2月中旬からインフルエンザが猛威を振るっています。過去2シーズン、ほとんどインフルエンザは見られませんでした。そのせいか、多くの人がインフルエンザに対する免疫が低下して、感染しやすくなっています。
今年の特徴は、とにかく感染が速い。あっという間に周囲に感染が広がっています。例年ですと、インフルエンザの流行は3〜4週間で下火になりますが、現状を見ていると、もう少し続くような気がします。また、既に重症なお子さんもみられており、コロナ以上に注意が必要です。
一方、コロナは少なくなってきました。同じような複数のウイルスが人に感染するとき、椅子取りゲームのような現象が起きます。これは、一つの細胞に二つのウイルスが感染した場合、一方のウイルスが細胞に感染するのに必要なレセプター(接合部)を独占するため、他方のウイルスが感染できなくなるためと考えられており、「ウイルスの干渉(かんしょう interference)」と言います。
同じようなウイルスが全く同時に人に感染することは通常ありませんので、インフルエンザとコロナに同時感染することは少ないと思います。
今後、インフルエンザの流行がいつまで続くのか?その後に再びコロナが流行するのか?全く見当がつきません。引き続き日頃から感染予防することが大切です。
※ インフルエンザに関する情報はたくさんあります。ここでは、自分の経験をふまえ、現代の医療常識に基づいて、役に立つインフルエンザの知識を、「インフルエンザ特集」としてまとめてみました。ただ、内容によっては、医師間でも統一した見解がないものもあります。その場合、できるだけ主流な考え方に沿って記述したつもりですが、絶対的なものではありません。したがって本文の内容につきましては、ご自身の判断で、ご利用下さるようにお願いいたします。