診察室便り

 
2013年6月24日(月)
子宮頸がん予防ワクチン:「一時的に積極的な勧奨を差し控える」

 西日本の大雨もやっとおさまったようです。これで、少しは水不足も解消できたでしょうか?東日本は暑い毎日です。もう夏ですね。

 先日、テレビで、ブログ、ツイッターは【本音発見器】なんてことを言ってました。最近のマスコミ騒動を見ればわかるような気がします。書いてるうちに、ついつい本音がでるんでしょうね。自分もそうです。

 子宮頸がん予防ワクチンの接種後に体の痛みや歩行障害などの重い副反応が現れている問題で、厚生労働省は14日、「一時的に積極的な勧奨を差し控える」ことを決めました。

 副反応の頻度は少ないものの、原因不明の慢性的な痛みを訴える例が複数報告されていることを重視し、国民にリスクをわかりやすく説明する情報を整理するまでの暫定措置ということですが、これは、「定期接種は継続するが積極的には接種を勧めない」という矛盾した対応で、今後、医療現場での対応に混乱をもたらすことになりそうです。
 例によって、医療現場丸投げ対応には、閉口します。当院ではもう少し因果関係がハッキリするまで接種を見合わせたいと思っています。

 現在、子宮頸がん予防ワクチンは、製薬会社二社から発売されていますが、そのうち一社の副作用報告を見てみますと、1.224.260回接種中、医療機関が「ワクチンと関連あり」とした副反応報告数は122件(0.01%)、そのうち感覚障害、異常行動などの重篤例は8件(0.0007%)となっています。

 被害報告書によると、3回接種後200日以上経過して受診した例、3回接種後2か月後に自転車で転倒したことが下肢の痺れの原因と訴えた例、などもあるらしい。どうもワクチンとの因果関係がハッキリしないようにも思われますが、関連ありとされたようです。

 子宮頸がん予防ワクチンは、筋肉に注射(筋注)しますが、けっこう痛みはあります。神経質な人でしたら、確かに痛みで具合が悪くなるかもしれません。ただ、その痛みがいつまでも続くようなことはないと思っていました。

 当院では、一人だけ接種翌日に足(?)が痛くなったというお子さんがいました。その時のお母さんからの電話です。 母:「昨日、ワクチン接種した娘が足が痛いと言っております。」 私:「接種した部位は腕ですから関連はないと思いますが、診ないとわかりませんので受診して下さい。」 母:「足が痛いとは言ってましたが、今朝、歩いて学校へ行きました。」 私:「・・・?」 このケースは副反応報告していません。どこまでが副反応か、生理的反応なのか、厳密な線引きは難しいですね。

 「一時的に積極的な勧奨を差し控える」は、いつまで続くかわかりませんが、「国民にリスクをわかりやすく説明する情報を整理するまでの暫定措置」と公表している以上、「ワクチンと関連あり」とした副反応が見られた人達について、定期的観察を経て、ワクチンの安全性、危険性について判断が下されなければなりません。

 そのようなことをせずに、ほとぼりが冷めた頃、「ワクチンとの明らかな関連性がみいだせなかった」というようなコメントがでて、推奨されるようなことがあってはならないと思います。

2013年6月18日(火)
モンスタークレーマー現る! 「俺は刑務所に来たんじゃないぞ。」 だと?

 岩手県議会議員の小泉みつおくんは、県立中央病院で診察を受けた後、待合室で“241番の方”と、ご自分のお名前でなく、番号で呼ばれたことに立腹し、「ここは刑務所か!。名前で呼べよ。なんだ241番とは!」と受付嬢に食って掛かりました。

 さらに、会計の際、職員が「小泉さん。精算~会計の計算~が出来上がりました。どうぞお越しください!」と言ったのに対して、また、立腹し、「“お越しください?”こちらは15.000円以上の検査料を支払う、上得意のお客さんだぞ。そっち側から、“本日は有難うございました。”と、カウンターの外に出て、長椅子に座ってる患者の方に来るべきだろうが?。デパートでもどこでも、1万円以上のお買い物客に、“精算書を取りにこっちへ来い。”と顎でしゃくって呼び寄せますか?」と、ブログに書きました。

 その後、会計をすっぽかして帰ったものの、まだ腹の虫が収まらず、クレームの電話を事務長に入れたそうです。

 そして、極めつけは、「このブログをご覧の皆さん、私が間違っていますか。岩手県立中央病院の対応が間違っていると思いますか!」と、読者に問いかけました。

 あ~、信じられない。「そのとおりだ。みつおくんの言うとおりだ。」などと言う愚か者は一人もいるわけないだろう。クレーマーを通り越した【岩手の恥】以外の何物でもない。議員辞職しなさい。

 驚いたことに、みつおくんは次のようなブログも残している。

 2012年6月28日
 昨年の3.11、東日本の沿岸に大津波をもたらした未曽有の大震災は、私が目前に掴もうとしていた、県議の椅子をも簡単にさらって行き、残酷にも選挙は、“無期延期”となったのでありました。
 幸い、神のご加護と、支持者の過分にして身に余るご声援を頂いたおかげで、二戸選挙区でトップ当選を果たさせて貰い、県議会という住みかを得て、人生の息を吹き返しつつありました。

 これに対して、「大震災や大津波での2万人超の犠牲者より、自分の選挙や県議の椅子が大事なのか? 不謹慎ではないのか!」という声があがるなどして炎上が続き、アメーバブログランキングで1位になるほどの“人気”となったそうです。

 そして、今回、またこの体たらく、みつおくんの行いは、恫喝、威力業務妨害、無銭診療、などなどの犯罪行為にあたるのではないでしょうか?こういう性格破綻者をネットやブログの批判でしか戒めることが出来ないとは残念なことです。

 すぐに、病院が警察に通報して、しかるべき処置をとり、謝罪させるべきだったと思います。しかるに、なんと、みつおくんに対して、病院の事務長は謝罪の電話までしたというではないですか。本当にそうなら、病院の経営陣も恥を知るべきでしょう。

 私がこの事件を知ったのは6月11日朝に放送されたフジテレビの『とくダネ!』でした。コメンテーターがみつおくんにインタビューしようとすると、家の中から「お父さん電話」というお助けコールがあって、そのまま家にこもってしまいました。コメンテーターは数時間、屋外で待っていましたが、みつおくんは現れず、何もコメントはありませんでした。マスコミがあきらめて帰るまで、ジッと家の中に隠れていたんですね。しかし、こんな事が全国放送されるとは?『とくダネ!』も、よほど、ネタがなかったのでしょうね。

 17日、みつおくんは、岩手県庁で記者会見し、「公人としての立場を忘れ、著しく思慮に欠けた」と陳謝しました。ん?何か勘違いしていないか?

 みつおくんが侵したのは「公人としての立場を忘れ、著しく思慮に欠けた」行為ではなく、『自分が社会人としての常識と思慮を著しく欠いているにも関わらず、公人の立場を利用して我欲と自己顕示欲を満足させんと試みた』大変身勝手な暴挙ではないのかな?

 そもそも、この記者会見で謝罪したのは県立病院のルールを無視した事に対してのみであって、「自分こそが被害者である」という我が儘な自己主張が全く払拭されていない。つまり、本人には「降って湧いた災難の収拾」の意識しか無い。

 呆れた出来事でしたが、一つ、考えさせられることがありました。患者さんを呼ぶ時に、番号で呼ぶのは【個人情報保護】のためですね。ところで、番号で呼ばれると、みつおくんのように不快感を覚える人もいるかもしれません。自分の名前がありながら、番号で呼ばれてしまうのは、何となく、よそよそしく冷たく感じる。自分が患者の立場なら、フルネームで呼んでもらいたいと、思うのです・・・。

 しかし、名前を呼ばれることによって、自分がこの診療科を受診していることが多くの人にわかってしまいます。そして、その診療科から、ある程度病気も推測されます。人に知られたくない病気は、いくらでもあります。そう考えれば、番号で呼ばれた方が良いかもしれません。難しいですね。

 私のクリニックでは、全員お名前でお呼びしています。受診する患者さんの殆どは、お子さんや赤ちゃんです。それを「241番の赤ちゃん、どうぞ、診察室にお入り下さい。」では、変な感じがします。全く親しみを感じません。でも、番号を希望している人もいるかもしれませんね。う~ん。名前か番号か、どっちがいいんでしょう。みつおくんのお孫さんが受診したら、どっちでお呼びしましょうかね。

2013年6月9日(日)
とびひ、みずいぼで、プールは?

 先週から急に暑くなりました。いつの間にか、梅雨から夏になったような感じです。そろそろ、プール開きも始まりますね。

 毎年、この時期になると、「とびひやみずいぼで、プールに入られますか?」というご質問をうけます。特別な基準はないと思っていましたが、今年度は、日本臨床皮膚科医会と日本小児皮膚科学会が、『とびひやみずいぼなど、子どもが皮膚感染症に感染した場合の学校や幼稚園、保育園でのプール利用に関する見解』を、まとめて、公表しました。その一部をご紹介します。

1)伝染性膿痂疹(とびひ)
 かきむしったところの滲出液、水疱内容などで次々にうつります。プールの水ではうつりませんが、触れることで症状を悪化させたり、ほかの人にうつす恐れがありますので、プールや水泳は治るまで禁止して下さい。

2)伝染性軟属腫(みずいぼ)
 プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。

 とびひは、触れることで症状を悪化させたり、他の人にうつしたりしますから、「プールや水泳は治るまで禁止」。また、みずいぼは、プールの水を介して感染しないとしながらも、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがあると指摘。「これらを共用することをできるだけ避ける」としています。

 当たり前といえばその通りですが、とびひは、軽症から重症までかなり幅がありますので、現場での対応はけっこう難しいでしょうね。少なくとも滲出液(グチャグチャした液)や水疱(水ぶくれ)が見られないことでしょう。みずいぼは、浮輪、ビート板が接触しない部位の皮膚だったら少しくらいあっても問題なさそうですが、腋の下や、前胸部などのみずいぼは治療した方がよいでしょう。

 毎年、同じ事で悩んでいますが、今年は基準ができましたので、これを参考にご指導したいと思っています。

2013年6月2日(日)
「ケータイ母子手帳」 サービス終了?!

 この頃、暖かくなってきました。先週、先々週と土曜日は運動会が多かったようですが、天気が良くて良かったですね。

 ところで、今は、もう「日焼けは、百害あって一利なし」ということが明らかになってきました。これから夏にかけて紫外線の強い時期になります。長時間外出する時は日焼け止めを忘れないようにしましょう。

 いつも、紫外線の強い春に運動会を行うのはどうか?と思うのですが、春はクラス替えもあり、クラスの団結を高めるには、やはり、運動会が一番なのだそうです。何となく、納得しますが、キチンと、日焼け止めを塗って運動会をしましょう。

 赤ちゃんに、ワクチンの予定をお知らせするケータイ母子手帳が、2013年9月30日で、サービスを打ち切ることになりました(新規登録は、6月3日午前10時まで)。

 「ケータイ母子手帳」は、赤ちゃんが接種予定のワクチンの時期が近づくと自動的にメールで連絡してくれるという、大変優れものです。サービスを提供しているジャパンワクチン株式会社では、次のように述べております。

 ~「ケータイ母子手帳」のサービス提供を開始した2011年5月と比較して、予防接種を巡る環境は急激に進歩しております。
 また、スマートフォンもこの数年間で急速に普及しており、より多くの情報を見やすく、操作しやすい形で提供することが求められています。
 弊社では、「複雑なワクチン接種をより簡単に管理できるサービスの提供」を目指して、ワクチン接種管理サービスをスマートフォンアプリ「ラブベビ手帳」を開発いたしました。今後は、こちらのサービスにて、予防接種管理をサポートさせて頂きますので、ご利用頂けますと幸いです。
 なお、「ケータイ母子手帳」のサービス終了にあたりまして、皆さまのデータをダウンロードする機能を開発中です。本件に関しましては、別途ご連絡させて頂きますので、よろしくお願いいたします。~

 とても残念ですが、時代の流れでしょうね。新しい企画も用意されているようですので、期待しています。

2013年5月19日(日)
Loose Therapy から、Tight Control へ

 昨日の午後に、高田診療所に行ってきました。日曜日の出勤が多いのですが、今回は土曜日になりました。何回か行っているうちに同じ患者さんと会うこともあります。

 昨日は、以前に診たことのある患者さん3人と会いました。自分は覚えていなかったのですが、患者さんの方が覚えてくれていました。「その節は、どうも」なんて言われると恐縮します。大した事をしているわけではないですからね。

 ちょうど診療所に着くあたりに地震があったようです。震度5と言うことでしたが、車に乗っていると全く感じませんでした。ちょっと、ドキッとしました。相変わらず復興は進んでいないようですが、少しずつ整備されつつあるようです。早く、新しい街作りが始まってほしいです。

 先週の土、日は、横浜で開催された「第25回日本アレルギー学会春季臨床大会」に出席してきました。この学会は、内科、小児科、耳鼻科、眼科、皮膚科など、アレルギーに関連する多くの診療科が参加しますので、大変話題が多く、勉強になる学会です。とは言え、あまりに多くの演題があるため、全てを聴講することは不可能です。今回は、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーを重点的に勉強してきました。

 アトピー性皮膚炎は、以前ほど難治例が少なくなってきたものの、いつまでも治りにくく漫然と治療が続けられている例が目立ってきています。従来からアトピー性皮膚炎の治療目標は、「日常正確に支障のない状態」を目指しています。そのため、多少の湿疹、カユミは、あまり気にしなくてもよいような指導が行われています。確かにその通りですが、最近はこの傾向が少し良くない方向に進んでいるようです。

 「アトピーは治らない。しかし、命に関わるほどのものでもない。」というような感じで、治す事への努力が、医師、患者の双方に欠如してきているようです。
 厳しく言えば、現在のアトピー治療は、Loose Therapy(直訳すると、ゆるんだ治療)であって、もっと積極的に治療するTight Control(直訳すると、しっかりした管理)の必要性が強調されています。

 実際、ちょっと湿疹がよくなれば、そこで治療を止めてしまうケースはよくあります。医師側の問題の一つとして、経過観察が疎かになっている事が挙げられます。例えば、「よくなったらステロイドは止めましょう。」とか、「塗り薬がなくなったら受診して下さい。」とか、これでは、患者さんが次に何をしてよいのかわかりにくいのではないでしょうか?ホントによくなっているかどうかは、皮膚の状態を見なければわからないことです。医師自身が確かめないで患者さん任せでは、Loose Therapyになってしまいます。

 一方、患者さん側から見ると、初診時に次の受診は、1週間後と指示されるにもかかわらず、キチンと1週間後に受診する人はまず、半分です。また、塗り薬を1日2回塗るように指示されても、3日で止めたり、1日1回しか塗らなかったりとか・・・。これまたLoose Therapyです。

「よくなったらステロイドは止めましょう」ではなく、「よくなっらステロイドを止めましょう。だから、皮膚をみせに受診して下さい。」なのです。「塗り薬がなくなったら受診して下さい。」ではなく、「定期的に皮膚の状態を診たいので、塗り薬のなくなる前に受診して下さい。」なのです。
 また、「1日2回、1週間塗る。」と言われたら、医師の指示通りにキチンと使用して、次の受診日を守ることです。そうしないと次の治療に進みません。

 こういう当たり前のことがTight Controlにつながります。アトピーは治らないものと、思いこんでいませんか?そのためにLoose Therapyになってるようでしたら、今一度、アトピーと向かい合って、治すことを考えてみましょう。

2013年5月10日(金)
女性手帳

 今年もこどもの日に、小児人口減少のニュースが載っていました。平成25年4月1日現在におけるこどもの数(15才未満人口。以下同じ。)は、前年に比べ15万人少ない1649万人で、昭和57年から32年連続の減少となり、過去最低となりました。
 男女別では、男子が844万人、女子が804万人となっており、男子が女子より40万人多く、女子100人に対する男子の数(人口性比)は105.0となっています。

 こどもの割合は、昭和25年には総人口の3分の1を超えていましたが、第1次ベビーブーム期(22年~24年)の後、出生児数の減少を反映して低下を続け、40年には総人口の約4分の1となりました。

 その後、昭和40年代後半には第2次ベビーブーム期(46年~49年)の出生児数の増加によって僅かに上昇したものの、50年から再び低下を続け、平成9年には65才以上人口の割合(15.7%)を下回って15.3%となり、25年は12.9%(前年比0.1ポイント低下)で過去最低となりました。

 現在の出生率が続けば、西暦3000年には純粋な日本人は一人もいなくなるそうです。ホントかね?

 政府は、少子化対策として産休や育休を取りやすくする制度改正、子育て世帯中心の施策を優先してきましたが、晩婚・晩産化対策も必須と判断して、女性を対象に10代から身体のメカニズムや将来設計について啓発する「女性手帳」(仮称)の導入を検討しています。

 手帳の内容は、医学的に30代前半までの妊娠・出産が望ましいことなどを周知し「晩婚・晩産」に歯止めをかける狙いで、6月に発表する予定だそうです。

 女性手帳では、30才半ばまでの妊娠・出産を推奨し、結婚や出産を人生設計の中に組み込む重要性を指摘しています。ただ、個人の選択もあるため、啓発レベルにとどめるとしています。
 
 内閣府はまた、経済事情などを理由に結婚に踏み切れない状況の改善にも取り組む方針で、新婚夫婦への大胆な財政支援に乗り出すと言ってます。

 しかし、この「女性手帳」なるものは、以前、某大臣が失言した「子を産む機械」を連想させます。なぜ、女性にばかり負担を押し付ける言い方をするのでしょうね?そもそも問題なのは少子化ではなくて、高齢化の方だと思います。しかるに、社会全体という大義名分のために個人の自由を犠牲にするのはいかなるものでしょうか?

 晩婚や少子化が問題になってしまったのには、政府の経済政策の失敗も原因の一つでしょう。正規社員になれないと収入は不安定なままです。そういう状況でそう簡単に結婚出来るものではないです。大学を卒業しても就職すらできない。それなのに人口を増やしてどうするのだろう。年金基金を確保するためだけか?

 ところで、著名人が40~50代で出産するニュースが取り上げられる事があります。普通の人達は、これは、「医学の進歩によって、高齢でも安心して出産が出来るもの」と思ってしまうのではないでしょうか。

 いかに医学が進歩しようとも、人間の体がそれに合うように進歩しているわけではありません。30代前半までの出産が好ましいという現実は、昔とちっとも変わっていません。この事はしっかりと認識しておいたほうがいいと思います。そういう意味では、「女性手帳」も使い道があるかもしれません。

 でも、どうせなら、「女性手帳」じゃなくて、「健康手帳」を作ってみてはいかがでしょうか。生殖の問題だけではなく、子どもの病気、将来の生活習慣病の予防、心のケア、などなど、取り上げたらきりがないかもしれませんね。

 いっそのこと、世の中の常識を教えてあげる「常識手帳」があっても良いかもしれないですね。世の中には非常識な人がたくさんいますからね。

2013年5月2日(木)
寿司屋の寿司と、回転寿司の寿司

 今年のゴールデンウイークは、2(3)連休と4連休にわかれましたね。真ん中も続けて休むと、なんと10連休になります。実際、あるようですね。でも、あまり長く休むと仕事に復帰するのがおっくうになりそうです。ホドホドがよいですね。

 できれば後半4連休はゆっくりしたかったのですが、3日は休日当番医、4日は夜間急患診療所です。昨年も5月5日が休日当番医でした。別に希望したわけではありませんが、よく当たりますね。

 先日、「キュウリ、スイカ、メロンを食べると痒みを生じる。」という大人の方が受診されました。これだけなら、そう珍しいことではないのですが、この方は、「寿司屋の寿司を食べると腹痛(納豆巻きでも)がする。しかし、回転寿司では症状がない。」ということで、この原因も知りたいということでした。

 はて?「キュウリ、スイカ、メロン」なら、仮性アレルゲン・アレルギー誘発食品が原因と考えられます。仮性アレルゲン・アレルギー誘発食品とは、『食物の中に含まれたり、自然界に存在して、アレルギー症状によく似た症状を誘発する物質』のことを指します。
 例えば、ほうれん草やトマトにはヒスタミンが含まれています。また、バナナやパイナップルにはセロトニンが含まれています。このヒスタミンやセロトニンが仮性アレルゲンという物質です。キュウリ、スイカ、メロンに共通している仮性アレルゲンは、サリチル酸化合物でした。ということで、サリチル酸が原因だろうと思いましたが、どうも寿司の方がよくわからない。寿司ネタ、しょう油、わさび、などが原因でしょうか?魚のアレルギーも調べてみましたが、全て抗体は陰性でした。そこで、酢に着目してみました。

 酢の主成分は酸味のもとである酢酸やクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸などの有機酸です。
 ところで、有機酸の一種に、AHA(アルファヒドロキ酸)があります。これは、フルーツやサトウキビ、青葡萄、発酵乳などの自然物から抽出される有機酸の総称で、特にフルーツ類に多く含まれているため「フルーツ酸」ともよばれています。これに含まれている代表的な有機酸には、サリチル酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などがあります。

 サリチル酸化合物で症状が出る場合、同系統の有機酸であるクエン酸などでも症状が起こる可能性があります。「寿司を食べると腹痛」の原因として、酢に含まれているクエン酸、リンゴ酸、酒石酸などが原因かもしれません。

 しかし、この様に酢に原因があると考えた場合、「寿司屋の寿司を食べると腹痛(納豆巻きでも)。しかし、回転寿司では症状無し。」という事実の説明が困難です。

 もうだいぶ前になりますが、米アレルギーのお子さんがいました。米アレルギーはもち米の方がうるち米より、反応が強くでます。この子は軽症でしたので、うるち米でしたら食べられるようでした。ある日、「最近とても調子がよい。」と言ってきました。何があったのか聞いてみたら、コンビニの米だとほとんど症状が出ないということでした。となると、アレルギーの強さは、もち米>うるち米>コンビニ米・・・。

 と言うことは、もしかしたら、酢のアレルギーも、寿司屋の酢>回転寿司の酢・・・?いろいろ考えられますが、寿司屋の酢の方が回転寿司の酢よりも、含まれている有機酸の精度、純度が増し、反応が起きやすいのかもしれません。全く推測の域を出ませんので、はっきりとは申し上げられませんでしたが、若干酢の量を少なくして握ってもらえば寿司屋の寿司でも大丈夫ではないでしょうか?とお話しました。ご本人は、さっそくチャレンジしたいと仰っていました。しかし、どの様にして酢の量を少なくして握るかは不明です。

 日々の診療で患者さんから教えてもらことは多いですね。毎日が勉強です。

2013年4月20日(土)
H7N9型鳥インフルエンザ

 今年の花粉は多いと言われていましたが、今のところ例年並みですね。自分自身がスギ花粉症ですからよくわかります。経験的にあと2週間くらいでしょうね。

 中国で流行しているH7N9型鳥インフルエンザについて、毎日報道があります。発生から2ヶ月経過して、19日現在で、感染者88名、死者17名だそうです。

 国立感染症研究所は19日、「現時点でパンデミック(世界的大流行)を起こす可能性が否定できない」とする評価を発表しました。ウイルスが人の細胞にくっつきやすく、人ののどの温度に近い34度程度で増えるように変化していることから判断したそうです。

 タミフルやリレンザのような治療薬については、「早期治療で重症例を減らすことも期待できる」とも発表しています。

 また、中国の南方科技大学の賀建奎准教授は、H7N9型鳥インフルエンザについて「変異速度が極めて速いことが確認された」と発表しました。従来のインフルエンザウイルスの8倍の速度で遺伝子が変異しているのだそうです。これはインフルエンザにしては珍しいことで、変異のスピードが早いと、ワクチンの開発が困難になるとも言っています。

 中国当局の発表では詳細不明なことも多く、不安になります。亡くなった人の中には、1週間経過してから、やっと治療薬が使われたというケースもあるようです。
 今のところは中国国内だけの発生ですが、これから5月の連休を迎えるわが国では中国への旅行者も多いでしょう。こういう時に中国へ行く人の気が知れませんが、行く人はいるんでしょうね。
 連休明けに発熱してきた人には、「中国へ行かなかったですか?」と、質問することになりそうです。

 まだ、鳥-人感染の段階ですが、人-人感染が始まれば大変です。インフルエンザ(H1N1)2009の再来です。2009年にメキシコで発生したH1N1型インフルエンザについては、記憶の新しいところです。

 当時、最初から多くの混乱が見られました。成田空港での水際作戦(検疫の問題)、重症者専用病院の設定、意味不明のワクチン優先順位などなど・・・、未知の疾患に対し、注意深く、慎重に対処することは当然ですが、流行するに連れて、その全貌が見え始めてきます。その様な経過をたどりながら、それぞれの段階で、対策を修正していかなければなりません。残念ながら、H1N1型インフルエンザ流行時、現場ではそのようなことを実感していても、なかなか修正ができませんでした。

 特に、感染拡大期において、その発想の転換が遅かったように感じます。例えば、H1N1型を「重症」と思い続けている医療従事者は、患者を診なかったり、全部の患者の隔離を考えたりする一方、「軽症」しか診ていない医療従事者は、こんな軽い病気に対して果たして薬が必要だろうか?とか、1週間も学校を休む必要があるのだろうか?等と考えました。
 
 このように、状況の変化に対して司令塔になるべき人(機関)が不在であったため、全体の意思統一が取れないままに、流行期に突入していったという感じです。これを教訓として、今後流行するかもしれないH7N9型に対して、ハッキリと指示を出せる司令塔を備えなければなりません。そして、それはもう既に始まっていなければならないことです。
 
 政府は、新型インフルエンザ等対策特別措置法を発令しています。もう待ったなしの所まできているかもしれません。国内で発生しても、むやみにおびえることなく、冷静に行動しましょう。

2013年4月7日(日)
ブライダル記念 麻疹・風疹ワクチン接種

 今日のような天気ですと、花粉症も一休みなので助かります。例年、春は花粉症の心配だけでしたが、今年は、ちょっと、いつもの春とは違いますね。

 中国で発生した鳥インフルエンザ(H7N9)の人への感染が広がりそうな気配です。1997年に香港でH5N1が発生して以来、アジア各地で見られるようになったように、H7N9も広がるのでしょうか?なんとか早く終息してほしいものです。この件については、もう少し情報が集まったら、改めて話題にしたいと思います。

 最近、風疹ワクチンを接種される大人の方が増えています。それも女性だけでなく、ご主人とご一緒に接種にいらっしゃいます。
 すでにご存知の通り、昨年から風疹の流行が続いています。もっとも、日本中で流行しているわけではなく、流行地域は、首都圏、関西~東海、九州(鹿児島、大分、熊本)、四国(香川)が目立っています。
 岩手県では今年の発生は、今のところ1例だそうです。流行地域に行かなければ感染の可能性は低そうです。とは言え、風疹ワクチンを接種していない人は、いつでも感染する危険にさらされています。

 以前にもお話したように、1977年から1994年まで風疹の予防接種は中学校3年生の女子のみに行われていました。その結果、現在30~50才代の男性は風疹の免疫が低いため、感染者が急増しているようです。また、1995年以後は、1才の男女に定期接種されるようになりましたが、麻疹同様10年くらい経てば免疫が下がって感染する場合も見られるようになってきました。今のような麻疹・風疹ワクチンの2回接種が実施されたのは、2006年からです。

 ちなみに、平成23年度の感染症流行予測調査によると、30代から50代前半の男性の5人に1人は風疹の免疫を持っていませんでした。また、20代の男性は10人に1人は風疹の免疫を持っていませんでした。

 風疹に罹っても軽い発疹程度で終わればよいですが、妊婦さんが風疹にかかると「先天性風疹症候群」と言って、赤ちゃんに異常がみられることがあります。妊娠週数が早いほど、障害の率が高く、症状も重なります。

 白内障は妊娠の2ヶ月まで、心臓の異常は3ヶ月まで、難聴は5ヶ月までの感染でおこるとされています。これらの障害は、あらかじめ風疹ワクチンを接種していれば、防ぐことができますので、生まれてくる赤ちゃんのためにも風疹ワクチンは大切です。

 東京都世田谷区では、【ブライダル記念(麻疹)風疹ワクチン接種】として、接種費用の一部助成が行われています。以下にその内容を掲示します。

 大人の風しん予防接種費用の一部助成のお知らせ(世田谷区のHPより引用)

大人の風しん予防接種費用の一部を助成します(先天性風しん症候群予防対策)
 現在、都内および首都圏において、これまでにない規模で風しんが流行しています。
妊娠初期の妊婦さんが感染すると、難聴や心疾患、白内障、発達障害などの先天性風しん症候群の赤ちゃんが生まれてくる可能性があります。風しんの感染予防には予防接種が効果的ですが、妊娠中は予防接種が受けれらないため、妊娠を予定又は希望している女性や妊婦の同居家族(特にパートナー)が予防接種を受けることが重要です。

 このことから、妊婦の感染予防を一層強化し、先天性風しん症候群の発生を予防するため、世田谷区では予防接種の啓発に加え、緊急対策として「風しんの予防接種」費用の一部助成を実施します。

 う~ん、良いですね。全額助成ならもっと良いですね。実に画期的な政策です。費用の一部助成は、女性だけでなく、妊娠している女性の夫にも適応されています。うらやましいです。盛岡市にも見習ってほしいです。

2013年4月1日(月)
開院記念日

 春とは言え、まだ肌寒い日々です。関東以南では桜が満開ですが、北国はまだ蕾です。桜の季節とともに、スギの季節もやってきます。毎年スギ花粉症で悩まされますが、今年は例年よりもスギ花粉が多いと予測されています。今のところ自分自身も含めてあまり重症な人はいませんが、これからが要注意ですね。

 今日は開院記念日でした。早いもので、今年で開業17年になります。この間いろいろな出来事がありました。医療の変化も目まぐるしいものがあります。医療の進歩を一年単位で見るとあまり大きな変化はないように思いますが、ちょっと長いスタンスで見ると、ものすごく大きな変化を感じることがあります。

 「減感作療法」というアレルギー治療をご存知でしょうか?これは、アレルギーを起こす物質(抗原)を低濃度から少しずつ体内に与えて、体を慣らし、最終的にはアレルギーを起こしにくくする治療法です。昔から、気管支喘息や花粉症(アレルギー性鼻炎)で、行われています。しかし、HD(ハウスダスト)では、殆ど副作用もなく安全に出来ますが、花粉では副作用が強く出ることもあり、あまり普及していません。

 そういうわけで、これといった決め手となる治療法もないスギ花粉症でしたが、ここで注目を浴びるような治療法が出現しました。それが、「舌下(ぜっか)減感作療法」です。

 「舌下減感作療法」では、注射するのではなく、スギ花粉の抗原を含んだパンを、しばらく舌下に含むことによって免疫作用を高めるます。注射のような副作用を心配することもなく、また、通院することもなく、自宅でできる治療ですから、とても楽です。

 なぜ、舌下から抗原を投与するのかというと、スギ花粉の症状は目や鼻でおこります。ですから、そこに近い顎の下にあるリンパ節で免疫の増強が起きると、都合がよいわけです。

 治療効果は100%ではありませんが、約80%と高い有効率が報告されています。まだ、一般の医療現場には登場していませんが、ここ数年の間には実現しそうです。スギ花粉症で悩まされている人にとっては夢のような治療法です。認可されたらさっそく、自分も行ってみようと思っています。

2013年3月24日(日)
学校給食と食物アレルギー

 今日は当番日でした。だいぶ少なくなったインフルエンザでしたが、まだ、少し見られます。相変わらずお腹のカゼ(急性胃腸炎)もよく見ます。今日は二人点滴しました。季節の変わり目のためか、喘息発作の患者さん達もけっこう受診しましたね。どうも、ほとんどの人達が普段からの予防治療を受けていないようでした。「気管支喘息は、悪くなってから治療するのでなく、悪くならないように予防治療することが大切です。」と、いつも通りのお話しをしました。わかってくれたかな?

 今年の年度末は、「アレルギー除去食に関する診断書」や、「学校生活管理指導表(食物アレルギー)」という書類の記載を依頼されることが多いです。昨年、12月20日、『給食のお代わりで、ミルクアレルギーの子がチーズ入り料理を食べて亡くなった』という事故がありました。この一件が影響しているのでしょうね。大変痛ましい事故です。あらかじめ重症なアレルギーがあるとわかっていながら、防げなかったことがとても残念です。

 一般に食物アレルギーはその食品を食べなければ安全なわけですが、なんらかの間違いで食べてしまうことがあるんでしょう。
 軽症の食物アレルギーなら、学校の除去食でも対応できると思いますが、今回のような重症な食物アレルギーには対応できないかもしれませんね。
 重症な食物アレルギーの場合は、給食ではなく、弁当を持参すればいいという意見もありますし、一部では実施されているようです。

 もともと、学校給食は発展途上国の貧しい子どもたちの就学率を上げるために行われたことなのだそうです。戦後まもない頃の日本では、意味があったかもしれません。しかし、現在の日本では、あまりそのような意味はなくなってきたように思います。

 「食育」という言葉をご存知ですか?「食育」は、その名の通り、「食に関する教育」のことです。「食」に関する様々な経験を通じて健全な食生活を実践することができる人間を育てることです。つまり、食事内容、栄養バランスだけでなく、大勢の人達と一緒に食事しながら、食品の生成~調理過程をを通じて栄養学や伝統的な食文化についての総合的な教育を意味します。

 「食育」の観点からは学校給食は必要なことかもしれません。でも、それは必ずしもみんなが同じものを食べなくても出来ることのようにも思います。

 アレルギーの問題だけではなく 給食費未納問題も社会問題となっており、今後学校給食を続ける意味はあまりないのでは?とも思ってしまいます。

 とはいえ、毎日子どもの弁当を作るのもけっこう大変です。特に共稼ぎ家庭では無理ではないでしょうか?

 今回の事故は、重症なアレルギーがあることがわかっていながら、そして、それを避ける指示がありながら、起きてしまいました。「食育」は、給食でも、持参した弁当でもできます。重症なアレルギーの子は、給食の献立によっては弁当を持参するようにした方が良いと思います。今一度、アレルゲンを避ける指示を確認することが大切です。

2013年3月18日(月)
新人医師

 今日の昼休みにWBC準決勝:日本-プエルトリコ戦を観ました。ちょうど日本が1点を取ってワンアウト一、二塁、バッターは4番阿部慎之助。最高の見せ場でしたが、なんと、ここで、一塁走者の内川が二塁へ向かって、スタート。ダブルスチールか!と思ったら、二塁走者の井端は三塁をうかがうも走らず、二塁に帰塁してしまった。驚いた内川は急ブレーキを掛けたが、間に合わず一~二塁間に挟まれ、追ってきた捕手にタッチアウトにされた。ア~、なんという事だ~。これで終わってしまいましたね。

 三連覇の夢は崩れましたが、連覇なんていうものはいつかは途絶えるもの。また頑張ればいいでしょう。選手達はみんな健闘したと思います。特に内川と井端は真剣そのものだった。日本での戦いぶりをみても、この二人がいなかったら、アメリカに来られなかったに違いない。今日はちょっと残念でしたが、大きな拍手を送りましょう。

 この場面、「ダブルスチールを行ってもいいというサイン」だったそうです。ちょっと曖昧ですね。選手が迷ってしまいます。大体にして「ワンアウト一、二塁、バッターは4番」で、ダブルスチールするかな?

 かつて(40代以上の人しかわからないと思いますが)巨人の全盛期の3番王、4番長嶋:ご存知ON砲が打席に入った時、川上監督はサインを出したことがなかったように思う。(少しはあったかもしれないです・・・。)それだけ主砲に信頼を寄せていたんでしょう。と思うにつけても悔いの残るプレーでした。

 今日、久しぶりに懐かしい顔を見ました。明日から医師になる青年です。小さい頃当院を受診していました。いろいろアレルギーもあったので、けっこう大きくなるまで診ていましたね。

 小さい頃から心の優しいお子さんでした。将来は、医師か獣医になりたいという希望を持っていました。ただ、アレルギーがあるので、薬品や動物の毛に触れた場合を心配していました。そこで、できるだけ正確にアレルギーを調べてみましたが、心配するようなことはありませんでした。「医師でも獣医でも、どっちでも大丈夫だよ。」と言ったように覚えています。彼は医師の道を選びました。高校や大学に合格した時も挨拶にきてくれました。

 今日は健康診断書の記入のためにわざわざ当院に足を運んでくれました。明日、国家試験の発表だそうです。間違いなく合格でしょう。私たちの時代は、3月に国家試験、発表は5月中旬(私の誕生日でした)。それと比べると、今はもう4月から医師として働くわけですから、忙しいですね。一生懸命頑張って、みんなに慕われる医師になって下さい。

2013年3月11日(月)
あの日から2年

 東日本大震災から、今日で丸2年になります。もう2年なのか、まだ2年なのか、感じ方は人それぞれですが、私には、ものすごく早く感じられます。時間だけが過ぎても、いっこうに進まない復興と賠償・・・。未だに多くの人達が仮設住宅で過ごし、街の形もみえません。19兆円から25兆円に拡充された復興予算はどのように使われるのでしょうか?ドンドン現場へ投資してほしいものです。

 3月11日をどのように迎えたらよいのか?今日はあちこちで追悼式やイベントが行われたようです。被災地へ出向いて支援しようとする人達は地元の人達の気持ちを配慮しながらボランティア活動に関わらなければいけないと思います。

 被災地の人も支援する人も様々な想いで3月11日を迎えたと思います。今日は、被災地の人達がこれからも安心して暮らせるようにみんなが考える日です。2時46分には黙祷しました。この時間に受診されていた患者さん達にも一緒に黙祷していただきました。ありがとうございます。

 最近、「絆」という言葉があまり聞かれなくなったように思います。瓦礫を受け入れてくれない自治体もあります。また自治体が引き受けても、そこの住民が瓦礫を引き受けることに対して猛烈な抗議をしているようなこともあります。「絆」って何だろうな?とも考えさせられます。みんな支援したいという気持ちは持っているはずですが、何でも出来ることばかりではないですね。ささやかでも自分の出来る支援をしたいという気持ちが大切なんだと思います。

 私も何か特別なことが出来るわけではないですが、陸前高田の仮設診療所には2ヶ月に1回くらい診療応援に行っています。このくらいのことしかできませんが、要請がある限り続けていきたいと思います。

2013年2月24日(日)
マイコプラズマ肺炎の新しい検査法(LAMP法)

 この頃とても寒いですね。普通は2月下旬ともなれば、三寒四温の時期ですが、どうも今シーズンは冬将軍の滞在が長そうです。今日の新聞には“今世紀最強クラスの寒波”と載っていました。

 最近少し下火になってきたマイコプラズマ肺炎ですが、時々患者さんいらっしゃいますね。年長児、学童が多いです。ところで、マイコの診断は、難しいですよね。

 ~しつこい咳と頑固な発熱のわりには、聴診器では正常な呼吸音~と言うのがマイコの特徴ですが、正確に診断するには、採血しないとわかりません。それも厳密には2回採血が必要です。どうしても採血となると、小さいお子さんにはやりにくいです。

 そのマイコの診断に、今度新しい検査法が行われるようになりました。と言っても、すでに平成23年10月には保険適応になった検査です。でもなかなか普及しませんでした。理由は検査設備費がかなりかかるので、検査専門の大きな会社でもなかなか導入できなかったようです。

 この新しい検査法はLAMP法と言います。今までの検査が血液中の抗体(免疫)を調べるのに対して、このLAMP法はマイコプラズマに特徴的なDNAを直接検出する高感度の遺伝子検査です。検査法も採血ではなく、咽頭スワブ(ぬぐい液)を検出しますので、ア~ンと大きく口を開けるだけで済みます。ずいぶん便利になったモンです。

 先週さっそく、マイコ疑いのお子さんを検査しました。結果は二日後に判明しましたが、陰性でマイコではありませんでした。従来の抗体を調べる検査では発症からある程度時間が経たないと検査してもわかりませんでしたが、LAMP法では発症後2日くらいで結果がわかるようです。これも医学の進歩ですね。

 とても便利になったマイコの検査ですが、今度は乱用されることが心配です。2~3日発熱や咳そうが続くと、もうマイコが心配という方もおります。何でもかんでも検査すればいいと言うわけでもないですから、やはり、症状や周囲の流行状況を考慮しながら検査しないといけません。特に、2才以下の乳児は、あまりマイコに罹りません。年令による検査の適応も大事です。

 今シーズンのA型インフルエンザはそろそろ終息しそうです。代わって、B型インフルエンザがチラホラ出てきました。一方、これだけ寒くても、スギ花粉症の症状が現れてきた方もおります。少しずつ春の気配を感じるようになってきましたね。

2013年2月11日(月)
やはり、流行りそうなインフルエンザ?

 昨日は、朝8時30分に陸前高田へ診療応援に出かけ、夜6時帰宅。サッサッと夕食を済ませて、7時から11時まで夜間急患診療所で診療してきました。やはり、疲れました。

 今まで、高田仮設診療所はあまり混み合いませんでしたが、昨日は、インフルエンザ、溶連菌感染症、気管支喘息発作、じんま疹と、少し忙しかったですね。インフルエンザはあまり流行っていないように思ってましたが、一昨日の土曜日は、当院にもけっこうインフルエンザのお子さん達みえました。もしかしたら、高田もインフルエンザいるかな?と思っていたところ、そうでした。

 もっと驚いたのは、夜間急患診療所が久々に混み合ったことです。7時から9時までは殆ど休む間もなく患者さん来ましたね。みんな、熱、熱、熱、・・・でした。インフルエンザが心配で受診しているのでしょう。大体20人くらいにインフルエンザの検査をしました。
 
 そのうち5人はどうみてもインフルエンザにはみえませんでしたが、保護者の強い(?)希望がありましたので検査しました。案の定5人全員(-)でした。残り15人中12人がインフルエンザ(+)でした。問題は(-)にでた3人でしたが、発熱から時間が経過してないとはいえ、周囲にもインフルエンザの人がいるようでしたので、インフルエンザを疑いました。さて、薬を処方しようかどうか、少し悩みましたが、保護者とも相談した上で、二人にはインフルエンザの薬を処方し、もう一人は経過観察としました。

 それにしても、ここ2~3日でアッというまにインフルエンザが流行ってきた感じです。今週~来週はいつもの年のように子どものインフルエンザが増えそうです。

 11時になろうという頃、喘息発作を起こしたお子さんが一人受診しました。普段からしっかり予防治療をしていたそうですが、ちょうど連休前に薬がなくなってしまったそうです。とは言え、日頃予防治療をしているせいか、あまり呼吸困難症状はみられず、吸入したら少し良くなって帰りました。

 高田でも喘息発作のお子さんを診ましたが、このお子さんは普段は特に予防治療をせず、発作時のみの治療をしているようでした。予防治療の必要性をお話したところ、良くご理解されたようで、さっそくかかりつけの先生と相談してみるとのことでした。

 みんな、早く良くなればいいですね。明日の外来はインフルエンザで混みそうです。今晩は早めに休んで明日に備えます。ん?前にも同じようなこと言ったような・・・。

2013年2月9日(土)
いつもと違う? 今年のインフルエンザ

 この頃、また寒くなりましたね。先週末は暖かかったので春は近いと思いましたが、冬に逆戻りしました

 今シーズンのインフルエンザは、ちょっといつもの年と違いますね。巷では、“インフルエンザ大流行”ということになっていますが、どうも、それは内科の話のようで、小児科ではインフルエンザの患者さんは決して多くなく、例年よりかなり少ないです。なぜでしょうね?

 昨日、盛岡市内のホテルでインフルエンザの講演会がありました。その内容の一部をご紹介します。演者は札幌からいらした「とこはる東栄病院副院長:菊田英明先生」という方です。

 今シーズンの札幌も盛岡同様、子どものインフルエンザは少なく、そろそろ終息しそうだということでした。例年ですと、全インフルエンザ患者数の約50%は小学生ですが、今年の札幌や盛岡では約25%に過ぎません。現在流行しているインフルエンザはA香港型ですが、どうも、これに対する免疫が小学生の方が青年~成人よりも高いようです。

 つまり、小学生の方がある程度免疫を持っているので、大人よりも罹りにくいらしいという事です。今までこんな事はなかったと思いますが、いやはや、インフルエンザは複雑ですね。

 また、全国的に見ると、もう既にB型インフルエンザも流行し始めているようですので、もしかしたら、小学生もA香港型以上にB型に罹るかもしれません。やはり、注意は必要です。

 B型インフルエンザにはタミフルが効きにくいといわれます。インフルエンザウイルスは、人の体内で増殖する時にノイラミニダーゼという酵素が働きます。この働きを抑えてインフルエンザが増殖しないようにする薬がタミフルですが、A型とB型とでは、このノイラミニダーゼの構造が大きく異なっているためにB型には効きにくいということでした。
 
 タミフルが登場する前は、「A型は重症、B型は軽症」といわれていましたが。今や、「薬の効くA型は軽症、効かないB型は重症」になってしまったとお話しされていました。

 また、あまりに早い学級閉鎖によって流行の拡大は抑えることができるが、流行の期間は逆に長くなってしまう。学業や家庭に与える影響を考えると、学級閉鎖の基準については再考を要するともお話しされていました。

 今年のインフルエンザによる出席停止期間の基準についても言及され、学校保健安全法規則第一九条では、『インフルエンザによる学校の出席停止期間は発症した後5日間を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで』となっていますが、実際には医師によって1週間休むように言ったり、3日間休めばいいと言ったりして、統一されていないようです。菊田先生は、この基準についても今シーズンが終わったら見直す必要があるだろうとお話しされています。

 インフルエンザは毎年新しい話題が出てきます。理論上135種類のA型インフルエンザが存在すると言われていましたが、今や、その数は170種類まで増えてきました。薬があるからと言って油断してはいけません。手洗い、うがい、ワクチンなどでしっかり予防しましょう。 

 明日は、また陸前高田に診療応援に行って来ます。インフルエンザは流行っているでしょうか。帰った後はそのまま夜間急患診療所です。今晩は早めに休んで明日に備えます。

2013年1月29日(火)
タミフル予防投与?

 インフルエンザの患者さんが、さらに増えているようですね。国立感染症研究所によると、1/14~1/20日に全国の定点医療機関を受診した患者数は1施設当たり22.58人で、前週の12.07人の2倍近くに増えたとのことです。この値を基に推計すると全国の受診者数は約140万人で、今シーズン初めて100万人を超えたことになります。

 患者数を年令別に見ると、5~9才が14.3%で最も多く、続いて30才代が13.6%、0~4才、10~14才、20才代、40才代が各11.4%等となっています。

 小児科を受診する患者さんは、主に14才以下ですが、こちらも前週の27.5%から37.1%に増加しており、小児にも感染が広がってきました。

 流行の主流は、A香港型で、全国的な流行が始まった昨年12月中旬以降に検出されたインフルエンザウイルスのうち、90%以上を占めています。

 ところで、この頃、「子どもがインフルエンザに罹った。兄弟姉妹に罹らないようにタミフルを予防で出してほしい。」という患者さんが時々いらっしゃいます。しかし、原則として、タミフルの予防投与は認められていません。
 
 予防投与が認められるのは、「インフルエンザに罹ると症状が重症化する可能性が高い」と判断される場合だけです。また、予防投与は保険給付されず全額自己負担となります。

 どうも、この「インフルエンザに罹ると症状が重症化する可能性が高い」という一文が厄介ですね。何を持って重症化する可能性があるかどうか判断するのは、けっこう難しいです。

 大体、誰でも重症になる可能性はあるわけだから、どこかでインフルエンザが発生したら、周囲の人はみんな予防投与する事になってしまいます。で、どうなるかというと、飲んでる間は罹らないけれど、飲み終わった途端に罹るというようなことがおきそうです。で、今度は罹ったからまた飲む。周囲の人達もまた、予防投与を続ける・・・。となると、インフルエンザが流行している間、ズ~と予防投与をすることになります。これっておかしくない?

 こんな使い方をしてしまうと、あっと言う間に、薬の効かないインフルエンザウイルス(耐性ウイルス)だらけになってしまうでしょう。本当に大変なことになってしまいます。

 発売当初、インフルエンザの薬は、予防投与に限らず、「インフルエンザに罹ると症状が重症化する可能性が高い」場合に処方されるということでした。つまり、健康な人の場合は、薬は不要でした。それがいつの間にか、“インフルエンザに罹った=インフルエンザの薬”になってしまいました。

 インフルエンザに罹った人が、みんな薬が必要なわけではありません。また、安易な予防投与は、薬の効かないインフルエンザ(耐性ウイルス)を作ってしまいます。10年ちょっと前までは検査もできず、薬もなかったインフルエンザが、今や、検査も治療もいつでもどこでもできるようになりました。タミフル、リレンザが発売された時には、【インフルエンザ治療の革命】とまでいわれました。あまりに便利になったため、その恩恵を忘れてしまったように思います。今一度、薬の必要性を見直して大事に使っていきたいものです。

 私が思う「インフルエンザに罹ると症状が重症化する可能性が高い」場合は、『本人も主治医も重症疾患と自覚しており、定期的に受診しているにも関わらず、生命の危険がある疾患』を持っている場合と、もう一つ、『人類が未経験の高病原性新型インフルエンザ』が出現した時です。この時のためにも、薬の不用意な使い方は避けるべきです。

2013年1月18日(金)
夜間急患診療所

 毎日寒いですね。そろそろ大寒ですから、寒くて当たり前でしょうね。正月明けからボチボチ、インフルエンザも流行始めてきました。岩手県は大流行?というような報道もありますが、県内の地域によってはそういうところもあるようです。当院周辺はまだ流行になっていません。

 今シーズンのインフルエンザウイルスは、AH3亜型(A香港型)が主流のようです。昨シーズンと比べると、大人の方が子どもよりも多くみられているようです。例年ですと大人の患者さんは20~30%ですが、今シーズンは50%を越えています。今週から来週にかけて学校も新学期が始まりますので、来週からは学童のインフルエンザも増えてきそうです。

 昨晩は、夜間急患診療所の勤務でした。最後に受診した患者さんは、夕方保育園にお子さんを迎えに行ったとき、保育園の職員から、「(お子さんが)夕方から発熱しましたが、発熱したばかりでは、病院に行ってもインフルエンザの検査をしてくれません。夜の病院を受診して検査してもらうようにして下さい。」と、言われたそうです。そして、実際受診したわけです。ウ~ン?これで良いのかな?いろいろ考えさせられますね。

 インフルエンザが心配という事はよくわかりますが、必ずしも、急な発熱=インフルエンザ というわけでもないですよ。

 でも、「突然の発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛・全身の倦怠感などが現われたら、すぐに医療機関を受診しましょう。」とか、「特に高齢者や乳幼児の重症化に注意すべきです。」とか、よく耳にするフレーズです。となると、誰でも早く診断してもらって、治療してほしいと思いますよね。

 ところで、検査キットは確かに有用ですが、インフルエンザに罹れば全ての人が検査(+)になるわけでもありません。感染して時間があまり経過していない場合だけでなく、いくら時間が経っても、何回検査しても、検査(-)の人もいます。

 しかし、いくら検査(-)でも、明らかに重症であり、周囲に大勢インフルエンザがいるような場合は、検査結果にかかわらずインフルエンザと診断します。当然薬も処方します。

 検査キットは有効な手段ですが、それが全てではなく、最終的にインフルエンザかどうか診断するのは医師です。昨晩、『夜の病院』を受診するように勧めた保育園の職員さんは検査が全てと思っているのでしょうか。医師の診断技術が全く評価されていないことを残念に思います。

 学校、保育園、幼稚園から「インフルエンザの検査を受けてきて下さい。」と言われて受診する患者さんは沢山います。検査するとか、しないとかは、まず、患者さんを診察してから、考えることです。検査のために受診するのではありませんよね。診察を受けるための受診ですよね。ですから、学校、保育園、幼稚園の職員の方は、インフルエンザを疑った場合には、保護者に対して、「インフルエンザかもしれないので診察を受けてきて下さい。」と、お話しすべきです。

 「(お子さんが)夕方から発熱しましたが、発熱したばかりでは、インフルエンザかどうかわからない場合が多いです。一般状態が良ければ、一晩様子を見て、明日病院を受診して下さい。もし、今晩具合が悪くなるようだったら、夜間急患診療所を受診して下さい。検査が必要かどうかはお医者さんの判断でお願いします。」と、このくらいのアドバイスをしてほしいですね。

2013年1月6日(日)
「希望の灯り」と「奇跡の一本松」の子どもたち

 今日は、陸前高田市の仮設診療所に行ってまいりました。盛岡は雪でカチンカチンですが、高田は全く雪はありませんでした。よく晴れていましたが風は冷たく、やはり、冬です。

 今日の患者さんは、発熱で受診したお子さんが多かったですね。でも、インフルエンザは一人もいませんでした。「咽頭痛を訴えて喉が赤い」と、溶連菌感染症を疑いますが、今日は、溶連菌の検査を6人に実施したところ全員陽性でした。高田では溶連菌が流行っているようです。中には先月も溶連菌になったというお子さんもいました。溶連菌は繰り返すことも多いです。特に扁桃腺の大きな場合は要注意です。

 今日は、冬場の交通事情を考慮して、早めに出かけましたが、道路はすいていましたし天気も良かったので、余裕を持って到着できました。

 診察開始まで少し時間がありましたので、箱根山の展望台に行って来ました。展望台からは広田湾が一望できます。ここから見渡すことができる土地が全て津波にのみこまれたのだそうです。思わず絶句してしまいました。でも、沖には養殖いかだもみられ、少しずつではありますが、復興の兆しも見えているようです。

 展望台までの途中、「希望の灯り」を見ることができました。「希望の灯り」は、阪神淡路大震災で被災した方々を励まそうと、全国47都道府県から種火が集められ2000年1月17日、神戸市の東遊園地に「1.17希望の灯り」として点灯され、いまも灯り続けているものです。

 ここから分灯されて、2011年12月10日に陸前高田市「3.11希望の灯り」が誕生しました。点灯した方は、「この明かりには、試練をくぐり抜けてきた神戸市民の皆様の気持ちがこもっている。私たちは負けない。必ず、美しい陸前高田に戻していく」と、決意を述べられたそうです。

 もう一つ、「奇跡の一本松」の子どもたち(?)に会うことができました。「奇跡の一本松」は、もう見られませんが、その一本松は子孫を残してくれました。震災後かろうじて残された松ほっくりから25個の種子を取り出して、茨城県つくば市にある住友林業筑波研究所で育てた結果、写真のように苗は順調に育ってきました。「街の復興も5年、10年かかることだと思いますので、この木も5年、10年後に、街が復興する時に大きくなって間に合ってくれればなというふうに思っています。」と住友林業筑波研究所の方はお話しされています。

 今日は思いがけず、貴重な見聞をしてきました。街の瓦礫もだいぶ片づき、あちこちに盛り土も見られるようになってきました。まだまだ、10年はかかると思いますが、少しでも早い復興が訪れるよう祈ってきました。


箱根山展望台から望む広田湾
希望の灯り
奇跡の一本松の子どもたち

2013年1月1日(火)
あけまして おめでとうございます

 あけましておめでとうございます。今日は天気が良いですね。さっそく、初詣に行って来ました。いつもは午後に行きますが、今日は早朝に行ってきました。早い時間だと人数もあまり多くなく、並ぶ時間も短くて済み、とても良かったです。

 今年は巳年ですね。巳には、いろいろな意味があるようですが、巳(み)を蛇(へび)としたのは、字を読めない人達にも十二支を浸透させるために、親しみのある蛇にしたということです。

 蛇は脱皮することから再生を象徴する意味があり、巳年は人生の転機となる年なのだそうです。前回の巳年には小泉内閣が誕生し、前々回の巳年には元号が昭和から平成へと移りました。

 東日本大震災から2度目の新年を迎えますが、遅々としていっこうに進まない被災地の復興にも、今年こそ、再生が見られるようになってほしいです。微力ながら今年も自分なりに再生に協力していくつもりです。さっそく、来週の日曜日(1月6日)陸前高田市に診療応援に行って来ます。