方です。よく、「具合が悪いので早く見てほしい」といわれますが、具合が悪いのは皆さん同じですので、やはり順番は守って下さいね。本当に今すぐ見なければならない重症の人はすぐ診てますよ。

 これも昨日の話題ですが、岩手日報朝刊の第1面に「小児科医数 本県が最少」という記事が載っていました。人口10万人あたりの小児科医数が岩手県は全国最小ということでした。イヤー、驚いた。多い方ではないと思っていたけど最少とはね・・・。
 岩手県の場合、盛岡市に医療機関が集中していますので、岩手県としては全国最少でも、盛岡市に限っていえば最少ということはないです。地方での医師の偏在、救急医療の整備、など、今の医療は多くの問題を抱えています。

 本日は夜間診療所の勤務でした。今帰ったところです。7時から11時まで、54人の患者さんが受診しました。吐いたり、下痢したりの急性胃腸炎と、高熱のインフルエンザが多かったです。もう、盛岡市も「インフルエンザ流行中」になりましたね。
 今日は昼の当番医も混んだようです。「当番医の待ち時間が3時間といわれたので、少し待って夜間診療所にきた」という人が結構いました。診察しながら「夜間診療所にきてどのくらい待ちましたか」と何人かの人に聞いてみましたら大体30分〜1時間ということでした。4時間で54人なら、マアマアの待ち時間でしょうか。花巻市と八幡平市からも患者さんがきました。やはり夜間帯は小児救急のできる医療機関がないようです。どちらも軽症でしたので、お休み中の処方をしてまた、かかりつけ医を受診するようにお話ししました。気をつけて帰ってね。

2007年12月20日(木)
インフルエンザ地域的流行

 先週後半くらいから、当院の周辺ではインフルエンザの患者さんが増えてきました。いつもは幼児(保育園・幼稚園)が目立つんですが、今年は小学生が多いですね。仙北小は先週の金曜日(12/14)くらいから急に増えてきました。

 今週の初めに、校長先生と養教の先生が、わざわざ当院までいらして児童の欠席状況についてご報告されました。(火)、(水)と欠席数は横ばい状態でしたが、本日(木)はちょっと増えました。今日、明日と午前授業だそうですので、何とか学校閉鎖しなくてもよさそうですが、ギリギリのとこですね。早く冬休みになればよいです。
 インフルエンザだけで欠席しているわけではなく、お腹のかぜ(急性胃腸炎)も結構います。

 仙北小では、今年、校長先生も養教の先生も新しく替わられました。私も今年から仙北小の学校医になりました。ここ数年のインフルエンザの傾向を見ると、仙北小より本宮小の流行が早く規模も大きく、仙北小は小流行にとどまることが多かったのですが、今年はチョットいつもの年と違います。メンバーが替わったからかな?

 小学生のインフルエンザのお子さんには、殆ど、リレンザを処方しています。治りは早いですね。2日くらいで皆さん解熱してよくなってるようです。仙北小はワクチン接種しているお子さんが多いようで、きちんと2回接種しているお子さんは殆どかかっていないようです。今シーズンが終わったら集計してワクチンの有効率を検討します。
 ところで、今日受診したインフルエンザのお子さんは、昨晩熱でうなされたようでした。「ミサイルがとんでくるとか・・・。」うわごとをいって、お母さんは、とても心配されていました。
もちろん何も薬は飲んでいませんよ。

 タミフルがどうのこうのいう前に、インフルエンザに罹れば、「うわごとを言ったり、ふらふら歩いたりする。」ようないわゆる“熱性せんもう”という症状がよくみられるということを、認識して下さい。マスコミもこの辺まで報道してほしいモンですね。

 インフルエンザに罹ったら、原因が、“熱性せんもう”か、“脳症”か、“タミフルの副作用”か、は別として、そのような異常行動・言動がみられることがあると注意することです。

2007年12月13日(木)
インフルエンザワクチン、入荷!

 今週初めには、ワクチンがなくなりそうでしたが、また、入荷しましたので、しばらく余裕を持って接種できそうです。

 盛岡市では、11月7日に
今年最初のインフルエンザの患者さんが発生しましたが、それから、もう1ヶ月以上たちます。「流行しそうで、あまり流行していない。少し流行っている地域もあれば、全然流行っていない地域もある。」という感じです。
 全国的にもそのような傾向です。インフルエンザの流行は本当にわからないですね。大体なぜ冬に流行るかということもわかっていないわけですから、今、私たち医療機関にできることはできるだけ多くの人にワクチンを接種することと、インフルエンザと診断したら、他の人に移さないように早めに封じ込めることです。

 早く冬休みになればいいですね。今はAソ連型が流行していますが、いずれ、A香港も流行すると思いますよ。年明けかな?。ワクチンは12月中にはすませましょうね。

 今まで、1日1〜2人のインフルエンザの患者さんでしたが、昨日は3人診ました。仙北小、本宮小でも患者さんが発生してきましたので、そろそろ要注意ですよ。

2007年12月11日(火)
インフルエンザワクチン、そろそろ底をつきそう。

 12月8日〜9日、横浜で開催された「日本ワクチン学会」に出席してきました。ワクチンの最先端の話題ばかりです。何年かすると今では考えられないようなワクチンができてくるかもしれません。

 最新の話題はさておき、今年はインフルエンザワクチンの接種が忙しいです。流行も早く、実際に、インフルエンザのお子さんを毎日1人〜2人見るようになりました。昨日は大宮中学校一年生、今日は南仙北保育園のインフルエンザ患児を診察しました。
 でもなかなか一気の流行までは至らないですね。とにかく早めの封じ込めをすることです。何とか、冬休みまでに流行を阻止すればワクチンが間に合いますので、あと2週間頑張りたいです。

 当院では、インフルエンザが疑わしかったり、インフルエンザと診断すれば、他の患者さんと隔離しています。帰る時も玄関ではなく勝手口から退出してもらっています。少しご面倒とは思いますが、感染を広げないようご協力お願いします。おかげさまで、今のところ院内での感染はありません。


 マスコミはワクチン接種を呼びかけており、十分なワクチンが供給されるように報道していますが、医療現場ではそろそろワクチンが不足してきています。
 厚労省は本当にワクチンが必要と思うなら、国民全員が接種できる量を用意すべきであり、公費負担で接種すべきではないかと思います。毎年ワクチンが足りなくなったり、余ったり、これでは民間企業、医療機関は対応できません。国を挙げてのインフルエンザ対策が必要です。

 ところで、インドネシアや南京で、鳥インフルエンザが人から人へ感染するようになった疑いがあるという報道がありました。いよいよ新型登場か?。
 普通のインフルエンザでも大変なのに、これに新型が発生となると、もうパニックですよ。一刻も早く新型対策を具体化しなければならないです。地方自治体が頑張る時ですよ。

2007年12月5日(水)
インフルエンザ流行?!

 今日の新聞に載ってましたね。「インフルエンザ流行開始、過去20年最も早く」と、全国的には確かに早い地域もありますが、まだ殆ど発生していない地域もありますので、これからどうなりますか・・・。

 盛岡市では、平成8年〜9年のシーズンに12月上旬から流行しましたので、過去20年で最も早いと言っていいのかどうか?。この時は冬休みになったら、ピタっと流行が終息し、1月以後は殆どインフルエンザの患者さんを見ませんでした。当時は検査も治療薬もなかった時代ですから、アッという間に拡がりましたが、現在は早期診断・早期治療ができますので、いきなり大流行ということはないと思います。流行は徐々に拡がっていきそうです。
 流行が拡がりそうな時に、一斉に冬休みになれば流行を阻止できるのではないかといつも思っておりますが、どうでしょう?!

 早い流行が大流行につながるなんていう根拠はありませんが、最近の傾向を見ると、春過ぎまで長々と流行が続くことが多いですね。ある程度の人口が免疫を持つようになるまでインフルエンザは暴れるようです。ワクチンは通常12月中にすませれば間に合いますが、今年は少し急ぎましょう。当院でも予定を繰り上げて接種しています。
多分今年も春過ぎまで流行は続くでしょう。

 当院では、11月30日に今年最初のインフルエンザの患者さんを診察しました。その後、毎日1〜2名くらい診ております。本日まで5人のインフルエンザの患者さんを診察しました。皆さん割りと軽症でした。

 今日診たインフルエンザのお子さんは、他の医療機関を受診中でしたが、熱が下がらないため、当院を受診しました。結構元気でしたので、少しこじれた風邪かな?そろそろ治る頃ではないのかな?と思いましたが、お母さんが毎日の熱をつけてくれていましたので、それを見ましたら、2日くらい高熱が続き、一度解熱して、また、高熱になっていました。いわゆる2峰性発熱(アルファベットのM型)です。このパターンはインフルエンザ、特にA型でよく見られます。ということで調べてみたら、案の定、A型インフルエンザでした。、発熱から、4日たっていましたし、元気でしたしのでタミフルなどは処方せず、経過を見るようにしました。

 A型インフルエンザの発熱期間は抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザ)を使わなければ、4〜5日ですので、そろそろよくなることと思います。このお子さんの場合は軽症でしたが、みんなが軽症というわけではありませんので、やはり、ワクチン接種をしましょう。そして、手洗い、うがい、マスクを忘れずに!。

2007年11月23日(金)
インフルエンザワクチン繰り上げ接種

 今年は流行が早そう?。確かに北海道、東京、千葉、神奈川、あたりでは結構患者さんがでてますね。福島市でも小学校の学級閉鎖がありました。

 例年は、12月になるとワクチン接種する人が多いんですけど、今年は少し早く接種した方がよさそうです。毎年予約制で接種してますが、12月3日以後に予約された方には、11月26日から接種することにしました。

 忙しい時期に、ワクチン接種が重なり、外来は混雑すると思います。毎週水曜日午後2時30分〜3時30分はインフルエンザワクチンのみ受付けております。今のところ、この時間帯は余裕がありますので、この時間帯に受診されるようお勧めします。

2007年11月19日(月)
インフルエンザ流行?!

 先週初めに小学校2年生のインフルエンザの患者さんが発生したと思ったら、今日また幼稚園児3名がインフルエンザに罹ったという報告がありました。

 今年は全国的に流行が早そうですね。厚労省の報告では、既に、全国の保育所、幼稚園、小中学校で学級閉鎖は78施設になっています。都道府県別にみると、北海道41、東京都8、千葉、神奈川両県5などです。
 この時期では過去10年間で最多とのこと。患者数も4日までの1週間で、首都圏を中心に1217人に達し、例年より1-2カ月早いペースです。

 検出したウイルスの型は「Aソ連型」が目立っているということです。インフルエンザの主役(?)は、なんと言っても「A香港型」です。「A香港型」の流行しないシーズンはまずありませんので、本番はまだまだこれからです。年内にはワクチン接種をすませるようにしましょう。

2007年11月18日(日)
カゼが流行

 最近少し忙しくなってきました。毎年11月〜12月は、いわゆる“カゼが流行”します。「熱の高いカゼ」、「吐いたり下痢したりするお腹のかぜ」、「ゼイゼイする呼吸の苦しい喘息のようなカゼ」、等々とにかくこの時期はいそがしいですね。
 さらに今年は、季節はずれの夏かぜ、手足口病や、プール熱もまだ見られています。溶連菌は、急に増えてきましたし、マイコプラズマ肺炎もこれからが本番です。「夏のおたふく、冬の水痘」といいますが、水痘は増加中、おたふくも結構見ます。
 少し待ち時間が長くなっていますが、スタッフ一同、精一杯診療に励んでいますので、ご理解下さい。

 ところで、先日インフルエンザワクチンを接種した中学生のお子さんに、学校の先生が、「今、接種したんじゃ3ヶ月しか持たないから受験まで持たない。」なんてことを言ったそうです。直接聞いたわけではないので、詳細はわかりませんが、もし本当にそんなことを言ったなら問題ですよね。多くの医学文献では、インフルエンザワクチンの効果は『5ヶ月は持つ』と言われています。ただ、ワクチン接種に反対する人たちははっきりした根拠なく、有効期間を短く話したりしています。こういう記事でも見て話したのでしょうか。うかつな発言は周囲に誤解を与えます。気をつけて下さいね。

 今年は、盛岡市でも、もうインフルエンザの患者さんが発生しています。
北海道や東京では学校閉鎖も行われています。となると今年は流行が早い?大流行になる?なんて言ってる人もいますが、ホントかな?。確かに流行は早いかもしれないけど、大きな流行になるのかな?。

 最近のインフルエンザの流行は大きな流行はないけれど、そのかわりダラダラと長く続いています。なぜかよくわかりませんが、やはり、早期診断、早期治療ができるため一気に大流行はしないのでしょう。でもある程度の人口が免疫を持つようになるまで流行が続くような気がします。
 マスコミがワクチンの記事を報道すると急にワクチン接種する人が増えます。マ、流行は早くても結構長々と続くでしょうから、年内に接種をすませればよいと思いますよ。

 今年はタミフルは昨年の半分の出荷量とのことです。異常行動を気にして使用する人が少なくなるためとかいってますが、大丈夫かな?。チョット規模の大きい流行だとたちまち不足するのでは?。いろいろ心配の種は尽きません。

 今日は市内でも雪が降り始めました。そろそろタイヤ交換しよう。

2007年11月12日(月)
インフルエンザ

 今年もまた、やってきました。11月7日に成人のインフルエンザA型が発生しましたが、本日は、小学校2年生がやはりA型に罹患しました。今年は全国的に流行が早そうです。北海道ではもう学校閉鎖が行われています。

 いつも、この時期になると新型インフルエンザの話題が報道されてきますが、最近、少しトーンが下がってきたように思います。近々出現すると言われて数年になりますが、今のところ、鳥インフルエンザの段階です。しかし、いつ出現するかわからないと言うことは本当に怖いことです。

 10日(土)に盛岡駅西通りのアイーナホールで、盛岡保健所主催の「新型インフルエンザ講演会とシンポジウム」がありましたが、相変わらず具体的な対策は進んでいないようです。おそらく大多数の人たちは新型インフルエンザといってもピンとこないかもしれません。医師の中にもインフルエンザに毛の生えた程度くらいにしか思っていない人もいます。とんでもないことです。むしろ新型インフルエンザは名前は同じでも「インフルエンザとは別の重症な疾患」と考えた方がよいくらいです。詳しくは新型インフルエンザ をご覧下さい。

 新型が発生してもすぐ診断できません。「エッ、キットがあるでしょ?」と思われるでしょうが、現在の検査キットは、A型か、B型かの区別がついても、新型(おそらくH5N1)か、毎年流行しているH3N2、H1N1かの区別はつかないのです。(新型専用のキットが開発中ですが、まだ時間がかかりそうです。)
 新型に罹った人が、新型とは知らずに普通に行動すれば、アッという間に拡がります。新幹線に乗ったら同乗者が感染し全国に広げることになります。
 新型の確定診断には2〜3週かかります。その間、新型を疑われた患者さんは指定病院へ入院を勧められることになっていますが、強制ではないため、自宅待機でもよいことになっています。これではまず感染の拡大を防ぐのは無理でしょう。でも強制入院では人権問題が関わってきます。というわけで初期での封じ込めはかなり難しいです。

 新型が発生したら、地域ごとに発熱者(新型インフルエンザによる発熱患者)を診る施設を作ると言うことですが、新たに診療所を設けるには届け出が必要で、法的規制のため、すぐにはできないようです。となると一般診療所に患者さんは受診しますが、やはり重症ですので、指定病院へ紹介されます。おそらく、ベッドは瞬く間に満床になってしまうでしょう。そこで、体育館のような公共の施設を新型インフルエンザ専用病棟にする案も提唱されていますが、具体的な施設はまだ決まっていません。とうわけで、入院できない人がたくさん出てきます。

 そのうち、社会的機能維持者(消防、警察、自衛隊、電気、ガス、水道、食料供給、通信、交通など)や医療従事者などが新型に罹ってしまえば、もう大変です。
 電気がつかない、水がでない、ガスも使えない、スーパーに行っても物資が入ってこない、救急車も出動できない、おまわりさんがいないから治安が悪くなる、医者も倒れて具合が悪くても行くところがない。というふうになってしまいます。
というわけで、
新型インフルエンザのパンデミックが起きると
・世界中の20〜30%の人が感染するだろう。
・世界中で莫大な数の人が死亡するだろう。
・社会機能がマヒするだろう。
・経済的損失は2兆ドル(米:世界銀行の試算)
といわれています。

新型インフルエンザ対策の前提
 新型インフルエンザの出現は世界同時多発バイオテロといって過言ではないです。地震や津波のような災害と違って、どこからも応援は期待できないです。
 したがって地域ごとの対応が求められます。地域とは、市町村、病院、診療所、保健所などです。

 アメリカのブッシュ大統領は「政府はパンデミックに備えるために多くのことをするが、個人の行動・責任があらゆる対策を成功に導くために必要である」と演説しています。

 日本の政府は新型インフルエンザについて危機意識が希薄です。首都圏直下型地震による死亡者予測は、1万1千人といわれています。しかるに、新型による死亡者数予測は中程度で17万人、高度なら64万にといわれています。
 新型対策についてもっと、真剣に取り組む姿勢を示し、国民へ積極的に働きかけるべきです。

 また、市〜県〜国の連携は必ずしもよいとは言えず、行政間の垣根を越えて協力しなければ何一つ対策ができそうにありません。

 結論として、明日出現するかもしれない新型インフルエンザに対する備えは極めて脆弱です。新型インフルエンザは医療、行政だけで対応できるものではありません。一人一人が自分の問題として対応策を考えておくことが必要です。

2007年10月31日(水)
海水魚













































 小さな水族館 なんていってますが、マ、いわゆる水槽です。当院の待合室の水槽には海水魚がたくさん泳いでいます。開院以来12年間でだいぶメンバー(?)も変わってきました。
 
 海水魚の飼育はなかなか面倒です。自分一人では自信がないので、定期的に海水魚に詳しい人にメインテナンスしてもらっています。私の仕事は水槽の清掃と時々新入りの魚を探してくることです。海水魚同士にも相性があって、共存できる魚と、そうでない魚がいます。大体の傾向はわかるのですが、時として全くあわない同士を一緒に買ってしまうことがあります。実は今回がそうなんですよ。

 一般に、魚たちは水槽のなかでなわばりを持って生活しています。そこに新しい魚がくるとなわばり争いになりますので、普通は相性のよい魚同士でもけんかになることがあります。生活空間が違ったり(例えば水流の遅いところを好むとか、水底を好むとか)、また、大きさが違ったりすればよいようです。どうも同じくらいの大きさだとケンカしそうです。

 そこで、今回は、少し小さめなネオンダムセルと、水底をはい回るサラサゴンベ、キャメルシュリンプと、少し大きめなクマノミを買ってきましたが・・・。
 少し小さめなネオンダムセルは、小さいせいか、あまり相手にされず無事環境になじんできました。水底をはい回るサラサゴンベも、他の魚とは少し生活空間が違うのでこちらも大丈夫です。キャメルシュリンプはおとなしく、魚と共存できるはずですが、どうも新しい環境になれることができないみたいです。

 一番問題なのはクマノミ!これは強すぎる!珊瑚はひっくり返す、砂は吹っ飛ばす。とにかく暴れん坊です。こいつを中に入れたら今までの魚がやられてしまいそうなので、水槽を隔離して飼うことにしましたが、チョットやソッとでは大人しくなりそうにもなりません。

 というわけで、クマノミのために小さな水槽を用意しました。小さい水槽にはアサリ貝が入っています。よく水槽を見てくれるお子さんが「アッ、貝を飼っている。」なんて言ってましたが、アサリ貝を飼っているのではありませんよ。水を作るというか、海水魚が生活しやすい水の環境を作っているところです。3〜4週間かかりますが、それから、クマノミを移そうと思っています。うまくいったらイソギンチャクとクマノミを共存させようかとも思っていますが、うまくいくかどうか、1ヶ月くらい後を楽しみにしていて下さい。

2007年10月21日(日)
講演会(?)

 講演会というほどではありませんが、今日は、仙北小学校の日曜参観日でした。校長先生から、機会があれば「インフルエンザの予防」の話をしてほしいというお話しがありましたので、早速、本日行ってまいりました。
 
 今年から仙北小学校の学校医を担当しておりますが、小さい頃から診ていたお子さんたちが結構おります。4月に健康診断で行った時には、「お久しぶりです。」と挨拶されました。少しうれしかったですね。みんな成長しています。
 
 講演と言うほどの大げさなものでもなく、わずか15分でしたし、どうもマイクの声がホールに響くせいか、自分の声も聞きにくかったです。少しわかりにくかったかもしれません。インフルエンザの予防は『日頃の予防とワクチン』というような内容です。よろしかったら、インフルエンザ特集 をご覧になって下さい。どんどん質問して下さい。できるだけお答えするようにします。

 講演の後、クリニックに立ち寄りましたら、アラマ?ネット予約が不通になっているではありませんか。実は先週の日曜日も一時不通になりました。なぜ?、担当の業者の方がすぐきてくれて、復旧しましたが、わずかの時間とはいえ、ご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした。近々再点検します。どうもITは難しい。

2007年10月8日(月)
インターネット予約その2

 無事10月4日からインターネットの予約もできるようになりました。初日から結構ご利用されているようでした。まずは順調です。5年前に初めて電話予約を開始した時は混乱して大変でした。でも、だんだん予約の良さがわかっていただいたようです。予約をすると心に余裕ができます。あせらず受診できると思います。

 来週の月曜日(10月15日)からインフルエンザワクチンを開始します。もう西日本の方ではインフルエンザの患者さんがでてるようですね。沖縄県、静岡県、長崎県、などで見られています。過去5年間の同時期としてはかなり多いとのことです。当院では、昨年は11月の中旬に最初のインフルエンザのお子さんを診察しました。今年はどうでしょうか。できれば流行しない方がよいですよね。

2007年9月24日(月)
インターネット予約

 最近は、インターネットが普及してきて、いろんな情報がすぐわかるようになりました。とても便利な反面、あまりに情報過多でもあり、困惑することも多いように思います。特に医療にかんする情報は、「どうかな?」と首をかしげたくなるものも散見します。

 マッ、それはさておき、当院でもやっと「インターネット予約」を行うことにしました。「電話予約」を開始したのは平成14年の11月からですので、5年くらいになります。そのころは、インターネット予約は殆ど普及しておりませんでした。今でもそんなに普及しているわけではありません。そりゃそうですよ。予約をしようと思った時、わざわざパソコンを立ち上げて予約するより電話をかけた方が早いですモンね。

 でも、最近は携帯電話もかなり普及してきましたし、パソコンや携帯の画面から予約の空き状況がわかるようになってきました。当院で電話予約を開始した5年前はインターネット予約ができても、パソコンや携帯の画面で予約の空き状況を見ることができませんでした。それが、現在は簡単にできるようになりましたので、インターネット予約を開始することにしました。
10月4日からですので、どうぞご利用下さい。

2007年9月17日(月)
お八幡(はちま)さんのお祭り

 少し雨はやんだようですが、あちこちで水害がでてるようです。こんなに降るなんて珍しいですね。

 9月13日〜16日は「お八幡(はちま)さんのお祭り」でした。このお祭りは、1709年(宝永6)9月14日、南部藩の街造りが完成したのを祝って始まったそうです。とても伝統があるお祭りです。夏のさんさ踊りは30年くらい前から始まりましたので、私が子供の頃の盛岡のお祭りといえば、これ、「お八幡さんのお祭り」でした。八幡さまの境内には露天が並び、お化け屋敷なんかもあったりして、とても楽しみでした。
 でも、なんと言っても山車(だし)ですよ。山車の印刷されている紙(ポスター?)、あれを集めるのが趣味(?)でした。たくさん集めましたよ。でもよく見ると毎年同じようなものがありました。それでもお宝でしたね。

 昔と比べると山車は小さくなりました。交通量も増えたから仕方ないかな。正面で太鼓をたたいている子供たちも昔は2段構えでしたが、今は1段です。少子化のためではないでしょうが、やはり山車は小さくなった。しかし、何年たっても、太鼓の音、笛の音、山車が動く時の“ギー”という音、音頭あげ、何もかも懐かしく郷愁を誘います。
 しかし、交通渋滞も問題ではありますね。今は車も多くなって、車を使う仕事の人にとっては、いい迷惑かもしれません。4日間だけ何とか我慢してちょうだい。

 このお祭りが終わると盛岡は本格的な秋です。これからは日増しに寒くなります。前回も書いたけど、
September Attack(9月の発作)は、まだまだおさまらないです。今、夜間診療所から帰ったとこですけど、喘息のお子さんたち結構来ました。
 遠野市から電話があったお子さんは少し具合が悪そうでしたので、来院してもらいましたが、やはり点滴必要でした。でも点滴後は少し元気になって帰宅しました。途中雨のため通行止めがあったりして、盛岡まで1時間以上かかったそうです。今は雨が上がってますけど花巻あたりは、まだ降っているみたい。気をつけて帰ってね。
 もう一人、しばらくぶりに発作を起こしてきたお子さんは、点滴したけどイマイチでしたので、二次輪番病院(入院受入病院)に紹介しました。早く退院できるといいです。

 明日は2連休後ですので少しいそがしいかな。日付も変わりましたので、お休みなさい。















































2007年9月11日(火)
喘息と9月

 まだ、日中は少し暑いと感じることもありますが、朝晩は涼しくなりました。8月のお盆を過ぎれば盛岡はもう秋と言ってもいいくらいです。
 この時期9月は、
September Attack(9月の発作)といって、一年で一番、気管支喘息発作の多い月です。普段から治療しているとそんなに心配ありませんが、カゼをひいたりするとゼイゼイしやすいお子さんは要注意です。今は喘息の治療が格段に進歩してきているので、あまり点滴をすることもなくなりましたが、本日は久々に3人もひどい喘息発作のために点滴治療しました。きちんと薬を飲んで、早くよくなってね。

 喘息の治療をしていて、「いつまで治療が必要ですか」とよく聞かれます。喘息は慢性疾患ですから、なかなかはっきりとご回答できないこともあります。でも、この辺が曖昧だと患者さんもいろいろ不安になってくるんでしょうね。できるだけわかりやすいご説明を心がけていますが、わかりにくい点は何回でも聞いて下さい。それが自分の勉強にもなりますのでね。

 昨日(10日)から、インフルエンザ予防接種の受付を始めました。昨シーズンはタミフル騒動で大変混乱しました。厚労省は秋までには調査結果を公表すると言っていますが、シーズンに間に合うかな?。
 「10代未成年での原則タミフル禁止」はおそらく変わらないだろうから、特にこの年代はワクチンを接種しておいた方がいいですよ。近々「インフルエンザ特集」を掲載しますのでよく読んでください。

2007年9月3日(月)
新型インフルエンザワクチン?

 9月1日、新型インフルエンザワクチンが承認されたという報道がありました。良かった?。でも、まだ新型が登場していないのに、どうしてワクチンが先にできるの?。

 ワクチンはその目的とする菌(ウイルス)に対して作られますので、まだ新型が登場していないので作ることができないのです。では、何ができたのでしょうか。今、話題になっている鳥インフルエンザH5N1型に対してのワクチンです。新型はこのH5N1が変異して生ずると思われていますから、少しでも似たものということで作られました。
 実際どのように変異して現れるかわからないので、どのくらい効果があるか未知数です。とはいえ、何もないよりは良いです。

 毎年流行するインフルエンザ例えば、A香港型(H3N2)や、Aソ連型(H1N1)も毎年少しずつ変異するように、H5N1も少しずつ変異しています。今回できたワクチンは、2004年頃流行していたH5N1に対して作られました。現在見られているH5N1とは少し違いますので、ますます効果のほどが・・・。

 1千万人分〜2千万人分くらい用意されるようですが、日本の人口を考えれば十分な量とはいえないでしょう。本格的な新型に対するワクチンは、新型が登場してから作られますから、それまでの間大変です。

 ワクチン接種の対象は、「社会機能の維持に不可欠な人々」に緊急接種するとなっていますが、これは新型が流行すれば水道や、電気など、いわゆるライフラインが滞る恐れがあるからです。

 新型は、もはや医療従事者だけでは防げません。行政と医療が緊密に対策を練って、患者搬送先、集会の自粛、学校などの休校(園)、等々を早急に議論しなければならないところまで来ています。

2007年8月19日(日)
ソバアレルギー

 お盆は近場に少し出かけたくらいでのんびり過ごしました。17日から診療開始しましたが、まだ帰省中の方も多いのでしょうか、あまり混み合うこともなく静かな1日でした。そろそろ終わろうかという頃、「ソバを食べたら、かゆくなって具合が悪くなった」という電話が入りました。青森から盛岡に行楽に来ていたお子さんです。最初ソバ入りのお菓子を少し食べたら、喉がイガイガしてきたそうです。大丈夫と思って天ぷらソバを食べたら、今度は咳払いをするようになり、「もしや、ソバアレルギー?」と思い、車のナビで当院を捜して受診されました。どうもありがとうございます。

 受診時に、2〜3回嘔吐し、少しグッタリしていましたが、全身のじんましん以外には、特に喘鳴なども見られず、アナフィラキシーショックにまでは陥ってませんでした。今までにもソバは普通に食べているとのことでしたので、だんだん抗体が高まって感作されてきたのでしょう。

 食物アレルギー の症状で一番多いのはじんましんですが、喘鳴、呼吸困難、全身のじんましん、顔面浮腫、結膜充血、著しい鼻閉、嘔吐、下痢、等々の多臓器にわたる重症な症状がみられるようになるとアナフィラキシーといいます。
さらに、血圧低下するような循環器障害が出現しますとアナフィラキシーショックといって、救急処置が必要になってきます。このお子さんの場合、軽いアナフィラキシーで、ショックまでは至っておりませんでしたが、一度起こしたアナフィラキシーは数時間後また出現することがあります。

 なれない土地で不安な夜を過ごすよりは、少し様子を見て、必要なら入院した方がよいかなと思い、二次輪番病院をご紹介しました(担当の先生ありがとうございました)。こちらもナビで場所は確認できたようです。

 もう元気になって青森へ帰られたと思いますが、旅先で病気になると本当に心配ですよね。ゴールデンウイーク、お盆、お正月には、他県からの患者さんが多く受診されます。今回は久しぶりに津軽弁を聞くことができ少し懐かしく感じました。
 しかし、ナビは便利ですね。私の車には、ついてませんが(〜年以上前の車ですので・・・)、今度車を買う時はナビつきにしよう。ン?殆どの車に着いてるの?

2007年8月6日(月)
竿燈と下浜海岸

 8月4日〜5日、秋田に行って来ました。いつもいっている床屋さんから、「秋田の海は波がおだやかで、水温も高くお勧めです。」といわれてましたので、チョット遠いけど今年は秋田へ海水浴に行くことにしました。

 1ヶ月くらい前にホテルを予約しましたが、どこも満員でした。それもそのはず、この日は竿燈の真っ最中でした。別に竿燈は見るつもりはなく、海に行くことだけを考えてましたが、イヤ、何とか予約できてホッとしました。現金なもので、宿が取れたとたんに、思いがけず竿燈も見ることができるというので、とても楽しみになりました。実は一度も竿燈を見たことが無かったので、「ラッキー!」という心境でした。

 8月4日、台風5号!とんでもないのがやってきた。朝のニュースで竿燈は中止になったとのこと。エーッ!せっかく楽しみにしていたのに・・・。しかし、今更予定変更するわけにもいかず、もともと海水浴に行こうと思っていたんだからいいかと、気を取り直し、午後2時車で盛岡を出発しました。途中、仙岩峠は土砂降りで大変でした

 秋田に着いたら、竿燈は昼の部は中止になったけど、夜の部はもう少し天候を見てから最終決定ということでした。少しでもいいから、やってくれと思っていたら、風が強いけども決行とのこと、再び、「ラッキー!」

 しかし、観客のすごいこと、さんさ踊りも大勢の人で賑わいますが、竿燈もすごい人出です。竿燈は、手、肩、腰、額などで支えながら持ち上げますが、イヤ、たいしたものです。よほど練習しなければできないでしょう。たくさん写真を撮りましたが、興奮してあまりうまくとれませんでした。

 当日は風が強く竿燈が揺れると倒れそうになります。目の前に倒れそうになった竿燈が迫ってきた時は迫力があります。チョット怖かったですね。でもきちんと持ち直して支えています。竿燈は芸術的なお祭りです。感動しました。

 そして、翌日小雨交じりの天気でしたが、気温は温かく、サア、海水浴と張り切って下浜海岸へいきました。シーズン中は交通ラッシュとのことでしたが、殆ど混み合うことなく下浜へ到着しました。が、どうも、人の気配がない。海水浴場の歓声が聞こえない。もしかして・・・。赤旗!エーッ!なんと「遊泳禁止中」の赤旗がなびいているではありませんか。せっかく、盛岡から来たのに、130kmも車で来たのに・・・。

 数人の若者が浜辺ではしゃいでいるだけで、殆ど人影無し、交通ラッシュになるわけないな。台風一過の影響で、確かに波は荒い、高い、怖くなるような海です。こんなとこで泳ぐ人はいないな。子供たちと30分くらい足を浜辺にピチャピチャしておしまい。海の家のおばさんからは、「来年もどうぞいらして下さい。」といわれましたが・・・。

 思いがけず竿燈が見られたのは、よかったですが、海水浴は残念でした。お盆休みになったら近くのプールにでも行こう。帰る途中、秋田の道の駅へよったら、患者さんのご家族とお会いしました。こちらは予定通りの旅行だったそうです。チョッピリうらやましい。



































































2007年8月2日(木)
冷房と地球温暖化と健康

 やっと、盛岡も梅雨明けしましたね。でもまだ、蒸し暑い感じです。暑くなるとどうしてもエアコン(昔はクーラーといってたような気がする。)をかけてしまいます。とっても涼しくて気持ちよいのですが、果たして、エアコンは体によいでしょうか。私が子供の頃は扇風機でしたが、結構気持ちよかったですよ。エアコンが悪いとはいいませんが冷えすぎは禁物です。

 早稲田大学スポーツ科学部教授の彼末(かのすえ)一之先生は、「地球温暖化は加速度的に進む一方、自律性体温調節の低下した人が今後、増えてくることが予想されます」とお話しされています。また、
「人は3歳までに、汗をかくといった自律性体温調節機能を獲得します。しかし、昨今では夏は冷房、冬は暖房と、空調の行き届いた空間で育つ子供が多く、そのため、自律性体温調節機能は低下している可能性があります。地球の温暖化の人体への直接の影響はすぐには出ませんが、温暖化の勢いは増すことが予想され、自律性体温調節機能の劣化が進む人類にとって将来は暗いと言わざるを得ません」と危惧しております。

 暑さから逃れるために使用するクーラーの排熱は、局所的な気温の上昇をもたらすヒートアイランド現象の要因となります。また、冷房の効いた室内にいることで、自律性体温調節機能が損なわれ、室外に出れば、体温調節ができず、暑さを避けるために、冷房の効いた室内に入るという悪循環に陥いることになります。その結果、新陳代謝の低下した不健康な人間になってしまいます。ですから、あまり、冷暖房に頼らず、普段からある程度の気温の変化に適応できるように体を慣らしておく必要があります。それが今後進んでゆく地球温暖化への対策にもなるわけです。

 彼末先生は、「自律性体温調節の機能は使うことが大切です。つまり暑熱、寒冷にさらされることが一番です。極端な例は困りますが、暑熱適応、寒冷適応が求められます。」と解決策を示しています。
 人は暑さ、寒さを甘受する忍耐力を持つことが必要だと認識する必要がありそうです。

 マア、夏は少し汗ばむくらいがちょうどよいのではないかと思っています。特に赤ちゃんは新陳代謝が活発ですから、少し、アセモが出るくらいでもいいんじゃないでしょうか。
 当院の冷房はかなり控えめです。少しでも自然の風を入れるようにしています。が、ときどき効き過ぎている時があります。涼しいと思ったら要注意です、そういう時は受付なり、看護師になり「冷房効き過ぎ」といって下さい。私にでもいいですよ。

2007年7月22日(日)
手・足・口病

 冬にインフルエンザが流行るように夏には「夏かぜ」が流行ります。ところで、一口に「夏かぜ」といってもいろいろ種類があります。よくみられる夏かぜのBig3といえば、 手・足・口病  ヘルパンギーナ  咽頭結膜熱(プール熱)  でしょうか。流行の程度に差はあるものの毎年見られる夏かぜです。

 手・足・口病、ヘルパンギーナは、目で診て診断がつきます。プール熱は、検査キットがありますから割と診断は容易です。殆ど軽症ですけど、熱が続く時は元気がなくなりますね。

 このごろ、診察している時に「いつから保育園に行ってよいですか」ということを、よく聞かれます。先日もそのようなメールをいただきました。

K・Sさんからの



 保育園に通っている子どもが手・足・口・病に罹りました。お医者さんは「元気なら通園してよい」といってくれましたが、保育園では「湿疹が治って、移らなくなってから」といわれました。湿疹が消えるまで何日くらいかかるのでしょうか。他のお子さんは湿疹が出ていても通園してるようですが、・・・。





 メールありがとうございます。病気のご質問については医師によって、いろいろ考え方の分かれる事もあり、一般論でお答えしております。今回のご返事もそのようにご理解されるようお願いします。

 さて、手・足・口病ですが、エンテロウイルスや、コクサッキーウイルスが原因ウイルスです。多くの場合、軽症で、湿疹、口内炎以外の症状がみられないことが殆どと思います。手・足の湿疹は、通常1週間くらいで消えますが、それ以上かかることもあります。
 また、体内からウイルスが排出される期間が長く、咽頭(のど)からは2週間、便からは4週間くらい菌がでています。この期間は感染する可能性が高いということになります。しかし、もともとが軽症な疾患ですので、元気のよい子を長期にお休みさせるのはどうかと思います。
 ただ、咽頭からの感染が強いので、高熱が続いていたり、口内炎がひどくて食事ができないような時は、お休みすべきと思います。そうでなく、発熱もなく、食事もきちんと食べられて、元気もよければ、「湿疹だけを理由に、あえてお休みしなくてもよい」というのが、小児科医の一般的見解です。

 軽症が殆どといっても、稀に重症化するタイプもありますので、高熱が続くような時は、注意は必要です。

 数年前に、盛岡市の保育園の代表者と、小児科医との間で感染症(人に移る病気)の休園期間について話し合いを持ったことがあります。その時に上記のようなお話しをしましたが、年月が経るにつれて担当者も変わり、内容がよく伝わらなくなってきたのかもしれません。 

2007年7月16日(月)
フランス革命

 選挙が近くなると賑やかになりますが、いわゆる公約というのはどのくらい守られているのでしょうか。日本の政治家は、個人的な問題で報道されることが多いようです。悪い政治家ばかりではないと思いますが、どうも私利私欲に走る人が多いように感じます。

 7月14日はフランス革命がおきた日です。高校生の頃に、「世界の3大市民革命」は、イギリスの清教徒革命、フランス革命、アメリカの独立革命と習いました、これは、市民が自らの力で古い悪習を廃止し、新しい民主主義国家を打ち立てたと評価されたものです。特にフランスの三色旗に示される自由・平等・博愛の精神は、民主主義のシンボルともいえるものです。市民の代表が政治をになうようになったわけですが、日本には市民革命はあったのかな?

 明治維新は市民革命なんだろうか。薩長が徳川から政権を奪還しただけで、士農工商の士だけによる改革だったように思えてならない。市民が政治に参加するようになるのは明治維新から長い年月を経てからのように思う。だからというわけではないけど、どうも日本の政治は一部の人たちだけで行われているような気がしてならない。汚職が多いのは、社会の公僕という自覚がないからか、とても民主国家の政治家とは思えない。
今度の選挙でどこの政党が議席が増えようが減ろうが、そんなことより、市民(国民)の代表として市民(国民)のために粉骨砕身してくれるような人が当選してほしいと思う。

 話はがらっと変わりますが、昨日は休日当番医でした。6月下旬から7月上旬まではあまり感染症もなく落ちついた(暇な?)日々が続いていましたが、最近、少し、夏かぜが流行ってきたようです。
 
 夏かぜの定番といえば、手・足・口病、ヘルパンギーナ、プール熱(アデノウイルス感染症)などが多いのですが、今のところあまり見られません。これから増えてくると思いますが・・・。今よくみられるのは【のどが赤くて、熱が続く】夏かぜです。昨日もこの様なお子さんがたくさん受診されました。今日は少しよくなりましたか?。一見するとアデノウイルスかなと思いますが、そうではなさそうです。エンテロウイルスとかコクサッキーウイルスあたりでしょうか、あまり重症化することはないと思いますが、元気がない時は早めに再受診するようにね。

2007年7月8日(日)
食中毒

 梅雨とはいえ結構暑くなってきました。暑くなると心配になるのは食中毒。今のところ大きな発生はないようですね。盛岡市でも今から10年以上前になりますが、O−157の食中毒が多発して大変なことがありました。その時の教訓がいかされ、現在もあまり大きな食中毒は発生していません。食中毒は予防できますので、皆が気をつければ大きな事故にはなりません。

 家の近くに新しいスーパーが開店したので早速行ってきました。店内はとてもきれいで、生鮮食品もたくさんありました。自分は生鮮食品を買う時、どうしても奥の方にあったり、下の方にあるものを買ってしまうんですが、少しでも新しいものをと思って・・・。こういうのを「小市民」というんだそうです。マア、小市民でもいいです。少しでも鮮度の良いもの、長持ちするものがほしいですよね。

 食中毒は大体が鮮度の落ちた食品からの感染です。買い物に行く時は鮮度の良いものを選んでもその後の管理が悪くては、元も子もありません。食中毒 のファイルを作りましたのでご覧になって下さい。