“インフルエンザ ワクチンお知らせ”

接種開始 :10月11日(火)~

一般診療の時間でも予防接種を受付けます。(ただし、ロタ、BCGは除きます。)
・予防接種だけの場合は
時間予約は不要です。
・診察と予防接種をいっしょに希望される場合は一般診療の時間に予約して下さい。

★ 予防接種の時間帯: (水)・(木)の 午後1時30分~3時までは、主に2才までの乳幼児を対象としています。
・2才以上の方は、一般診療の時間帯をご利用下さい。


              ★ 11月の土曜日(5日、12日、19日、26日)は、受付時間を早めます。

 ・8時30分~9時までは、主にインフルエンザワクチンの接種を優先します。
 ・9時からは、通常の診療となります。

ただし、診療内容、予防接種の種類などによっては、順番が前後する場合がありますので、予めご了承下さい。
 
インフルエンザワクチン問診票は前もってお渡しします。当日記入してお持ち下さい。 



・生後6ヶ月~小学生は2回接種、中学生以上は1回接種
・料金:4.980円
・自治体から補助金がでる補助金対象年令のお子さんは、「4.980円-補助金=個人負担金」になります。
・盛岡市では今年から小学校6年生まで補助金が出ます。

補助金対象年令 補助金 実施期間
盛岡市 生後6ヶ月~小学校6年生まで 1回につき1.000円
接種回数2回まで
h.28.10.20
~h.29.1.31
紫波町
矢巾町
生後6ヶ月~中学3年生まで 1回につき2.200円
2回目の補助は13才未満まで
h.28.10.20
~h.29.1.31
滝沢市 生後6ヶ月~小学校入学前まで 1回につき1.300円
接種回数2回まで
h.28.11.1
~h.29.1.31







“インフルエンザ ワクチン”受けましょう


 ☆ インフルエンザとは、

  インフルエンザは毎年冬に流行するカゼの親玉のようなものですが、欧米では普通のカゼと区別して、重症疾患として取り扱っています。ふつうのカゼと大きく違う点は、発熱、咳、倦怠感などの症状が強く、治りにくいということです。<インフルエンザは、カゼではない>のです。

 特徴的な症状は突然の高熱ですが、あまり熱のでない時もあります。また、筋肉痛、関節痛などの症状が強く見られることもあります。

 インフルエンザの症状を一言で言えば、“今まで経験したことがないような、どうにもならない倦怠感”といえます。一度かかった人なら誰でもわかりますね。“周囲にインフルエンザの人がいて、突然高熱が出て、目が充血して、ぼーっとした表情”だと、インフルエンザかなと思います。

 この症状は数日から1週間くらい続きます。以前は(と言っても、もはや十数年以上前の話ですが・・・)、インフルエンザに効く薬がなかったので、毎日解熱剤を使ったり、点滴したりしてましたが、どんどん悪化して、入院することも珍しくありませんでした。何とか治っても、しばらく体調が戻らないため、2~3週間は仕事が手につかない方も多く見られました。とても重症な病気と思ってください。


 ☆ インフルエンザワクチンの有効性→重症化を防ぐ

 インフルエンザワクチンが働くしくみを簡単にご説明します。

①.インフルエンザウイルスは、毎年少しずつ構造が変化するため、それに合わせたワクチンが必要になります。前年に流行した株から、翌年に流行しそうな株を予測して作られるわけですが、いつもドンピシャリと一致するわけではありません。
 しかし、抗体には、よほどウイルスの株が違わないかぎり、似た形のウイルスとは反応し、その働きを中和するという能力がありますので、全くの新型でない限り、十分に効果が期待できます。 

②.インフルエンザウイルスは、まず最初に鼻の粘膜で増殖し、それから体内に入り込んで全身を駆けめぐり、時には肺炎、脳炎、心筋炎などの重篤な合併症を、引き起こします。これに対し、ワクチンは体内に抗体(IgG抗体)を作り、ウイルスが体内に入り込んでからの活動を抑制するように働いてくれます。

 ワクチンによってできる抗体は、血中に存在するIgG抗体です。粘膜で働く抗体は、IgA抗体といいますが、現行のワクチンでは、IgA抗体は殆ど作られません。そのため、ウイルスが鼻粘膜で増殖している時は(鼻水、咳、発熱など初期症状の頃)、ワクチンの効果が十分みられない事もあります。

 つまり、、ワクチンは、インフルエンザの感染を直接防ぐことはできないのです。→軽度のかぜ症状はやむを得ないと思って下さい。

 しかし、この増殖したウイルスが体内に入り込んできた時に、ワクチンによってすでに作られているIgG抗体が、ウイルスの活動を防いでくれるため、重篤な合併症を引き起こさないですむのです。ワクチンは、重症化を防いでくれると思って下さい。


 ☆ ワクチン接種のスケジュールは?

 ワクチン接種後、約2週間でインフルエンザに対する免疫ができます。この免疫は、5ヶ月間持続します。また、2回接種の場合、1回目と2回目の間隔は、2~4週間がもっとも効果的です。

 昨シーズンのインフルエンザは暖冬の影響もあってか、年明けの1月中旬から始まり2月にピークを迎えました。インフルエンザの流行時期は以前は昨シーズンのような1月中旬~2月中旬が多かったのですが、最近は10~11月に既に流行が始まることも珍しくなくなりました。昨シーズンはすでに9月からインフルエンザが発生し、年内の流行が危惧されましたが、結果は年明けの流行となりました。


 また、最近のインフルエンザの流行の特徴として、短期間に大流行することは殆どなくなりました。しかし、
長期間にわたり小流行がダラダラと続く傾向があります。インフルエンザの流行時期を予測するのは難しく、いつ、インフルエンザワクチンを接種したらよいか、迷われる方も多いと思います。

 インフルエンザワクチンを接種しても
効果が現れるまで、2週間はかかります。2回接種となると、さらに2週間後、つまり、今日ワクチンを接種しても、ワクチンの効果が見られるのは4週間先という事になります。11月中にもインフルエンザの流行が始まる年もありますし、受験生にとっては、3月の受験シーズンまでは油断できません。

 以上より、
ワクチン接種後4週間(2回接種の場合)で効果が現れる。免疫は5ヶ月間持続する。流行のピークは年明けが多い。年内の流行もありえる。4~5月のインフルエンザは少ない。などということから、10月中旬には接種開始した方が良いです。



 ☆ 今シーズンのインフルエンザワクチンの特徴

 昨シーズンから、ワクチンはA型2種類(香港型と新型)とB型2種類(山形系統とビクトリア系統の両方)が含まれて4価ワクチンとなりました。

 主に流行するB型インフルエンザは、「山形系統」と「ビクトリア系統」と呼ばれる2つのタイプです。この両方が同時に流行することは少なく、以前は一方だけをワクチンに組み入れていましたが、予想が外れると効果が見られませんでした。昨シーズンからは、この両方のB型が組み込まれますので、どちらのB型が流行しても効果を期待できます。


 ☆ 1才未満乳児のインフルエンザワクチン接種について

 インフルエンザワクチンは一般に生後6ヶ月から行うことができます。しかし、1才未満乳児(以下、乳児)では抗体の上昇が低く、十分な効果が見られていません。ワクチンによってできる免疫は、接種を繰り返すうちにできやすくなってきます。乳児の場合、初年度は効果が不十分であっても、毎年接種していけば、1~5才頃には少しずつ免疫が高まっていくことが期待できます。 

 幼児にとって、脅威となるのは1~5才頃によく見られる脳炎・脳症です。(乳児では、脳炎・脳症はあまり見られません。)インフルエンザ脳炎・脳症は、なぜか、日本を中心とした東南アジアに多くみられています。こうした事情から、本邦では、重症化を防ぐという観点で、乳児からワクチン接種が勧められています。

 保育園などで集団生活をしている乳児は、接種した方がよいと思います。保育園の保母さんたちも接種すべきです。もし、家庭内にいるなら、一番身近にいるお父さん、お母さんはワクチンを接種して下さい。お家での感染は殆どご両親からです。

 以上より、1才未満乳児のワクチン接種については

①.免疫のでき方が十分とは言えず、初年度はあまり効果が期待できないかもしれません。
②.しかし、毎年接種を続けていけば、次第に免疫はできやすくなると考えられ、1~5才頃になってから初めてワクチン接種するよりも、その年令での効果が期待できると思われます。(積立貯金のように考えればよいと思います。)
③.保育園などで集団生活をしている乳児は、一番感染の機会が多いので、接種した方がよいです。
④.乳児の周囲の人達(保育園の保母さん)や、同居する家族(お父さん、お母さん)が、接種することにより乳児への感染は、かなり防ぐことができます。

 予防接種をしないで、冬を迎えることは、丸腰でインフルエンザと闘うことになります。ワクチンは重症化を防いでくれます。積極的に接種しましょう。