どうしてアレルギーになるのでしょう。

 日本人の3人に1人が何らかのアレルギー疾患を持っているといわれています。近年、こどものアレルギー疾患も増加傾向にあります。

 アレルギー疾患が発症する基盤にあるものは親から遺伝されたアレルギー体質ですが、年単位で遺伝子が変化することは、とうてい考えられません。
 アレルギー疾患発症の基盤は遺伝子情報ですが、これに大きな影響を与えるのが環境因子です。

                                               


 私たちの周囲の環境は、衣・食・住をはじめとして、著しく変化しています。この環境因子の変化がアレルギー疾患急増の最大の原因と思います。それに伴い、こどものアレルギー疾患も多彩になってきました。以前は、重症な気管支喘息やアトピー性皮膚炎が多く見られましたが、最近は、軽症になってきました。また、アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法のように、根治治療の期待できる治療法も開発されてきました。一方、食物アレルギーのように、未だにはっきりした治療法が見つからないアレルギー疾患もあります。

 残念ながら、現代の医学では、アレルギー疾患を完治させる手段はありません。しかし、アレルギー疾患を上手にコントロールする手段はあります。多くのアレルギー疾患は長期にわたる治療が必要です。アレルギー疾患の本質をよく理解して、治療を継続することが大切です。


 
 ここに掲載した内容は、現時点での医学常識に基づき、一般の方々にわかりやすく、ご説明したものではありますが、全ての人に当てはまることばかりでもなく、また、今後、新しい学説が唱えられることもあり、将来的に絶対性のあるものではありません。
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